2012年12月31日

体験型エンタテインメント 2011〜2012 総まとめ


2012年も大晦日となりました。2010年の総まとめ以来1年開いてしまいましたが、「体験型エンタテインメント 2011〜2012 総まとめ」をお送りいたします。2010年分と合わせて、これまでのARG情報局の総決算となるこのまとめ記事が、皆さまのご参考になれば幸いです。

この記事で用いる用語について


最初にこの記事での用語について簡単に整理しておきます。

ARG情報局では、参加者が能動的に関わっていく娯楽全体を「体験型エンタテインメント」と呼んでいます。その大きなくくりの中で、謎解きを中心に据えた公演型イベントを「体験型謎解きイベント」、代替現実感を重視した主に長期型の企画を「代替現実ゲーム(ARG)」と位置づけています。

詳しくは「体験型エンタテインメントの要素と「ARG」の定義」を参照してください。体験型謎解きイベントとARGの構造的な相違点につきましては、SIG-ARG第4回セミナーでの澤田さんの講演も詳しいです。

キーワード


2012年末現在の日本における体験型エンタテインメントの状況を端的にまとめると、以下のようになるでしょうか。

  • 体験型エンタテインメントの多様化
  • 体験型謎解きイベントの制作者層の成熟

以下、各キーワードについて解説します。

『龍宮学校』 レポート


(このレポートはARGプレイヤーの風簷さん(@fuen_dreamer)に寄稿していただきました)

遅くなりましたが、以前、ARG情報局で取り上げました『龍宮学校』について、
簡単ですが、まとめたいと思います。
物語の全体の内容については、
ARGまとめサイト『龍宮学校 ARG部』を参照してください。

2012年12月26日

『名も無き少女』 レポート


(このレポートはARGプレイヤーの風簷さん(@fuen_dreamer)に寄稿していただきました)

以前、ARG情報局で取り上げました 通称『名も無き少女』について、
簡単ですが、まとめたいと思います。
物語の全体の内容については、
少女の記録『名も無き少女.pdf』を参照してください。

2012年12月25日

SIG-ARG第4回セミナーの講演動画公開(第2弾)


10月20日に開催したSIG-ARG第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の講演の一部を動画として公開いたします。澤田さんの講演動画公開に続く、第2弾です。

本日付で公開するのは、読売広告社の太田理奈子様による「明治 果汁グミ メグミとタイヨウ 事例紹介」と、ラ・シタデール 竹内ゆうすけ様と Production I.G 鈴木哲史様による「劇場版BLOOD-C The Last Dark ARG 『SIRRUT.NET』 事例紹介(仮)」です。

まず、メグミとタイヨウの事例紹介の講演動画講演資料)からご紹介します。制作時はARGを意識していなかったキャンペーンではありますが、結果として、2012年に実施された中でもっとも大規模な事例となった、素晴らしい内容のARG事例です。参加者との良好なリレーションシップの構築や、TV CM の効果的な活用法など、たいへん参考になりました。事例の内容については、メグミとタイヨウのプチ事例紹介記事もご参照ください。



続いて、BLOOD-C ARG の事例紹介の講演動画講演資料)です。映画のプロモーションARGを作る際に参考になるスケジュールや制作体制などを知ることができます。事例の内容については、BLOOD-C ARG のプチ事例紹介記事もご参照ください。



SIG-ARG第4回セミナー全体のサマリーにつきましては Gamebusiness.jp のレポート記事をご参照ください。また、ラウンドテーブルの議論のまとめ記事「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」もご参照ください。

SIG-ARG4へご登壇いただいた上に、講演動画の公開にまでご協力いただきました講演者の皆さま、そして当日足を運んでいただいた参加者の皆さまに、改めて感謝いたします。

関連リンク
SIG-ARG第4回セミナー
ARG情報局: SIG-ARG第4回セミナーの講演動画公開(第1弾)
ARG情報局: 体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法
SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」 - Togetter
体験型エンタテインメントの市場を広げる方法とは?事例から探る SIG-ARG04レポート / GameBusiness.jp

2012年12月24日

『推理展示-殺人事件-』レポート


少し前になりますが、2012年10月20日〜21日に「推理展示-殺人事件-」という一風変わった展示が開催されました。レンタルスペースのデザインフェスタギャラリー原宿の一室で開催されたこのイベントは、殺人事件の現場が展示されているだけというもの。

2012年11月30日

SIG-ARG第4回セミナーの講演動画公開(第1弾)


10月20日に開催したSIG-ARG第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の講演の一部を動画として公開いたします。

本日付で公開するのは、SIG-ARG副世話人の澤田典宏による「多様化する体験型エンタテインメント -ARGと体験型謎解きゲームの潮流-」の講演動画(25分)です。

ARG(Alternate Reality Game; 代替現実ゲーム)や体験型謎解きゲームを含む、体験型エンタテインメントというジャンル全体について、ビジネス的な側面も含め、現状を分かりやすく説明する講演となっています。「謎解きゲームとARGって何が違うの?」という方にもおすすめです。



SIG-ARG第4回セミナー全体のサマリーにつきましては Gamebusiness.jp のレポート記事をご参照ください。また、ラウンドテーブルの議論のまとめ記事「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」もご参照ください。

第2段の講演動画公開はこちら

関連リンク
SIG-ARG第4回セミナー
ARG情報局: 体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法
SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」 - Togetter
体験型エンタテインメントの市場を広げる方法とは?事例から探る SIG-ARG04レポート / GameBusiness.jp

2012年11月27日

暗号を解かないと何かが起こる!?「徳井義実ヲ解放セヨ 」


ロケットニュース24の記事『チュートリアル徳井の身に何かが起こる!? 謎の男が謎のサイトで声明「暗号が解けなければ徳井をドカーンする」』によると、ロケットニュース24の編集部に「暗号を解かなければ12月3日にチュートリアルの徳井義実氏をドカーンする」との挑戦状が送りつけられてきたそうです。

問題の暗号は http://kaihoseyo.jp/ の動画で確認することができます。



この動画をみると、徳井氏は何ものかの監視下に置かれている模様。Twitter アカウント @kaihoseyo では、謎かヒントか分からないつぶやきも続いています。

まずは、動画内の以下の暗号を解き、徳井氏がドカーンされる時間と場所を明らかにしてください。


この文章、英語の訳に取りかかる前に、ざっと眺めてみると、なんだか明らかに不自然なところがあるような・・・?

それにしても、挑戦状の一番下に「これは、プロモーションの告知です」と入っているのが、少し哀愁漂いますね。

関連リンク
チュートリアル徳井の身に何かが起こる!? 謎の男が謎のサイトで声明「暗号が解けなければ徳井をドカーンする」 | ロケットニュース24
Twitter: @kaihoseyo

2012年11月25日

フジテレビ「アイドリング!!!」でARG企画開始


プレスリリースによると、フジテレビで放送中の『アイドリング!!!』で、日本のバラエティ番組初となる ARG 企画「私を止めてください」が今週よりスタートするとのこと。視聴者がプレイヤーとなり、アイドリング!!!のメンバーと協力して、“ある女の子”を止めることに挑戦します。

このARGの舞台となる「Mのスマイルゼリー研究所」のホームページ http://laboratory-m.com/ も本日よりオープンしています。



本日開催される「アイドリング!!! 12th LIVE」にて、ARG企画の告知があるということですので、詳細が判明次第、追記させていただきます。

(追記) NHKホールで開催された 12th LIVE では以下のようなチラシが配布されていたようです。


チラシには「アイドリング!!!」の21名のメンバーによく似た(?)10名の助手と、11名のゼリー体験者が載っています。

会場でも流れていたティザー動画によると、ARGを進めていくと、リアルにどこかの場所に行くようなミッションも実施され、中には研究所のメンバーに逢えるチャンスもあるとか!?

