【B-29】(びーにじゅうく)
Boeing B-29 Super Fortress(スーパーフォートレス)
ボーイングが開発した、アメリカ陸軍航空隊→空軍の四発大型爆撃機。
全与圧の胴体で、エンジンには排気タービンを装備しており、極めて高高度性能に優れていた。
防御武装も強力で、20mm機関砲と12.7mm機関銃を多数装備していた他、主翼内の燃料タンクにもゴムの内張りを施し、機銃弾が命中しても容易に発火しにくくなっていた。
また一部の機体には、AN/APQ-13爆撃レーダーが前後の爆弾倉の間に搭載されていた。
B-17、B-24の後継として1940年から開発が始まり、1942年に初飛行した。
1943年に、太平洋戦線への投入が決定。
1944年の終わりごろからマリアナ諸島に配備され、日本本土への攻撃を行った。
初期には軍需施設への爆撃を行っていたが、次第に日本中の都市を無差別爆撃するようになり、日本の大都市の殆どが壊滅した。
また、空中投下機雷による関門海峡などの主要な港湾や海峡への海上封鎖も行われた。
そして1945年8月には原子爆弾を実戦使用し、日本の敗北を決定付けた。
日本の戦闘機は高高度性能が低いながらも迎撃を行い、それなりの成果を出していたが、硫黄島陥落後はP-51が随伴したため迎撃は殆ど不可能になってしまった。
低高度から無差別爆撃をしていた時には、戦闘機よりも高射砲による損害が多いこともあった。
本機はその優れた性能を活かして朝鮮戦争でも使用されたが、既に戦闘機はMiG-15等のジェット世代であり、損害も多かった。
その後、B-52の実戦配備に伴って退役した。
また、第二次世界大戦後に重爆撃機が不足していた英空軍が「ワシントン」の制式名称で借用していた他、初期に日本軍との戦闘で被弾してソ連領内に不時着した機体がデッドコピーされ、「ツポレフTu-4」となっている。
関連:五式15cm高射砲 B-50
スペックデータ
乗員 | 10名 |
全長 | 30.2m |
全高 | 8.5m |
全幅 | 43.1m |
翼面積 | 161.5㎡ |
自重 | 32.4t |
全備重量 | 61.2t |
最大離陸重量 | 60,6t |
発動機 | ライト R-3350-57「デュプレックスサイクロン」空冷星形複列18気筒(出力2,200馬力)×4基 |
速度 (最大/巡航) | 574 km/h /350km/h |
航続距離 | 5,200km(爆弾4.5t搭載時) |
上昇限度 | 10,200m |
最大爆弾搭載量 | 9t |
武装 | ブローニングM2 12.7mm機関銃×10門(A型は12門)、イスパノ・スイザ HS.404 20mm機関砲×1門 |
派生型(カッコ内は生産・改修機数)
- XB-29(3機):
原型機。社内呼称モデル345。
- YB-29:
XB-29改修の生産前機。いくつかの組み合わせで武装を搭載した。
- XB-39:
YB-29にアリソンV-3420液冷エンジンを搭載した原型機。
- B-29(2,513機):
初期量産型。
R-3350エンジン(-23/-23A/-41)を搭載した。
- B-29A(1,119機):
全長を30cm延長し、前部上方の12.7mm機関銃座を4連装に増強した型。
エンジンはR-3350(-57/-59)を搭載。
- B-29B(311機):
日本軍の防空能力が低下したため、尾部20mm機関砲以外の全ての防御武装を撤去し、軽量・高速化した型。
R-3350-51エンジンを搭載。
- B-29C:
A型のエンジンを新型のR-3350に変更した改良型。
5,000機が発注されたが終戦のため全機キャンセル。
- B-29D:
A型のエンジンをP&W R-4360「ワスプ・メジャー」に換装した型。
終戦で一旦はキャンセルされてしまったが、後にB-50として復活した。
- B-29F:
アラスカでの運用試験のために、極寒冷地仕様に改修された型。
- F-13:
B-29にカメラを搭載した偵察機型。
- RB-29A(旧呼称F-13A):
B-29Aの戦略偵察機型。
大型カメラと長距離用燃料タンクを装備。
- DB-29:
ドローン指令機改装型。
- GB-29:
各種超音速飛行実験機の母機に改装された機体。
- QB-29:
標的機に改装された型。
- SB-29:
海洋救難機改装型。
ボート投下装置を搭載している。
- WB-29:
気象観測型。
大気標本採取装置を搭載。
- TB-29A:
B-29の練習機改装型。
- P2B-1:
海軍航空隊向け哨戒機型。少数配備。
- ETB-29A:
寄生戦闘機母機改造型。
両翼端にEF-84B戦闘機を連結する。
- EB-29B:
XF-85「ゴブリン」戦闘機を搭載する寄生戦闘機母機改造型。
- XB-44:
R-4360-35エンジン(出力3,500hp)搭載の強化型原型。後にB-29Dと改称。
- XB-29E:
各種電子防御型火器管制装置の試験機。
- KB-29M:
B-29の爆弾倉に燃料タンクを増設し、後部胴体に給油ホースと動力リールを搭載した空中給油機型。
- YKB-29T:
3点給油実験機。KB-29M改装。
- YKB-29J:
フライングブーム式空中給油装置の試験機。YB-29J改装。
- B-29L:
プローブ&ドローグ方式空中給油装置の試験機。
後にB-29MRと改称。
- KB-29P:
KB-29Mの給油方式をフライングブーム方式に変更した空中給油機型。
- XB-29H:
B-29Aの防御用武装を改良した試験機。
- YB-29J:
民間用R-3350エンジンの試験機型。
- RB-29J:
多重検知器搭載の偵察機型。YB-29J改装。
- CB-29K:
輸送機改修型。
- XB-29G:
胴体下にターボジェットエンジンを搭載したテストベッド型。
- Washington B.Mk I:
英空軍に貸与された際の呼称。
- Tu-4:
ソ連が自国領内に不時着した機体をもとにデッドコピーした機体。
- C-97(ボーイング367)「ストラトフレイター/ストラトクルーザー」:
主翼・尾翼・エンジンを流用した輸送機型。
胴体は太い2階建てのものが新規に作られた。
B29
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 06:13 UTC 版)
帝都初空襲の時点で既にB30が開発されており、後に日本に中古機を譲り、改良版が印度戦線や蒙古決戦などで活躍することとなった。
※この「B29」の解説は、「紺碧の艦隊」の解説の一部です。
「B29」を含む「紺碧の艦隊」の記事については、「紺碧の艦隊」の概要を参照ください。
「B29」の例文・使い方・用例・文例
- B29のページへのリンク