桜の花びらが舞い散る午後に(レクイエム)。
桜の花びらが舞い散る午後に
あの娘は逝った
天使の衣を纏って空高く
注射が嫌だと駄々こねて
僕を随分困らせたっけ
君があんまり泣くもんだから
瞼を両手で押さえると
「バカっ涙であたし溺れちゃうよ」
と言って僕の腕にキスしたね
桜は散ってもいつかまた戻って来るけれど
君と過ごした日々はもう戻らない
桜の花びらが舞い散る午後に
涙の抱擁だけを僕に残したまままで
あの娘は散った
閉じた瞼に最後のくちづけを
※白血病のため17歳で亡くなった少女に捧げた詩(鎮魂歌)。
当時はまだ白血病の治療が確率されておらず、輸血と出血の繰り返しであった。彼女の病床を見舞い、「頑張れ!負けるな!」と励ましたその3日後に彼女は眠るように息を引き取った。
初掲載 2013年4月11日00時01分20秒。
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