まずは29日(木)深夜の番組を楽しみに待ちましょう! ちなみに、番組内の ARG コーナーはそのまま放送直後に YouTube にも上がるため、放送時間が遅れる地域の方も安心。

また、放送を待っている間に、研究所の様子をつぶやいているMの人形(@LaboM_doll)をフォローしたり、公式ハッシュタグ #LaboM でMの人形と親睦を深めたりするのもいいかもしれませんね。

なお、早速 Facebook ページを利用した非公認のまとめページもできているようです。

関連リンク
アイドリング!!!
Mのスマイルゼリー研究所
Twitter: @LaboM_doll, #LaboM
非公認のまとめページ@Facebook

2012年11月24日

Googleが本格ARG「Ingress」を開始


今月、Google がスマートフォンの位置情報を使ったゲーム「Ingress」を開始した、と各ニュースサイトが報道しています。Engadget の「Googleが実世界陣取りモバイルゲーム Ingress を開始。改変現実SFもの」などが詳しいですが、こうした報道だけ読むと、foursquare のような位置情報ベースで所有権の奪い合いをする遊びをSFゲームにしたのね、そして、これは Google の位置情報ベースの広告プラットフォーム作りの一環なのね、といった理解となり、それはおそらく間違いではないのですが、ARG情報局としましては、Ingress がガチARG (Alternate Reality Game = 代替現実ゲーム) であることをきちんとお伝えせねばと、この記事を書いております。



2012年11月23日

リアルゲームの総合情報サイト「なぞとも」オープン


昨日、参加体験型イベントレビューサイト「なぞとも」がオープンしました。『今注目の”謎解きイベント”を中心に、全国各地で行われている「リアルゲーム」の情報を集めた総合サイト』とのことで、WonderQ さんが立ち上げたものです。WonderQ さん自体も「推理カフェNAZEDA」や「リアル悪の教典ゲーム」などの体験型イベントを制作されていますが、「なぞとも」では国内で実施されている「リアルゲーム」を広く取り上げたサイトとなります。

Twitter の公式アカウント @Wonder_Q で連続ツイートされた挨拶をまとめて引用させていただきます。
突然ですがこの度、我々WonderQはいわゆる”参加型”、”体感型”と言われる「ゲームイベント」情報を集めた総合サイトをプレオープン致しました!
参加型ゲームイベント(現実世界のゲーム=リアルゲーム)は、TVゲーム等とは違い、現実世界で参加者自らが、頭と体を使って謎を解いたり、冒険したりする、そんなイベントの総称です。
今注目の”謎解きイベント”を中心に、全国各地で様々なイベントが行われていますが、それら情報は各所に点在しており、少し不便・・・という事で、これらを集約させたサイトを作ってみました。
ここでやりたい事は「参加型ゲームイベントをもっとメジャーに!」する事です。情報を集めて利便性を向上させ、より多くの人にご覧頂く事で認知が高まっていく・・・そんな風に考えています。
今はまだ”プレ”オープン段階ですが、今後さまざまな情報、機能を拡張させて行く予定です。また、各団体さまへのお声がけを増やしイベント掲載量も増やして行きたいと思います。
長くなりましたが、本サイトのオープンにご協力頂きました各社様、各団体様には改めて感謝をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございました。
また、本サイト制作にあたり、参考とさせて頂きましたカレンダー( http://bit.ly/T4if1D )を個人でまとめられている”とし”(@10s4)さんにも御礼申し上げます。
リアルゲーム製作チーム「WonderQ」、ならびに情報総合サイト「なぞとも」を、今後共よろしくお願い致します。

今、国内で大きく盛り上がっている公演型の「現実世界のゲーム=リアルゲーム」にフォーカスした総合情報サイトが始まったことで、ARG情報局も一つの役割を終えることができそうです。
いずれ、レビュー記事も始まる様子の「なぞとも」、今後の展開が楽しみですね!

関連リンク
謎とも/なぞとも - 参加体験型イベントレビューサイト
参加体験型リアルゲーム【WonderQ/ワンダーQ】
Twitter: @Wonder_Q

2012年11月16日

「リアル悪の教典ゲーム」ベタ褒めレビュー


川崎のラ チッタデッラで開催中の「リアル悪の教典ゲーム 〜恐怖の頭脳改革〜」にご招待いただいたので、参加してきました。通常は謎解きイベントの開催中にネタバレできない状態で記事を書くことはしていないのですが、贔屓無しでARG情報局で取り上げたいと思えるイベントでしたので、初の試みとして紹介してみます。

2012年11月15日

体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法


去る10月20日に開催されたSIG-ARG第4回セミナーにて「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」を論じました。全体の雰囲気は Gamebusiness.jp に「体験型エンタテインメントの市場を広げる方法とは?事例から探る SIG-ARG04レポート」という記事を掲載していただいていますので、参照してください。当日の Togetter まとめはこちら

この記事では、「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」について、パネルディスカッションやその後の議論を通じて提案されたリストをまとめます。これが正しい!というものではなく、こんな意見があり、ある程度の説得力がありましたよ、というリストです。この中から、皆さんにとって役立つ考え方を見つけてもらえたら幸いです。

1. 謎解きに+αを加える

体験型謎解きゲームだとしても、宝探しや、普段はできないことができる、シチュエーションが面白いなど、+αの体験要素が重要です。謎解きが得意ではない多くの人でも、体験要素で満足感を得て、次は謎も解いてやろうというポジティブな気持ちで終われます。そうでなければ、時間を浪費して惨めな思いをしただけ、という気持ちで終わってしまい、二度と参加しないでしょう。

2. 同じ遊びを作り続ける

ジワジワと一般に普及していくためには、同じ遊びが作られ続けなければなりません。作り手は飽きてきますが、だからといって頻繁に形を変えていたら、それを追いかけられる先鋭的な人たちにしか遊んでもらうことはできません。
情報のアンテナが高くない人々に評判が伝わるには長い時間がかかります。そうしてようやく伝わったのに、参加してみようと思ったら既に参加する機会がなかった、ということがないようにしなければなりません。

3. 常に新しいネタを考える

前項と矛盾しているかもしれません。でも、娯楽制作というのは常にどうやったら新鮮に驚いてもらえるだろうということを考え続けるものでもあります。それも、外に広がっていくような新しいネタが必要です。
常連さんしか楽しめない方向に深化すると、待つのはシューティングゲームや格闘ゲームがかつて辿った一見さんお断りのディープな世界です。

4. 構造を分かりやすくする

体験型エンタテインメント、とくにARGは、複数のメディアを使うトランスメディア展開が大きな特徴となります。が、安易に複数のメディアに分散してしまうと、メディアを一つまたぐごとに、ついて行けない人をどんどん振り落としていってしまいます。参加者の想定をしっかりして、無理のない多メディア展開をしなければなりません。
また、遊び方が分からないと、そもそも誰も入ってきてくれません。新しい遊びであるが故に、その楽しみ方をどう伝えていくのかには最大限に気を使っていく必要があるでしょう。遊戯王が TCG の遊び方を広めたように、ARG をプレイしている様子を楽しそうに描いた漫画やアニメが必要だ、という意見もありました。

5. 誰もが入りやすい仕掛けを考える

「メグミとタイヨウ」では、最初、頼りないタイヨウくんが twitter 上で恋の悩みをみんなに相談するという形で始まりました。そして、友だちに接するように気軽に返信するだけで物語に関わっていくことができたのです。このように、身構えず入ってこれ、また友だちにも紹介できる入口を用意することも重要です。
また、テレビCMなどのマスメディアも分かりやすい入口を作るという意味では便利な道具です。同じく「メグミとタイヨウ」では60秒TV CMを使って丁寧に最初の説明と誘導を行い、大きな成功を収めました。

6. 参加者と運営が一緒に盛り上がる

体験型エンタテインメントはライブ感が一つのキーワードとなりますが、その際に運営側が楽しんでいる雰囲気は参加者にダイレクトに伝わります。イベント型の企画で、現地の裁量を大きくしたところ、現地スタッフが自分でアイデアを出しながらノリノリで運営を行っている事例なども紹介されました。
また、Web を通した施策であっても、現場の裁量が大きければ、それだけ参加者の行動を受けた反映を行うことができ、それが参加者との良好なリレーションシップを築く土台となります。

7. 制作者の発掘・育成

体験型エンタテインメントで、リアルタイム性の高いストーリーテリングを行おうとすると、他の時間を掛けて作るコンテンツとはまた異なった様々なスキルが必要になります。中小の事例を実施し続けることで、こうした才能の持ち主が集まってきたり、制作チーム内で育っていき、それが、より大きな事例の成功に繋がっていきます。

8. 理解あるクライアント・上司を得る

結局の所、大きな体験型事例を行うには、お金を出してくれる決裁権を持った人に理解していただく必要があります。実際、ユニークな企画が実現できた所は揃ってクライアントや上司が協力的であり、逆に当初の予定から大幅に企画の面白さが後退していく事例ではクライアントの不理解によるケースの枚挙に暇がありません。
成功事例が増えて行くにつれ、クライアントの理解は得られやすくなるとは思いますが、現状では協力的なクライアントは非常に貴重であると心得て、太く長いお付き合いをしていきましょう。

