2016年6月18日

ARG読書会~『のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか』を読む 第1夜~ 7/3夜開催

7/3(日) 19:00よりARGの知識を深める課題図書を定期的に輪読する読書会を開催します。

取り上げる書籍は『のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか』(フランク・ローズ著, 島内哲朗訳)です。


デジタル技術の普及という大変革によってアメリカのエンタテインメント業界や広告業界はどのように変化していったのかをまとめた書籍であり、ARG制作にとって重要な手法や事例についても触れられている名著です。

※参加にあたり、課題書籍は各自でご持参ください。
「のめりこませる技術-誰が物語を操るのか」Amazon販売ページ

読書会終了後、会場にケータリングを持ち込んで懇親会を行います(代金は参加費に含まれます)。


◆開催概要
主 催:NPO法人IGDA日本 SIG-ARG
日 時:2016年7月3日(日) 19:00-21:00(開場18:50)
会 場:エフピー・ワン・コンサルティング セミナールーム
(東京都千代田区飯田橋3-4-3坂田ビル8階)
参加費:2500円


参加を希望される方は、下記よりチケット購入をお願いします。
【チケット購入ページ】


これから1~2ヶ月おきに定期開催して課題図書を1~2章ずつ輪読する予定ですので、当面は『のめりこませる技術』を読み進めることになります。ただし参加者は必ずしもすべての回に出席する義務はありません。
SIG-ARGとしては久々のオフライン勉強会となります。ARG制作に携わっている方、これからARG的な手法を学び役立てたいと考えている方のご参加をお待ちしています。


関連リンク

2016年6月15日

【ARGとの交差点】VR ZONE体験録

はじめに

ARGの魅力の1つは物語の世界に入り込んだような体験ができることですが、最近話題のVRゲームも手法こそ違いますが同じように物語世界に入り込んだような体験ができるエンターテイメント。
気になる!ということで、バンダイナムコエンターテイメントが運営するVRエンターテイメント施設『VR ZONE Project i Can』のアトラクションを体験してきましたのでレポートいたします。


予約必須!?

まだこの施設、期間限定OPENということで、予約制になっています。
毎日、午前0時に1か月(30日)先の1日分の予約が解禁される仕組みになっていますので、体験したいという方はまず公式サイトで予約しないといけません。
体験は予約した時間で、およそ80分遊ぶことができます。
1アトラクション6分~14分で、6/9現在6つのアトラクションがありますので、頑張れば時間内に全部体験できるかもしれません。

場所と時間


場所は、ガンダムの立像で有名なお台場のダイバーシティの3F。
ゆりかもめなら「台場駅」から徒歩5分、りんかい線なら「東京テレポート駅」から徒歩3分です。

体験できる内容と料金

料金の支払いは、バナパスポートというSuicaのようなカードで支払います。
まず、入り口でこのバナパスポート(300円)を購入し、アトラクション料金用のお金をチャージします。
後から返金できませんので、とりあえず絶対体験するというものの料金だけチャージし、残り時間の様子を見て後で追加チャージするのがよいと思います。

体験できるアトラクションと料金は以下の通りです。
①スキーロデオ 700円
②リアルドライブ 700円
③高所恐怖SHOW 1,000円
④脱出病棟Ω 800円
⑤トレインマイスター 700円
⑥アーガイルシフト 700円
それぞれどんなアトラクションかは以下の公式サイトをご覧ください。
https://project-ican.com/#lineup

今回はこの中から2つのアトラクションをご紹介します。

脱出病棟Ω

本当に襲われるVRお化け屋敷!ということで体験してきました。
2~4人で一緒に体験するお化け屋敷です。

※以下、ネタバレも含みますのでお気を付けください。



このVRお化け屋敷は椅子に座って、ヘッドマウントディスプレイを装着して体験するのですが、
その没入感を上げるため、全員車椅子に乗っているという設定です。
なるほど!その手があったか!と思いました。

ARGのように現実世界がゲームフィールドになるわけではなく、コンシューマーゲームのように自分がゲームの世界に入るわけなので、どうしても作り物のゲームの世界に入りますよ、という心構えができてしまうものですが、こういった没入感を上げる演出が随所に施され、さらに鮮明な視界、環境音が伴うと、自分でこれはゲームなのだと分かってても、もう廃病棟にぽつんと取り残された現実しか感じられなくなってしまいます。

