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　恐ろしい捕食者から身を守るため生き物が講じる手段は多岐にわたるが、あっかんべ～と舌を何度も出すだけで天敵を撃退するトカゲ、アオジタトカゲをご存じだろうか。

　なかなか奇妙な護身術だが、同じトカゲの仲間でも、天敵に向かって目から血の涙を勢いよく噴射するサバクツノトカゲの奥の手よりはまだマイルドなほうかもしれない。

　ツチノコにも似てると評判のアオジタトカゲ属のトカゲは、その名のとおり青い舌をもつトカゲで、身の危険を感じるとその舌を忙しく突き出して威嚇する。

　え、それだけ？って感じだが、彼らは実際この方法で天敵から身を守り、空からの捕食者まで追い払うという。そのユニークな護身術にせまってみよう。

青い舌を突き出し威嚇するアオジタトカゲ

　主にオーストラリアに生息するトカゲ科アオジタトカゲ属（Tiliqua）のトカゲたちはその名前のとおり舌が真っ青で、身の危険を感じたり興奮したりすると、その舌を忙しく突き出す習性で知られる。

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　こちらは非営利の爬虫類愛好家団体Reptile WorldのFacebook投稿より、アオジタトカゲの仲間のハスオビアオジタトカゲ（Tiliqua scincoides ）の舌。舌とは思えないくらいしっかりと青い。

青い舌の「あっかんべ～」で有毒を装い身を守る

　一般に生物界で派手な色や青色は、有毒のヤドクガエル同様に警戒すべき色だ。

　そのためアオジタトカゲは、「あっかんべ～」で要警戒色である青い色を見せびらかし毒がある生物を装い、身を守っていると考えられている。

　なお余談だがアオジタトカゲは、定期的に未確認動物（UMA）ツチノコに似てると話題になるトカゲだったりする。こうしてみると有名な絵にも確かに似てるね。

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【参考】YouTuber の robbiefishingさんを威嚇するアオジタトカゲ

舌で紫外線を反射して急降下する鳥を撃退

　またアオジタトカゲの一風変わった威嚇行動については、有毒のカモフラージュとはまた別の抑止効果があり、空からやってくる鳥などの天敵まで追い払う、という説もある。

　一部のトカゲ類などには頭の上に「第3の眼」とも呼ばれる「頭頂眼」があり、それで光を感知するといわれるが、アオジタトカゲは頭上を通過する鳥らしき不穏な影に気づくと警戒して、舌を出し始めるというのだ。

X（旧Twitter）ユーザーCurious Archiveさんのポストより

威嚇するアオジタトカゲ。一見馬鹿げてみえるかもしれないが、この舌は実は紫外線を反射して、まぶしい閃光を放ち、急降下する鳥を撃退することができる。

Blue-Tongued Skink showing off its threat display.

It might look silly, but that tongue actually reflects UV light in bright flashes, which can repel swooping birds.

(🎥footage by chris jolly) pic.twitter.com/zHc0qKpmcT

— Curious Archive (@curious_archive) March 30, 2022

　つまりこのトカゲが舌で反射する紫外線は、紫外線がわかる鳥にはまぶしいフラッシュのようになり、空から急降下してくる恐ろしい鳥まで追い払うことができるというのだ。

　紫外線が見えない人間には、敵に向かってただ「あっかんべ～」繰り返して青い舌を出してるだけのようにも見えるが、彼らの世界では有毒のカモフラージュや目くらましにもなる最強の撃退法になってるもよう。

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目から血の涙を噴射して捕食者を撃退するトカゲも

　トカゲの自己防衛手段といえば、前に紹介した目から血の涙を噴射して捕食者を撃退するツノトカゲの衝撃的な絵面が忘れられないのだが、アオジタトカゲの青い舌や紫外線反射も天敵にとってはすさまじいものなのかも。

　ただ当のトカゲにしたらできるだけ奥の手を使わないで済むのが一番だろうな。

References:odditycentral / wikipediaなど /written by D/ edited by parumo

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