差分
差分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 14:49 UTC 版)
「自己回帰和分移動平均モデル」の記事における「差分」の解説
定常時系列の性質は、観測された時刻に依存しない。具体的には、広義の定常時系列では、平均と分散/自己共分散は時間の経過とともに一定になる。統計における差分とは、非定常時系列を平均的な意味で定常化するために(つまり、非定常トレンドを除去するために)適用される変換であり、分散/自己共分散の非定常性とは関係がない。同様に、季節性時系列に季節差分を適用して季節成分を除去する。信号処理、特にフーリエ・スペクトル解析理論の観点からは、トレンドは非定常時系列のスペクトルにおける低周波数部分であり、季節はそのスペクトルにおける周期的な周波数部分である。したがって、差分はハイパス(つまり、ローストップ)フィルタとして、季節差分はコムフィルタとして機能し、それぞれ低周波のトレンドと周期的な周波数の季節を(時間領域で直接ではなく)スペクトル領域で抑制することができる。この観点から、差分と季節差分の哲学、数学、力、欠点を説明することができる。 データの差分を取るために、連続した観測値の差を計算する。数学的には次のようになる。 y t ′ = y t − y t − 1 {\displaystyle y_{t}'=y_{t}-y_{t-1}\,} 差分は時系列のレベルの変化を取り除き、トレンドと季節性を排除し、結果的に時系列の平均値を安定させる。 定常時系列を得るために、2回に渡ってデータの差分を取る必要がある場合もあり、これは 2次差分と呼ばれる。 y t ∗ = y t ′ − y t − 1 ′ = ( y t − y t − 1 ) − ( y t − 1 − y t − 2 ) = y t − 2 y t − 1 + y t − 2 {\displaystyle {\begin{aligned}y_{t}^{*}&=y_{t}'-y_{t-1}'\\&=(y_{t}-y_{t-1})-(y_{t-1}-y_{t-2})\\&=y_{t}-2y_{t-1}+y_{t-2}\end{aligned}}} データの差分を取るもう一つの方法として、季節差分がある。これは、観測値と前の季節(例えば1年)の対応する観測値との差を計算するものである。これは次のように示される。 y t ′ = y t − y t − m where m = duration of season . {\displaystyle y_{t}'=y_{t}-y_{t-m}\quad {\text{where }}m={\text{duration of season}}.} そして、この差分を取ったデータを用いて、ARMAモデルを推定する。
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