椅子には電動車椅子みたいなレバーがついていて、これを使って前進・後退を操るのですが、
ゆっくりしか動かず、「こんなにゆっくりじゃオバケから逃げられないじゃん!?」と、最初からドキドキです。
入り口に「暴力シーンやグロテスクな表現が含まれます。ご注意ください。」と書かれているだけあって、廃病棟の中は血らしき跡がそこら中にあってめちゃくちゃ怖いです。
さらに殺人鬼らしき謎の人物が凶器を片手に襲ってくるので、「もう勘弁してくださいっ!!」となることうけあい。

このゲームの最後に私がどんな結末を迎えたかはここでは書きませんが、これは怖いものキライな人ならトラウマになること間違いなし!
本当に面白かったです!

アーガイルシフト

美少女と一緒に巨大ロボを操縦して戦える!という、男の子の夢が詰まっていると話題のゲーム。
こちらは1人ずつ体験できるタイプのゲームでした。

※以下、ネタバレも含みますのでお気を付けください。



コックピット風のシートに座って、ヘッドマウントディスプレイを装着。
サイバーな空間に放り出され、パイロット認証が行われます。
サイバーパンクでのサイバースペースにジャックインするような感じでしょうか。

認証が終わると、回りの風景が開けて、自分はコックピットに座っています。
コックピットの壁面はシースルーで、おそらくロボットのカメラで外が見えるタイプのもの。
周りには巨大なロボットが並んでおり、ここがロボットの格納庫だということがわかります。
視線を動かすと、ターゲットアイコンも動くのですが、周りのロボットなどにあわせるとそのロボットのパイロットが映し出されます。

そして、美少女戦闘サポートAI「アイネ」が現われます。
この娘、なにげに露出度が高い上に、すっごい近寄って来るのですが、VRゆえの環境音や立体感、そしてこっちを見てくる視線等から、存在感が半端なく、ゲームだと分かっていてもドギマギしてしまいます。スゴイ!

で、どうやらこの格納庫は巨大な飛行輸送船だったらしく、格納庫の床のハッチが開き、次々と機体が射出されていきます。
自分もガタンという衝撃とともに降下開始!
スゲー!オレ今巨大ロボを操縦している!という感覚が味わえます。
空中での敵機との戦闘も楽しい!最高です!
子供の頃から夢見ていた巨大ロボに乗るという体験ができるというのは、すごいことだと思います!

その他気づいた点など

やはりVRの面白いところは360度見れるところだと思いました。
こればっかりは大きなテレビでも勝てないところで、巨大なキャラクターを見上げたりするなんてことは、テレビゲームではできない体験だと思います。

あと周りの環境やキャラクターの存在感は、うまく演出すれば簡単に脳が騙されてしまいますね。
扇風機で風を顔に当てたり、椅子が揺れたり、視覚・聴覚以外の演出をされるとリアル感が違うなと感じました。将来、プレイステーション対応VR扇風機なんてものが発売される日がくるかもしれませんね。


体験型エンターテイメントへの影響


VRでできること、できないこと、ARGなどの体験型エンターテイメントとの比較研究はこれからどんどんされていくと思います。VRなら、ARGと違ってどんな環境の中にもプレイヤーを放り込むことは可能ですし、デジタルキャラクターが最高のビジュアルで最高の演技を世界中のプレイヤーに対して演じてくれるのでしょうけど、触ることのできないそのVR世界の演出に対してやっぱりどこかで慣れやマンネリは出てくるような気はします。これはどんなジャンルについても言えることだとは思います。

ただ、ARGとVRの組み合わせというようなハイブリッドなことをやられると、もうプレイヤーは完全に現実を見失う体験ができてしまうのではないかなと思いました。花沢健吾のルサンチマンの世界ですよね。
家庭用VRで、毎夜架空の電脳都市にダイブインして、世界の秘密の鍵を握る謎を追う…というような生活を送りたいです。

これからどんなVRゲームが登場するのか、本当に楽しみです。

(文章:H.M.)


