2018-06-14(Thu)
在日米軍撤退というリアルを日本人は受け入れられるか
朝鮮戦争の終戦が、指呼の間に迫ってきました。
もちろん、抵抗する勢力は米朝はもちろん、日韓はじめ周辺国にもガンコにこびりついていますから、まだまだ予断は許さないとは言うものの、このまま進展すればかなり早い段階で68年間も続いている朝鮮戦争は終結します。
そこで問題になるのが、在韓米軍の問題です。
在韓米軍と言われていますが、あれは正確には米軍を中心とした「国連軍」です。
朝鮮戦争の勃発に対し、1950年の国連決議83号、84号に基づいて編成された国連の軍隊というわけです。
ですから、朝鮮戦争が正式に終戦したら、在韓米軍=朝鮮国連軍は法的には解体しなければなりません。
当然ながら、駐留をつづけることはできません。
もし続けるのであれば、あらたに米韓で条約を結ぶ必要がありますが、文在寅政権がそれに応じるでしょうか。
フィリピンと同じように、韓国軍の基地内に一部居残ることはありうるかもしれませんが、基本的には撤退の方向になるでしょう。
それは、米韓朝の3カ国にとって、共通の利害でもあります。
アメリカファーストのトランプは、もう他国のためにはびた一文使いたくない というのが基本方針です。
武器を使い潰してくれないと困り果てる軍産複合体にとっては無駄こそ命ですが、トランプは無駄金は使いたくないし、その方針にアメリカは賛同して彼を選んだのですから。
韓国にとっては、朝鮮戦争が無いのに米軍を置いている意味がまったくない。
韓国は中国ともそれなりに外交関係を作っており、北と和解すれば、自国軍ですら縮小できるかもしれない。
徴兵制によって若者の能力が阻害されている問題は以前から指摘されており、ひょっとすると徴兵制すらなくすかもしれない。(私の想像だけど)
そんな流れの中で、なんで米軍を置いておく必要があるのか。
しかも、韓国も米軍の駐留経費の70%を負担しています。
これから北朝鮮の開発にむけて多額の費用が発生するというのに、そんなカネを使っている場合では無いでしょう。
そして何より、(日本人は麻痺していますが)、他国の軍隊を自国内に駐留させることは屈辱なのです。
テレ朝の玉川徹が「韓国の左翼は対米自立だから」と言っていましたが、一部の安保マフィアのような利害関係者以外は、右から左まで、みんな米軍には出ていってもらいたいのがホンネ ということです。
北朝鮮にとっての在韓米軍撤退の利益は、これは言うまでもないでしょう。
ということで、トランプが暗殺されるとか、北朝鮮で軍隊のクーデターが起きるとかしない限り、在韓米軍は撤退か大幅縮小ということになるでしょう。
■
では、在日米軍はどうなるのか、です。
在韓米軍とは別問題だ、という説もありますが、少なくとも密接に連動しているのは間違いありません。
先ほどの 朝鮮国連軍との関係では、在日米軍の基地は朝鮮国連軍の基地でもあるという現実があります。
外務省のホームページに書いてありますが、
キャンプ座間
横須賀海軍施設
佐世保海軍施設
横田飛行場
嘉手納飛行場
普天間飛行場
ホワイトビーチ地区
は朝鮮国連軍が使用できる ということになっています。
日本は朝鮮国連軍と地位協定を結んでおり、在日米軍基地と言われているものは、同時に朝鮮国連軍基地でもあるのです。
でも、在日米軍の駐留経費のほとんどは日本が出しているのだから、トランプも納得するんじゃないのと思うかもしれません。
たしかに、駐留関連経費の93%、3790億円を日本が負担、さらに辺野古新基地建設を含む米軍再編費用などを含めると、なんと6000億円も日本が出しています。
在日米軍関係経費(平成30年度予算) 防衛省HP
これ、単発じゃなくて毎年ですからね。ビックリです。
こんだけ日本が出しているのに、トランプはなにが不満なの? というわけです。
でも、よく見てください。
ここにでているのは、駐留経費であって、軍隊そのものの運用費用ではありません。
爆弾やジェット燃料やオスプレイの購入費やカールビンソンの維持費までは、さすがに含まれていません。
単純計算してみると、米軍130万人のうち5万人が在日米軍なので、だいたい4%弱。
