米国ブッシュ大統領が、断末魔の北朝鮮「金正日」についに引導を渡す決意か?

2005年04月30日 15時51分43秒 | 北朝鮮問題
米大統領 「金正日は危険人物」 核問題解決 中国の関与重要 (産経新聞) - goo ニュース

 国際サッカー連盟(FIFA)が29日、ワールドカップアジア最終予選に日本戦(6月8日・平壌)を第三国に移し、観戦無しで開催させる異例の厳しい処分を決定したのは、当然であり英断である。北朝鮮は「不公正な判定が導いた結果」と主張し、反発しているけれど、審判の判定がたとえ間違っていたとしても、「暴徒化」を取り締まれないような国には、選手団もサポーターも遅れるはずはない。屁理屈には、一切耳を傾ける必要はない。
 中国でも似たような騒ぎがあったが、今後同様の騒ぎが起きれば中国での開催も止める方がよい。
 すでにアメリカの議会に、「北京オリンピック開催の中止を求める決議案」が提出されているそうである。「反日暴動」のような混乱がいつ起きるかわからないような北京でのオリンピック開催は取り止めて、「アテネ」か「大阪」に変更したらよい。
 日本では、「小泉外交」を「八方塞がり」と揶揄して、中国・韓国などの感情を逆撫でしないよう「謝罪」と「譲歩」を求める声があるが、これこそ「卑屈」であると言わざるを得ない。すべて中国・韓国の言い分が正しく、何でもかんでも日本が悪く、「アジア外交戦略がない」というのは、勘違いも甚だしい。
 中国国民は、経済発展とともに「自我」に目覚め、「自立」しつつあることを認めなくてはならず、「反日暴動」も実は「反政府」の性格が強いことをよく見定める必要がある。これは、「小泉外交がヘタ」だからではない。
 韓国も然りである。アメリカ資本の総攻撃を受けて、財閥解体の憂き目にあい、外資系に乗っ取られた韓国企業の多くが、労働者の基本的権利を蹂躪し、経営者による恣意的な首切り、労働条件の悪化などの最悪の事態を招き、現政権が危機に瀕しているなかで充満している国民・労働者の「不満」を日本に向けている面を見過ごしてはならない。韓国内の経済状況や労働環境について、万全の措置を取るのは、韓国政府のみであり、日本に向けられても、どうして上げるわけにもいかない。支持率低下で政権が危機に陥った責任を日本に向けられても困るのである。
 中国では、早晩、共産主義体制から自由民主主義へ向けて、「革命」が勃発するだろう。韓国では、遠からず、現在の休戦が破られ「第2次朝鮮戦争」が発生するに違いない。北朝鮮は、ブッシュ政権が終わる2009年を待たずに、「総攻撃」をかけて、北朝鮮の体制を一気に破壊し、「自由民主化」を図るだろう。こうなれば、2008年の北京オリンピック開催などとのんびりしたことを言ってはいられない。
 ブッシュ大統領は28日、ホワイトハウスでの記者会見で「金正日は危険人物」と断じ、「事態の展開によっては、武力行使も排除せず」との決意を固め、北朝鮮問題を国連安保理に持ち込む準備にかかっている気配を示している。
 ①ライス女史を国務長官に抜擢
 ②ネオコンの最右翼・ボルトン国務次官を国連大使に指名
 ③野球チームを買収して以来の親友、ジョン・トーマス・シーファー氏を駐日大使に任命(イラク戦争当時のオーストラリア駐在アメリカ大使。オーストラリア国内の反対論を押してオーストラリア軍の出動を強く要請、説得に成功)
 ④米陸軍第一軍団司令部の座間への移転
 ⑤米議会における「北京オリンピックの中止決議案」の提出
 これらはみな、ブッシュ大統領が「北朝鮮征伐」を念頭に置いて事前の下準備をしている何よりの証左である。
 「石油・軍需・ゼネコン」の3業界を支持基盤としているブッシュ大統領は、アメリカ経済の景気後退を防ぐため、いま一度「戦争経済」による景気テコ入れを検討しつつある。次ぎなる戦場は「朝鮮半島」である。
 東アジア軍事情勢が俄然、キナ臭さを増している状況のなかで、日本は、「外交の延長である戦争」を前提に、アメリカの軍事戦略に歩調を合わせて、いつでも「北朝鮮征伐」に加われるよう国内の法整備と臨戦体制を整えなくてはならない。陸海空3自衛隊もいつでも「第1配備」(合戦態勢)を組めるよう準備に取りかかるべきである。


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小泉政権は「敗戦処理政権」であり、景気対策は期待できない

2005年04月29日 01時00分04秒 | 政治
郵政法成立へ会期延長 「1カ月以上」で調整 (共同通信) - goo ニュース 

 小泉政権は、バブル経済(昭和57年10月1日から平成4年8月18日)以来の日米経済戦争で敗北した日本における「敗戦処理政権」である。処理されるべきは「不良債権」であり、首相就任早々の所信表明演説で「2~3年の間に最終処理する」と公約したが、「UFJ」と「ダイエー」の処理に手間取り、時間を食いすぎたきらいがある。総仕上げが「構造改革」であり、「構造改革」の「本丸」が、「郵政民営化」であった。敗戦処理はいま、最終ラウンドにきている。
 従って、小泉首相は未だ、「経済再生・景気上昇策」に取りかかれないのである。それも、「景気回復の5つの基礎条件」を揃えるところまで至っていない。
 「景気回復の5つの基礎条件」とは、
 ①強力なトップ・リーダーの登場(リーダーシップを発揮)
 ②仕掛け人の「チーム編成」(5人から10人)
 ③国家ビジョンを国民に提示する
 ④新しい国家建設の資金を確保する。
 ⑤国民の一致団結と総動員

