シンシンのすくすく子育て日記。
上野が活気付いている。2011年2月、中国からレンタルされた2頭のジャイアント・パンダ『リーリー』と『シンシン』の間に待望の赤ちゃんが誕生したからである。
東京スカイツリーの人気に押され、客足が遠のいていた上野動物園であるが、この赤ちゃんパンダの誕生で、テレビでは速報テロップが流れ、街には号外が踊った。
待ち焦がれていた瞬間だっただけに、パンダファンのみならず、動物園関係者やそうでない人たちも一様に笑顔を浮かべた。
ところがその一方では、パンダに全く関心を示さない石原都知事が、皮肉をたっぷり込めた毒舌を早速つぶやいた。
「2年経ったら返さなくちゃいけない…」「センセンとカクカクと名付けたらいい…」尖閣諸島を巡る中国との問題をこの赤ちゃんパンダ誕生に被せる発言。
石原さんらしいコメントと言えばそれまでだが、実はこの方パンダの隠れファンだと言う事を皆さんはご存知だろうか?
パンダの話をする時、彼の眼は活き活きと輝きその表情に浮かんだ重畳たる笑みをわたしは見逃さない。石原さんはかなりの照れ屋であり、そしてまた天の邪鬼でもある。
人が右と言っても彼は左を貫き通す、頑固一徹なところがあるから都知事が務まっている部分もあるが、彼も人の子で可愛いものは可愛いのであり、それを素直に認めないだけの事。
パンダが中国の外交に使われる事に対し今更とやかく言う積もりもないが、パンダ外交そのものが千年の歴史によって培われて来たことは事実であり、パンダが中国の国宝であるという背景を見れば頷ける内容ではある。
然しながら、希少動物を政治の道具にする中国のあからさまなやり方に、違和感を覚えるのはわたしだけではないだろう。
パンダ自身の事だけを考えれば、生まれた土地で暮らす事が一番望ましいとおそらく誰もがそう思っているに違いない。
ただ、絶滅危惧種であるジャイアント・パンダは約1000頭しかおらず、厳しい自然環境の中で彼らを絶滅させない為には人間の手で保護する必要があるのも事実であるが、パンダも含め全ての動物たちは、人間の行うビジネスの道具として扱われ、それによってわたしたちは恩恵を授かっている事を忘れてはならないだろう。
可愛いだけでは子どもは育たない、子育ての難しさと大切さを動物の子育てを通して学ぶ事が出来る、それが動物園の良さでもある。
赤ちゃんがオスだと言う事も判明したが、最新情報によれば母親の胸元から落ちてしまい、現在は保育器の中にいるようだ。今はとにかくこの小さな命が無事にすくすく育ってくれる事を願うばかりである。
命の大切さを全く理解していない大津市の教育委員会には怒り心頭であるが、このいじめによる自殺の件はまたいずれ日を追って追求してみたいと思っている。
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