デリバティブとは? わかりやすく解説

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derivative

別表記:デリバティブ

「derivative」とは、誘導された・派生的なということ意味する英語表現である。

「derivative」とは・「derivative」の意味

「derivative」は、誘導された、引き出された、という意味の形容詞である。派生的な二次的な、という意味で用いられることもある。たとえば、ある作品軽蔑的に「あの作品オリジナルではない」と表現したい場合などに用いる。

また、名詞としても使われるその際の意味はさまざまである言語学的には、派生語の意味で「derivative」が用いられる金融分野では、原資産価格基準として価値が決まる金融派生商品を「derivative」という。また、化学の分野では、誘導体のことを「derivative」という。そのほか数学分野における「derivative」は、微分係数導関数)を表す言葉である。導関数概念は、数学以外物理学統計学生物学コンピューターサイエンスなどの分野頻繁に用いられる

「derivative」の覚え方としては、微分意味するdifferentiation」や微小変化量意味するdifferential」などと一緒に微分関連する言葉としてまとめて覚えるとよい。

「derivative」の発音・読み方

「derivative」の発音記号は「dɪrívəṭɪv」である。カタカナ読みだと「デリバティブ」になる。

「derivative」の語源・由来

「derivative」の語源ラテン語で導く、引き出す、を意味する「derivare」である。このことから、ある量からある量を導き出すことを表す言葉になった

「derivative」を含む英熟語・英語表現

「derivative」を含む英熟語英語表現には、次のようなものがある。

「derivative」の略とは


「derivative」の略称は、主に「deriv.」が使われるとりわけ数学科学論文教科書においてよく使用される言葉である。

「derivative work」とは


「derivative work」は、派生作品のことである。著作権法において用いられる。たとえば、小説原作にした漫画映画などが「derivative work」にあたる。

「derivative curve」とは


「derivative curve」は、派生曲線意味する数学金融分野でよく使われる。ある関数における導関数グラフ入れ込んだ際の曲線を表す。一階導関数グラフを「一次派生曲線」、二階導関数グラフを「二次派生曲線」という。

「derivative control」とは


「derivative control」は、微分制御のことである。制御工学において、目標値現在地差分誤差)の導関数活用する制御法を指す。

「derivative」に関連する用語の解説

「derivative」に関連する用語としては、以下のものが挙げられる

「Time derivative」とは


Time derivative」は、時間微分のことである。物理学工学分野多く用いられる時間微分とは、ある物理量における時間変化速度を表す微分係数である。

「First derivative」とは


First derivative」は、一階導関数のことである。ある関数における一次導関数のことを指す。

「Second derivative」とは


Second derivative」は、二階導関数のことである。ある関数における二次導関数のことで、一階導関数変化量を表す。

「Partial derivative」とは


Partial derivative」は、偏微分意味する偏微分とは、多変数関数において、一方変数だけを変化させたときの導関数である。微分における基本的な概念のひとつとされている。

「Derivative market」とは


「Derivative market」は、デリバティブ市場という意味である。金融分野使われる株式債券といった現物市場ではなく株価為替レートなどの変動応じたリスク管理のための金融派生商品取引される市場のことをいう。

「derivative」の使い方・例文

「derivative」を用いた例文としては、次のような文章挙げられる

「The artist's latest work is a derivative of his earlier style, with some modifications.」この文章日本語訳は「芸術家最新作は、以前スタイル元にした変形作品である」である。

金融業界では、次のような文章目にすることも多い。「The stock market is always looking for new derivative products to trade, such as options and futures.」この文章日本語の意味は「株式市場は、常にオプション先物などの新し派生商品探している」となる。

また、数学分野における「derivative」を用いた例文としては、次のような文章挙げることができる。「The derivative of a function f(x) measures the rate at which the function is changing at a particular point.」この文章日本語訳は「関数f(x)導関数は、特定の点において関数がどの程度変化しているかを測定する」である。