 戦後の歴代総理のうち、この5つの条件を揃えることができたのは、吉田茂、池田勇人、中曽根康弘の3人のみであった。
 小泉首相は、                        
 ①=△
 ②=×(政・官・財のいずれもバラバラ)
 ③=×
 ④=○
 ⑤=×
 自民党総裁任期満了までの「1年5カ月」の間に、条件を揃えるのは、いまや困難な状況にある。
 景気は、平成14年秋から上昇サイクルの入っており、ピークは「平成21年末」。上昇が始まってすでに2年7か月を経過している。景気対策を打つ絶好のチャンスなのだが、小泉首相は、このタイミングを逃してしまうそうである。平成21年末から下降線を辿り、その3年後からは、再び「不況期」に入ってしまう。
 いまの「タイミング」を逃さないためにも、もはや小泉政権をアテにしてはならない。国民、経営者、労働組合ともども、各々ががんばるしかなさそうである。


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全国のJR労組は、一致団結して「ストライキ」を構え、「デモ行進」すべきだ

2005年04月28日 18時30分36秒 | 社会
遅れ挽回は運転士裁量 JR西 (産経新聞) - goo ニュース

 今度は、大型バスが転倒し、「3人死亡」という事故が起きており、やっぱり「類が類を呼んでいる」のだろうか。
 国土交通省の交通事故調査委員会が、JR北海道の「基本動作教育」の徹底的調査を行っていた最中、JR西日本の福知山線( 塚口駅-尼崎駅間) でJR発足以来初めての悲惨な大事故が起きた。東海道新幹線の運転士が、「無呼吸症候群」により、一瞬の間、意識不明に陥ったまま運転していたのが問題になっていた矢先の大事故である。これは、政府が進めてきた「規制緩和」には付き物の避けては通れない副作用の一つなのか。
 電車の運転士の遺体が発見されたが、何とも痛ましい。聞けば、「日勤教育」というのがあるという。どうも、「教育」というよりは、「懲罰的ないじめの場」らしい。
 「連合」ができてからというもの、どうも労働組合の弱体化は、ひどい。かつての「総評」のような激しいデモやストなどが影を顰め、「労働者」を守れなくなってきているのではないか。否、「労働貴族」が増えているような気がする。「秒単位」のきつい労働を課せられ、わずかな「遅れ」も許されない。遅れると、処分され、減給され、出世もできなくなる。JR西日本は、「運転士」をはじめ労働者を酷使しすぎているとしか思えない。今回の大事故は、「利益第一主義」、「安全軽視」の経営方針の下で起きたと断言してもよいだろう。経営陣は、責任を取り、むかしふうに言うなら、「切腹」ものだ。労働組合も、やはり深く反省し、本来の使命と役割、機能を果たすべきである。「ダラカン」では困る。しっかりして欲しい。この際、「JR東日本」はじめ全国のJR労組が一致団結して、「運転士の死をムダにするな!」のスローガンを掲げ、経営陣の総辞任を求めて、一発「大規模なストライキ」を打ったらどうか。デモ行進するなら、沿道から「ガンバレーッ」と声援を送らせていただく。


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中国の「反日暴動」鎮静化の裏で、今回もまた「カネ」が動いたのか?

2005年04月28日 17時53分49秒 | 反日問題
関係改善へ対話促進 日中首脳会談 (朝日新聞) - goo ニュース


 北京政府は、「反日デモ」が「反政府運動」から、さらに「反体制運動」に発展するのを危惧し、一転して「デモ統制」に切り換えた。胡錦濤国家主席が小泉首相と会談し、「日中関係」の修復に乗り出したが、「教科書」「靖国神社への公式参拝問題」をまたもや突きつけて、「反日ムード」を盛り上げ、「暴動」をも容認するような姿勢を取っていた北京政府は、小泉首相との会談により、何を得て、「戈」を収めたのかを検証すると---。北京政府が小泉政権に要求した「謝罪」「誠実な行動」とは、やはり「解決金」の支払いだったのか。

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バクチ打ち宰相・小泉首相の業績を振り返り、残り「1年5カ月」を「未来予測」する