9. ドラクエ級のヒット作を作る

日本の RPG というジャンルをドラクエが定義したように、そして、欧米の ARG というジャンルを The Beast が定義したように、日本の体験型エンタテインメント、あるいは ARG というジャンルを定義する超ヒット作が生まれれば、ほとんどの問題は一発で解決です。
問題は、ヒット作を狙って産みだせるのならば、みんなそうしているということな訳ですが……。しかし、トライしないと成功もありません。まずは作り続けることが重要ですね。

10. ARGのもっと分かりやすい言い方を考える

ARG(代替現実ゲーム)という言葉がそもそも分かりにくいよね、というご指摘です。制作者向けの用語は、欧米との情報共有もありますので ARG で良いと考えていますが、プレイヤー向けにもっと分かりやすい言葉があるといいですね。ずっと議論しているんですが、なかなか・・・。

以上、「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」でした。

ちょうど SCRAP の加藤さんがブログで「つくること。どこまで書いていいのかわかんなくて全部書いた日記」という記事を公開し、話題になっています。古参のファンから批判的なことを言われることが増えて悲しいが、それでも自分が面白いと思うものを作ることが大前提だ、という内容で、作り手としては大変共感しました。ただ、同時に、上記でまとめたジャンル拡大という観点からは、リアル脱出ゲームというブランドが提供する遊びは現状から大きく変わらずにいて欲しいという気持ちもあり、なかなか複雑です。

SIG-ARG4 に関しては、一部の講演で資料と動画も公開できる予定です。現在整理中ですので、もう暫くお待ちください。

関連リンク
SIG-ARG第4回セミナー
SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」 - Togetter
体験型エンタテインメントの市場を広げる方法とは?事例から探る SIG-ARG04レポート / GameBusiness.jp
kato takao | weblog: つくること。どこまで書いていいのかわかんなくて全部書いた日記

2012年11月4日

謎フェス限定「ARG情報局新聞」配布中


11月3日〜4日の日程でお台場の東京カルチャーカルチャーで実施中の「謎フェス」で、会場限定の新聞風フライヤー「ARG情報局新聞」を配布中です。

体験型イベント制作団体の文化祭といったノリのたいへん楽しいイベントとなっています。当日券も発売されていますので、お時間のある方はお立ち寄りください。第二部は14時〜、第三部は18時〜開始です。(なお、当日券で入った場合、先着順受付のアトラクションには参加できない場合があります)

関連リンク
謎フェス

2012年11月2日

少女と一緒に『世界の謎』を解け 「名も無き少女」


10月20日(土)より、突如、ARGファンや制作者などをフォローした
 @02012102 というアカウントが現れました。
アカウント名が「???」 となっていること、アイコンが少女に見えるので、
フォロワーからは「名も無き少女」と呼ばれているようです。




物語はこのツイートから始まります。
どうやら、 少女の部屋の写真のようですが、





このように自分自身のことがわからないため、フォロワーに助けを求めているようです。
また、少女に話しかけることによって、部屋が徐々に完成していくようです。





今のところ、謎解き(パズル)というよりも、少女と会話をすることによって、
フォロワーの行動が反映されて物語が進むようです。
まだまだ、わからないことや謎も多く、 掲示板togetter などで、まとめられているようです。
あなたも少女と一緒に「世界の謎」を解いてみませんか?


関連リンク
Twitter: @02012102
トピック: 名も無き少女 » ARGまとめサイト
togetter: 透明になりたくない彼女のまとめ

2012年10月24日

映画『悪の教典』公開記念「リアル悪の教典ゲーム」11月3日より開催


11月10日公開の映画『悪の教典』とタイアップした謎解きイベント「リアル悪の教典ゲーム」が11月3日〜25日まで、川崎の「ラ チッタデッラ」で開催されます。イベント制作は「推理カフェ NAZEDA」などを制作した WonderQ さん。

「ラ チッタデッラ」では、学園祭をテーマにした体験型謎解きイベント『恐怖の頭脳改革』が開催されていた。だが、その会場には、ひとりのサイコキラーが潜んでいたのだ。犯人に拉致された友人の救出を訴える学生。次の瞬間、暗闇と化した室内に頭蓋を砕く鈍い音が響き渡った。あなたは、サイコキラーの計略をくぐり抜け、生きのびることができるだろうか…

謎解きイベントは、「ラ チッタデッラ」内を回遊する街歩き型の「恐怖の頭脳改革 - 街伝」(参加費1000円)と、特設会場内で行われる「恐怖の頭脳改革」(参加費前売り2800円)の2段階の開催となります。

ただ、それだけではARG情報局が独立記事でお届けする理由にはなりません。Twitter アカウント @shinkougakuin が「この映像には謎が隠されている。もし、あなたが深淵を覗きこんでみたいと思うならば、その謎を見つけて欲しい。なにもかもが混沌とした夢であれば良いのに……。」とつぶやいており、ここからARG的な展開が始まっているようなのです。

問題の映像はこちら:

映像中に URL が挿入されており、その URL に行くと、ウサギの絵が描かれた怪しいブログに飛びます。ここがどうやらラビットホールになっており、ここから ARG 的な展開が始まりそうなのですが、現在、リンクの中にある裏ページへ入るパスワードが分からずに苦戦している状況です。

興味のある方は、ぜひ裏ページのパスワード突破を試みて、その先にあるものを見つけてみてください。

ラビットホールページのフッタには、WonderQ さんに加え、ARG制作チームのチームだいたいの名が並んでいます。

関連リンク
リアル悪の教典ゲーム
WonderQ
チームだいたい
Pink らびっと(ラビットホールページ)

10月のニュースまとめ

SIG-ARG4の準備をしている間にすっかりと記事にしないといけないニュースが溜まってしまっていました。一気にどどんとお知らせします。

ヒミツキチオブスクラップ、レンタル開始

旧聞になりますが、アジトオブスクラップ店長ブログによると、「ヒミツキチオブスクラップ」の他の体験型イベント実施団体への貸出を始めるそうです。「ヒミツキチオブスクラップ」はSCRAPさんが原宿に持っている、100〜200名ほど入る常設イベントスペースです。「原宿の新たな実験室として次から次へとさまざまなエンターテイメントを世の中に送り出していきたい」とのことで、初期レンタル代はかからず、売り上げの50%をシェアするというモデルだそうです。企画合否の判断基準は「面白そうなもの、新しそうなもの、楽しそうなもの」。面白そうな企画をお持ちの方は、企画応募をしてみてはいかがでしょうか。

何味かわかるかな? からあげクン?味 ~怪盗シモーノからの挑戦状~

ローソンのキャンペーン「何味かわかるかな? からあげクン?味 ~怪盗シモーノからの挑戦状~」が10月29日まで開催中です。怪盗シモーノ(声優の下野紘氏)によるヒント動画の他、からあげクン?味のパッケージ、公式ブログ、さらには最北端と最南端の店舗の店内放送などでヒントが出されています。Twitterと連動した専用応募フォームから答を応募すると、3000円のプリペイドカード他の賞品が当たります。

アイドルライブ×体感型ゲーム アイドルワンダーランド2012

アイドル×体感型ゲーム アイドルワンダーランド2012というイベントが10月27,28日、11月3,4日に東京ドームシティのシアターGロッソで開催されます。時間中に園内に配置されている謎やミニゲームを全て解くと特典がもらえ、その後、アイドルのライブがある、というもの。SCRAPさんのリアル出逢いゲームを彷彿とさせる構成でドキドキしますが、どんなイベントになるのでしょうか。ゲーム制作はPKシアターさん。

WOWOW IINE MYSTERY「監督Xの異常なビデオ」

WOWOW と SCRAP のコラボキャンペーン『WOWOW IINE MYSTERY「監督Xの異常なビデオ」』が実施中です。10月18日から3週にわたり毎週木曜日に新しい謎が公開され、最終的に11月2日にWOWOWで放送される「WOWOW史上最大の謎」に挑戦する、というもの。現在、1週目が公開されていますが、フラッシュモブの動画の中の不自然な点を見つけ出して答えるというもので、普段の謎解きとは一風違った映像を使った問題となっています。

若桜町ミステリーウォーキング~消えた金田一少年を追え!!~

鳥取県で開催中の「国際まんが博」の共催イベントとして、11月3, 4日に「若桜町ミステリーウォーキング~消えた金田一少年を追え!!~」というイベントが開催されます。金田一少年とのコラボイベントで、鳥取県若桜町で事件調査中に失踪した金田一少年を捜してほしい、というもの。なんと、鳥取県知事の平井氏からの捜査依頼動画も公開されています。山間の自然豊かな静かな町・若桜町で、町を歩きながら謎を解いてみませんか? 参加費無料です。