デリバティブ【derivative】

読み方:でりばてぃぶ

株式債券金利外国為替などの金融商品原資産)から派生して生まれた金融商品将来現金や他の金融商品受け取権利現在価値がその価値決定する価格変動によるリスク避けるために開発先物取引オプション取引スワップ取引代表的である。金融派生商品。→オフバランス


デリバティブ(でりばてぃぶ)

リスク回避のために取引する金融派生商品

株式債券為替、金などの現物価格連動して価格が決まる商品のこと。金融商品から派生することから、金融派生商品と呼ぶこともある。

デリバティブ取引代表的なものは、銀行証券会社顧客個別売買を行うオプションスワップである。オプションとは、あらかじめ定められた期間内に、予定価格金融商品売買選択する権利取引のことをいう。

デリバティブは、金融商品価格変動リスク回避あるいは低下させる目的開発されている。例えば、輸出依存する日本企業にとって、円高為替リスクとなって経営に悪い影響与える。そこで、円高がある水準越えれば補償金支払うという内容のデリバティブがあると、円高影響最小限食い止めることができる。

確率的に発生するリスクをうまく分散させるデリバティブは、企業経営の手法として利用価値が高い。デリバティブ商品は、リスク回避目的だけでなく、投機的な目的取引されることもある。

最近では、気候変動対象にしたデリバティブ商品開発されている。三井住友海上火災保険天候デリバティブは、梅雨どきの不快指数80以下の日数54日を上回る場合最大補償金として1400万円受け取ることができるという。カラ梅雨冷夏売り上げ影響するリスク回避するのが狙いだ。

(2002.02.05更新


デリバティブ(Derivatives)


デリバティブ(でりばてぃぶ)

参照derivative 英字用語D

derivative(デリバティブ)

金融派生商品のことをいいます金融派生商品とは、金利為替株式債券などを先物・オプション・スワップ取引の形で組み合わせた高レベル金融商品のことです。1980年NASAなどを退職した理工系技術者たちによって開発されリスク回避投機などの目的利用されています。

デリバティブ(でりばてぃぶ)


デリバティブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 02:08 UTC 版)

金融理論におけるデリバティブ: derivative)とは、より基本的な資産や商品などから派生した資産あるいは契約である[1]金融派生商品: financial derivative products)とも言われる。

デリバティブとは、基礎となる金融商品(原資産)の変数値(市場価値あるいは指標)によって、相対的にその価値が定められるような金融商品をいう[2]。本来のデリバティブ取引は、債券や証券(株式や船荷証券不動産担保証券など)、実物商品や諸権利などの取扱いをおこなう当業者が、実物の将来にわたる価格変動を回避(ヘッジ)するためにおこなう契約の一種である。原資産の一定割合を証拠金として供託することで、一定幅の価格変動リスクを、他の当業者や当業者以外の市場参加者に譲渡する保険(リスクヘッジ)契約の一種である。市場で取引される債券・商品には「標準品」「指数」がある。

ここ半世紀、USドルなどがユーロカレンシーとして流出し相場を上げる一方である。したがって為替ヘッジコストは一向に下がる気配がない。これまで多くの大事件に絡んできたデリバティブだが、需要は健在である。尚、デリバティブの利用目的には「リスクヘッジ」の他、「スペキュレーション(投機)」「アービトラージ(裁定取引)」がある。差金決済取引や空売りで利用するのである。

身近なデリバティブとしては手付がある。手付の交換により売買契約を締結した場合に着手前であれば、買い手は手付を手放すことで契約を破棄できる。また、売り手により契約を破棄された場合は手付の倍額を受け取ることが出来る。買い手も売り手の一方的な契約破棄の場合、手付金は返さなくても良い。また、より良い売り手(最初の買い手と締結した手付の二倍以上の差額で契約できた場合)が後で見つかった場合は、倍額の手付金を返すことで契約を破棄できる。

