母が静かに眠る海(母の命日に寄せて)追記あり。
引き裂かれた想いを胸に抱きながら
僕は今日もこの海に来る
ざわめく風とさざ波が
母のため息となり
この小さな僕の足に纏いつく
何処まで行けども
深く暗い海の果て
あなたの瞳は
固く閉じた貝の中
二度と僕を見つめる事もない
母が静かに眠る海
だから僕も一緒に貝になる
実家の藤枝に背を向けて福島の地に旅立った母は、常盤市で自ら命を絶ちました。多くの謎だけをわたしに残して逝ってしまいましたが、数十年経った今になって漸く数少ない母の痕跡を幾つか見つける事が出来ました。
母の波乱万丈な28年間を振り返る事が自分に課せられた使命と思って、わたしはこれからも貴女の足跡を探し続けます。
初掲載
2012年6月24日
05時41分09秒。
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