2012年10月15日

SIG-ARG4講演内容ぷち紹介「劇場版BLOOD-C The Last Dark ARG 『SIRRUT.NET』」


いよいよ今週土曜日に迫ったSIG-ARG第4回セミナーで、事例紹介をいただく3件につきまして、予習としてプチ事例紹介させていただきます。最後に取り上げるのは「劇場版 BLOOD-C The Last Dark ARG 『SIRRUT.NET』」です。

Production I.G 制作のアニメ映画である劇場版『BLOOD-C The Last Dark』のプロモーション施策の一つとして行われたこの ARG は、下図のような構造となっていました(プレスリリースより;クリックで拡大)。


まず、映画の予告篇に埋め込まれたURLがラビットホールとなり、怪しげな人員募集ページに誘導されます。


ここでは、台本を元に全く別の人物になりきる「ロールプレイングの実験」への参加者を募集していますが、これは作中設定に則ったダミーの募集となっています。ここに試しにメールアドレスを入れてみると、突然サーラットという組織からメールが届き、このロールプレイングの実験は悪徳企業セブンスヘブンの悪事の一つであったことが告げられ、セブンスヘブンを倒す手伝いをしてほしいと頼まれます。

そのメールから辿り着いた SIRRUT.NET は、トップページには検索窓が一つあるだけのシンプルなサイト。ここに様々な場所で手に入れた情報コードを入力すると、対応する情報ページに飛ぶことができる、という仕掛けでした。


新しい情報コードは、他の情報ページが更新されていくと手に入った他、映画の様々なプロモーション施策に混ざり込む形で提供されました。そのようにして、徐々に情報が展開されていき、映画の背景設定が徐々に語られていくというスタイルになっていました。

また、もう一つユニークな施策として、スマートフォンからプレイ可能な Web アプリ型のゲーム「SIRRUT HACKING CLOUD」が無料公開されました。参加者が劇中の組織「サーラット」の一員として、敵対している企業「セブンスヘブン」や関連組織に対してハッキングを行うという設定で、ミッションをクリアする度に SIRRUT.NET の情報コードがオープンとなり、『BLOOD-C』の世界観に沿った情報が展開していきました。

このARGの特徴に、いわゆるナゾ(パズル)が一切登場しない点があります。様々な機会にひっそりと明らかにされていく情報コードを発見したり、SIRRUT HACKING CLOUD でのハッキングミッションをクリアすることによって情報コードを得ることで、ゲームが進展していくという構造は、独特のものでした。

SIG-ARG第4回セミナーでは、この ARG の設計のコンセプトや、実際に実施しての参加者の反応などについて話を伺えるのではないかと期待しております。

セミナーについて詳しくは、SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の紹介記事 をご確認ください。ご来場をお待ちしております。

関連リンク
ARG情報局: 10月20日 SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」開催
ARG情報局: 『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』ARG 開始
SIRRUT.NET
Sirrut Hacking Cloud
劇場版『BLOOD-C The Last Dark』公式サイト

SIG-ARG4講演内容ぷち紹介「果汁グミ メグミとタイヨウ」


いよいよ今週土曜日に迫ったSIG-ARG第4回セミナーで、事例紹介をいただく3件につきまして、予習としてプチ事例紹介させていただきます。今回取り上げさせていただくのは「果汁グミ メグミとタイヨウ」です。

「メグミとタイヨウ」は、果汁100・着色料不使用の自然派グミである明治の果汁グミを、若者に向けて訴求するための Twitter を利用した双方向キャンペーンで、「Tweet Love Story」「Tweet Mystery - 消えたサファイアロマンの謎」「Tweet Fantasy - タイムラインワールド」の全3部作となっています。

プロモーションとしての成果も素晴らしく、IとIIを実施した後には果汁グミの売り上げが約150%の増加。第65回電通広告賞のインターネット広告部門を獲りました

3部作とも変わらないのは、純朴な主人公タイヨウ (@gummi_taiyo)くんと、その恋人メグミ (@gummi_megumi) の2つの Twitter アカウントがあり、タイヨウくんはフォロワーからのメンションに反応し、メグミは一切反応しない、という構造です。Tweet Love Story で1万人以上からの反応を得たのち、Tweet Mystery, Tweet Fantasy と同じアカウントでの展開を続けて、最終的には2万人近いフォロワーを得ています。

また、マッドハウス制作の TV CM アニメーションも特徴で、毎回、TV CM で始まり、Twitter で進行した後、最後に Web 限定のエンディングムービーでエンディングという構成となっています。

「メグミとタイヨウ」は、現実世界こそ使っていないものの、TV CM+Twitterというトランスメディア構成で、参加者と登場人物のコミュニケーションやリアルタイムのストーリーテリングという観点から見ても、非常に ARG 的な体験型企画となっていました。3部作それぞれについて、ARG情報局でも取り上げてきましたので、さらに詳しいことは過去のメグミとタイヨウ関連記事をご参照ください。

Tweet Love Story


記念すべき1作目。どのようなお話だったのかは、Tweet Love Story 公式サイトに置いてあるダイジェストムービーを見ていただくのが分かりやすいかと思います。

メインストーリーは、ぶどう園で働くタイヨウくんが、東京に出てきて働いている幼なじみのメグミに想いを伝える、というシンプルなもの。しかし、メグミは勤務先の店長に憧れており、タイヨウくんは一緒に働いている年上のミドリさんから想いを寄せられている、という人間関係と、なによりすぐに悩み始める草食系なタイヨウくんの性格付けによって、フォロワーの皆でタイヨウくんをあの手この手で励まし、尻を叩いていくという展開となりました。

タイヨウとメグミの全つぶやきは メグミとタイヨウ Tweet Love Story - Togetter にまとまっています。タイヨウくんがフォロワーと頻繁にコミュニケーションをしており、フォロワーがタイヨウくんに本気でアドバイスしている様子が分かるかと思います。

最後、メグミがタイヨウの Twitter アカウントを発見、そのツイートを読んだ後に、タイヨウの想いを受け入れたことをメグミがタイヨウをフォローするという形で表現したクライマックスには、タイヨウ応援団の皆でホッとしたものでした。

Tweet Mystery - 消えたサファイアロマンの謎


2作目は、1作目から一転、謎解きを中心とした展開となりました。公式サイトの「スペシャル予告ムービー」と「スペシャルムービー(エンディング)」を見ていただくと概要が分かるかと思います。

タイヨウのおじいちゃんが大切に育てていた新種のぶどう「サファイアロマン」の苗木が盗まれた。誰が、何故盗んだのか!?というストーリー。

SCRAP が監修した本格的な謎が次々と出題され、それを解くことで、サファイアロマンに隠された過去と現在の物語が展開していきます。

タイヨウとメグミの全つぶやきは メグミとタイヨウII Tweet Mystery - Togetter にまとまっています。今作から登場するアオイくんが、見事なツンデレだと一部で話題になったとかならなかったとか。

なお、タイヨウくんが直面する謎をみんなで解くという構成だったため、解くのが早い人が早々にタイヨウに答を知らせるものの、全体の進行調整のためタイヨウくんがひたすらスルーし続けるという展開が多発。答がはっきり出てしまう謎を全体プレイで扱う難しさが浮き彫りとなった側面もありました。参加者は早々にそういうものだと理解し、なんとなく受け入れていたようです。そのカオスでエネルギーに満ちあふれた様子は、ある日の全メンションをまとめた メグミとタイヨウII Tweet Mystery 3/3 メンションまとめ - Togetter で垣間見ることができます。

Tweet Fantasy - タイムラインワールド


3作目も1作目・2作目とまるで異なるテイストで、今度はファンタジー展開となりました。公式サイトで「限定60秒TV CM(オープニング)」と「エンディングムービー」が公開されています。

ある日、メグミが眠ったまま目覚めなくなってしまい、タイヨウくんが原因を探ったところ、メグミの意識がタイムラインワールドという異世界に囚われていることが分かります。メグミを助けるため、タイヨウくんは単身、異世界に意識をダイブさせます。

物語設定の違いもさておき、今作の特徴は、参加方法が恋愛相談や謎解きとは打って変わり、「@gummi_taiyo タイヨウに水鉄砲」などのように、タイヨウに渡したいものをつぶやくと、そのつぶやきが異世界で実体化するというものになったことでした。

つぶやきミッションの進行状況がわかる専用サイトも用意され、そこでボタンを押すことで自動でつぶやくことも可能になっていました。以下、水鉄砲ミッション時の進行に応じた画面の変化の例です。右のゲージが溜まっていくにつれ、徐々にタイヨウくんの手に水鉄砲が形作られていきます。