概要

店頭市場と会計戦争

デリバティブ市場には二種類ある。金融商品取引所などの公開市場を介さない相対での取引(店頭デリバティブ)と、公開市場を介する取引(市場(上場)デリバティブ)である。取引規模としては市場デリバティブより店頭デリバティブの方が圧倒的に大きい[3]。店頭デリバティブ市場は1980年代初頭にユーロカレンシーユーロ債市場で発生した。発行体のバランスシートには載らないオフバランス取引が、デリバティブについては堂々と行われていた。

1984年、財務会計基準審議会が緊急問題専門委員会(EITF)を設置して、オフバランス金融に関する問題を集中討議した。委員会は金融商品ごとの事後対応に限界を感じて、審議会に包括的な会計基準をつくることを要請した。1986年5月、審議会は委員会の要請を討議の項目に加えた。さしあたりディスクロージャーさせて実態を認識し、各デリバティブを負債/資本項目のいずれとするべきかを考えることにしたが、悠長な姿勢は機関投資家をグローバルに増長させた。ようやく1990年3月と1991年12月にそれぞれ基準書を公表して[4]、審議会はディスクロージャーの充実を図った。これらの基準はリスクの顕在化しないデリバティブをディスクロージャーの対象外とする甘いものであった。この点、1994年10月の対応で打ち切りとなった[5]

ビッグバン目前の1985年12月、英国勅許会計士協会が「オフバランス金融と粉飾決算」という真面目な会計基準を公表した[6]。実質的な経済効果を重要とするウェールズの会計基準であったが、しかし法律専門家が反発して論争がおこった。機関投資家の時間稼ぎであった。会計委員会の示す妥協案は[7]、支持されながらも会社法改正作業で施行されなかった。会計委員会が蒸し返すと[8]、後継の会計基準審議会(Accounting Standards Board)は早急に基準化はできないといい、またも時間がすぎた。1993-4年に分厚いレポートが出たものの[9]、やはり遅く、内容も結果から推察されるあまいものだった。

特別目的事業体

レバレッジ効果を有するデリバティブは、会計基準の緩さを良いことに、たびたび投機の対象となり多額の損失を生じた。シティコープが栄える一方で、カリフォルニア州オレンジ郡などの運用セクションがデリバティブによる資産運用を失敗したことにより、その地方行政の存続に大きな影響を与えた。イギリスでは特別目的事業体を駆るクーツ商会(現RBS)出身のディーラーがデリバティブ投機でベアリングス銀行を倒産させた。これらを反省して、多くの会社は、このようなデリバティブへの投資に対して、リスクをモニタリングする仕組みを導入した。銀行業のデリバティブ投資へは、BIS規制金融検査マニュアル等が自主的な危険管理を促した。

しかし特別目的事業体というのは、エンロン問題の一環でもあったが、パナマ文書で機関投資家の金づるとなっている実態が一層あきらかとなったものであり、モーゲージ証券化MBS量産による信用創造)も担っていたので、これに関わる規制は大分手心を加えられた。世界金融危機は起こるべくして起こった。流動性の乏しいデリバティブ商品(相対型の保証契約やCDSなど)はマーケットメイカーから見放された。AIG連邦準備制度が尻を拭いた。契約相手にかかわる信用リスク(カウンターパーティリスク)が適切に記述できないといった問題点は、1980年代から何も解決されていない。

原資産

以下のような原資産が市場デリバティブ取引として取引所で扱われている[10]店頭デリバティブ取引の場合、金融機関次第で、これ以外にも更に柔軟に色々な物が扱われている。

2017年の世界における市場デリバティブ取引の原資産別のシェアは以下の通り(中国を除く)[11]

  • 株式・株価指数・上場投資信託 56%
  • 債券・金利 18%
  • 外国為替 13%
  • エネルギー 9%
  • その他 4%

かつては金融商品コモディティで取引所が分かれていることが多かったが、近年は総合取引所としてまとめて扱い、取引所の集約が進んだ。世界ではCMEグループICEグループという2大デリバティブ取引所グループがある。日本は大阪取引所が大きなデリバティブ取引所である。

