アホみたいに暑い日々が続く昨今ですが、日本の皆様もご健勝でしょうか。MLBの試合のまずまずの席のチケットを仕事先から貰ったのですがあまりの暑さに行く気が… 以前にもちらっと書いた覚えがありますが、アメリカ本土で亜熱帯化が進行してこの暑さが毎年普通のこととなったら夏場にやっているアメスポは動員に大きく響くのでは、ということを考えています。春夏は気候がいいから野外でスポーツするのが当たり前だったのが、夏は暑すぎるから室内競技の季節という常識に変わったらどうなるのか。ちなみに現在の気候区分的には南カリフォルニアやフロリダ半島(南端は熱帯)などが亜熱帯に区分けされ、本土のほとんどは温帯です。
現在夏に開催されているプロスポーツはMLBおよびMiLB(マイナーリーグ)、NASCARやIndyCarを始めとするモータースポーツ、ゴルフ、テニス、サッカー、ラクロス。このうちテニスは室内競技化は可能ですね。メジャー大会は雨天対策もあって世界的にも屋根付きに移行中。MLBもどうしてもとなれば可動式ドーム球場化するという手はある。ゴルフとモータースポーツは不可能。但し元々ツアー型のプロですから行き先やスケジュールの工夫である程度は乗り切れる可能性はないとは言わない。またゴルフは元々観客動員で稼ぐタイプの業界でもないから暑くて動員が減ってもいいや、という割切り方も可能でしょう。モータースポーツはどうですかね。アリーナクロスという室内型もあるにはありますが、最大の稼ぎ頭NASCAR型の巨大イベントは相当に苦しくなるかもしれません。野球に戻ってMLBは資金力がありますからドーム化という切り札がありますがMiLBになるとこれはきつい。大学野球は学期でシーズンが決まるためシーズンが夏にかからないからこれはOK。気候が暑くなってアメリカ本土に春が来るのが早まれば現在はシーズン開始時に寒すぎて大学野球が盛んでない人口集積地の学校も大学野球への取り組みを強化、大学野球全体でプラス効果となる可能性すらあります。
場合によっては微妙になるんではないのかと思われるのがサッカー。MLSチームが自前の中規模スタジアムを次々と建設済みなのは既報の通りでそれはアメスポ全体にとってもいいことなのですが、反面そのスタジアムに契約期間中は使用を義務づけられるという問題がある。それはつまり現在のスタジアムの建設当初の目算が達成できるまでドーム化したり移転できる可能性はほとんどないということになります。個々のケースで違いますがざっと20~30年程度は現在のスタジアムでの興業が義務づけられます(これはマイナーリーグベースボールでも似た状況)。ドームがないと暑くてスポーツ観戦なんてやってられないということが起こっても、過去十年ほどで建設ラッシュだったサッカー専用スタジアムが次々と契約の端境期を迎えるまではどうしようもないというわけです。どのタイミングで地球温暖化が夏のアメスポを殺すのかはわかりません。亜熱帯南カリフォルニアでも野球もサッカーも野外で興業できているのですから客の方さえ慣れれば大丈夫なのか。サッカーにはFIFAの要求を受けて秋春シーズンに移行という手もありえますが。