一期一会、不運も幸運も突然に
「突然に来る」
これは家内が言ったこと。なぜか胸に滲みた。
ホラーじみてるかも知れませんが「ジェイソン」じゃありませんw
買い物に関してのことです。
拍手コメントいただきありがとうございました。
ディスカウントストアはそっけないですな。
慇懃なところがありません。デパートなら商品の不具合を色々と聞いてくれて謝罪もするでしょうけどw
それにしても返金って、処分品でも悪かったらしてもらえるのか、実はちょっと経験がない。
処分なのに、どうなのか。
最近は賞味期限切れのものを売ってる店もありますが、あれも中がおかしかったら返金してくれるのか、どうか。
自己責任だろうというアタシに対して家内はと言い張る。
「そんなことないよ!おかしかったら持ってくでしょ!」
・・・(汗)
アタシは「ナマものだから当たり外れもある」なんて考えてて、中が真っ黒のダイコンはとうとう返品しなかったw
魚だって、貝だって、悪い個体ってありますよ勘弁してくださいよお客さん、そんなことを言われそうで。
しかもその上にアタシの買うのは処分品なのです(汗)
「冗談じゃないわよ!悪くなってるの売りつけられたら返金でしょ!」
なかなかたくましい。
さて、家内の言ったことは良いモノは突然に来るものだという訓戒なのです。
なかなか幸運は予想はつかないものです。
日常の中に突然湧いてくる。
嬉しい出逢い、悲しい別れ、偶然も多いものです。
「こんなのなかなか手に入らないぜ。」なんて言って喜んで買うわけです。
でも突然なのです。
いきなり手に入る。そうするとこっちの準備はできてません。
冷凍庫が一杯だったりします。もう献立が決まってたりもする。
そういう経験もありますから臆してひとつしか買わなかったりします。なかなか踏ん切りがつきません。
用心深くなってしまう。
しかし別な店に移動してやっと気がつく。
ベンチに腰を下ろしてホットとひと息、考えて思い直す。
賞味期限もまだ先だったし、もうひとつぐらい買っておいても良かったのではないか、と。
ちょっとした後悔なのですが「後悔先に立たず」。
こちらのキャパシティいっぱいにいきなり来てしまったのです。どうしても戸惑ってしまう。
こういうフットワークはつくづく大事です。常々自戒していることです。
もはや古い話ですが、振り返れば「JCOM事件」なんてのもありましたw
フットワークは大事。
引き返して店に戻ることもあります。
戻ったらもう棚や青箱になかった、なんてこともよくある。
こういう時は暫くもらえなかったりするんだ、そんなジンクスがアタシにはあります。
だから尚更、見つけたと思ったら離さないべきなのですが(笑)
しかしこういうのは計画性もありません。成り行きまかせ、慌ててもいます。
帰ってみたら困ることだってある。
冷凍庫が予想外にパンパンだったり、すでに献立を決めてて自然解凍してたりする。
「バッティングした。」、ぶつかってしまったのです。
また再冷凍しようかどうしようか。それとも買ったヤツを冷凍するか。
せっかく買えたのにまだ新鮮なのを冷凍する? 古くなっちゃわない? それとも、そのまま冷凍すれば新鮮?
自然解凍して出してたのは再冷凍したらもっと劣化、古くなってしまうのでは?
理屈は色々、献立の立て直しです。
「ささげ豆」が棚に半額でありました。
半額用の「青箱」ではありません。普通の棚で貼られてた。
ああ、思い出しました。もう年末なのです。
年末となればいちいち青箱に半額品を集めたりはしてくれません。
そのまま値引きのシールを貼ることが多い。ああ気がつかなかった。いいぞw
「通常のささげ豆、値段はいくらだっけ?」
「うーん。なんか見当たらないよ。」
豆の棚が見当たりません。半額でない直接値段のハリハリ品なので通常価格を確認しないといけません。
やっと探し当てたらそこは通常の棚ではなかった。正月の用意にと特設コーナーに移動してたのです。豆なんて御節には必須です。
やっぱり世の中は年末、正月の準備をなさってる。
見ると半額以下でした。
「ささげ豆」というのは煮崩れしにくい豆で、赤飯に最適なものです。
ちょっとお高いけどw
「正月に赤飯」というのはウチもタマにやります。今年は黒い赤飯かw
「まだストア(在庫)にあったかもよ。」
「あってもお得だろ。」
「せっかくコレ買っても古くなっちゃうじゃん。」
「先入れ先出しにしたらいいだろ。」
「ええっ。先に使うの?」
「古くなりにくいものはそうするんだ、オイルとかな。」
「そしたら古いのはどんどん古くなるよ。」
「だから腐らないものでやる。在庫の基本だ。」
「ま、豆は風味が落ちるでしょ!www」
おそまつ
突然に備えよ
んー、なんかホラーな響きがありますな(笑)
予兆でもあればいいのですが大抵はそんなわけにはゆきません。
生きてるってのはそういうことなんだと思ったりする。
その上、待ち構えていると今度は来ない。いつまでも待ちぼうけです。
出逢いってそういうのかも知れません。
こういう運命の悪戯に歯向かおうとして、アタシはわざと気がつかないフリすることがあります。
いわば運命を騙すのです。
無意識に、気がつかないフリをしてみせて、ソロオり、と(笑)
そうして突然の出逢いに驚いたフリをしてサッと手に入れてしまう。手に入れる勇気も湧く。躊躇を抑えられます。
風が強い日、どっかから箱が飛んできて反射的に取っても、中に何が入ってるか分からないんじゃなかなか手は出せません。
中は蛇だったりして。 猫だったらいいなぁw 小包爆弾だったりしてw
反射的に反論してしまうのです。怯えや思慮が先に立つ。
「こないだ同じようなの買ったからなぁ」とか。
「いくらなんでもこれは定価でも高すぎだろ」とか。
買い物だけではありません。
生涯の趣味、最高の一冊、最良の友との出逢い、そんなのがあります。
その出逢いを自分のものにできるかどうかです。
かけがえのない友人。
愛だってある。まあ、アタシはまだ愛をよく知らないけどw
何でも出逢いがある。
それもたいてい突然やって来きます。心の用意をしておいてもカラダが動けないと逃してしまう。
アタマさえ機敏に働けばいい?