取引の種類

デリバティブ取引には、主な物として、以下の物がある。

先物取引

先物取引とは、将来の定められた期日(清算日)に、特定の標準化商品穀物などの農産物・石油などの鉱物のうち標準的な指標となる特定銘柄)あるいは経済指標(為替レート日経平均株価 = 日経225など)を、「定められた数量」、「定められた価格」で、「売り」「買い」を保証する取引の一種で、先物取引は通常は差金決済による証拠金取引であるため、取引の対象とする原資産の価額(単価×数量)の一定%を担保(証拠金:価格変動による追加証拠金ないし強制決済あり)として支払うことで、一定範囲の価格変動リスクを保険(リスクヘッジ)しながら結ぶ契約であることに特徴がある。

取引の大部分は、ほとんどが清算日(限月/期日)までに同限月モノに対して反対売買を行い、買値より値上がりしている場合は差額を受け取り、値下がりしている場合は差額を支払う、ことで決済される差金決済が主流である。このため、その商品を最終的に入手したい実需家(当業者)が、調達市場としてこの取引市場を利用することは前提としていない。この点が先渡取引と異なる。一方で、価格形成の「読み」や期待が実需家(当業者)以外の広範な市場参加者から持ち寄られる特性があり、現在価格が安すぎると思う場合には買建て、高すぎると思う場合に先物商品が売建てられることで、期待や予測の反照として実物商品の価格が強く影響を受ける関係にあると考えた方がよい。実物を取り扱う市場参加者や当業者にとっては、対象となる実物価格と先物市場での売買価格との差を利用した裁定取引が可能であり、実物価格は先物価格と連動することが多い。

株価指数先物取引
株価指数を対象とした先物取引
個別株先物取引
個別株を対象とした先物取引。日本の取引所では扱われていない。
国債先物取引
1年超の国債を対象とした先物取引
短期金利先物取引
3ヶ月などの短期金利を対象とした先物取引
外国為替先物取引
外国為替のデリバティブ取引としては、外国為替証拠金取引外国為替先物取引・外国為替先渡取引(為替予約やノンデリバラブル・フォワード)がある。外国為替証拠金取引(FX)は現在の為替レートで取引を行うスポット取引である。外国為替先物取引と外国為替先渡取引は未来の日時に指定した為替レートで取引を行うものである。外国為替先物取引は取引最終日と取引金額の単位が事前に決まっていて、差金決済で決済を行い、シカゴ・マーカンタイル取引所などの市場で扱われるのに対して、外国為替先渡取引は顧客が金融機関などで行い、予約日や取引金額は自由に相対取引で決められる。
商品先物取引
穀物(コメ大豆など)、砂糖石油貴金属白金)など

2007年まで証券取引法では以下の用語が使われていた。後継の金融商品取引法では使われていない用語である。

有価証券先物取引(証券取引法第2条13項で使われていた用語)
有価証券を対象とした先物取引で、差金決済が前提であるが実物による受渡も可能。国債先物取引など。
有価証券指数等先物取引(証券取引法第2条14項で使われていた用語)
有価証券から算定された数値(指数)を対象とした先物取引。差金決済のみ。株価指数先物取引TOPIX先物、日経225先物)など。

外国為替及び外国貿易法では以下の用語が使われている。

金融指標等先物契約(外国為替及び外国貿易法第6条1項14号)
これはデリバティブ取引全般を指す言葉である。名前に反して、金融指標である必要性も無ければ、先物取引である必要性も無い。

先渡取引

先渡取引は、先物取引と同じく、将来時点での取引を現在行うものだが、先物市場のようなクリアリングハウス(清算機構)をそなえた取引所を仲介した市場取引ではなく相対取引であり、多くの場合反対売買も行われない。店頭で契約した商品を一週間後に受渡(納品)する、などといった定型的契約の場合は慣習的に現物取引と認識してよいとされるが、一過性で非定型的な取り引き、例えば4月1日に契約した10トンの米国産小麦を輸入して6月1日に指定倉庫で受け渡すような種類の輸入契約では、契約時点と受渡時点での時価の認識にずれが生じるため、会計上は先渡取引として認識する。