アメリカの国防予算は7100億ドルくらいで、その4%は280億ドルくらい。
つまり、在日米軍の軍隊としての運用費は2兆~3兆円くらいかかっているとも考えられます。
あまりにもザックリだけど、駐留関連経費の6000億円はほとんど日本が出していても、それでもアメリカにとってはかなり大きな負担がある、というのは間違いありません。
だからトランプは、「日本がもっとカネを出さないと撤退する」と選挙中から言っていたのです。
もちろん、安倍政権のことですから、出せと言われれば1兆でも2兆でも出すかもしれません。
しかし、60兆円に満たない税収から、毎年何兆円というカネを外国の軍隊に出すのか、と言う問題は、さすがの日本人にも衝撃を与えずにおかないでしょう。
その衝撃は、これまで安倍政権に批判的だった人たちにはもちろんですが、まったく無関心だった人もさすがに「兆円」という話には「?!」と思うでしょうし、何よりもこれまで安倍ちゃんを熱烈支持してきた極右勢力に激震が走ります。
極右の人たちは、当然ながら、自衛隊を国防軍にして予算も倍の10兆円くらいにして核武装も目指そう、と思っています。
ところが、自国軍ではなく、米軍に何兆円も出すとなれば、さすがのヘタレ右翼さんたちも割れはじめるでしょう。
半分はどこまでも米つきバッタを続けるでしょうけれども、半分は安倍ちゃんにはついて行けないということになる。
■
右翼さんたちの近未来は、だいたいそういう方向になるでしょう。
問題は、左翼とかリベラルです。
もちろん、共産党から国民党まで、野党は何兆円も米軍に出すなんて反対するに決まっています。
そこは疑う余地はありません。
問題は その先です。
本当に 「米軍撤退を歓迎」するのか ということです。
ゼロにはしないとしても、インテリジェンス部門と横田や横須賀の司令部機能を除いて、在日米軍は撤退したいともしトランプが表明したら、左翼から保守リベラルまで居並ぶ野党勢力は、どう反応するでしょう。
言い訳やレトリックはいろいろあるでしょうが、共産党を筆頭にこぞって(事実上)反対するのではないか と私は想像します。
つまり、「在日米軍がいないのなら自主防衛だ」という議論に、現在の左翼は耐えられないからです。
真っ正面から非武装中立を唱えていた時代は、迷いなく米軍は出ていけと言えたわけですが、今では共産党ですら自衛隊は(実質的に当面は)必要と認めてしまっています。
自衛隊をどうする(共産党HP)
社民党は、「違憲状態」というよく分からない言い方をしているが、要するに存在そのものは合憲だが、今のありようは違憲だということのようです。国境警備という任務に限定すれば、当面の武力の保持は認めているように見えます。
社会民主党宣言 Ⅲ(6)
このように、「武力は無い方がいい」けど「武力で国境を守る」という基本姿勢を認めてしまうと、「米軍がいなくなったのだから自衛隊を増強するべきだ」という議論に本質的に対抗できません。
あくまで、テクニカルに「どの程度、どういう戦力が必要か、必要でないか」という話にならざるを得ません。
空母や長距離ミサイルはどっから見ても専守防衛じゃないけれども、それだって、「非武装中立」という単純明快な回答に比べたら分かりにくいことこの上ないわけです。
だから、米軍が本当に撤退してしまったら、「独自武装」勢力に攻め込まれる と言う危機感は、左翼であればあるほど強く持っているはずです。
言い方は悪いですが、米国が言うところの 「瓶のフタ」論に、意識してかどうかは別にして、反対側から依存してしまっている。
日米安保につきまとう「瓶のふた」論
2012.2.11 日経新聞
1990年3月27日付ワシントンポスト紙に日米関係の歴史に残る発言が載っている。「瓶のふた」発言である。在日米海兵隊ヘンリー・C・スタックポール司令官(少将)による次のような発言である。
「もし米軍が撤退したら、日本はすでに相当な能力を持つ軍事力を、さらに強化するだろう。だれも日本の再軍備を望んでいない。だからわれわれ(米軍)は(軍国主義化を防ぐ)瓶のふたなのだ」。
(引用以上)
むしろ、自衛隊を合憲と言い切ってしまっている保守リベラルのほうが、米軍撤退については明確な態度が取れるでしょう。
