特に告知もしないので、たまたま見つけた方だけが読んで頂ければ幸いです。
HAT-CRiと言う団体は「リアルゲーム 引導」という公演を持って解散することになりました。
既にネタバレが解禁となっていますのでざっくり概要だけ書きますと
引導というゲームは6つの部屋で異なるゲームを行っていくものです。
そこにはナゾがあったり、日本語が通じなかったり、巨大なボドゲをやったり、目とか耳とかを塞がれたり
とにかく5つのまったく違うゲームを行っていきます。
ただ、この公演には大きな仕掛けがありました。
6つ目のゲームを行う手前でプレイヤーは選択を行わなければなりません
①6つ目のゲームに挑戦をする代わりに「HAT-CRi」を解散させる
②6つ目のゲームに挑戦しない代わりに「HAT-CRi」を解散させない
この2択のうち、どちらかを選ぶことになります。
選んだ票の中から、代表が1つを選びます。
ここで①の票を引いてしまったら「HAT-CRi」は解散する。
と言う物でした。
その結果、解散が選択され、晴れて(?)解散となりました。
と、言うのが引導の大きなネタバレです。細かく聞きたい人は、行った人に聞くかtwitterで「#引導」で検索してください。
細かくネタバレしてますので
結果解散になったのですが、そもそもなんで今回解散することになったのか。と言うのはなんとなく礼儀として説明したほうが良い気がするのと、せっかく8年やったので、このHAT-CRiと言う団体をどういう気持ちで作っていたのか。というのをこの場を借りて書き綴ってみようと思います。
自分語りはあまり好きではないですが、ブログなのでいいですよね?w
HAT-CRiと言う団体は2011年に発足しました。
当時は、今みたいに「謎解き公演の作り方」を教えてくれる人などいるわけもなく、
「面白そうだ」「作れそうだ」という軽い出来心だけで、本当に見よう見まねで作り始めました。
最初にやったのが高円寺で犯人を尾行していくというゲーム「怪盗RENDOWからの挑戦状」と言う物です。
今考えると色々雑だったなとは思いますが、その時は精一杯作ったし、面白い物が作れたと思っています。
そこから
・NAZO-NOTE
・DATSUGOKU
・謎フェス
・エンドレスゴロク
・謎フェス
・社畜
・謎フェス
・THE RULE
・TRUST ME
と、10作作ってきました。中身が気になる人は、ブログを振り返ってみてくださいw
全部は書けない。
それぞれがそれぞれその時に「今面白い」と思える物を100%注ぎ込んで作ってきました。
HAT-CRiで何が一番好きですか?といわれたら、毎回一番新しい作品。と答えてました。
そのくらい、前回作った物よりも面白い物を作ろうという気持ちで100%ぶつかって作品を作ってきました。
そう言う意味で、内容は書けないですが前回「TRUST ME」と言う作品を作りました。
(もし、内容が知りたい方がいたら直接聞いてください。教えます)
で今回、やるからにはTRUST MEを超える物を作らないといけないと思い、
悩みに悩んで自分が出せる全てのアイデアを出しまくって作ったのがこの「引導」でした。
単純に「解散」と言う物を天秤にかける公演は面白いにきまっている。と思ったからです。
なので、何故解散か。という問いに答えるとすれば
「面白いから」 としか答えられないです。
何かそこに背景があるだろうと思われる方もいるかもしれませんが、制作の意図やスタンスは8年前からぶれておらず
「面白い」に対してストイックになり続けた結果がこれ。ということです
色々理由を付けようと思えばこの団体を続けるのはパワーがかかりすぎる。とか、
期待されすぎて作るのが窮屈になった。とかいくらでも言えますが、まぁそんなのは全て後付であって
8年間積み上げた物を壊すって言う頭のおかしい事が「面白い事」だとおもった。と言うだけの話でした。
結局自分語りになってきてしまったのでこれ以上は控えますが、
HAT-CRiという団体として作品を作る上で僕がずっと大事にしていることがあります。
それは「あなたが主人公である」と言うことです。
※これは、持論なので、別に共感は求めていません
謎解きゲームって増えましたよね。もうとんでもなく。
基本的に表向きは謎解きゲームって「あなたが主人公」と銘打っていますが
「あなた」は「探偵」でもなければ「魔法使い」でもなければ「勇者」でもない。
と思うわけです。
(別にそれらを否定しているわけでは全くないです)
「あなた」は「あなた」でなければいけないと、僕は思うのです。
だから、今回の引導もはっきり言いましたが
「このゲームにはストーリーも物語も存在しない」ものでした。
何故なら、「あなた」の身に降りかかる事の方が圧倒的に自分事だからです。
そしてそれが没入感を作る上で一番大事な事。だと思いますし、
そもそも物語。なんてのは10人参加したら10通りあります。
全員が勇者となって全員が魔王を倒すなんて、最初から用意された筋書きをなぞっているだけ。
ある人は魔王を倒した。けど、ある人は魔王までたどり着くどころか最初の街で遊んで終わった。でもいいじゃない。
って思うんですよね。
何言ってるか分からないかもしれませんが、
HAT-CRiと言う団体は「あなた」が体験するゲームを作ってきたのだと思います。
だからそれは「謎」である必要なんて全くなくて
体験出来れば何でもよいのです。
それが少しでも体現できていたら良いな。と今思っています。
とにかく、8年間という長い間作品を出してきましたが、これにてHAT-CRiは一旦、終止符を打ちます。
またいつか会う日まで。
HAT-CRi代表 5103