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ビーチサイドの人魚姫
俊樹

2019年9月Nikon D700で一眼レフデビュー。カメラは独学。2020年4月、Nikon D810へアップグレード。いつか写真展を開く為、日々精進。勿論、詩、小説、エッセイ、作詞は継続中。2021年夏、Nikon Z7Ⅱへと更にアップグレード。2022年10月、3回目の心臓手術に耐え抜き現在に至る。2023年8月ペースメーカー植え込み。

詩集出版8周年を迎えて(絶版そして再配本へ)。

2013年03月23日
出版・書籍 4
陳列

 時の流れは予想以上に早いもので、誰にもそれを止める事は出来ない。せめてもう少し遅くなってくれればと思ったりもする今日この頃。
 詩集・天国の地図が出版されてからこの3月で8年になった。刊行日が3月15日であり、詩集の誕生日という訳で8歳になったと言うことになり、誕生日を祝って喜んでいいのかどうか…筆者としては迷うところではある。
 つまり、人間に寿命があるようにやはり書籍にも寿命がある。それを「絶版」という訳だ。本来ならば、とうの昔に絶版になっても不思議ではなかったが、お陰様で出版当初の飛ぶ鳥を落とす勢いは毛頭影を潜めてはいるものの、年間を通して僅かながらに流れがあり、倉庫から流通に乗り読者の手元に届く動きが途切れなかったことで出版契約が自動更新されていた訳である。
 絶版はどのようにして決められるかと言うと、書籍の刊行日が古い順に処分されて行く。但し、出版一年で絶版になる場合も時にはある。一年を通して全く動きが見られなかった場合がそれに当たる。
 過去にも話した通り、書籍の年間出版数は約7万冊に上り出版ラッシュで書店に置かれない本がその内の70%を占めていると言われている。出版社或いは出版社と契約している物流倉庫には在庫の数で溢れんばかりになっているのが現状である。
 わたし自身、一時そのような書籍ばかりを扱う倉庫でバイトをした事があり、毎日4トントラックに零れ落ちんばかりの書籍の塊が運び込まれて来るのを嫌というほど見て来たが、如何に資源を無駄にしているか思い知らされるばかりであった。
 今年3月に絶版を迎える書籍は2005年に出版された本が対象である。故にもちろん「天国の地図」もそれに当たる。文芸社からわたしに連絡があったのは昨年の10月末だった。
 経済産業省が立ち上げた(コンテンツ緊急電子化事業「緊デジ」)は国の補助により約6万タイトルを電子書籍化しその売上を東北の被災地へ回すというものであり、文芸社もこのプロジェクトに参加し、同社の書籍から800冊を厳選し電子書籍化する筈であったのだが、諸事情により文芸社はこのプロジェクトから撤退せざるを得なくなり、その説明とお詫びの内容であった。
 同社の出版物が何万冊あるかは知らないが、800冊の中の1冊として「天国の地図」にお呼びが掛かった事は誠に喜ばしい話であったが、結果的にその望みは叶わなかった訳で、更に追い打ちを掛けたのは絶版の話であった。
 詩集は現在でも売れ続けてはいるものの、やはり出版社の現状としてこれ以上倉庫に置いておく訳にはいかなくなったようで、売れているのに何故?と疑問を抱いたが出版界の裏側にもそれなりの事情があるようだ。
 そして更に話は進み、文芸社のプロジェクト撤退で著者様に多大の迷惑掛けてしまった事のお詫びとして紀伊國屋書店での常備陳列・配本の話になり更に契約更新も継続される事となり、「瓢箪から駒」ではないが意外な展開になり、わたしとしては「願ったり叶ったり」の結果となった。
 「絶版」と「再陳列」では天と地ほどの差がある訳で、まるで強運のわたしの魂が詩集にまで乗り移ったかのようにも思えた次第である。
 陳列と言っても出版当初の平積みではなく、最も一般的な「棚刺し」ではないかと思われるが、その辺は書店のオーナーが決める事なのでどう置かれるのか分からないのが正直な所である。
 陳列される書店は次の通り。千葉県「紀伊國屋書店・流山おおかたの森店」東京都「渋谷区・渋谷店」「新宿区・新宿本店」「世田谷区・玉川高島屋店」「千代田区・大井町ビル店」福井県「福井市・福井店」大阪「堺市・泉北店」岡山県「岡山市・クレド岡山店」福岡県「久留米市・久留米店」熊本県「菊池郡・熊本光の森店」以上となっている。
 因みに絶版になった場合その本はどうなるかと言うと、著者の元に送られて来る。まあ、そうなったらバナナの叩き売りではないが、路上で売り捌くと言うのも一つの方法である。
 出版当初から購入してくれた読者の中には、「サイン」を約束しながらもいまだにそれが果たせずに心苦しく思っており、出来るだけ早い時期にわたしの体調を見ながらサインさせて頂こうと思っている。
 次回作待望論も多く聞かれる中、申し訳なく思いますが、いま少し「天国の地図」を温かく見守り応援して頂けると有難いです。

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俊樹
この記事を書いた人: 俊樹
本名/神戸俊樹
静岡県藤枝市出身。
19歳の時に受けた心臓手術を切っ掛けに20歳から詩を書き始める。
2005年3月詩集天国の地図を文芸社より出版、全国デビューを果たす。
うつ病回復をきっかけに詩の創作を再開。
長編小説「届かなかった僕の歌」三部作(幼少編・養護学校編・青春編)父を主人公にした(番外編)を現在執筆中。
詩、小説、エッセイ、作詞など幅広く創作。
2019年9月、一眼レフデビュー。Nikon D700を使用。
2020年4月、Nikon D810にアップグレード。
2021年夏、ミラーレス一眼 Z7Ⅱへと更にアップグレード。
2022年10月3度目となる心臓手術を受け、大成功を収める。
2023年8月徐脈性心房細動で心停止(失神)したため、ペースメーカーを植え込む。

コメント4件

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ネリム

こんにちわ、ネリムです。
いつもコメント有難うごさざいます。

本の業界にもシビアなルールがあるんだなと思いました。

2013年03月23日 (土) 10:43

マムチ

こんにちわ~♪

俊樹さんのサイン、私ももらわなきゃ~♪
その前に本屋さんに行かなきゃね~(笑)
あっ、握手も~(笑)

桜が満開になってきましたね♪
桜を見ながら、大きな深呼吸をしに行きたいです^^v


>イカ天・・・ ガールズバンドではなかったの??

「Steady(ステディ)」というガールズバンドで出演しました(笑)
オカルトメタルでこわーーい系のメイクをしてたのです(笑)

2013年03月23日 (土) 11:36

blackout

年間に7万冊も出版されてるとは思わなかったですね

だからかもしれませんが、コレといってインパクトのないものも増えたかなっていう気もします

自分は、最近kindle storeで今まで書いた小説を電子書籍として出版することにしました

2013年03月23日 (土) 21:43

まさと

シビアな世界ですね・・・。
やっぱり電子書籍のほうがいんですかね。
でも、なんとなく電子書籍だと愛着がわかないというか、温かみがないようにも思えますしね。

とにかく、お体を大事にして、執筆活動に励んで下さい。

2013年03月23日 (土) 23:16