2005年04月27日 14時46分25秒 | 政治
小泉首相、就任丸4年 郵政民営化は「自民党変える」 (朝日新聞) - goo ニュース

 中国の「反日暴動」や韓国の「反日テロ」にも「恐れず ひるまず とらわれず」の姿勢を崩さず、毅然として「頑固な外交」を推し進めようとしている小泉首相である。すでに中国と韓国の両政府は、「小泉政権には期待せず、次期政権に望みを託す」と言っているというから、来る8月15日には、信念に従い「靖国神社に公式参拝」して、中国と韓国を呆れさせ、諦めに止めを刺して欲しい。 福岡2区と宮城2区の衆院補欠選挙に「完勝」して、自信を強め、自民党「郵政族」からの激しい抵抗を蹴散らそうと鼻息が荒い。JR西日本の福知山線脱線事故という悲惨な事故が発生し、前途に不吉な兆が垂れ込めてもいるけれど、新装なった首相公邸に入居して、いよいよ「構造改革」の「本丸」に攻め込もうとしているかに見える。
 小泉政権(平成13年4月26日夜発足)が、在任5年目に入った。自民党総裁任期満了までの1年5カ月を全うすれば、佐藤、吉田政権に次ぐ長期政権となる。中曽根政権を追い越せるか。
 私はかつて、小泉政権が誕生した直後の6月15日付で「小泉純一郎 恐れず ひるまず とらわれず-『新世紀維新』で日本はこう変わる-」というタイトルの本をKKベストセラーズから発刊してもらった。「一世一代の大博打が始まる! 守旧派&官僚との死闘 景気回復の秘策とは?」と書いた帯がついている。
 この本で私は、小泉首相に対する期待感を込めて日本の近未来を予測した。帯でふれ込んだ通り、博徒でもあった祖父・小泉又次郎(浜口雄幸内閣の元逓信大臣)から受け継いでいると思えるような「大バクチ」、それも「丁半バクチ」を打つかのような政治手法を次々に見せてくれた。その代表例が、北朝鮮への2度の訪問であった。日本人拉致被害者の一部ではあるけれど奪還に成功している。 中曽根康弘元首相は、「外交はバクチであってならない」と批判していたが、約30年も前から発生している北朝鮮による日本人拉致事件に対して、何もしてこなかった中曽根元首相に、小泉首相をとやかく言う資格はない。「政治には戦略が大事だ」というのが中曽根元首相の持論であり、口癖である。だが、口で奇麗事を言うのはたやすい。
 2度目の訪朝により、米兵ジェンキンス氏を日本に連れてくる道筋をつけたとき、平沼赳夫元経済産業相が「これくらいのことなら自分でもできる」とうそぶいていたが、それならば「単身北朝鮮に飛んでみせてみろ」と言いたいほどだった。
 政治家は、「行動」が大事である。王陽明の「知行合一」を身を持って示すのが、本物の政治家というものである。そこがジャーナリストや評論家とは違う。
 さて、博徒の孫であり、博徒の資質を持った小泉首相のような政治家は、日本においては稀である。アングロサクソンやユダヤ民族が、何事につけて「賭事」を行い、英国のエリザベス女王も博打好きと言われているように、欧米流の政治家は、大概「博打」が上手い。この点に関する限り、小泉首相は、博徒の資質を持ち、「バクチ的な政治手法」を何のためらいもなく行っている分、欧米流の政治家に近いのだろう。竹中平蔵金融担当相を使って、「不良債権の最終処理」を断行したり、ライブドアの堀江貴文社長のニッポン放送株買い占めを喜んだり、郵政民営化により「350兆円」の市場への解放を押し進めようとしたり、どれもこれも自民党をはじめ伝統的な保守政治家にはできない政治感覚であり、政治手法である。「変人」と呼ばれる所以は、この辺りにあるのかも知れない。
 日本民族は、従来の「勤倹貯蓄型」を重んずる「二宮金次郎」流の経済感覚や生活ぶりは、もはや許されず、アングロサクソンやユダヤ民族流の「分散投資型」に変わらなくてはならなくなっているとも言える。この民族性の変質は、「日本版の金融のビッグバン」に着手する準備の段階から実は旧大蔵省が推進してきた政策であった。小泉改革の本質は「民族性を変えること」であった。これにいまだに激しく抵抗しているのが、「守旧派&官僚」であり、小泉首相は、これからの1年5カ月の間に、「守旧派&官僚との最後の死闘」に一つの決着をつけようとしている。郵政民営化法案の国会成立を目指す戦いが、当面の「攻略目標」である。
 さて、 小泉政権のこれからの賽の目は、果して「丁とでるか、半とでるか」---。小泉首相に対する4年前の「期待」と「予測」がいま、どの程度、当たったか、外れたか。これから小泉政権が、どこまで政策を実現できるか、あるいは、自民党を政権政党として維持できるか。これらを「小泉純一郎 恐れず ひるまず とらわれず-『新世紀維新』で日本はこう変わる-」の目次に沿って個別に検討し、そのうえで日本の「近未来」を予測してみることにしよう。
 目次------小泉純一郎 恐れず ひるまず とらわれず
 はじめに●生まれながらの勝負師が命を賭けた戦いに挑む!
 第1章 これが小泉流「株・金融・土地」政策だ!
 第2章 変人パワー! 小泉純一郎の政治手腕
 第3章 外交・防衛策の裏を読む
 第4章 小泉純一郎を包囲する七つの「強敵」
 第5章 検証! 二〇〇一年の「痛快」小泉発言

 (ちなみに、「JR西日本の福知山線脱線事故」で、むかし、呉市と倉橋島の間の「音頭の瀬戸」で起きた「第5はくしま丸事件」のことを思いだした。「第5はくしま丸」は、渡し船である。定員オーバーで転覆の危険を感じながら、渡し船を出航させたところ、転覆し、死傷者が多数でたという事件である。渡し船を出さなけれは、クビになる恐れがあった船頭が、罪に問われず、経営者の経営責任が問われた。JR西日本の経営者たちは、私鉄との激しい競争のなかで、過密ダイヤを組み、現場の運転士らに苛酷な業務命令を下していなかったか?)
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JR西日本の垣内剛社長以下、経営陣は総辞任して責任を取れ