自由党については、小沢一郎は「第七艦隊だけで十分」というのが持論ですし、山本太郎はもちろん撤退大歓迎でしょう。
国民党は、自衛隊増強すら言いかねませんから、その分だけ米軍撤退には遠慮せずにすむ。
自衛隊合憲だけど左翼に人気のある立憲は微妙なところで、まだどんな態度をとるか読めませんね。その時の風次第でしょうか。
■
私自身の持論は
自衛隊は、武器を捨てて「国境なき救助隊」に
2011年に書いたこの記事を、私は今でも変更する気はサラサラありません。
この論は「命をかけて侵略の可能性を極限まで小さくする」部隊は必要だと言う前提に立っている点で、「たぶん侵略はされないよ」という幻想的な非武装論とは違うし、だからといって「最小限の武力ですまそう」という根拠のない専守防衛論ではなくて「武力以外の力を使う」という積極的な防衛論です。
もちろん、政権交代を何回繰り返しても、そう簡単にここまでたどり着けるとは思いません。
しかし、ひとり一人が、「米軍なき日本」をどう生きるのか、どう運営するのか、本当のリアルを想定して議論しなくてはならない時に、その端緒にやっと立ったのです。
「戦争反対」と「政権交代」を唱えてきた人たちこそが、「米軍撤退後」の日本の舵取りをどうするのか、政権交代を果たして1億2千万人の命と財産を預かった時にどうするのか、今、真剣に議論する必要があります。
それをせずに、これまで通りのうやむやのままに「その日」を迎えてしまったら、「独自武装、自衛隊増強、国防軍に」という大きな流れに抵抗できないどころか、内紛の挙げ句に粉みじんに吹き飛ばされてしまうでしょう。
結論なんてでないでしょう、そう簡単には。
それでも、違う意見を聞き、理解し、また理解してもらうという作業を繰り返さなければなりません。
「戦争反対」と、それに責任を持つために「政権交代」しなければならない、という点だけはお互いに信頼し、「独自武装、自衛隊増強、国防軍」という道に対して、そうではない道をどうやって国民に示すのか、議論するときです。
それが、米朝会談によって、日本の我々に突きつけられた問題です。
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もちろん、抵抗する勢力は米朝はもちろん、日韓はじめ周辺国にもガンコにこびりついていますから、まだまだ予断は許さないとは言うものの、このまま進展すればかなり早い段階で68年間も続いている朝鮮戦争は終結します。
そこで問題になるのが、在韓米軍の問題です。
在韓米軍と言われていますが、あれは正確には米軍を中心とした「国連軍」です。
朝鮮戦争の勃発に対し、1950年の国連決議83号、84号に基づいて編成された国連の軍隊というわけです。
ですから、朝鮮戦争が正式に終戦したら、在韓米軍=朝鮮国連軍は法的には解体しなければなりません。
当然ながら、駐留をつづけることはできません。
もし続けるのであれば、あらたに米韓で条約を結ぶ必要がありますが、文在寅政権がそれに応じるでしょうか。
フィリピンと同じように、韓国軍の基地内に一部居残ることはありうるかもしれませんが、基本的には撤退の方向になるでしょう。
それは、米韓朝の3カ国にとって、共通の利害でもあります。
アメリカファーストのトランプは、もう他国のためにはびた一文使いたくない というのが基本方針です。
武器を使い潰してくれないと困り果てる軍産複合体にとっては無駄こそ命ですが、トランプは無駄金は使いたくないし、その方針にアメリカは賛同して彼を選んだのですから。
韓国にとっては、朝鮮戦争が無いのに米軍を置いている意味がまったくない。
韓国は中国ともそれなりに外交関係を作っており、北と和解すれば、自国軍ですら縮小できるかもしれない。
徴兵制によって若者の能力が阻害されている問題は以前から指摘されており、ひょっとすると徴兵制すらなくすかもしれない。(私の想像だけど)
そんな流れの中で、なんで米軍を置いておく必要があるのか。
しかも、韓国も米軍の駐留経費の70%を負担しています。
これから北朝鮮の開発にむけて多額の費用が発生するというのに、そんなカネを使っている場合では無いでしょう。
そして何より、(日本人は麻痺していますが)、他国の軍隊を自国内に駐留させることは屈辱なのです。