そして、何より特筆すべきは、その最初のミッションの始まり方でした。Twitter では先行して物語が始まっていたのですが、タイヨウが異世界に飛び、最初の難関にぶち当たったそのタイミングで、限定60秒TV CMが1回だけ放送され、Twitter と CM 両方で同時に、最初のミッション「タイヨウに橋」を全国に依頼したのです。当時の Twitter の様子は メグミとタイヨウIII Tweet Fantasy イベント1「タイヨウに橋」 - Togetter にまとめていますが、CM放送後の30分間で約1万回の tweet が行われており、たいへんな盛り上がりとなりました。

60秒CMを限られた回数だけ流すというのは前作でも行っていました。しかし、60秒CMを1回だけの放送で抑え、回数が1回に絞られているからこそ、ソーシャルネットワーク上で莫大な反応を引き起こす、という仕掛けは、この企画が唯一無二だったのではないかと思います。物語を丁寧に説明し、タイヨウくんを助けるために、あなたにこのアクションをして欲しいのだ、と具体的に呼びかけるCMは説得力があり、60秒という尺の利点を大いに活かしたものでした。

Tweet Fantasy でのタイヨウとメグミの全つぶやきは、メグミとタイヨウIII Tweet Fantasy (その1) - TogetterメグミとタイヨウIII Tweet Fantasy (その2) - Togetter にまとめています。


このように、全3作で、基盤となる Twitter の構造は引き継ぎつつも、参加者の参加方法を様々に変えてきているのが「メグミとタイヨウ」のたいへんユニークな点です。そもそも体験型企画で、同じ Twitter アカウントを引き継いだ連作を実施した前例もほとんど記憶にありません。

ストーリーテリングを重視し、キャラクターを大事にした体験型企画で、しかもこれだけ様々な試みをしているということで、それぞれのアプローチでの参加者の反応の違いなど、興味深いお話がいろいろと聞けるのではないかと期待しています。

また、数週間にわたってフォロワーからのメンションに反応し続けたタイヨウくんの Twitter 運営に関する苦労話なども伺えればと楽しみにしております。


こんな「メグミとタイヨウ」の事例紹介を聴けるSIG-ARG第4回セミナーについて、詳しくは、SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の紹介記事 をご確認ください。ご来場をお待ちしております。

関連リンク
ARG情報局: 10月20日 SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」開催
過去のメグミとタイヨウ関連記事
メグミとタイヨウ Tweet Love Story
メグミとタイヨウII Tweet Mystery - 消えたサファイアロマンの謎
メグミとタイヨウIII Tweet Fantasy - タイムラインワールド

2012年10月14日

SIG-ARG4講演内容ぷち紹介「伊豆謎」


いよいよ今週土曜日に迫ったSIG-ARG第4回セミナーで、事例紹介をいただく3件につきまして、予習としてプチ事例紹介させていただきます。最初に取り上げさせていただくのは「伊豆謎」です。

「伊豆謎」と通称されている「伊豆ぐらんぱる探検隊」「伊豆シャボテン特捜隊」は、読売テレビエンタープライズの田中宏明氏がプロデュースしている体験型謎解きアトラクションです。

それぞれ、伊豆ぐらんぱる公園・伊豆シャボテン公園で行われているアトラクションで、参加者は園内の受付でエントリを済ませたのちに、時間内に謎やミッションをクリアし、ゴールにたどり着かねばなりません。

「伊豆ぐらんぱる探検隊」はVol.1が今年3月開始。7月からはVol.2がスタートし、同時に「伊豆シャボテン特捜隊」も始まりました。参加者はファミリー層がメイン。現在までにのべ1万人以上が参加しています。

実際に「伊豆ぐらんぱる探検隊 Vol.2 トレジャーハント ~財宝“X”と幸せの女神~」へ参加してきましたので、簡単なレポートをお届けします。

伊豆ぐらんぱる公園は、伊豆高原駅からバスで約20分の場所にあるテーマパークで、休日ということもあり、家族連れで賑わっていました。

園内奥のトレジャーハント受付に行くと、隊長のジョーンズ氏が明るく出迎えます。隊長から渡されるのが、ぐらんぱる探検隊の目玉の一つであるGPS探知機。宝の近くに行くと、自動的に宝の場所のデータを受信してヒントを表示するというハイテク探知機です。実際に近くに行って宝の情報を受信している様子を撮影しました(まだ開催中ですので、ヒントの表示はぼかしています)。



まず、配布冊子にある大まかな場所の情報から園内を探し回り、近くまで来るとこのように探知機が反応します。そうして入手した詳細なヒントを元に、実際に置いてある宝箱を探す、というのが、前半のミッションです。

宝箱を見つけていくと、やがてキーワードが集まり、次の謎が明らかになっていく……ということを繰り返して、謎を解き、園内を周り、時にはミッションをこなしながら、最後のゴールを探します。

クリア率0.4%ということで、難易度はたいへん高く設定されていますが、家族連れのプレイ後の満足度も高いそうで、実際に楽しそうに園内を回ったり、受付にヒントをもらいに戻ってくる親子の姿をよく見かけました。

今回の講演では、家族連れにも楽しめる体験型アトラクションを作る秘訣や、地方テーマパークのアトラクションを運営した事によって得られた知見などを教えていただけるのではないかと期待しております。

なお、田中宏明氏は他に、会員制ホテル「エクシブ伊豆」にて、ホテルの部屋を回りながら「ホテル王の遺産」を探す体験型謎解きイベント「エクシブ秘密探偵倶楽部 “事件簿X”」や、10月13日・14日に鴨川で開催されているテレビアニメーション「輪廻のラグランジェ」のイベント「ラグりん祭り」に合わせた街歩き型の謎解きゲーム「鴨川絶対防衛ライン 〜隠された3つのメモリア〜」なども制作・運営されています。前者はリゾートに来たホテル客、後者はアニメファンと、またターゲットの異なる謎解きゲームとなります。ちょうど実施中ということもあり、実施しての生の感触もお話しいただけそうです。

そんな田中宏明さんの講演が聴けるSIG-ARG第4回セミナーについて、詳しくは、SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の紹介記事 をご確認ください。ご来場をお待ちしております。

事件簿Xのクリア表彰ホテル王の部屋

鴨川リアル謎解きゲーム受付街中で情報を探す参加者たち


関連リンク
ARG情報局: 10月20日 SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」開催
伊豆ぐらんぱる探検隊
伊豆シャボテン特捜隊
エクシブ秘密探偵倶楽部 “事件簿X”
鴨川絶対防衛ライン 〜隠された3つのメモリア〜

2012年10月13日

リアルゲーム団体合同謎解き文化祭「謎フェス」11月3日・4日開催


体験型イベントの制作団体や個人の謎制作者が集結して、文化祭的なノリのイベントが開催されることになりました。リアルゲーム団体合同謎解き文化祭「謎フェス」は東京カルチャーカルチャーで11月3日・4日開催です。

当初は11月3日のみの開催だったのですが、チケットを売り出したところ80名×3部が10分もせずに完売。4日の追加公演が決まりました。11月4日分のチケット販売は10月14日(日)の12時からです。

このイベントは、謎解きゲームのファンが新たな謎解き制作チームを知る、今までなかった機会としても貴重ですが、なにより、近年急増した体験型謎解きゲームの制作団体の横の繋がりが生まれたという点でも重要な意味を持っています。次につながるような良いイベントとなるといいですね!

なお、会場の広さは限られていますので、本格的な謎解きイベントそのものを会場内で実施する団体は限られ、簡易的な謎解きや謎キットの物販などが多いと聞いています。こんなにいろいろな団体があるんだ、というのを知れる機会と捉えると良いのではないかと思われます。

入場チケットは前売り1000円ですが、各団体ごとに追加で参加費がかかる場合があったり、参加可能人数が限られる企画があるとのこと。詳しい注意事項は公式ページをご確認ください。

■ゲームアトラクション開催予定団体
ろじっくぱらだいす
よだかのレコード
1㎡からの脱出
ドロッセルマイヤーズ
HAT-CRi(ハテクリ)
YASAIBOWL(ヤサイボウル)
マスカレードパーティー
お化け屋敷×謎解き リアリティゲーム
ドイツゲームスペース@Shibuya

■謎販売予定団体・個人
南晃
イベンティア
RDG
TAMGRAM(タングラム)
ふじたたまみ&島田雄一
キャラメルゲームズ
バス謎製作連合
謎まめ商会

関連リンク
【 謎フェス~リアルゲーム団体合同 謎解き大文化祭 】11月3日
【 謎フェス~リアルゲーム団体合同 謎解き大文化祭 】11月4日

タカラッシュ!GP 10/14に全国6箇所でリアル宝探し


タカラッシュ!GP(グランプリ)は、賞金をかけて宝探しを行うイベントで、これまで観光地やテーマパークなどを舞台に行われてきましたが、今回、10月頭から実施されていたタカラッシュ!GPは、Webとリアルを複合した宝探しに生まれ変わりました。

