あじさい綴り。
今年の紫陽花は咲く時季が早かったのだろうか?5月が春と言うより初夏を思わせる高温の日が続き、花たちもすっかり慌てて咲き始めたのかも知れない。あじさいに似合う梅雨時のタイミングを見計らって撮影に赴いた積りが若干遅すぎたたような気がしている。
移り行く季節に合わせて様々な花たちがその美貌を覗かせてくれるのだが、カメラを向けた時に躊躇していると花にそっぽを向かれてしまう。花は多分こちらの思惑通りに咲いてはくれないし、こちらの意図を見透かしているような気さえする。これまで何度も言って来た事だが、被写体との向き合い方が大切である。人と会話する様に花にも言葉は必要であるし、ただ黙ってシャッターを切るだけでは相手にさえしてくれないのである。
昨年の今頃は心不全の繰り返しで入退院に突入した時季でもある。それは5月に始まり、同じ年の11月まで続いた。私にとっては激動の一年だったし、今後の運命を決定する大事な年でもあった。入院中も撮影の事が頭から離れず、主治医に「撮影出来る身体に戻して欲しい」と懇願したのが懐かしい。2022年のほぼ半分は入院生活だったが、多くの人たちの援助を受けて再び撮影に臨む日々を送る事が出来るようになった事に心から深く感謝している。
被写体と向き合う時、感謝と尊敬の念をカメラに込めて日々シャッターを切り続けて行こうと思う。