2005年04月26日 17時44分12秒 | 社会
オーバーラン 相次ぐ“過少申告” (産経新聞) - goo ニュース

 JR西日本が25日、開業以来初めての大事故を福知山線(宝塚線)で起こしておきながら、責任逃れの工作をしていたという事実が判明し、怒り心頭に達している国民は少なくないのではないか。 死亡したり、重軽傷を負った乗客は、尼崎市内を始め、遠くは大阪府内の病院に収用されたが、乗客の家族は、30数カ所の病院を一つずつ回って身内の安否を訊ね歩いていた。こうした事態に対して、JR西日本は各病院に職員を配置して、被害者の情報を収集させ、1箇所に集中させるべきところを何もしていなかった。夫や妻や息子や娘の安否を訊ね歩いてオロオロしている家族の姿が、痛々しかった。被害者のことよりも、自分たちの「保身」の方が、よほど大事だったのだろ。
 宝塚駅発の快速電車が、現場手前の伊丹駅で「約8メートルオーバーラン」したと発表していたのを、26日になって、「40メートルオーバーラン」に訂正したのである。事故を起こした電車に乗務していた車掌が上の方と相談して、「オーバーラン」の幅を縮めて発表する工作をしたらしい。
 実は、この「オーバーラン」の幅について、テレビ各社が事故発生当初、私の聞き間違いでなければ、確か「80メートル」と報道していたはずだ。それが途中から「8メートル」に変わっているので、変だとは思っていた。それが現在は産経の記事によると「50メートル」である。いくらパニックになっていたとはいえ、「事実」を隠蔽するなどもっての外だ。
 最近は、マニュアル人間が増えて、いわゆる熟練した「職人」がいろいろな職場から姿を消しているが、機械や道具を使いこなせるようになるには、厳しい訓練と鍛練が必要である。「頭数」だけ揃えればよいというものではない。
 電車は、機関車に比べて操作が簡単のようだが、それにしても、いつも往来する線路のクセになれるには、時間がかかり、経験を積まなくてはならない。
 それに、最近の若者は、とかくちょっとしたことで「切れやすい傾向」を持っている。兄弟が少ない家庭が増えているせいか、上司や熟練した先輩たちから厳しく叱責されると、「親にも怒られたことがないのに・・」と不満を漏らしたり、いきなりカッとなって切れてしまう若者が増加している。
 また、注意したり、叱ったりする側は、若者が切れると何をされるかわからない怖さから、あまり厳しく注意したり、叱ったりしたがらない。仕事が途中で嫌になったと言って、辞めてもらわれても困るからである。まったく、手におえない。
 しかし、この大事故を教訓とするなら昨日も書き記したように、電車の運転席は、少なくとも「2人乗務体制」にすべきてである。
 機関車は、運転士と助手の2人が乗っていた。助手は石炭を釜に入れる通称「カマタキ」と呼ばれた。電車の導入により、大幅な人員削減という「合理化」により、電車は「1人乗務」となっている。改札を自動改札にし、ホームで乗客を整理する駅員の姿が消え、ローカル線では、無人駅が増えている。
 この陰でJRは、「安全確保」の責任と義務を放棄して、万が一の事故が起きた場合でも、責任を回避し、事故被害を乗客の「自己責任」に押しつけようとしているかのように窺える。だから、ホームから乗客が転落しても、直ぐには助けに行けなくなっている。 関西で大事故が起きて、その処理がまだ終わっていないというのに、今度は、関東で脱線事故が起きた。特急「スーパーひたち23号」が26日午後、常磐線羽鳥駅トレーラーと衝突して脱線したのである。トレーラーが踏み切りで立ち往生していたところへ、特急が衝突した。
 また、全国のJR各社は、「1度あることは、2度ある」「2度あることは、3度ある」のたとえが、現実に起きないように警戒を怠ってはならない。利用者は、どこで大事故に遇うかわからないのであるから、電車に乗った以上、運転士や車掌に身を任せる外はないからである。
 全国各地の鉄道には、「無人踏み切り」というのがたくさん残っている。このため、列車が頻繁に通過する踏み切りでは、人も車も大変不便を強いられている。無人踏み切りでは、人も車も自分のことは自分で守らねばならない。JRは、国民を「危険」に晒したまま放ったらかしにしておいて、何の責任も感じていないのではないか。
 実は、この無責任体質が、「国鉄民営化」による「合理化」のなかで、ますます増幅されて今日に至ってきているとも思える。大事故が起きると「無責任体質」が直ぐに表に吹き出し、「保身」となるのだろう。この無責任体質は、事故発生当初、記者会見した垣内剛社長の表情にも出ていた。さすがに、時事刻々と死者が増え、病院に謝罪に回っているうちに、遺族や怪我をした人の家族らに罵声を浴びせられているうちに、事態の深刻さに気づいてきたようである。
 これから遺族や被害者との間で、慰謝料や損害賠償の支払いをめぐって厳しい交渉が始まっていくが、この無責任体質であれば、遺族や被害者が満足するような金額で賠償交渉がすんなりとまとまるとは思えない。
 垣内剛社長ら経営陣は、私財を投げ打ってでも遺族や被害者に対する賠償責任を果たし、責任を取って総辞任すべきである。

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国鉄民営化後「最悪の電車事故」と「民営化・合理化」は無関係か?

