薔薇が静かに咲いていた。
夕暮れ近づくある公園で
薔薇が静かに咲いていた
凍てつく風に煽られても
文句ひとつ零さず
風に向かって咲いていた
寒かろうに冷たかろうに
それでも薔薇は
懸命に健気な姿を見せながら
けれどもこの花
自ら流す赤い涙で
染まり行くのを
誰ひとり気づかない
薔薇が静かに
泣いている事さえも
増上寺で紅葉美人を撮影した後、隣の芝公園へ行った。公園の入口付近に小さな丸い花壇があり赤い椿が勢いよく花開いていた。それをカメラに数枚収め、辺りを見回すと手の届く直ぐ近くに赤い薔薇が撮ってくれと言わんばかりに咲いていた。陽が西に傾き始め、光量が若干足りないと思ったので、ここは明るい単焦点レンズの出番だろうと考えたが、敢えてタムロンの望遠レンズで撮影。
70-300mmf4.5-6.3は望遠レンズ初心者には嬉しい7万円と破格値で財布にも優しくしかも望遠レンズと言えばやたらと重いイメージがあるが、こちらはなんと580gと驚きの軽さ!ミラーレス用に作られたと言っても過言ではない。TAMRON初のZマウント対応レンズである。人気商品であるため、ヨドバシカメラのマルチメディア館には在庫が無く、新宿店から発送してもらった。今年は多分、タムロンの出番が多くなると思う。望遠レンズだからと言って遠くの物ばかり撮る必要はなく、遠近関係なく自由に撮れば良い。
このレンズを手に入れた事でまた一歩撮影の幅が拡がったと思う。さて、鳩山会館の薔薇たちは手入れが程よくされており上品な薔薇というイメージを持った。大事にされ過ぎているせいか「箱入り娘」的な部分もある。それに比べ芝公園の薔薇は荒々しさと打たれ強い印象を与えてくれた。以前、薔薇の撮影が大の苦手で長い間敬遠して来たが、それを克服させてくれたのもやはり芝公園の薔薇だった。その意味でもこの薔薇たちには感謝している。