テレ朝の玉川徹が「韓国の左翼は対米自立だから」と言っていましたが、一部の安保マフィアのような利害関係者以外は、右から左まで、みんな米軍には出ていってもらいたいのがホンネ ということです。
北朝鮮にとっての在韓米軍撤退の利益は、これは言うまでもないでしょう。
ということで、トランプが暗殺されるとか、北朝鮮で軍隊のクーデターが起きるとかしない限り、在韓米軍は撤退か大幅縮小ということになるでしょう。
■
では、在日米軍はどうなるのか、です。
在韓米軍とは別問題だ、という説もありますが、少なくとも密接に連動しているのは間違いありません。
先ほどの 朝鮮国連軍との関係では、在日米軍の基地は朝鮮国連軍の基地でもあるという現実があります。
外務省のホームページに書いてありますが、
キャンプ座間
横須賀海軍施設
佐世保海軍施設
横田飛行場
嘉手納飛行場
普天間飛行場
ホワイトビーチ地区
は朝鮮国連軍が使用できる ということになっています。
日本は朝鮮国連軍と地位協定を結んでおり、在日米軍基地と言われているものは、同時に朝鮮国連軍基地でもあるのです。
でも、在日米軍の駐留経費のほとんどは日本が出しているのだから、トランプも納得するんじゃないのと思うかもしれません。
たしかに、駐留関連経費の93%、3790億円を日本が負担、さらに辺野古新基地建設を含む米軍再編費用などを含めると、なんと6000億円も日本が出しています。
在日米軍関係経費(平成30年度予算) 防衛省HP
これ、単発じゃなくて毎年ですからね。ビックリです。
こんだけ日本が出しているのに、トランプはなにが不満なの? というわけです。
でも、よく見てください。
ここにでているのは、駐留経費であって、軍隊そのものの運用費用ではありません。
爆弾やジェット燃料やオスプレイの購入費やカールビンソンの維持費までは、さすがに含まれていません。
単純計算してみると、米軍130万人のうち5万人が在日米軍なので、だいたい4%弱。
アメリカの国防予算は7100億ドルくらいで、その4%は280億ドルくらい。
つまり、在日米軍の軍隊としての運用費は2兆~3兆円くらいかかっているとも考えられます。
あまりにもザックリだけど、駐留関連経費の6000億円はほとんど日本が出していても、それでもアメリカにとってはかなり大きな負担がある、というのは間違いありません。
だからトランプは、「日本がもっとカネを出さないと撤退する」と選挙中から言っていたのです。
もちろん、安倍政権のことですから、出せと言われれば1兆でも2兆でも出すかもしれません。
しかし、60兆円に満たない税収から、毎年何兆円というカネを外国の軍隊に出すのか、と言う問題は、さすがの日本人にも衝撃を与えずにおかないでしょう。
その衝撃は、これまで安倍政権に批判的だった人たちにはもちろんですが、まったく無関心だった人もさすがに「兆円」という話には「?!」と思うでしょうし、何よりもこれまで安倍ちゃんを熱烈支持してきた極右勢力に激震が走ります。
極右の人たちは、当然ながら、自衛隊を国防軍にして予算も倍の10兆円くらいにして核武装も目指そう、と思っています。
ところが、自国軍ではなく、米軍に何兆円も出すとなれば、さすがのヘタレ右翼さんたちも割れはじめるでしょう。
半分はどこまでも米つきバッタを続けるでしょうけれども、半分は安倍ちゃんにはついて行けないということになる。
■
右翼さんたちの近未来は、だいたいそういう方向になるでしょう。
問題は、左翼とかリベラルです。
もちろん、共産党から国民党まで、野党は何兆円も米軍に出すなんて反対するに決まっています。
そこは疑う余地はありません。
問題は その先です。
本当に 「米軍撤退を歓迎」するのか ということです。
ゼロにはしないとしても、インテリジェンス部門と横田や横須賀の司令部機能を除いて、在日米軍は撤退したいともしトランプが表明したら、左翼から保守リベラルまで居並ぶ野党勢力は、どう反応するでしょう。
言い訳やレトリックはいろいろあるでしょうが、共産党を筆頭にこぞって(事実上)反対するのではないか と私は想像します。
つまり、「在日米軍がいないのなら自主防衛だ」という議論に、現在の左翼は耐えられないからです。