Web上で計11回の宝探しが行われ、いよいよ10月14日(日)に最後となるリアル宝探しイベントが開催されます( http://www.takarush.jp/info/20121013.html )。舞台は、東京・神奈川・愛知・岡山・長野・佐賀。これまでのWeb宝探しでのポイント総計1・2・3・10・20・30位の都道府県が選ばれています。

また、今回はよりテレビゲーム的な色づけがされているのも特徴です。パンドラが神々から預かった箱を冥府の王ハデスが持ち去った、という事件から始まる物語のプロローグは、公式ページで体験版として誰でもプレイできます。ナゾを解き、実際の日本地図上をスクロールさせて宝を探す Web 上の宝探しも、とてもおもしろいテイストになっていますので、ぜひ触ってみてください。

今回の賞金総額は200万円。Web宝探しの累計ポイントで当たる賞金は今から参加しても難しいですが、最後の宝の発見者から抽選で当たる100万円はまだ可能性がありますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

関連リンク
賞金総額200万円宝探し:タカラッシュ!GP
タカラッシュ!GP スタッフブログ
Twitter: @takarush_king

2012年10月6日

Twitterラウンドテーブル「体験型企画の参加者層の現状」今晩開催


10月20日(土)のSIG-ARG第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」の開催に先立ち、10月6日(土)の23:00から、Twitterラウンドテーブル「体験型企画の参加者層の現状」を実施します。

Twitter ラウンドテーブルは、Twitter をブレスト的なツールとして活用することにより、気軽に特定の専門的なテーマの知見を広げる試みです。筋道立った議論を進めることには向いていませんが、多面的な意見を得るには効果的です。(参考:SIG-ARG twitter ラウンドテーブル1「『日本ARG』を考える」 - Togetter

今回のラウンドテーブルでは、体験型謎解きイベントやARG、その他の国内の体験型企画について、現在の参加者層はどんな人々なのかという議論から始め、それは最近広がっているのか、縮んでいるのか、それとも均衡を保っているのか、といったことを、各種資料や参加者・運営者の実感などを元に議論したいと考えています。

Twitter ラウンドテーブルへの参加は、時間に合わせて、 #SIGARG_RT4 を付けて twiiter につぶやいていただくだけで OK。SIG-ARG4 への参加不参加関係なく、どなたでも自由にご参加いただけますし、途中参加も寝落ちも全く問題有りません。お気軽にご参加くださいませ。

その他の詳細は、直前にARG情報局のアカウント @ARG_INFO で告知いたします。

なお、SIG-ARG第4回セミナーは eplus でチケット販売中(セミナーのみ1500円・セミナー+懇親会4500円)です。

(追記)
遅くまでのご参加、ありがとうございました! 「謎クラスタ」の実態に迫り、また、体験型謎解きイベントの普及上限の存在可能性についての議論が深まりました。
7日3:00までの議論を SIG-ARG Twitter ラウンドテーブル4「体験型企画の参加者層の現状」 - Togetter にまとめましたので、ご参照ください。

関連リンク
SIG-ARG第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」
twitter: @ARG_INFO

2012年9月27日

10月20日 SIG-ARG 第4回セミナー「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」開催


(一部の講演については、こちらこちらで講演の動画を公開しています)

SIG-ARG の第4回セミナーを10月20日(土)に開催します。今回は「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」と題し、体験型企画をより広い人々にリーチさせる具体的な手法を考えていきます。

今回も興味深い事例紹介が盛りだくさんとなりそうです。まずはARG情報局でもたびたびご紹介させていただいている、明治 果汁グミの参加型プロモーション企画「メグミとタイヨウ」。アニメによるTV CMと、twitterとを連動させた企画として、広告電通賞のインターネット部門を受賞しています。昨年から3回に渡って実施されたこの企画は、毎回、ラブストーリー・ミステリー・ファンタジーと異なるテーマであることも特徴です。各テーマでの参加者の反応の違いといったお話も伺えるのではないかと期待しています。(メグミとタイヨウの講演予習記事

次に、伊豆ぐらんぱる公園で現在第2弾が実施されている「伊豆ぐらんぱる探検隊」。謎解きファンが参加しても満足できる難易度の謎解きイベントでありながら、ファミリー層へも好評なことが特徴です。累計参加者が1万人を越えるこの企画の人気の秘訣を知ることができるかもしれません。(伊豆ぐらんぱる探検隊の講演予習記事

もう一つの事例紹介は、「劇場版BLOOD-C The Last Dark ARG『SIRRUT.NET』」。劇場アニメーションのプロモーションとして実施されたこのARGは、いわゆる「ナゾ(パズル)」を排したARGという特徴があります。どのような構成にすることでそれを実現したのか、事例紹介をいただきます。(SIRRUT.NET の講演予習記事

また、今回は最後のパネルディスカッションの時間を多めに取ってありますので、いつものように時間切れで不完全燃焼にならずに、踏み込んだ議論が展開できればと考えております。

eplus でのチケット販売も始まっています(10月18日18時〆切)。下記開催概要をお読みいただいた上で、ふるってお申し込みくださいませ。体験型企画に興味をお持ちの皆さまの、数多くのご参加をお待ちしております。

(10/14更新) 講演順の変更を反映しました。また、講師プロフィールを追記しました。
(10/19更新) チケットの販売を締め切りました。


近年、体験型の企画が国内で数多く実施されるようになってきましたが、参加者層が固定化し、新しい参加者を伸ばしにくい企画も見られるようになってきました。
今回は、新しい参加者層へと広げる挑戦を行っている事例の紹介を通じて、日本の体験型企画をより多くの人々へと届けるための道筋を探ります。

開催概要

名称: SIG-ARG 第4回セミナー 「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」
日時: 2012年10月20日(土)12:00~17:00
会場: 東洋美術学校 講義室
  (地図 http://goo.gl/maps/0GIXg)
主催: IGDA日本ARG専門部会 (SIG-ARG) http://arg.igda.jp/
参加費: 研究会のみ 1,500円・研究会および懇親会 4,500円
対象者: ARG や体験型企画に興味のある方ならどなたでも。特に制作に興味のある方。
定員: 定員80名
申込方法:
  eplus でチケットをご購入ください。締め切りました。
  PC用購入ページ: http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P0100P002086002P0050001P006001P0030001
  チケット販売システムの都合上、セミナーのみの方は「入場券(¥1500)」、
  懇親会も参加される方は「オールスタンディング(¥4500)」のいずれか1枚をご購入下さい。
※備考
  当日飛び込み参加はできません。チケット持参者のみ、ご参加いただけます。
  参加費は、当日の運営費用として使用させて頂くほか、
  IGDA日本の運営費用として使用させて頂きます。

プログラム

11:30 (開場)


12:00 - 12:05
ご挨拶
(SIG-ARG 世話人 八重尾昌輝)


12:05 - 12:30
多様化する体験型エンタテインメント
(SIG-ARG 副世話人 澤田典宏)

講演者プロフィール
IGDA日本 SIG-ARG(代替現実ゲーム)副世話人。家庭用ビデオゲームの黎明期から、主に企画としてゲーム開発に携わり続ける。代表作は『戦神』『ファントムクラッシュ』『初代熱血硬派くにおくん』など。2012年には、元気株式会社において、複数のARGのプロデュース、ゲームデザイン、運営を担当。直近では、これまでの知見を活かしてゲーミフィケーションに関する講演も行っている。

≪体験型アトラクション事例紹介≫
12:30 - 13:15
事例紹介「伊豆ぐらんぱる探検隊 伊豆シャボテン特捜隊 ほか」
(エイデック/読売テレビエンタープライズ 田中宏明氏)

講演者プロフィール
株式会社読売テレビエンタープライズ所属。テレビ番組のウェブ/モバイルのプランニングから転じ、体感型企画の制作を行う。
おもな体感型企画として『新一検定』『伊豆ぐらんぱる探検隊』『伊豆シャボテン特捜隊』『エクシブ伊豆秘密探偵倶楽部』『鴨川絶対防衛ライン』など。

13:15 - 13:30
<休憩>


≪バイラルプロモーション事例紹介1≫
13:30 - 14:00
「劇場版BLOOD-C The Last Dark ARG 「SIRRUT.NET」 事例紹介(仮)」
(ラ・シタデール 竹内ゆうすけ氏 / Production I.G 鈴木哲史氏)