2005年04月25日 18時41分32秒 | 社会
電車脱線、50人死亡 300人けが 兵庫のJR宝塚線 (朝日新聞) - goo ニュース

 JR西日本の宝塚線(福知山線)の尼崎-塚口間で、快速電車が脱線、誠に痛ましい「脱線事故」が起きたものである。一瞬、昭和38年11月9日に起きた「鶴見事故」を思い出した。国鉄の電車が神奈川県の東海道線鶴見-新子安間で2重衝突し、死者161人の被害者がでた大事故である。
 高校2年生のときで、保健体育の教官が、横浜方面に向かう電車に新橋駅から乗った。何か予感がして、いつも乗る当たりから乗るのを避けて、1車両ずらした。横浜方面から東京に向かう電車が、教官の乗っていた電車に乗り上げるような形になり、車両が倒れ、教官は、土手に投げ出された。辺りには、被害者が散乱し、地獄模様だったという。「乗り上げた車両の下敷きになった車両が、いつも乗る辺りの車両だった。気迷いがなかったなら、その車両に乗り、即死していただろう」と話していた。
 毎日新聞に入社して初任地である浦和支局に配属され、当時のデスクが、横浜支局出身で「鶴見事故」が起きたとき、現場に急行して取材したときの苦労話をさんざん聞かされたものである。
 それにしても、いまの電車の運転手が、「1人」というのは、あまりにも無謀である。ベテランだから安心というものでもない。最近問題になってきている「無呼吸症候群」(新幹線の運転手の例もある)により、一瞬、意識を失ったり、脳梗塞などで急死したりする危険を予測していないのだろうか。
 今回の事故は、国鉄民営化後「最悪の電車事故」である。「鶴見事故」とは、時代も違うので、単純な比較はできない。「民営化・合理化」との因果関係はあるのか。事故の原因は、果して何だったのかは、国土交通省やJR西日本の事故調査委員会の調査結果を待たなければならない。
 だが、一つだけ、気になることがある。アメリカのレーガン大統領が昭和57年ごろから、「大規模な規制緩和」をどんどん進めて行ったなかで起きたことである。
 レーガン大統領は、金融業界をはじめあらゆる業界の「規制緩和」を徹底的に推進した。このなかには、当然、交通・運輸業界が含まれていた。幸い、鉄道では、大規模な事故は起きなかったが、航空業界で、事故が多発した。運賃をめぐり「値引き競争」など熾烈な戦いが繰り広げられた。経営者は徹底した合理化やコスト・カットなどにより、集客を図った。ところが、この裏側で「安全」のための費用を惜しんだため、墜落する飛行機が続出した。
 「規制緩和」と「安全性」との因果関係は、容易に証明できるものではないけれど、「地上」と「空」との違いことあれ、「安全性」への気の緩みや、手抜きがどんな悲惨な結果を招くかについて、検証しなくてはならないだろう。
 「合理化」は、コスト面から「安全」を軽視する危険性を孕んでいる。合併による再編と合理化が進む航空業界において、日本航空機が整備ミスなどにより国土交通省から、厳しく注意を受けているが、地上での大事故が、「空」へと波及しないことを願わずにはいられない今日このごろである。類が類を呼ぶ「凶兆」は、すでに日本航空はじめ航空業界から健在化しつつある。身内にパイロット(機長)がいるだけに、心配である。

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自民党は勝って「兜の緒」を締め、民主党は敗戦を「苦薬」にして前進を

