◆イラクのフセイン元大統領が12月30日午前6時(日本時間同日正午)、絞首による死刑を執行されたという。判決確定後、わずか4日というスピーディでしかも手際のよい処刑であった。
しかし、イラク戦争がこれで終わったと見るのは、早計である。フセイン処刑は、ブッシュ大統領が事実上の敗戦を糊塗し、アメリカ国民を欺瞞するために行った、あくまでも「演出」にすぎない。イラクはすでに「ベトナム化」しており、止め処もない内乱状態にある。アメリカ軍は、撤退したくても、「シンガリ(殿)」が相当消耗する危険は避けられないであろう。フセイン元大統領派による「報復テロ」は当分続くものと見られ、イラクに真の平和が訪れるのは、さらに先となるのは確実である。
◆イラク戦争は、「9・11事件」から始まり、米英連合軍によるアフガニスタン空爆を経て、その勢いを得て、有志連合による「バクダッド爆撃」へとエスカレートしていった。
私は、「9・11事件」直後、「ブッシュの陰謀―対テロ戦争・知られざるシナリオ」(2002年2月5日、KKベストセラーズ刊)を上梓した。
この本の帯には「『自由を守る戦争』」の真っ赤な嘘!」「大統領の黒い野望と狂気の戦略―これは果たして誰のための戦争だったのか!?」という触れ込みが書かれていた。詳細は、本書に譲るが、アメリカ国内でも、民主党系の「草の根運動」が暴露しているように、「ブッシュ政権中枢部」が、すべてを演出したものと言われているという。
本書が、いわゆる「仮説」とした「ブッシュの陰謀説」が実証されつつあるのである。
◆それ以上に忘れてはならないのが、あの「オサマ・ビンラディン」のことである。消息はいまだに判明していないが、肝心要の「オサマ・ビンラディン」が発令したと言われる「ファトゥ(宗教命令)」が、解除されたという情報は、とんと聞かないのである。
「オサマ・ビンラディン」は1998年2月、「ユダヤ人と十字軍に対する聖戦のための国際イスラム戦線」を結成し、対米戦線の宗教命令「ファトゥ」を発令した。その直後の8月7日、ケニア・タンザニアのアメリカ大使館で「同時多発テロ事件」が起きている。
国際社会にとって最も危険なのは、この「ファトゥ」が、未だに解除されていないということである。
イラクでは、イスラム教徒の間の「スンニ派VSシーア派」の対立が、内乱を招き、テロが多発していると単純に受け止める向きが多い。けれども、本質は、「オサマ・ビンラディン」が「ファトゥ」を発令したように、いまや「キリスト教徒VSイスラム教徒」との最終戦争の様相を示している。イスラム世界は、欧米列強からの侵略を受けて、「帝国主義・植民地主義」の被害者となっている。中東が「石油・天然ガス」の源泉であり続ける限り、欧米列強が、この構造と関係を変えるとは考えられない。ということは、イラクの内乱は、簡単には収まらないとみるべきである。
勝てば官軍である。有史以来、正義は常に勝者にあることは、歴史が実証している。イラク戦争の「真の勝者」は、まだわからない。決着はついていないからである。
◆かかる状況下で、日本が取るべき道は、「日本民族の興亡」をかけた戦いにおいて、「勝てる道」を見つけることである。いまのところは、「超大国アメリカ」に従うしかないが、日本外務省が注意を促している国々や地域、すなわち、「ファトゥ」が生きている国々や地域、少なくともフセイン元大統領派の残党が棲息し、テロ活動を行っていると予想される「危険地域」には、日本人は足を踏み入れないことである。これを無視して出かける人は、何が起ころうとも「自己責任」を覚悟すべである。
しかし、イラク戦争がこれで終わったと見るのは、早計である。フセイン処刑は、ブッシュ大統領が事実上の敗戦を糊塗し、アメリカ国民を欺瞞するために行った、あくまでも「演出」にすぎない。イラクはすでに「ベトナム化」しており、止め処もない内乱状態にある。アメリカ軍は、撤退したくても、「シンガリ(殿)」が相当消耗する危険は避けられないであろう。フセイン元大統領派による「報復テロ」は当分続くものと見られ、イラクに真の平和が訪れるのは、さらに先となるのは確実である。
◆イラク戦争は、「9・11事件」から始まり、米英連合軍によるアフガニスタン空爆を経て、その勢いを得て、有志連合による「バクダッド爆撃」へとエスカレートしていった。
私は、「9・11事件」直後、「ブッシュの陰謀―対テロ戦争・知られざるシナリオ」(2002年2月5日、KKベストセラーズ刊)を上梓した。
この本の帯には「『自由を守る戦争』」の真っ赤な嘘!」「大統領の黒い野望と狂気の戦略―これは果たして誰のための戦争だったのか!?」という触れ込みが書かれていた。詳細は、本書に譲るが、アメリカ国内でも、民主党系の「草の根運動」が暴露しているように、「ブッシュ政権中枢部」が、すべてを演出したものと言われているという。
本書が、いわゆる「仮説」とした「ブッシュの陰謀説」が実証されつつあるのである。
◆それ以上に忘れてはならないのが、あの「オサマ・ビンラディン」のことである。消息はいまだに判明していないが、肝心要の「オサマ・ビンラディン」が発令したと言われる「ファトゥ(宗教命令)」が、解除されたという情報は、とんと聞かないのである。
「オサマ・ビンラディン」は1998年2月、「ユダヤ人と十字軍に対する聖戦のための国際イスラム戦線」を結成し、対米戦線の宗教命令「ファトゥ」を発令した。その直後の8月7日、ケニア・タンザニアのアメリカ大使館で「同時多発テロ事件」が起きている。
国際社会にとって最も危険なのは、この「ファトゥ」が、未だに解除されていないということである。
イラクでは、イスラム教徒の間の「スンニ派VSシーア派」の対立が、内乱を招き、テロが多発していると単純に受け止める向きが多い。けれども、本質は、「オサマ・ビンラディン」が「ファトゥ」を発令したように、いまや「キリスト教徒VSイスラム教徒」との最終戦争の様相を示している。イスラム世界は、欧米列強からの侵略を受けて、「帝国主義・植民地主義」の被害者となっている。中東が「石油・天然ガス」の源泉であり続ける限り、欧米列強が、この構造と関係を変えるとは考えられない。ということは、イラクの内乱は、簡単には収まらないとみるべきである。
勝てば官軍である。有史以来、正義は常に勝者にあることは、歴史が実証している。イラク戦争の「真の勝者」は、まだわからない。決着はついていないからである。
◆かかる状況下で、日本が取るべき道は、「日本民族の興亡」をかけた戦いにおいて、「勝てる道」を見つけることである。いまのところは、「超大国アメリカ」に従うしかないが、日本外務省が注意を促している国々や地域、すなわち、「ファトゥ」が生きている国々や地域、少なくともフセイン元大統領派の残党が棲息し、テロ活動を行っていると予想される「危険地域」には、日本人は足を踏み入れないことである。これを無視して出かける人は、何が起ころうとも「自己責任」を覚悟すべである。