いや、考えてみると結局はカラダの反応次第なのだとアタシは思う。肉体が先。
クチよりもまず顔が動いたり身振りがある。
「クチより先に手が出るヤツ」、なんてホントですなw
振り返れば後悔だって山ほどあります。
あの時、あの日、あの瞬間。
振り返っておけば、声に出しておけば、笑ってやっておけば、キスしていれば、首を振っておけば・・・(略)
泣くこともある。酔い潰れてしまうこともある。
それとも、それもひとつの出逢い、「後悔との出逢い」なのか、どうか。
後悔を背負わされて生きるための。
後悔も突然に来る(泣)
なんか師走っぽい話。ちょっと湿っぽい。
若い頃、アタシはアメリカンなBarに入り浸ってたことがありました。
そこは大都会の片隅でひっそりと営業してた。ガイジン経営の店。
穴場的に人気のある店で、満員になったことはありませんでしたが、夕方五時ぐらいの開店から客は絶えることがなかった。
アタシは夕方のハッピーアワーから深夜まで、大いにビールを飲んだものです。
キッチンには中国人のようなコックがいて料理を切り盛りしてた。
ハンバーガーは大きくてアメリカン。どっさりとポテトフライが添えてあった。
マヨネーズはアメリカンマヨネーズ。
外資系の連中もよく来てた。
まさにアメリカのような店でした。
キッチンで料理ができるとコックが鐘を鳴らして合図したものです。
高らかに鳴るベルはNYSEのオープニングベルのようだった。
オバさんのウェイトレスが受け渡しの窓まで取りに行ったものです。
そこでの出逢いも突然だった。
アタシを交えた場面から結婚に至ったカップルもいた。アタシがお膳立てしたかのように二人はくっついた。
その後どうなったのか、二人は顔を見なくなった。
一期一会、何かしないといけない、アタシはいつも身構えた。
別れたり、愁嘆場を演じたり。
そうして後悔も反省もその店で洗い流しながら、アタシは人々と夜を過ごした。
色んな客が来た。
バイクで乗り付けてはビールばかり飲んで、明け方近くに帰った。
ある日、よく見掛ける常連が突然アタシを睨んできた。やはりバイクで来ている二人組だ。
「おい、さっきハゲっつったろう。」
何の絡みだw、まるでアメリカ南部だw
「そんなこと言ってねえよ。」
実際、一人はハゲてたがスキンヘッドを「ハゲ」って言うかねw
ヒゲと二人で仲が良い、どちらも単気筒のバイクで乗りつけて来ていた。
アタシは彼らとダーツをした。
ピンボールゲームでビールを賭けた。
酒を奢ったり奢られたり、店をハシゴしてもそのBarには必ず寄った。
アタシたちは意気投合し飽きることもなく話し込むこともあった。ウェイトレスのオバさんは呆れ夜が白みはじめる頃、アタシらに鍵を渡して帰っていった。
でも、アタシたちはいつもその場限り、お互いにフイと消えた。
連れてきた女を置いて二人が帰ってしまった夜、アタシはその女と夜を過ごしてしまった。
ホテルの金まで出してもらいアタシは夢中になった。
それはホンの一瞬、突然の出逢いだった。
ホンの魔がさしたというヤツだ。
ストッキングの手触りが気持ちよく、柔らかい太股の内側は湿っていた。
彼らとまた店で会った。
「俺は何も聞かされてねえぞ。」、ヒゲはアタシに唐突に言った。
謝罪などしてはいけないのだとアタシは理解した。あれは誰だったかと訝った。
ある時、突然に彼らは来なくなった。
二人ともピタリと店に来なくなった。
彼らを待ち構えていようとアタシは店に出かけていった。行かねばならない気がしたのだ。
まるで会う約束をしてるかのように。
ある日、久しぶりにハゲが店に来た。一緒に連れていたのは喪服姿の女だった。
黙ってビールをカウンターで飲んで帰ろうとする。挨拶もなかった。
ある晩の帰り、相棒のヒゲは首都高で壁になった。即死だったとか。
それがいつの夜だったのかアタシは聞く気にはなれなかった。
そうか。
それじゃあ、また。
アタシがそれから無事でいられたのも不思議なことだったように思う。
突然にアタシは不死身になったw
今はまた突然に肩が重くて、痛くてしょうがない。
また突然に来た。
人生ってヤツは御し難い。
まあ、色々あるわな。
おそまつ