一般の先渡納品契約や輸出企業の為替予約など、相対契約の場合は先渡し契約である。先渡契約を締結した受け手がその債権・債務を相対で転売することは先渡取引であるが、市場で売買をする場合は先物取引である。先渡取引は最終的に差金決済ではなく全額で現物決済することが多い。金融商品取引法第2条21項1号では先物取引を、第2条22項1号では先渡取引をデリバティブ取引の一種として定義している。ただし、金融商品取引法では、現物決済をしても良いが差金決済することが出来る先物取引・先渡取引がデリバティブ取引としていて、絶対に差金決済できないタイプの先渡取引はデリバティブ取引ではないとしている[12]

オプション取引

オプション取引とは、ある原資産について、あらかじめ決められた将来の一定の日または期間において、一定のレートまたは価格(行使レート、行使価格)で取引する権利を売買する取引である。原資産を買う権利についてのオプションをコールオプション、売る権利についてのオプションをプットオプションと呼ぶ。オプションの買い手が売り手に支払うオプションの取得対価はプレミアムと呼ばれる。

スワップ取引

スワップ取引とは、あらかじめ決められた条件に基づいて、将来の一定期間にわたり、キャッシュ・フローを交換する取引である。

区分

市場取引と店頭取引

デリバティブ取引は市場デリバティブ取引店頭デリバティブ取引に分けられる。店頭取引は市場を使わず、金融機関などと行う相対取引の事を指す。証券会社が店頭取引で受け取った注文は、証券会社内部で処理することもあれば、再度市場に流して処理することもある。

なお、金融商品取引法第2条20項[13]では、デリバティブ取引を市場デリバティブ取引、店頭デリバティブ取引、外国市場デリバティブ取引の3種類に分けていて、市場デリバティブ取引は日本市場のことだけを指すという分かりにくい定義をしている。日本の法律ではこれに従い、市場デリバティブ取引は日本市場のことを指す。ややこしいことに、店頭デリバティブ取引の方は、外国の金融機関を含むという定義になっている。

金融商品取引法第2条では以下のように分類している[12]

店頭FXは第2条22項1号、店頭CFDは第2条22項2号に含まれるとされる[12]

日本の取引所の問題点

世界では2004年から2017年にかけてコモディティの市場デリバティブの取引高が8倍に増えたのにもかかわらず、日本国内の取引高は5分の1に減り、2003年度をピークに減少し続けている[17]。2017年の農産物の取引高は1997年のピーク時の64分の1になっている[17](2020年は更にひどく2017年比で例えば小豆は193分の1で市場消失間近[18])。その問題を解決するための1つとして、2020年7月27日に大阪取引所が金融商品とコモディティの両方を扱う総合取引所となったが、例えば一般大豆先物はどんどん減り続け2020年にたった2枚しか取引されず、まともに取引が成立しない状況が続いている[18]

主要な原資産の日本のデリバティブ取引所
原資産 先物取引 オプション取引
株価指数 大阪取引所(活発)
個別株 N/A 大阪取引所[19]
長期国債 大阪取引所[20]
短期金利 東京金融取引所
ユーロ円3か月金利のみ[21]
出来高0[22]
外国為替 N/A
エネルギー
電力
東京商品取引所
例えばガソリンは2003年と2020年の比較で
出来高が249分の1になっていて
市場が消失しかかっている[23]
N/A

数理

デリバティブのプライシング理論は、金融工学の主要なトピックである。有名な「ブラック-ショールズ方程式」は、ヨーロピアンオプションの評価式である。デリバティブのプライシング理論は、文科系出身者が多い銀行業界では、「難しい理論であり、一部のクオンツだけのもの」とされることが多く、金融業界では「デリバティブは35歳を過ぎたら習得できない」などと言われることが多い(実際、デリバティブの数理では、確率微分方程式が出てくることが多い)。しかし、近年ではファイナンス系の大学・大学院が増えていること、デリバティブに関する書籍・解説書が増えており、デリバティブの数理に対するハードルは徐々に下がっている。