真っ正面から非武装中立を唱えていた時代は、迷いなく米軍は出ていけと言えたわけですが、今では共産党ですら自衛隊は(実質的に当面は)必要と認めてしまっています。
自衛隊をどうする(共産党HP)
社民党は、「違憲状態」というよく分からない言い方をしているが、要するに存在そのものは合憲だが、今のありようは違憲だということのようです。国境警備という任務に限定すれば、当面の武力の保持は認めているように見えます。
社会民主党宣言 Ⅲ(6)
このように、「武力は無い方がいい」けど「武力で国境を守る」という基本姿勢を認めてしまうと、「米軍がいなくなったのだから自衛隊を増強するべきだ」という議論に本質的に対抗できません。
あくまで、テクニカルに「どの程度、どういう戦力が必要か、必要でないか」という話にならざるを得ません。
空母や長距離ミサイルはどっから見ても専守防衛じゃないけれども、それだって、「非武装中立」という単純明快な回答に比べたら分かりにくいことこの上ないわけです。
だから、米軍が本当に撤退してしまったら、「独自武装」勢力に攻め込まれる と言う危機感は、左翼であればあるほど強く持っているはずです。
言い方は悪いですが、米国が言うところの 「瓶のフタ」論に、意識してかどうかは別にして、反対側から依存してしまっている。
日米安保につきまとう「瓶のふた」論
2012.2.11 日経新聞
1990年3月27日付ワシントンポスト紙に日米関係の歴史に残る発言が載っている。「瓶のふた」発言である。在日米海兵隊ヘンリー・C・スタックポール司令官(少将)による次のような発言である。
「もし米軍が撤退したら、日本はすでに相当な能力を持つ軍事力を、さらに強化するだろう。だれも日本の再軍備を望んでいない。だからわれわれ(米軍)は(軍国主義化を防ぐ)瓶のふたなのだ」。
(引用以上)
むしろ、自衛隊を合憲と言い切ってしまっている保守リベラルのほうが、米軍撤退については明確な態度が取れるでしょう。
自由党については、小沢一郎は「第七艦隊だけで十分」というのが持論ですし、山本太郎はもちろん撤退大歓迎でしょう。
国民党は、自衛隊増強すら言いかねませんから、その分だけ米軍撤退には遠慮せずにすむ。
自衛隊合憲だけど左翼に人気のある立憲は微妙なところで、まだどんな態度をとるか読めませんね。その時の風次第でしょうか。
■
私自身の持論は
自衛隊は、武器を捨てて「国境なき救助隊」に
2011年に書いたこの記事を、私は今でも変更する気はサラサラありません。
この論は「命をかけて侵略の可能性を極限まで小さくする」部隊は必要だと言う前提に立っている点で、「たぶん侵略はされないよ」という幻想的な非武装論とは違うし、だからといって「最小限の武力ですまそう」という根拠のない専守防衛論ではなくて「武力以外の力を使う」という積極的な防衛論です。
もちろん、政権交代を何回繰り返しても、そう簡単にここまでたどり着けるとは思いません。
しかし、ひとり一人が、「米軍なき日本」をどう生きるのか、どう運営するのか、本当のリアルを想定して議論しなくてはならない時に、その端緒にやっと立ったのです。
「戦争反対」と「政権交代」を唱えてきた人たちこそが、「米軍撤退後」の日本の舵取りをどうするのか、政権交代を果たして1億2千万人の命と財産を預かった時にどうするのか、今、真剣に議論する必要があります。
それをせずに、これまで通りのうやむやのままに「その日」を迎えてしまったら、「独自武装、自衛隊増強、国防軍に」という大きな流れに抵抗できないどころか、内紛の挙げ句に粉みじんに吹き飛ばされてしまうでしょう。
結論なんてでないでしょう、そう簡単には。
それでも、違う意見を聞き、理解し、また理解してもらうという作業を繰り返さなければなりません。
「戦争反対」と、それに責任を持つために「政権交代」しなければならない、という点だけはお互いに信頼し、「独自武装、自衛隊増強、国防軍」という道に対して、そうではない道をどうやって国民に示すのか、議論するときです。
それが、米朝会談によって、日本の我々に突きつけられた問題です。
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