2005年04月25日 18時16分22秒 | 政治
衆院補選、自民2勝 山崎氏、返り咲き 宮城・秋葉氏 (産経新聞) - goo ニュース

 衆議院「福岡2区」と「宮城2区」の補欠選挙が24日行われ、「福岡2区」では山崎拓元防衛庁長官(自民元、首相補佐官)が、返り咲きを、「宮城2区」では秋葉賢也・元宮城県議(自民新)が、初当選を果たした。いずれも民主党公認候補者を押さえての当選であった。
 総括すると、今回もやはり補欠選挙にあり勝ちな「低投票率」の下での「組織戦」だった。組織対組織の激突である。「自民+公明」VS「民主+労組」の構図だ。
 山崎氏は、前回総選挙で「女性スキャンダル」が災いして落選したものの、「資金と組織は健在、足らないものは議員バッチ」と言われてきた。今回は、「公明党の組織力と女性票」の力強い味方を得て、当選し、「公明党」に大きな借りを残した形となった。山崎氏の当選を最も喜んだのは、小泉首相であろう。山崎氏は、「小泉首相への恩返し」として「郵政民営化法案」の成立に命を賭けるつもりのようである。
 一方、完敗した民主党は、「無党派層頼み」の戦術で負けたことを深刻に反省すべきである。未だに「足腰の弱い幽霊政党」という弱点を克服していない。
 「福岡2区」の平田正源、「宮城2区」の門間由記子の両氏ともに、「小沢一郎政治塾」の出身者といい、小沢一郎副代表のメンツは丸潰れである。岡田克也代表は、責任追及の火の粉を一身に浴びなくても済み、内心「ホッ」としたのではないか。
 いまや有権者も「馬鹿なダボハゼ」ではない。「若い候補者を立てれば無党派層の支持を得られる」とか「スマートさを売り物にすれば、女性票を獲得できる」とかといった発想で迫られても、簡単には引っ掛からない。田中眞紀子元外相の「迫力ある演説力」をもってしても、ましてや「お涙ちょうだい」の戦術でも勝たなかった。やはり、有権者は、「実行力のありそうな候補者」を選んだのではないか。
 しかし、自民党は「2勝0負」のこの結果を手放しで喜んではいられない。山崎氏は、勝ったとはいえ、自らの「実力」で勝利したわけではない。「公明党」という援軍があったればこそ、「2議席」とも勝てたにすぎないからである。衆議院議員の任期が満了となる2年半後の間に政治情勢がどう変わるかわからない。公明党がいつまでも「味方」であり続ける保証はどこにもないのである。
 国会の勢力分野を冷静に見れば、自民党が「薄氷」を踏むような状況の下で政権運営している厳しい現実を再認識するだろう。「公明党」との連立により、辛うじて政権の座にへばりつけているにすぎないのである。「公明党」は、いつでも「現世利益」を求めて「勝ち馬」に乗る、変わり身の早い「中間政党」であることを忘れてはならない。自民党は勝って「兜の緒」を締めなければ、次期総選挙に大敗してしまう。
 民主党は、この敗北を「苦い薬」にして前進して行くしかない。選挙の原点である「ドブ板選挙」に徹していけば、次期総選挙で「政権奪取」への道が開かれてくる。
 今回の選挙戦と結果についての報道を振り返りながら、小沢一郎副代表の「政治の父」、田中角栄元首相が、「選挙の神様」と絶賛して心服した人物・兼田喜夫氏(自民党で長年、選挙を担当)が残した「選挙 票固め10ケ条」を読み直してみると、「基本」と「鉄則」の重要さを改めて思い知らされる。

 1.選挙は戦い、戦いは作戦。作戦の基本は、候補者のイメージ・アップ(相手候補のイメージ・ダウン)
  事前活動、緒戦、中盤、終盤を通じ、綿密な計画と陣営の訓練が肝要。投票の〆切まで全力を尽くせ。
 2.有権者の半数以上が婦人、婦人こそ人気づくりのメーカー。婦人は思いつめたら一生懸命、婦人を味方にしよう。
           (中略)
 10.人気だけでは決して勝てない。人気よければ陣営が緩み、対立候補に乗ぜられる。最後まで危機意識に燃え、強固な団結と強固な必勝の信念を持ってがんばろう。

 私は、ジャーナリストの立場から、この兼田氏の「選挙 票固め10ケ条」を基に選挙戦を分析し、結果を予測しているが、大いに重宝している。

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米国の次の標的は「北朝鮮」、日中首脳はたまには酒を汲み交わせるような関係に

2005年04月24日 18時59分17秒 | 反日問題
関係改善へ対話促進 日中首脳会談 (朝日新聞) - goo ニュース

 小泉首相が23日夜、中国の胡錦涛国家主席とジャカルタ市内のホテルで会談した。胡主席は、小泉首相に、
 ①歴史問題に関し、日本が今後、中国やアジアの国民感情を傷つけることはしない。
 ②台湾問題で「一つの中国」を堅持し、台湾独立を支持しないことを行動で示す。
 などを要請している。
 胡主席が、「台湾問題」について言及したのは、中国内で発生したこれまでの一連の「反日暴動」からみて、意外だった。「歴史認識」や「靖国神社」が最大の問題だったはずである。
 それをわざわざ胡主席が「台湾問題」について要請してきたので「やっぱり」という感を拭えない。
 福田赳夫元首相の直弟子である小泉首相が、岸信介元首相及び福田赳夫元首相以来の「台湾との緊密な関係」をついて、中国がいかに気にしているかが、改めて炙り出されたとも言える。
 日本にとって、中国が「1つ」であろうと「7つ」であろうと、つまり「1つの強大な大帝国」であろうと、四分五裂して「中国連邦」を形成しようと、基本的には関係のない、まさしく「内政問題」であり、どうでもよい。中国民族が好き勝手に決めれば、それでよい話である。それを強いて「1つの中国」に同調を求める背景には、北京政府の深刻な「危機意識」がある。
 北京政府は、アメリカの前国務副長官のグループが、ブッシュ政権誕生の直前にまとめたいわゆる「アーミテージ・レポート」に相当衝撃を受けたのではないか。そのサワリ部分を引用しておこう。
 「ヨーロッパでは、少なくとも今後20~30年間は大戦争は考えられない。しかし、アジアでは紛争の見通しは遠のいていない。この地域は次のような特色がある。世界最大、かつ最新装備のいくつかが存在すること、核武装した複数の大国、その能力を持つ国々が存在することだ。米国を大規模な紛争に巻き込む敵対関係は、朝鮮半島と台湾海峡にいつ何時でも起こり得る。インド・アジア大陸もまた、主要な発火点であり、どちらも核戦争にエスカレートする可能性を秘めている。アジア第4の大きな国であるインドネシアで混乱が絶えないことも、東南アジアの安定を脅かしている。米国は地域の国々とは2国間安保の一連のつながりで結ばれており、それが地域の事実上の安全構造になっている。将来、大いに有望だが、危険を内蔵するこの地域において、米国の2国間関係は今までに増して重要である」

