証券化とは? わかりやすく解説

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しょうけん‐か〔‐クワ〕【証券化】

読み方:しょうけんか

[名](スル)企業金融機関保有する債権不動産などの資産信託銀行特定目的会社譲渡し、この資産をもとにした有価証券資産担保証券)を発行すること。これによって資産流動性高くなる。証券化する資産違いから不動産担保証券債務担保証券などと分類する


証券化

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証券化

読み方しょうけんか

資産流動化する方法として、最も一般的なのが証券化です。
証券化とは、ABS(資産担保証券)を利用して資産の流動化を行う方法です。

次の手順行われます
1.資産SPC売却。  2.SPC受け入れ資産担保ABS発行
3.投資家ABS代金SPC払い込む。  4.SPC資産購入代金企業支払う。
5.SPC資産管理会社へ受入資産管理処分委託。  6.SPC資産管理会社から、運用収益受け取る。
7.SPCから投資家へり払いおよび償還が行われる


証券化

読み方しょうけんか
【英】:securitization


概要

企業抱え様々な資産負債証券として市場販売する方法のこと. 例えば, 大量資金住宅ローンとして貸し出す銀行は, 将来金利変動によるリスク避けるため, ローン小口「証券化」して市場販売し, 返済される元本金利収入(から手数料差し引いたもの)を, クーポンとして投資家支払う. この証券モーゲージ担保証券呼ばれ, 安全で有利な投資対象として人気呼び, 米国では400兆円に達す市場形成している.


詳説

 証券化とは,ある特定の資産原物とそれから生じ法定果実収受する権利を,そ の権利表章する証券」に化体させることをいう.証券化の手法は,金融機関リス資産圧縮,または事業法人ノンバンクなどの資金調達の手段として,広く活用され ている.自らの信用力乏しいがゆえに,直接あるいは間接を問わず,資金調達機会限られているノンバンク存在仮定する.このノンバンクが,保有する資産活用 して,必要資金調達することを考える.その資産取引される市場存在し,当該資 産の買手をすぐに見つけることができるのであれば(つまり,当該資産流動性がある 場合),当該資産単純に買手売却することにより,容易に売却代金手にすることが できる.ところが,取引市場完備されており,流動性のある資産は,債券株式など の有価証券限られており,それら以外の資産売却することは容易ではない.このよ うな流動性乏し資産売却するためには,流動性付与する仕組み(すなわち証券 化)が必要となる.


■ 資産担保証券

 流動性乏し資産として,リース会社クレジット会社などのノンバンク保有す る金銭債権(リース債権クレジット債権)を例にとり,金銭債権証券化の仕組み説明 する.証券化の対象となる原債権債権者(本例の場合ノンバンク)をオリジネーター というが,このオリジネーターが,保有する金銭債権を束にしたものを,特別目的会社 (Special Purpose Company;SPC)などのSPV(Special Purpose Vehicle)に譲渡する(SPV としては,SPCのほかに信託銀行(の信託勘定)などが該当する.「特別目的」たるゆえ んは,流動性乏し資産を,社債信託受益権証書などの流動性のある実体に変換す るという特別な目的のみを果たしいるからである).SPVは,譲渡され金銭債権を裏 付けとして,債券発行する.このように,資産(本例では金銭債権)を裏付けとして発 行された債券を,資産担保証券という.

 SPVは,発行代金として投資家払い込む債券購入代金受領し,オリジネーター は,譲渡した金銭債権譲渡対価として,SPVからこの金額受け取ることになる.

 資産担保証券元利金原資は,金銭債権から生じキャッシュフローである.原債 務者から回収されキャッシュフローが,債権譲受人であるSPV通って,債券の元 利金として投資家支払われる.

 SPCとは,資産担保証券発行などの特定され目的を果たすためだけに設立される 会社である.一般社債発行体は,本来の主たる事業営んでおり,事業成り行き しだいで倒産する可能性はらんでいるが,SPC倒産可能性排除するために様 ざまな工夫こらして設立される.したがって,資産担保証券投資家は,投資判断 にあたっては,オリジネーター信用力ではなく,資産に伴う信用力考慮すればよい.

 資産担保証券は,投資家受け入れられやすくするために,格付け取得するのが一 般的である.前段SPC倒産隔離性より,資産担保証券格付けは,原資産キャッ シュフロー創出力により決定されるので,シングルAの格付けをもつオリジネーターで も,キャッシュフロー創出力の高い良質な資産を証券化することにより,シングルAよ りも高い格付債券発行することが可能となりうる.

 資産担保証券は,償還年限クーポンあるいは格付などの条件互いに異な複数種類(これをトランチあるいはトランシェという)に分けて発行されることが多い.