講演者プロフィール(竹内ゆうすけ氏)
ラ・シタデールLLC.代表。構成作家。コンテンツプロデューサー。
アニメーション・デジタルゲームの企画会社、ITベンチャー企業勤務を経て独立。アニメーション、ゲーム、ラジオ、音楽CD、ドラマCD、小説、イベントなど多様なメディア制作に携わった経験を生かしメディアの垣根を超えた娯楽づくりを目指している。

講演者プロフィール(鈴木哲史氏)
株式会社プロダクション・アイジー所属。大学卒業後、株式会社ブロッコリーにて国内外へのライセンスを担当したのち、トレーディングカードゲームの製作、アニメーションの製作、キャラクターグッズの製作などに携わる。
現在は株式会社プロダクション・アイジーにて、アニメーション作品に関するライセンスを主に担当するほか、プロモーションその他の業務を行っている。

≪バイラルプロモーション事例紹介2≫
14:00 - 14:45
「明治 果汁グミ メグミとタイヨウ 事例紹介」
(株式会社 読売広告社 太田理奈子氏)

講演者プロフィール
クリエイティブ局にて13年間、コピーライター・CMプランナーとして、主にアパレル、車、飲料、食品、家電、ガス機器等を担当。
今年4月より、統合ソリューション局へ異動。
2008年に長男を出産し、人の心が動く、コミュニケーションの未来を模索中です。
受賞歴:
広告電通賞(インターネット部門、雑誌部門、新聞部門)、
消費者のためになった広告 金賞・銀賞
読売広告大賞 優秀賞 協賛者賞 など受賞

14:45 - 15:00
<休憩>


15:00 - 16:30
パネルディスカッション
「体験型企画の参加者層を拡げるための10の方法」
(本日の登壇者をパネリストとしてお迎えする予定です)


17:00
散会


17:30 - 19:30
懇親会

(オールスタンディングチケット購入者のみ、ご参加いただけます。)
※場所は会場付近の中華料理店を予定(当然ですが、座れます)

2012年9月22日

制作者インタビュー:東京ボウズ・HAT‐CRi・RDG

ここ数年で、体験型謎解きゲームを様々な団体が制作するようになり、最近では、毎週末、いろいろなイベントを楽しめるようになってきています。
ぱっと見では、似たようなイベントのように見えてしまいますが、実際には様々な想いがあって、それぞれ大事にしていることがありつつ、制作されているはず。
それを知りたくなり、3つの団体へインタビューしてきました。メモから原稿を起こしているため、文体が硬くなっていますが、ご本人たちは皆とても楽しい方々です。

東京ボウズ


「謎解き学園事件簿ファイル3」は
横浜の重要文化財の洋館で開催
学園の廊下をさまよう二宮さん
東京ボウズさんは、式根島で宝探しやBBQをする合宿イベント「式根島宝探し」を始めとする楽しいイベントを企画している制作集団で、最近では専業化したこともあり、毎月複数のイベントを企画されています。「謎解き学園事件簿ファイル3」の後に、コアメンバーであるふーちャんひろぼうずよっちゃんのお三方に話を伺いました。

−− 東京ボウズの始まりは?
東京ボウズは、元々 mixi のコミュニティで、ドロケイなど年数回のイベントをサラリーマンをやりながら企画していた。2005年に式根島に行くイベントを実施したが、その翌年にもっとアトラクションのようにしようと、宝探し要素を追加し、それ以降、式根島宝探しとして続けている。

−− 体験型イベントを積極的に制作するようになった経緯は?
2010年2月にバレンタイン企画としてチョコ刑事の1を行い、好評だったので、翌2011年2月にチョコ刑事の2を行ったところ、参加者の中に、としさん(@10s4, リアルイベントカレンダーの中の人)が居た。その年の5月に行った式根島宝探しにも、としさんに来ていただけて、とても面白かったと謎解きクラスタに宣伝していただいたのをきっかけに、謎解きイベントを積極的に制作するようになった。

2011年9月にリアルクエストシリーズを、2011年11月に謎解き学園シリーズを始めて、今に至る。

−− 東京ボウズを会社化された経緯なども。
時間をかけて、やりたいことをやりたいと、勤めていた会社を辞めて、ふーちャん・ひろぼうず・よっちゃんの3人で2011年8月に会社を作った。
最初の月は手取り一人一万円からの始まりだったが、今はなんとか回りそうなところまで来ている。

−− 大事にしていることは?
まず、自分たちがやりたいと思うことをやること。これやったら面白いよね、というネタを実際にやってみる。
謎解きだけにこだわっているわけではなく、多くの人に楽しんでもらえることをやりたい。例えば、謎解きをきっかけに式根島宝探しに来ていただいた人が、結果として式根島での体験そのものを楽しんでくれれば嬉しい。
謎解きという要素の中では、皆に謎解きの達成感を味わって欲しい。制限時間も調整がきくときには柔軟に対応して、皆が最後まで楽しめるようにしている。

−− 東京ボウズさんのイベントはとにかくみんなでワイワイ楽しいという印象があります。
人と深く関わりたいと思っている。参加者の皆と仲間になりたい。
また、どうしても笑いを取りに行ってしまう。シリアスなものを作っていても、笑えるポイントを細かく入れてしまう。

−− 制作は3人でどんな風に進めるのですか?
ボウズ会議というものがあり、そこで皆で面白いと思うことを言い合って作り上げている。
謎作りはふーちャんが担当することが多い。また、児童館で勤めていた経験もあって、
みんなで楽しめる遊びを考えるのもうまい。

−− 他にボウズさんの特徴にはどんなことがあるでしょう。
スタッフも参加者も女子率高くて、皆可愛いことかな?(笑)

東京ボウズは、謎解き系以外にもアウトドア系など、傾向の違うイベントも企画しているが、それぞれに別の常連さんが居るところも特徴的かもしれない。山中湖での謎解きイベントでは、両者が混じって、新たな出逢いがあったようだ。

−− 最後に、野望を教えてください。
体験型謎解きゲームを底上げしていきたいと思っている。

また、色々なところで色々な企画をやりたい。面白い会場をどんどん使いたい。
大規模なイベントにもチャレンジしていきたいし、でも、小規模なイベントも大事にしていきたい。

−− ありがとうございました。

HAT-CRi(ハテクリ)


「DATSUGOKU」より、手錠を構えた美人看守
HAT-CRi(ハテクリ)さんは2011年9月に最初のイベント「ナゾ×コウエンジ ~怪盗Rendowからの挑戦」を実施した後、クォリティの高い謎からファンを増やしている新進のナゾ制作団体です。第3弾イベント「DATSUGOKU」の懇親会会場で、ハテクリの代表の 5103 にお話を伺いました。

−− HAT-CRi を立ち上げた経緯から教えてください。
リアル脱出ゲームに参加して、楽しかったものの、もしかしたら自分でもできるんじゃないかと思ったのがきっかけ。
自分が面白いと思うことを存分にやってみたいと思った。

−− 制作体制は?
ストーリーとナゾは自分、あとはそれぞれスタッフにお願いしています。

−− 大切にしていることはなんですか?
謎解きイベントはたくさん実施されているので、自分が参加してみたいと思う世界観にこだわっている。
あとは、世界を体験できるコンテンツ作り。

−− 世界観というのは、物語とはまた違うものですか?
物語をがっちり作ると、人それぞれ感じ方が違うので難しい。
それよりも、特異な空間を用意することに注力すれば、参加者一人一人がそれぞれの体験をしてくれる。

−− 確かに「DATSUGOKU」では牢獄体験を楽しめました。最後に、何か野望があれば。
新しいエンターテイメントを作りたい。

−− ありがとうございました。


RDG


「魔王40人くらい」より、賢者さま(虹組キララさん
アトリエ兼撮影スタジオのユニークな会場で開催
RDGさんは、全員協力型のとにかくボリュームのある体験型謎解きゲームを特徴とした制作集団です。代表作は、時間ループ物を題材とした2011年10月の「エンドレスループ~すべてがLになる~」、RPGをモチーフとした2012年2月の「勇者25人くらい」など。最新作「リアルクローズドサークルゲーム2」の打ち上げ会場で、三月さんを中心に、RDGのメンバーの皆さんにインタビューさせていただきました。

−− RDG を始めたきっかけは?
リアル脱出ゲームの「図工室からの脱出」のような全員協力型の体験型謎解きゲームが好きだったが、だんだんチーム戦が多くなって全員協力型が少なくなったので、それなら自分で作ろうと思って始めた。

リアルゲームに興味のある「あんたがた(VIPPER のあんたがたに挑戦します)」のゲームマスター経験者の知り合いで始めた。
2010年秋にリアルクローズドサークルゲームの企画を開始し、年明けに実施したのが始まり。