 要するに、アメリカは、次の4つの地域でも「戦争」を予感していた。
 ①朝鮮半島
 ②台湾海峡
 ③インドネシア北方の南沙諸島海域
 ④インド・アジア大陸(中央アジア)
 ブッシュ政権は、発足当初から、この4つの地域のうち、「インド・アジア大陸(中央アジア)で戦争を起こす準備をし、実際に「アフガニスタン空爆」を行い、その勢いで「イラク戦争」に突入している。
 次に戦争を仕掛ける地域は、「朝鮮半島」、とくに「北朝鮮」であり、すでに着々と準備をしている。日本は、アーミテージ・レポートを受けて、自民党の国防族のドンである山崎拓元防衛庁長官を先頭に「有事立法の制定」を急ぎ、「防衛庁の国防省への昇格」を実現しようとしている。その先に「日本国憲法改正」、とりわけ「第9条の改正」という大目標の実現が横たわっている。
 アメリカ軍は、極東においては、朝鮮半島、台湾海峡、日本列島から、東南アジアからは、ベトナムのカムラン湾から、中央アジアからは、ウズベキスタンから、それぞれ中国を包囲して、人民解放軍の動きを牽制している。
 こういう軍事情勢の下で、小泉首相が、ブッシュ政権と親密な関係を結び、「日米同盟」を一段と強化しているのを見れば、北京政府が「恐怖」するのは、当然である。ましてや、「靖国神社への公式参拝」する姿から、中国人が「大日本帝国の復活」をイメージしたとしてもおかしくはない。
 実際には、日本民族は、「平和ボケ」して大概が「腑抜けた民族」になり下がっているにもかかわらず、中国人には、そうは映っていないのではないか。

 中国人にとって、今の日本は「アメリカ」という強大な軍事大国を「用心棒」に抱えた「軍事大国」に見えているのかも知れない。何しろ、大日本帝国は、ムッソリーニのイタリアが降服し、ヒットラーのドイツ「第三帝国」が敗れた後もなお、抵抗を続け、それでも降服せず、「原爆2発」を浴びて、ようやく無条件降服した実に「しぶとい軍事大国」であった。バーチャルな形にしろ、その恐怖は恐らくいまでも行き続けているのかも知れない。
 町村外相が24日午前のテレビ朝日の番組「サンデープロジェト」に出演して、次のようなことを明かしていた。
 李肇星外相との会談で、「あなたは、日本の教科書を読んだことがあるのか」と聞いたところ、「読んでいない」と答えたという。 これが本当なら、北京政府の首脳陣が、いかにいい加減な政権であるかに驚愕させられる。読んでもいない日本の教科書に対して、どうして「歴史を歪曲している」と言えるのか。「新聞記事」を真に受けて、付和雷同しているにすぎないのである。
 朝日新聞の藤原秀人氏・北京特派員が、24日付朝刊の「水平線/地平線」というコラム欄で「胡主席 デモはいつ知ったか」と題して、面白い指摘をしている。
 「党機関で働いたことのある知人はこう話す。『皇帝のようなトップには今も情報提供するのは難しい。よければ真意を疑われ、悪ければ責任問題になる。それなら何もしないほうが身のためだ』と言う。日本政府のなかにも『胡主席も温首相も当初は知らされていなかったと思う』という見方がある。反日デモへの対応は後手に回った」
 いつでも、どこの国でも、「本当の生情報」は、トップに伝わりにくい状況がある。トップに伝わるまでに「バイアス」がかかり、「ニセ情報」や「ウソ情報」しか伝わらないということがよく起こるという。途中に介在する関係者たちが、自分たちに都合のいいように、「生情報」を「加工」したり「改ざん」したりすることがよくあるからである。
 こういうことは、北京政府に限ったことではなく、日本の首相官邸でも起こっている。首相執務室が「情報真空地帯」に陥るのである。この結果、首相が事態を正確に把握できず、政権運営を誤ることがしばしば起きる。
 アメリカが、北朝鮮への総攻撃を着々と準備していると言われている現在、どんな「突発的な出来事」が起きて、「大戦争」にならないとも限らない。かかる最悪な事態を発生させないためにも、小泉首相と胡錦涛国家主席は、直通の「ホットライン」でいつでも連絡できるようにして意志疎通を図るとか、たまには、「炙ったイカ」を酒の肴に、日本酒か老酒を交わせるほどの誼を通せるような関係を早急に築くべきである。


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中国の専門家・加藤紘一元幹事長を「外務大臣」に抜擢し「日中関係修復」の任に