関連リンク

2016年6月13日

Twtterラウンドテーブル『現実とゲームの境界線』まとめ

(この記事は、えぴくすさん(@epi_x)に寄稿していただきました)

6月4日(土)の夜に、約2時間にわたり、  『現実とゲームの境界線』 と題した Twitter ラウンドテーブルが行われました。SIG-ARG としては久々の Twitter 上でのイベントだったにも関わらず、大勢の方にご参加いただきました。ディスカッションに参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

詳細につきましては、Togetterのまとめをご覧いただくのが一番ですが、当日はモデレータの私がツイートの雪崩に飲み込まれておりまして、きちんと拾い切れていなかった論点もございましたので、改めて、いただいたご意見を私なりにまとめさせていただければと思います。ご意見や異論などがございましたら #SIGARG までお寄せくださいませ。

はじめに


今回のテーマ「現実とゲームの境界線」は、5/31の夜に起こった2つの出来事を受けてのものでした。

1件目の出来事がこちら: 『#クロちゃん救出 ツイッターだけで誘拐場所を探しだせ!→特定班の活躍で警察沙汰に→企画中止へ

そして、奇しくも同じ晩に起こった2件目の出来事がこちら: 『「ライターと連絡が取れない」とする架空の捜索記事でインサイドが謝罪 ステマではないかとの疑惑に「広告の出稿はない」と編集長明言

この記事では、これら2つの事案を「救出企画」と「失踪記事」と呼ぶことにします。

「救出企画」は間違った住所が共有され、そこに参加者が集まってしまったため警察沙汰となりました。

「失踪記事」はTwitter上で善意の拡散が行われたあとで、それが嘘であったことが分かり、炎上しました。

ラウンドテーブルでは議論を膨らませるために2件を並行して扱っていましたが、改めて1件ずつ整理していきましょう。

2016年6月8日

【ミニニュース】H.I.Sの子ども向け海外旅行ARG『トラベルヒーローズ』



旅行会社のH.I.Sはこの夏、家族での海外旅行に向けて子どもが冒険感覚で楽しめるARG『トラベルヒーローズ』を展開するとのこと。

スマホ専用アプリで「飛行機の中では騒がない」「好き嫌いせずにご飯を食べる」など様々なミッションを子どもと設定。そのミッションの達成度を採点し、採点された達成度に応じてアプリ内でメダルが与えられ、メダルを集めることによって、ヒーローランクが上昇する家族で楽しむゲームだそうです。



また、アプリと連動する「トラベルヒーローズバッジ」にはBluetoothが内蔵されており、専用アプリと連動させると、スマートフォンから一定の距離を離れた際にアラート通知が表示される「迷子防止機能」が付いています。これはゲームと関係なくかなり便利かも!

プレスリリースやムービーを見ると、ジェイン・マクゴニガルが提唱する『スーパーベター』に近い雰囲気を感じますね。
この手のゲームは子どもがうまく夢中になれるミッションを提示できるかが大きな鍵になるのですが、そのあたりの出来に注目したいところです。

できれば筆者(石川)も試してみたいところなのですが、残念ながら小さな子どももいなければ、この夏海外に行く予定もありません(泣)
どなたか、ぜひチャレンジしてレポートをお願いします!

関連リンク


2016年6月2日

緊急Twitterラウンドテーブル『現実とゲームの境界線』 6/4夜開催

6/4(土) 22:00より2時間程度の予定で、#SIGARG のハッシュタグで久々にTwitterラウンドテーブルを行います。
テーマは「現実とゲームの境界線」

5/31の夜に起こったARG的手法の2つの案件は、いずれも中止に追い込まれました。
そこには、現実世界を使うことや、現実とフィクションの境界を曖昧にすることについての見通しや注意が不足していたように感じられます。

一方でそういった問題に意識を払いつつイベントとの両立に成功しているARGもたくさんあり、ARG的な手法そのものが問題ではないというのも事実です。
何がトラブルの根幹だったのか、我々は何に気をつけていけば良いのか、Twitterで議論しましょう。

Twitter ラウンドテーブルへの参加は、時間に合わせて、 #SIGARG を付けて Twitter につぶやいていただくだけで OK。どなたでも自由にご参加いただけますし、途中参加も寝落ちも全く問題ありません。お気軽にご参加くださいませ。


関連リンク
  • 企業の公式サイトが、架空の行方不明者捜索で宣伝行為を行う(togetter)
    http://togetter.com/li/981995
  • #クロちゃん救出 ツイッターだけで誘拐場所を探しだせ!→特定班の活躍で警察沙汰に→企画中止へ(togetter)
    http://togetter.com/li/981788