2025-03-06

ヒプマイ、ミリしら映画を見たけどめちゃくちゃ面白かった

映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』を見た。当方古のおたくおっさん)。

ヒプマイは木村昴くんが主人公ラップでバトルするアニメ、くらいの予備知識だったが、劇場リアルタイム投票ストーリー分岐するというのを体験したく、同じく予備知識のない職場の同僚と連れ立って行ってきた。

レイトショーなのに割引もなく2500円。「金をドブに捨てるつもり」などと冷やかし気分で行ったわけだが、2時間後には全員「もう一回見たい」となっていて笑った。

以下、熱量が冷めないうちに感想を書いておく

初見に優しい設定、構成

映画の冒頭は、6ディビジョン18人のキャラ紹介パートショートムービーだが効率よくキャラ属性性格を叩き込まれる。

18人にわかやすキャラ設定があり、わかりやすく「立っている」のだ。軍人小説家パチンカス社畜、と一言で言い表せるわかりやす属性に、キャラを引き立てるための設定や演出が丁寧に積み重ねられていくため、初見でも映画を見終わる頃には何となくディビジョンやキャラについて理解が深まっている。なんなら推しも決まりそうだ。

ラップバトルが始まると、持っているマイク(これがヒプノシスマイク)がキャラに合わせて変化する。社畜ならガラケー軍人ならトランシーバー芸人ならセンターマイク、とわかりやすい。

さらに、演者の背後にはキャラの特徴を表したスタンドペルソナのようなスピーカー?が浮かび上がる。服装、話し方、マイクスピーカー、掛け合い、ラップ歌詞、と丹念にわかやすキャラクターが描かれる。

インタラクティブ

本編のラップバトルは3回だ。1回戦は6ディビジョンの1対1の戦いが3試合、2回戦は1回戦を勝ち抜いた3ディビジョンが順に歌いどれかに投票する。ファイナルは勝ち残った組の最終決戦でどちらかに投票する。

まり 2^3 (8) * 3 * 2 = 48 パターンだ。エンディングは6ディビジョン+中王区のどれかの勝利エンドで7パターン

白眉は1回戦。各ディビジョンは3人組で構成されるが、センターのメインキャラ同士の因縁があるようで(元は同じチームだった、とか)、単にラップで戦うだけでなく、戦いの前の掛け合いかキャラ関係性や各キャラ立ち位置、何のために戦うのか、などが初見でもおぼろげに見えてくる。

ラップバトルは3vs3で、3人と3人の掛け合いが、戦いの前と後に丁寧に描かれる。戦う前には挑発しあったり、後には健闘を称え合ったり。見ながら、これはあれに似ているぞ、と強く思った。3vs3でのバトル、個性の立ったキャラとその掛け合い、そこから見えてくる関係性、そう、これは格闘ゲームだ、『キング・オブ・ファイターズ』だ。

格闘ゲームのような掛け合い

さて当方、以前に格ゲーのキャラの掛け合いが好きなんだがを書いたおたくなのだが、初めて見るヒプマイのディビジョンバトルとその掛け合い、演出格闘ゲーム意識したものだと感じた。キャラ同士の掛け合いから、キャラ同士の関係性や物語の背景が浮かび上がってくる感じが大変心地よかった。限定された情報から想像を掻き立てられるのもまた楽しいものだ。

まだ映画を一回しか見ていないが、48パターンという掛け合わせから、1回戦の3試合の組み合わせは固定だと推測できる。1回戦の掛け合いがめちゃくちゃ面白かったので、これを全パターン見せてくれ。6ディビジョンだから総当り数は15なわけで、まだたった3つしか見せてもらってない。あと12個を頼む……。

アニメーションとしての楽しさ、ラップバトルの演出、そして歌

初見の興奮のせいもあろうが、アニメーションは全編高品質に感じた。バトルシーンはほぼCG?その他のシーンは手描きもいくらかあったようだが(違ってたらごめん)、両者は違和感なく溶け込んでいた。

バトルの演出は、繰り返すが格闘ゲーム必殺技のような派手なものが多く楽しく見れた。本物のラップバトルよろしく超接近で殴り合うような距離DISりあったり、長射程の飛び道具?による攻撃などもあって多彩。

曲、歌詞ラップも各ディビジョンやキャラの特徴をうまく捉えていて、バラエティもありどの曲も飽きずに楽しく見れた。テンポよいラップバラードのようにしっとりしたものも。ラップバトルの1試合は単なる歌詞のぶつけ合いではなく、2つのディビジョンで1つの曲を一緒に完成させるようなもので、交互にラップをする部分もあるが、全体としては一つの曲を一緒に歌っている。これも不思議な高揚感があり良かった。

ディビジョンバトルのビッグデータ

毎回異なる展開が楽しめるこの映画、なんと全国の劇場での全ての上映の投票結果が公式サイトに公開されているのだ。

例えばこれはTOHOシネマズ梅田の結果一覧。やはりオオサカ・ディビジョンの「どついたれ本舗」が強い。

https://hypnosismic-movie.com/voting-status/cinema/#N9C6B006CA68C

自分の見た上映結果をあとで見返して「ここでこちらに投票していたら…」と想像するのも楽しいし、各地方でどのディビジョンが強いのか眺めるだけでも楽しい。これは発明だと思う。

まだしばらく劇場でやってそう

見る前は「金をドブに捨てるつもり」などと言っていたが、今は次いつ見に行くか考えている。できれば、1回戦は全部別のディビジョンが勝ったパターンを見たいし、ファイナルの結果も別パターンを見たい。新しい扉をくぐる体験はいくつになっても楽しい

記事への反応 -
  • 格闘ゲーム、特に MARVEL vs. CAPCOM のようなコラボ作品のストーリーモードとか、バトルの合間のキャラ同士の掛け合いというものが好きだ。 異なるキャラの細かい類似点を掘り下げたり、...

    • 『映画 ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』を見た。当方古のおたく(おっさん)。 ヒプマイは木村昴くんが主人公でラップでバトルするアニメ、くらいの予備知識だったが、劇場でリ...

    • ディシディアが、全キャラペア分の台詞を用意してたの嬉しかった。やればできるはできるんだよね。 面白さに直接寄与しない要素にどんだけ工数とこだわりを割くのか……の判断はム...

      • むしろ原作ありのキャラゲーなんてそこが一番の面白さポイントなんだから そここそ力をいれるべき部分だと思う

        • ジョジョの奇妙な冒険オールスターバトルとか、そのために存在しているまである。

    • CCライセンスの声主が各言語5人ぐらい出て来ればRPGとかはオールボイスになるかなと思うが 格ゲーとかはしっかりした声が必要だからAI教育を結構しないとイケないのはきついなあ 漫画...

    • どうせ数回しか見ないでしょ?

    • 鉄拳タッグトーナメントのアーケードモードやったら全然会話とかストーリーなくてマジがっかりしたわ

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