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安倍さんを降ろすと小池さんになっちゃうよ、などと言い出すのが、いろいろダメだと思う。

そのもっと前に安倍さんにはいろいろ問題があったのに、居座るためにごまかしているだけだった。まず、そこの清算を早い段階でするべきだったが、自民党の中では何もできなかった。

私に言わせれば、安倍さんを擁護し続けた結果、小池さんが出てきたのであって、その小池さんに絶望するのは間違っている。なぜならば、小池を生んだのは、安倍を擁護し続けたあなたたちだからだ。

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もう一つ、ポピュリズムということだが、これは日本はずっとポピュリズムをやっている。遅くとも小泉内閣はすでにポピュリズムの権化だった。

ちゃんとした研究はあるんだろうと思うが、90%を超える支持率に支えられた内閣という時点で何かがおかしいので、変だと思わないといけない。

郵政解散からの大勝は政局的にはお見事だったし、自民党の古株たちがそろって頭を下げたのも無理からぬところで、私もこれは小泉を認めねばならないと思った。

ただ、この手の日本のポピュリズムはそもそも批判をされたことがこれまで一度もない。なぜならば、有権者は尊重されるべき「市民の声」を発しているのであって、その反映を批判することなど、一般的には考えられなかったからだ。そういう形で、有権者は常に甘やかされてきた。

批判があったとしても、古い政治的左右の枠組みの中での批判にとどまっていたものが多くて、ポピュリズムそのものを批判して、右左とも刺しに行く、というものではなかったのではないか。

でも本当は、日本のポピュリズムは批判されなければならない。

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「ニュースステーション」流を、そのまま右サイドが真似した結果、小泉を生んだのだという私の以前からの持論は変える必要を依然として認めない。このポピュリズムの鉱脈を動かそうとした結果、民主党政権ができ、安倍政権ができた。橋下への広い支持も同じであって、小池百合子も全く同じ文脈で理解されるべきだと思う。

小池百合子の言うことに中身がないことなぞ、今に始まったことではない。小泉も、橋下も、安倍も、中身なんてなにもない、ただの張りぼてだった。

ただ、その張りぼてを日本人は支持してきた。ただそれだけの話にすぎない。

もっとも、実際に選挙をしてみないと、小池新党がどの程度勝てるのか分からないので、まだ何とも言えないが。

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さすがにこれは吹いた。

https://twitter.com/kirik/status/913179154794692609

山本一郎(やまもといちろう@告知用)‏ @kirik
最近finalvent爺が歳相応に枯れつつも雑多なネタも本質の話にきちんと回帰させる往年のキレが戻ってきて嬉しい

私は「〇〇の家の子」を生まれたときからずっとやってきたので、またこの人はずっと他人のことをバカにしてきて、「貴殿」なんぞと言いながらバカにするのが常になっていて、それで自分の子供には業が続かず断ち切れると考えるなよと私は思うのであえて言うが、たかが産廃業者の子の言う「本質」ってそもそもなんなのだろう。

東京都知事選挙で増田寛也を批判したおして、間接的に小池をアシストして、その結果こういう状況を招来したのがまずは山本の本質ではなかったか。それ以外にどう理解すればいいのか、私にはまったく分からない。

finalvent さんについて、私は、冷戦時代のインテリが型にはまった左翼についていけなくなった時のつらさとでもいいのか、そういうものを感じる。つまり、左翼といえばこうだという決まりきった枠に収まって群れたがる人たちほどバカではなく、ずっと賢明な人だった。もちろん変な右翼は論外。

こういう人は生きづらいに違いないんで、そこを何とかやりくりして来られたのではないかと思う。

ただ、そこで止まってしまっているところがある。たしかに、極東ブログで国際的な人権問題を惹起するなどの問題意識はよく分かるが、それも日本の左翼の閉鎖ぶり・視野狭窄に対する当てつけのような部分がかなりある。(もっとも、それに意味が全くないとは思わない)

私もその種の当てつけをしょっちゅう書くし、言いもするが、そこで止まるとただの冷笑主義に終わりかねない。

また安倍政権に対する態度も、この人は本来はかなり小さな政府志向のはずだが、安倍政権の実際は小さな政府でもなんでもないし、森友・加計の問題を小さな話扱いするのは理屈に合わず(そもそも小さな政府を目指すのはこういうことを基本的には嫌悪するからじゃないのかと思う)、この人の中で意識しているかどうかはともかく、なにかがもう分裂してしまっているのではないか。かなり初期からこの人のものは読んでいるつもりだが、ちょっと説明がつかない。

リフレ派に対する議論はもう論外で、人それぞれなので意見を変えろとは言わないが、その論拠に高橋洋一や田中秀臣が入ってくるので、もういい加減にしてくれとしか言いようがない。Financial Times がなんだ、IMFがなんだ、不合理でもなんでもなぁなぁにしているだけで、自分が一番嫌いなはずのことをやっているのがfinalventさん自身じゃないかと思う。これで小池百合子のポピュリズムまで批判しようかということならば、もう見苦しくて耐えられない。ネットのリフレ派にブチ切れてすっぱり縁を切ったbewaadさんが懐かしい。

話を戻すと、山本一郎が言うところの「本質」は、山本がリアルで囲まれている世界にとって都合のいい「本質」でしかなくて、その線に沿うことをfinalvent さんが言うから、キレが戻ってきただのなんだの適当なことを言っているだけじゃないか。そういうなれ合いをまざまざと見せられるのが、本当に嫌だ。

私が吹いたというのは、そういう次第。