■ モーゲージ担保証券

 モーゲージ担保証券(Residential Mortgage Backed Securities;RMBS)とは,資産担保証 券のうちで,住宅ローン債権裏付けとして発行されものをいう.住宅ローン債権 は,土地の購入住宅建築のために,個人借り手貸し出され貸付債権である(住 宅ローン債権のように,分散効いた多数債務者向けの債権集合を,小口債権プール (あるいは大数プール)という).

 民間金融機関住宅ローン債権1999年にはじめて証券化されて以来,公的機関であ る住宅金融公庫含め,複数RMBS発行されている.特に,住宅金融公庫はこれま で継続してRMBS発行しており,RMBS市場規模の拡大大きく寄与している.

 住宅ローン借り手は,返済期限前に任意にローン返済できる.ローン期限前返 済されると,貸し手返済され資金の再運用リスク(これをプリペイメントリスクと いう)を抱えることになる.貸し手は,住宅ローン債権を証券化することにより,この リスク投資家転嫁することができる.逆に,RMBS投資家は,期限弁済存在 により,RMBS想定償還年限伸縮するというリスク抱えることになる.期限前弁 済は,借り換え時の金利水準景況感などの要因左右される考えられるので,投資 家は,これらの要因から期限弁済動向推定するプリベイメントモデルをつくって プリベイメントリスクの定量評価行っている.

 住宅ローン貸付期間は2030年である場合多く,金融期間の負債のデュレーショ ンと比較すると非常に長い.これは,当該金融機関ALMリスク抱えていることに ほかならない.住宅ローン債権の証券化は,ALMリスク軽減化の有効な手段としても 活用されている.


■ 不動産担保証券

 金銭債権ではなく,実物資産である不動産裏付けしたものが,不動産担保証券 である.対象となる不動産種類としては,オフイスビル,商業用施設,外国人向け高級 賃貸マンシヨン,ホテルなどがあげられる.

 金銭債権の証券化の仕組み同様に,不動産SPVへの譲渡仕組みとられるが, 移転に伴い発生する不動産取得税登録免許税などの税コスト削減のため,いったん信 託設定をしたうえで,その信託受益権SPC譲渡されることが多い.

 不動産担保証券信用力は,裏付けとなつている不動産キャッシュフロー創出力で ある.不動産担保証券クーポン原資は,当該不動産からの賃貸料収入であるから, 証券化の対象としては,テナントづきがよく,安定した賃貸料収入期待できる良質な 不動産であることが求められる.不動産担保証券元本原資は,当該不動産売却し て得る代金か,もしくはその不動産裏付けとして新たに発行する不動産担保証券の発 行代金あるから,やはり,証券化の対象としては,将来的価値増大期待できる 良質な不動産であることが望ましい.


参考文献

[1] 大垣尚司(1997), ストラクチャード・ファイナンス入門, 日本経済新聞社.

[2] 不動産証券化協会(2003), 不動産証券化ハンドブック, 不動産証券化協会.


証券化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 04:32 UTC 版)

証券化(しょうけんか、: Securitization)とは、帰属主体(オリジネーター)から原資産を特別目的事業体(SPV)等へ移転させ、原資産から生じるキャッシュフローを裏づけとした、資産担保証券などの流動性が高い金融商品を発行する技術である[1][注釈 1]




「証券化」の続きの解説一覧

証券化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:19 UTC 版)

世界金融危機 (2007年-2010年)」の記事における「証券化」の解説

1970年代アメリカから、住宅ローンの証券化が始まった。これは地域金融弱点である各地域リスクを補うために考えられ国策会社である政府支援機関(GSE)によって進められた。地方銀行地域リスクから守るために住宅ローンを証券化してGSEに売った。GSEは証券化された住宅ローンを買うために、プールし住宅ローン担保にして債券売った。これが不動産担保証券MBS)であり、GSEに多大な利益もたらした。GSEの発行ではないプライベート・ラベルMBS1990年代急増し、質の低いローンを証券化する方法としてトランチング(英語版)が考案された。トランチングとは、住宅ローン細分化し、リスク異な債券分けてローン対す優先順位定め方法を指す。トランチングが繰り返され大量MBS作られ安全な証券として投資家販売された。投資家リスクが低いと考え格付け機関保証していたが、実際には質が低くリスクの高い住宅ローンから作られていた。

※この「証券化」の解説は、「世界金融危機 (2007年-2010年)」の解説の一部です。
「証券化」を含む「世界金融危機 (2007年-2010年)」の記事については、「世界金融危機 (2007年-2010年)」の概要を参照ください。

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