なお、一部の債券についてもデリバティブ取引のプライシング方法が応用される。

問題行為

三井住友銀行が金利スワップ取引の販売において優越的地位の濫用を行ったとして2006年4月に金融庁から行政処分を受けた[24]

2004年から2010年9月にかけてみずほ・三菱東京UFJといったメガバンクが、リスクヘッジ機能を持つオプションの「買い」とリスクテイクとなるオプションの「売り」を組み合わた外国為替オプションを、「リスクヘッジ商品」と称して大々的に販売を行った。(6万件以上)。実際にはリスクヘッジ効果の何倍ものリスクを負うことになる、リスクヘッジとは正反対のリスクテイク商品であり、多数の企業が多額の為替差損を被ることとなったため、訴訟・ADRの申し立てが多発し社会問題となっている。(2010.12.4週刊ダイヤモンド 2011.7.5週刊エコノミスト他)

仕組債及びそれを組み込んだノックイン投信に関する被害状況は仕組債を参照。

会計処理

現在の会計基準によれば、デリバティブ取引については、契約の締結時において、その発生を認識しなければならない。契約の決済すなわち、取引の終了時点に、契約から生じるリスクとリターンが契約当事者に帰属するためである。

また、毎期末においてデリバティブ取引において生じる正味の債権または債務は、時価をもって貸借対照表に計上され、評価差額は当期の損益として損益計算書に計上される。つまり、デリバティブ取引により生じた利益や損失は、ただちに損益計算書及び貸借対照表などの財務諸表に反映される。

ただし、ヘッジ会計における繰延ヘッジによる場合には、デリバティブ取引による評価差額は、貸借対照表の純資産の部における評価換算差額などに、「繰延ヘッジ損益」等の科目をもって計上されるが、損益計算書においては計上されない。例を挙げるならば、持ち合い株式などの「その他有価証券」に、デリバティブ取引によるヘッジ会計を適用していた場合、その他の有価証券が売却されるまで、損益計算書に損益が認識されることは無く、貸借対照表に評価差額が計上されることとなる。

ギブアップ制度

ある者Aがデリバティブ取引の注文を別の者Bに委託した場合において、Bが、別の者Cに対して、当該注文に関する発生する清算・決済の手続きを行わせることをギブアップといい、ギブアップを行うための制度をギブアップ制度という。また、前述の例におけるCから見て、Bから清算・決済の手続きを引き受けることをテイクアップという。

日本の金融庁が2007年に報道発表した資料によれば、本制度により、投資者の決済関連業務に係る事務コスト及び証拠金所要額の軽減ができる場合があるとされ、日本国外の主要なデリバティブ市場では一般的な制度であるとされる[25]

日本の証券取引所(法改正により、現在相当するのは金融商品取引所)における先物・オプション取引にかかる本制度にかかる要望があったことから、金融庁は2007年にパブリックコメントを実施のうえで、証券会社に関する内閣府令等を改正した[25][26]

日本の取引所におけるギブアップ制度

2020年10月現在においてギブアップ制度を導入している日本の取引所は以下の通り。デリバティブ取引を取り扱う全ての金融商品取引所ならびに商品取引所が導入していることになる。

