2025-04-08

なぜ陰謀論は生まれるのか

5G, ワクチン, 人工地震陰謀論はどこにでも転がっているが、こうした言説はなぜ生まれるのか。

まず、陰謀論者は基本的に「肉眼では観察できないもの」を相手取ることが多い。5Gの電波も、ワクチン中のRNA分子も、ヒトの肉眼では観察するにはあまりにも微視的だ。

地震はかなり巨大なスケールで発生するものの、どこか遠く離れた地中の奥深くで発生した運動エネルギーを揺れとして感じているだけなので、直接的に観察できているとはいいがたい。

接見えないというのは陰謀論者にとって重要ファクターで、なぜなら「見えない分だけ、どんなに好き放題言っても反証するのが難しくなる」からだ。

少なくとも一般的な家庭で暮らしている民間人は、電波を受信して解析できるような装置も持っていないし、ウィルス分子を観察するための電子顕微鏡も持っていない。

陰謀論科学的に否定するには、それなりに規模のある研究施設とそれなりの学識を備えた知識人必要になるのだが、結局陰謀論者は科学的な主張を脳死否定するので効果は薄い。

もう一点は、「既存概念否定することによる手軽な優越感」である客観的なpeer reviewが入るような学術誌上では到底あり得ないことだが、ネット上であれば根拠データが一切なくても自分の考えを主張できる。

なんなら画像動画捏造してしまえばいい。ファクトチェックなんてしなくても、存在しない架空専門家発言でっちあげればいい。

もちろんこうした行動に合理性は一切ないのだが、捏造改ざん・悪意のある切り取りの果てに「実は大地震は人工的に引き起こされているんです!」と主張するのは、まるで世界の誰も気づいていない隠された真理を自分けが発見たかのような優越感に浸るためなのだ

たぶん彼らは、日常生活のどこかに大きな不満を抱えているのだと思う。なぜ自分はこうなんだ、どうしてこんなに不幸なんだ、と大きな劣等感に苛まれているのだが、そこでこういう「陰謀論思考」を身に着けると、それまでの自分のうっ憤を見事に解消するばかりでなく、周囲のめざわりな人間たちを一気にごぼう抜きしてトップに躍り出られるのだ、と錯覚しているのだと思う。

科学は決して万能ではないし、それまで真実とされていた定説がのちに覆される事例も少なくない。少し昔の例では、なぜスケートリンク上を滑走できるのかという理論説明がひっくり返ったこともあった。

あくま科学は「その時点において可能な最大源の客観的論理的思考の結果、十分な証拠能力を持っていると判断されたデータから導かれた推論を、便宜上真実として認定する」という行為であり、歴史が進んで新たなデータが出てくればその真実が変わることもある。

だが陰謀論にはなにもない。客観性論理性も証拠能力もなにもない。陰謀論はひとえに、愚者オナニーにすぎない。

オナニーは鍵をかけた部屋の中でひとりでするものだ。公共の場でのオナニーは言うまでもなく処罰対象となる。しかし厄介なことに、この新種のオナニー検挙率は今のところ低い。人類史的にはまったく新種ではないかもしれないが。

とにかく、我々にできるのはそのオナニーに取り合わないことだ。やつらにリアクションという名のおかずを与えてはいけないのだ。

  • 20代女Vtuberって外出ないから腋毛すげぇんだよな。 FANBOXで500円プランの自撮りで見せてくれてエグかった。 どちゃシコ。きまシコ。

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