−− 現在のコアメンバーは?
主宰とディレクションが三月さん。(いわゆる演劇でいう)制作がMARINAさん。謎制作がちゃわさん一手さん

−− 大事にしていることは?
謎を解けないクラスタも楽しめること。
体力を使うとか、素敵なポエムを読むとか、折り紙を折るとか、寿限無を暗誦するとか、各自の得意分野を生かして、謎を解かなくても参加することで楽しめるように気をつけている。
勇気が大事であって、誰もが勇者になれることが重要。これは、現地に行くだけで勇者になれるという、「あんたがた」のエッセンスでもある。

また、全員協力型も大事にしていきたいと思っている。
全員協力型で皆に楽しんでもらおうとすると、色々な場所で並行して出来事が起こってしまうので、全部を把握できなくなるのが弱みではあるが、仕方がない部分かと思う。公演後のネタバレブログを早く出すことで対応している。

スタッフが面白がれればOK。茶番大好き。お客さんが変なことをしてもしてもらって、それを皆で眺めてみたい。それは、お客さんが勇者になるということでもある。

−− 今後の野望は?
全国制覇して、世界を救いたい。

−− 個人的な野望もありますか?
美少年ハーレム(三月さん)
白衣着なくていい公演をしたい(一手さん)
黒字化したい(MARINAさん)
人類皆眼鏡! …というのは冗談としてw 謎なしでプレイヤー側の自由度が高くて非日常を体験できる遊び。大袈裟に言うと口裂け女くらいの知名度になる都市伝説を作りたい(ちゃわさん)

−− ありがとうございました。


三団体とも、それぞれ特色のある体験型謎解きイベントを実施されているのですが、お話を伺ってみると、いずれも自分が体験してみたいイベントを作ろうとしているという動機は共通のものでした。それぞれが大切にしているポイントを持って次々とイベントを創っていくことで、層の厚みが出てきているのだと感じます。今後、どのように進化していくのか、楽しみです。

体験型イベントの制作者はまだまだたくさんいらっしゃいますので、また機会がありましたら、こうしたインタビューをしていきたいですね。話を聞いてみたい制作者のリクエストなどもいただければ、参考にさせていただきます。

2012年9月11日

9月の体験型イベント情報


ようやく日差しも和らいできましたが、まだまだ残暑は厳しいですね。秋は体験型イベントにはぴったりの季節です。

相変わらずかなりの量のイベントが行われておりますので、網羅するには毎度おなじみのイベントカレンダーを参照していただくとして、いくつかイベントをピックアップしてご紹介します。

  • エクシブ秘密探偵倶楽部 “事件簿X”: 9月15日から毎週末、会員制リゾートホテル「エクシブ伊豆」にて開催。宿泊には会員権が必要ですが、イベントのみの参加も可能とのことですのでプロデューサの田中宏明さんまでお問い合わせください。謎解き系のイベントだと思われますが、体感型ゲームのファン層拡大を目指しているとのことです。
  • 現代西洋魔術ワークショップ&儀式「オペレッタ化学の結婚 - 薔薇と虹」: 9月16日に南宇都宮石蔵秘宝祭のクロージングイベントの一つとして開催。本格魔術ワークショップ&儀式とのこと。企画者は龍宮学校の関係者でもある松岡友さん。体験型イベントであっても、少なくともゲームではないので非常に悩んだのですが、非日常体験の行き着く先の一つではありますのでご紹介してみました。参加は自己責任でお願いします。。。
  • くるり×SCRAP PROJECT「京都1000人の宝探し大会’12」: 9月23日に京都で開催。京都音楽博覧会恒例イベントが今年も開催されます。22日に会場で「京都1000人の宝探しキット」を2000円で購入し、23日に京都の街を巡って宝を探します。特賞は京都某所にてくるりメンバーとすっぽん鍋を囲めるチケット。
  • PlayStation Vita×SCRAP 東京ゲームショウ探偵団: 9月22日・23日の東京ゲームショウ会場で PlayStation Vita の専用アプリを使った謎解きイベントです。アプリは9月13日から配信開始。URL に AR と付いているので、おそらく AR アプリなのではないかと思われます。AR アプリとSCRAPさんとのコラボというのは面白いですね。
  • 盗まれた新商品のレシピを探し出せ!: 9月25日〜30日に渋谷パルコPART3全館で開催。プッチンプリンのキャンペーンでリアル謎解きゲームという異様な組み合わせです。制作は最近PCゲームとのタイアップイベントを多数制作されているイベンティアさん。謎のクォリティでは間違いはないと思われますが、プッチンプリンがどう絡むのかがたいへん気になります……。参加費無料。
  • 推理カフェNAZEDA: 街中謎解きイベントと、公演型イベントのコラボという珍しい企画です。謎組さんが担当する街歩きパートは9月21日〜。WonderQさんの公演型イベントは10月7日〜9日に東京カルチャーカルチャーで計5回公演。WonderQ さんの前回の推理カフェDAREDA!もたいへん好評でした。なお、ミステリ系のシリアスなイベントではなく、推理カフェというカオスな空間を楽しむ感じのイベントだったようです。まだホームページ上で告知は出ていないようですが、14日からチケット発売とのこと。
  • ミステリー・ザ・サード2012 動く密室 〜閉ざされたバスツアーの謎〜: 一方こちらは真面目に推理する必要がある参加型本格推理イベントです。10月12日から週末開催。館・館IIとここ2年は閉鎖空間でのミステリが続きましたが、今年はなんと観光バスで事件が起こるようです。観客と役者が同じ空間を共有しながらリアルタイムで事件が起きていくM3は、私が胸を張ってオススメできる体験型イベントのひとつです。現在チケット発売中。

ご紹介できなかったたくさんのイベントが開催されていますので、お近くのイベントにつきましては、イベントカレンダーを参照してみてください。

2012年9月9日

平行世界に囚われた謎の少女を救え!「月齢14.9の夜、世界は夢をみる」


先週の土曜から「月齢14.9の夜、世界は夢をみる」というARGが開始している模様です。

8月の終わりからARGファンや制作者を次々にフォローした @kana_in_dream というアカウント。


アカウントのリンク先には「参加登録」という名前のメールアドレスと生年月日を記入するフォームがあります。

月齢が14.9になった9月1日の夜、このアカウントの名前が「カナ」になり、奇妙な投稿がはじまりました。


その3日後の9月4日18時、先程のサイトから登録したアドレスに、「夢乃奏奈という少女を探している」という人物からメールが届きます。要約すると

  • 夢乃奏奈は「意識が平行世界を渡る能力」を持っている
  • 時が経てば元に戻るor別の世界へ渡るのだが今回は勝手が違う
  • こちらの世界に「夢乃奏奈」という存在がないため実体がなく、語りかけても通じない
  • 再び月齢が14.9になるまでに夢乃奏奈の姿を取り戻し、再び世界を渡るための手伝いをしてほしい
という内容。

2日おきにメールの続きが送られ、9月8日にはいわゆるミッションが発動しました。


「手紙の内容や情報を夢乃奏奈に近づけると空間が歪み危険である」という制約がついているため、現在はTwitterではなく、有志が立ち上げたフォーラムを使用して情報交換を行っているようです。
いままで送られているメールの全文はプレイヤーであるましろさんのブログに転載されており、そちらで読むことができます。

この企画の詳細はいまだ不明ですが、ARGであることは間違いなさそう。今後の動向に注目です。

関連リンク
月齢14.9の夜、世界は夢をみる
Twitter: @kana_in_dream
トピック: 月齢14.9の夜、世界は夢をみる » ARGまとめサイト

2012年9月8日

プレイヤー&制作者の話が一度に聴ける「龍宮学校 ARG部 活動報告会」9/17開催


2012年8月17日(金)~19日(日)に高知県の鵜来島で行われたARG「龍宮学校 ARG部」。
これに参加したプレイヤーの風簷さんが、2012年9月17日(月/祝)に「龍宮学校 ARG部 活動報告会」を都内で開催します。


この発表会には、プレイヤー側の感想発表だけでなく、アート・パーティるくるから隊長檸檬さんが登壇予定。
制作者側からの話も聴けるという珍しいイベントとなっています。

時間は13時から23時までと長いですが、発表会自体は17時で終了し、その後は夕飯や自由時間となっています。

おやつの時間もあり、会場にはアナログゲームも多数用意されているので、気軽に参加してみてもいいかもしれません。

関連リンク
9月17日 龍宮学校 ARG部 活動報告会(東京都)
ARG部 | 龍宮学校
Twitter: @fuen_dreamer
アート・パーティるくる