恐怖の中国出張(前編)

システムを開発するにあたり、多くの場合、開発を請け負ったベンダーは、コストの安い中国へオフショア開発として製造工程を発注します。

また、近年では、円安の影響や人件費の高騰により中国でのコストメリットがあまり無くなって来たので、地方のソフトハウスに製造を発注する「国内オフショア」も盛んになってきました。

前の会社でも、一部の地方への発注を除き、製造の大部分を中国へ発注していました。

なので、仕様説明や状況視察などで現地に出張することもあり、社員は皆いつ指令がかかるか戦々恐々といった感じでした。
ちなみに、私が初めて中国に出張したのは、約5年ほど前のことです。
(単身赴任ではなく、3人で行きました)

それまでは、「パスポートを持っていないので行けません!」の一点張りだったのですが、ついにその言い訳も通用しなくなり、二泊三日の中国出張のお達しを受けることになりました。

そもそも私はそれまで海外に行ったことが無かったので、本当にパスポートを持っていませんでした。
ということで、まずはパスポートを作る手続きをすることから始まったのですが・・・
以前も書きましたが、前の会社は社命だろうとなんだろうとパスポート代は自己負担です。

私が中国出張の話を受ける3ヶ月ほど前までは支給されてたらしいのですが、残念ながら経費削減の対象になってしまったようです。
いや、いくらなんでもそれは必要経費だろうが(怒)

しかも、ちょうどその頃はパチスロで負けがこんでおり、貯金が世帯で2万円しかありませんでした。
なので、嫁と猛烈なケンカ・・・というより一方的に怒られ続けました。

そんなことを経て、パスポートを無事(?)ゲットできましたが、当然お小遣いなどありませんでした。
ただ、何かあるとマズイので、とりあえず200元(約3000円)だけ両替して持っていくことにしました。



で、飛行機に揺られて中国に到着 -

まー北京首都国際空港のムダにでかいこと(苦笑)
おかげで、出口までずいぶんと歩かされました。

初めての入国審査は特に問題無く通過でき、その後は発注先の社員の車でホテルまで送ってもらうことに。
その道中。色々と興味深いことがありました。
行き交う車が高級外車ばかりだったり、都市部と郊外で貧富の差が凄かったり、高層マンションが無人だったり・・・
割とテレビとかで紹介されてる通りでした。

ホテル到着後は、発注先の会社まで歩いて向かいました。(歩いて5分ぐらいだったので)

しかし、この約5分は中々密度の濃い5分でした。

まず、決死の覚悟でないと、道を渡ることすらできません。

都市部なので交通量が多い上に信号が少なく、信号が無いところで渡ろうとすると、100%車は止まってくれません。
(減速すらしようとせず、クラクションを連発されます)

ご存知の方も多いと思いますが、中国では車優先ですので。
※歩行者優先ではありません。

ということで、歩行者を轢き殺すことに微塵の躊躇もなく突っ込んできますので、集中を切らさないように往来を渡る必要があります。

ま、まぁ、日本とは文化が違いますし、大阪あたりでも似たような感じですからね。
(ここまで酷くないですが)

往来を無事渡った後一息ついて空を見上げると、鳥が一羽も飛んでいないことに気づきました
(東京ですらカラスがいるというのに、中国では滞在3日間で一羽も見ていません)

確かに、空はスモッグと思われる灰色のもやで覆われており、晴れていても常に曇っている感じです。
そりゃ、こんな空を飛んでたら、鳥でも肺がやられるでしょうね。
私も、外ではできるだけマスクを装着するようにしました。

他には、何やらクレープみたいなものを売っている屋台が何件かありました。
せっかく中国に来たことですし、試しに一つ食べてみようかなと屋台に向かおうとしたその時・・・他の2人に真顔で制止されました。

何でも、そこらの屋台で売っている料理を日本人が食べると、激しい腹痛に襲われるとのこと。(汗)

なるほど、つまり衛生面が最悪だということですね。
いやー、中国通の人が同行してくれてて良かった良かった。

っていうか、そこら中トラップだらけじゃねぇか。(怖)
(中国人の内臓が強靭なのか?日本人の内臓か脆弱なのか?)

次回に続く

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プロフィール

Author:たみおと
36歳にして社内SEに転職しました。
ベンダーSE・社内SEどちらの方が記事を読んでも、ご参考になる体験談をUPしていきたいと思っていますので、宜しくお願い致します。

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