はじめに
石川の『CEDEC2019』でのセッションや、『マーベルシネマティックユニバース』(以下『MCU』)の成功などでトランスメディアストーリーテリング(以下「TMS」)という言葉が日本でも少しずつ紹介されるようになってきました。
そんな中、TMSという言葉の提唱者であるヘンリー・ジェンキンズの『コンヴァージェンス・カルチャー』がようやく翻訳されたこともあって、今後さらにTMSという言葉を目にする機会が増えるのではないかと思います。
ただ、『コンヴァージェンス・カルチャー』の原著が15年くらい前のものであるために実例がやや古いこと、またTMSのカバーする範囲がとても広く、いろいろな切り口があるために、一部の実例を聞いただけで「TMSってこんなものなんだ」という誤解を与える危険性も出てきています。
そこで、TMSについて立場が違う3人がそれぞれの視点から議論することで、TMSとはそもそも何か、そのカバーする範囲や、解釈の曖昧な点の洗い出しができるのではないかと考えて、clubhouse上で2021年3月17日に行われたのがこの対談イベントです。
前編だけでも凄いボリュームのテキストですが、今まで日本ではあまり考察されなかった内容だと思いますので、ぜひ参考にしてください。