2005年04月23日 17時34分14秒 | 反日問題
小泉首相と胡主席が会談へ、日中関係修復が目的 (ロイター) - goo ニュース

 ジャカルタで開かれているアジア・アフリカ会議(バンドン会議)に出席中の小泉首相と中国の胡錦涛国家主席との首脳会談の調整が進められていた最中、自民党の加藤紘一元幹事長の寄稿文が、朝日新聞の23日付朝刊の「オピニオン」欄に掲載されていた。「首脳は改善へ意思示せ」との見出しがつけられている。
 加藤氏は、2001年4月の小泉政権発足後、初めて迎えた8月に「終戦記念日の靖国神社参拝」という自らの公約への中国の批判に、いらだちを見せていた小泉首相に「『参拝はやめた方がいい』と進言したが、聞き入れてはくれなかった」と述べ、「靖国参拝問題の本質は、神社にまつられている14人のA級戦犯をどうみるかということに尽きる」として、小泉首相にいかに忠告した内容を縷々紹介している。
 そのうえで、日中関係の悪化を避けねばならないとして、その方策について、加藤氏は「いまこそ小泉首相と胡錦涛主席が、『関係悪化をここで食い止めるんだ』という明確な意思表示をすることが、極めて重要だ」と提言している。
 加藤氏は、外務官僚出身の政治家である。若手官僚時代、北京の日本大使館に勤務し、中国・北朝鮮情報を収集・分析を担当し、中国人顔負けの流暢な北京語を操ることでも知られている。「本物の情報を収集する抜群の能力の持ち主」として大平正芳元首相から信頼を得て、大平内閣の官房副長官(福田内閣の森喜朗副長官の後任)に抜擢されて、国会内外で情報収集に当り、政権をよく助けた。 日本の政権は、「アメリカ」「中国」両国の厚い信頼を得なければ、外交上、安定政権を維持できないという宿命を背負っている。逆に言えば、両国から厚い信頼を得られれば、少なくとも外交上は「安定した良好な政権」を維持できるということである。今日、小泉政権は「ブッシュ政権」とは極めて緊密で良好な「同盟関係」を堅持している。「ブッシュ政権」が、「石油・軍需・ゼネコン」の3業界を支持基盤とし、とくにチェィニー副大統領が「ハリバートン」という石油会社のトップであり、小泉政権が「石油業界」を支持基盤にしているという似たような関係から、相性がよいからでもある。小泉首相の出身母体である自民党森派は、旧商工省(現在の経済産業省)の「革新官僚」と言われて岸信介元首相が「資源エネルギー利権」を掌握して以来の「石油利権」を継承してきている。 この「石油利権」を基盤にしている小泉政権が、東シナ海の尖閣列島付近において中国が行っている油田・ガス田の開発に神経質になるのは、当然である。
 だが、加藤氏が指摘しているように、「日中関係の悪化」は、両民族にとって「プラス」にはならない。小泉首相と胡錦涛主席は、「危機回避」のために努力を惜しんではならない。そのためには、いずれも「メンツ」にこだわる「愚」をも避ける必要がある。
 「山崎拓・小泉純一郎・加藤紘一」の3人は、「YKK」と言われた「盟友どうし」だったはずである。加藤氏は、「加藤の乱」により一時失脚したことはあるが、「禊」を終えていまは「復権」を果たし、「近い将来の総理総裁候補者」の地位を復活しつつあり、日本にとって大事な大政治家である。
 小泉首相は、この危機を乗り越えて、自民党総裁任期満了までの残された「1年5か月」の間に、経済再生・景気回復などの実績とともに、「外交上の業績」を上げなくてはならない。
 そのためには、小泉首相がこの秋にも予定していると言われている内閣改造では、中国人以上に流暢に北京語を操れる「中国通」の加藤氏を「外務大臣」として入閣させて、「中国」との関係修復の任に当たらせ、「アメリカ」との同盟関係と相まって、「安定した良好な政権」を維持して、「有終の美」を飾るべきである。
 小泉首相の政治の師匠であった福田元首相は昭和53年8月12日、日中平和友好条約締結に踏み切る際、東洋哲学者・安岡正篤氏を首相官邸に招いて、教えを請うた。福田元首相は、岸信介元首相から「台湾利権」を引き継いでいて、福田派の国会議員たちが、台湾との深い付き合いを重んずる立場から「日中平和友好条約締結」に反対し、自民党内は大荒れした。反対派の急先鋒は、鼻息の荒い「青嵐会」の若手議員たちで、このなかに現在の東京都知事・石原慎太郎衆院議員や中川昭一経済産業相の父・中川一郎衆院議員、後に首相になる森喜朗衆院議員、浜田幸一衆院議員らの暴れん坊がいた。
 福田首相にどうすればよいかを聞かれた安岡正篤氏は、「覇道ではなく、王道を歩みなさい」と教示を授けた。福田首相が「王道ですか」と聞き直したのに対して、安岡氏は、「そうです」と答え、福田首相は「わかりました」と述べて、破顔一笑したという。
 首相執務室から出てきた安岡氏を「福田番」の記者団が取り込んだ。毎日新聞政治部記者として「福田番」を務めていた私は、すかさず「何を話されたのですか」と訊ねた。安岡氏は「王道と覇道ということです」と一言言い残して、車寄せの乗用車に乗り込んで、去って行った。すったもんだの末に、日中平和友好条約は締結された。
 小泉首相は、このときの福田首相の「心中」をいま一度、思い起こすべきである。
 ちなみに、「靖国神社」がどう対処するかは自由であるが、主張するのも自由であるから、「靖国神社」にあえて一言進言したい。 「日本の政権を困らせ、日本民族の前途を誤らせるようなことは即刻、お止めなさい」
 もちろん、中国民衆が今後、「共産党一党独裁」と「資本主義経済」との間に矛盾を感じ、「自由」と「民主主義」を求めて、「革命」に立ち上がり、「共産主義体制」を崩壊させるか否かは、わが日本民族の一切関知するところではない。内政干渉しないよう、この面で日本が、「モンロー主義」を貫くべきであることは言うまでもない。

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