脚注

出典

  1. ^ 大村敬一『ファイナンス論—入門から応用まで』有斐閣、2010年、195頁
  2. ^ 企業財務制度研究会『金融派生商品の情報開示に向けての調査研究』財団法人企業財務制度研究会1994年p.56。また直接の引用はPDF[1]のp.4
  3. ^ デリバティブ市場|日本取引所グループ”. 2015年6月19日閲覧。
  4. ^ Statement of Financial Accounting Standards 105, Disclosure of Information about Financial Instruments with Off-Balance-Sheet Risk and Financial Instruments with Concentrations of Credit Risk, March 1990, part 1; Statement of Financial Accounting Standards 107, Disclosures about Fair Value of Financial Instruments, December, 1991.
  5. ^ Statement of Financial Accounting Standards 119, Disclosure about Derivative Financial Instruments and Fair Value of Financial Instruments, October 1994.
  6. ^ Technical Release 603, Off-Balance Sheet Finance and Window Dressing, December 1985.
  7. ^ Accounting Standards Committee, Exposure Draft 42, Special Purpose Transactions, March 1988.
  8. ^ Exposure Draft 49, Reflecting the Substance of Transactions in assets and Liabilities, May 1990.
  9. ^ Accounting Standards Board, FRED4, Reporting the Substance of Transactions, February 1993; FRS5, Reporting the Substance of Transactions, April 1994.
  10. ^ 世界と日本の取引所 北浜博士のデリバティブ教室 | 日本取引所グループ
  11. ^ 東京商品取引所の現状(東京商品取引所提出資料)第38回規制改革推進会議 規制改革会議 議事次第 - 内閣府
  12. ^ a b c デリバティブ取引に対する参入規制および行為規制の整理―金融商品取引法および商品先物取引法を中心に― 金融法委員会
  13. ^ 金融商品取引法第2条20項
  14. ^ 金融商品取引法第2条21項
  15. ^ 金融商品取引法第2条22項
  16. ^ 金融商品取引法第2条23項
  17. ^ a b 第38回規制改革推進会議 規制改革会議 議事次第 - 内閣府
  18. ^ a b 取引総括表 | 日本取引所グループ
  19. ^ 個別の有価証券 | 日本取引所グループ
  20. ^ 国債証券 | 日本取引所グループ
  21. ^ 法人のお客様へのご案内 |株式会社 東京金融取引所
  22. ^ 金利先物等取引の過去データ|TFX ヒストリカルデータベース|株式会社 東京金融取引所
  23. ^ 出来高推移 | 東京商品取引所
  24. ^ 株式会社 三井住友銀行に対する行政処分について金融庁 報道発表資料 平成18年4月27日
  25. ^ a b https://web.archive.org/web/20130223152617/https://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070226-1.html
  26. ^ https://web.archive.org/web/20130223152527/https://www.fsa.go.jp/news/18/syouken/20070516-1.html
  27. ^ https://web.archive.org/web/20200608231832/https://www.ffaj.or.jp/wp-content/uploads/2019/06/ffaj-kinsaki_chishiki201504.pdf
  28. ^ https://web.archive.org/web/20150316080149/https://t-stockhouse.jp/product/225mini/rule.php
  29. ^ https://www.tocom.or.jp/jp/rule/2_Give-up_191201.pdf
  30. ^ http://ode.or.jp/annai/data/giveup.pdf

出典

  • F・パートノイ『大破局』(徳間文庫)

関連項目

外部リンク


デリバティブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 04:00 UTC 版)

大阪取引所」の記事における「デリバティブ」の解説

日中立会08:45 - 15:15 ナイト・セッション: 16:30 - 翌6:00 かつては前場株式取引時間東京証券取引所より10早い午前8時50分から始まっていたが、その後午前9時00分に改められている。 デリバティブ取引は、2011年2月14日導入された新売買システム(J-GATE)によって前場後場区別なくなり09:00 - 15:10連続取引となった。さらに、2011年7月19日より夕場(イブニング・セッション)が延長され、翌3:00までとなり、ナイト・セッションとなった2016年7月19日のデリバティブ売買システム「J-GATE」のリプレース時に株価指数先物日中立会開始時刻を8時45分繰り上げるとともに、デリバティブのナイト・セッションの終了時刻を5時30分まで延長した

※この「デリバティブ」の解説は、「大阪取引所」の解説の一部です。
「デリバティブ」を含む「大阪取引所」の記事については、「大阪取引所」の概要を参照ください。

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デリバティブ

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 02:39 UTC 版)

名詞

  1. 金融派生商品かぶ債券などから派生した複合金融商品

語源

翻訳

関連語


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派生商品取引 デジタル大辞泉
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金融派生商品 デジタル大辞泉
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外国市場デリバティブ取引 デジタル大辞泉
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市場デリバティブ取引 デジタル大辞泉
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店頭デリバティブ取引 デジタル大辞泉
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