誘導体
誘導体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:46 UTC 版)
エリタデニンの発見とともに、医薬品原料としての利用への期待や、エリタデニンの活性に寄与する構造部位の特定を目的として、エリタデニンの誘導体に関する合成と血清コレステロール抑制効果に関する研究が進んだ。ジアステレオマーとして側鎖のエリトロ型をトレオ型に変換したものや、アデニン塩基を他の核酸塩基に変えたもの、光学異性体、様々な修飾基の付加などの合成が試みられた。 これらの研究によって、エリタデニンおよびその誘導体がもつ血清コレステロール低下作用やSAHH阻害作用の活性強度について、以下のことが分かっている。 血清コレステロール低下作用について、エリタデニンエステルはエリタデニンの10倍の活性を持つ。 プリン環の6位の塩基性置換基が血清コレステロール低下作用に不可欠な構造であり、6位にヒドロキシ基、メルカプト基等が結合すると活性を失う。 プリン環の存在が血清コレステロール低下作用に不可欠な構造である。 異性体においては、血清コレステロール低下作用はD-エリトロ型(天然エリタデニン)、D-トレオ型、L-エリトロ型、L-トレオ型の順に活性が低下する。 β-デオキシエリタデニンでは血清コレステロール低下作用は半減し、α-デオキシエリタデニンでは活性を失う。 血清コレステロール低下作用には9位の側鎖部分にジヒドロキシ酪酸(エリトロース)があることが重要であり、特にα-OH基が活性に関与している。 3-デアザエリタデニンは非常に高いSAHH阻害活性を持つ。 3-デアザエリタデニンメチルエステルはSAHHへの阻害活性発現時にエリタデニンと同様の結合部位を持ち、エリタデニンと同等のSAHH阻害作用、血清コレステロール低下作用を示した。 3-デアザエリタデニンメチルアミドはSAHHへの阻害活性発現時にエリタデニンと同様の結合部位を持つものの、SAHH阻害活性を示さず、血清コレステロールも低下させない。
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「誘導体」の例文・使い方・用例・文例
- 同族体としてしられる誘導体
- 砂糖の誘導体または複合糖質を加水分解することにより、質素な溶解性で発酵性の砂糖に転換する
- 気管支喘息、肺気腫、および気管支炎の気管支拡張剤として治療に使用されるテオフィリン誘導体
- 中枢神経系に興奮剤として使用されるアンフェタミンの硫酸塩誘導体
- モルヒネほど強くないモルヒネ誘導体
- サリチル酸のアセチル化誘導体
- 結晶性塩酸塩の形で使用されるアンフェタミン誘導体(商標名メセドリン)
- 引火性が高く有毒なトルエンの誘導体である黄色の結晶性化合物で、強力な爆薬として使われる
- 安息香酸からできる結晶性の誘導体
- 安息香酸の誘導体
- 経口避妊薬であり、月経の調節と異常な子宮出血の処理に使用されるプロゲステロン誘導体
- 多くの多糖類の要素であるブドウ糖のアミノ誘導体
- 有毒で白色、水溶性で、結晶性の、ベンゼンの酸誘導体
- セルロース(またはセルロースの誘導体)から作られるプラスティック
- いくつかの代謝障害の症例において血液中や尿で確認されるベータ誘導体のヒドロキシ酪酸
- 酪酸の水酸基誘導体
- 細菌増殖を妨げるのに用いられるフラン誘導体
- チロキシンが誘導体であるフェノール・アミノ酸
- 誘導体に雲母を使用した蓄電器
誘導体と同じ種類の言葉
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