神尾真由子の弾くパガニーニのカプリース…絶句…凄い!!
作曲者 : PAGANINI, Niccolo 1782-1840 伊
曲名  : 24の奇想曲 Op.1 (1805)
演奏者 : 神尾真由子(vn)
CD番号 : SONY BMG/BVCC-40001

この曲が好きで、色々と聞いてきた。リッチの古い録音から、これ以上はないと思われたマイケル・レビン等々…。レビンの後、私のスタンダードとなって長く私の驚異の対象であったのはMIDORIであった。彼女のような演奏は滅多に現れるものではないと確信し、以来、色々と買うのを止めてしまった。
そして、先日、iTuneで試聴したこの神尾真由子の演奏があまりに凄く、もう止めようと思っていた心を翻身させることとなったのである。
いや、凄い人がいるものである。1曲目を試聴しただけで、それも試聴時間は30秒しかないのに、完全に私を虜にしてしまった。果たして今、全曲を聞いてみて思ったのは、最も優れたパガニーニのカプリースはと問われれば躊躇なくこの神尾真由子の演奏を推薦するということだけである。
全く、冒頭から彼女の演奏は完璧である。そして輝かしい響きとカンツォーネのような浪々としたカンタービレ!!
この曲に求められる全て゛かこの演奏の中にある。
無伴奏のヴァイオリンの音盤なんてと思わないでほしい。たった一本のヴァイオリンが達成することのできる地平がこれほどまで広大で豊かであるか、まず知るべきだ。
この作品が多くの音楽家にインスピレーションを与え続けたことはよく知られている。まるで奇跡のような作品なのである。たった一本のヴァイオリンが歴史を変えたと言っても良いかも知れない。
リッチが復活させなければ、今は無かったかもしれない。その意味でもリッチの録音は一度は聞いておくと良いと思う。目覚ましい名演だと思う。しかし、レビンの颯爽とした節回しはまた大変魅力的で、新たなパガニーニ像を打ち立てたものと言えよう。
以後、長く、私にとってレビンの王座は揺るぐことはなかった。MIDORIの録音がでるまでは。そして今、新しく神尾が王座に君臨した次第。
今後は彼女のCDは全部買おうと、私は決意した。こんな凄いヴァイオリニストの弾くものは全て聞かなくては…。
by Schweizer_Musik | 2009-08-30 21:02 | CD試聴記
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