2011-09-16(Fri)

自衛隊は、武器を捨てて「国境なき救助隊」に

ツイッターで、社会批評社の小西社長にフォローしていただいた。
小西さんと言えば、もと反軍兵士として名を馳せた小西誠さんだ。

反軍兵士というのは、言葉だけ見ると矛盾しているようだ。
反軍ならば、ふつうは兵士にはならない。

だが、小西さんたちは自衛隊の隊員として、自衛隊の中で反軍運動をやっていた。
これが、なるほど大きな意味をもっていたのだなと感じたのは、実は一昨年の政権交代以降だ。
なぜなら、政権が変われば、官僚組織がサボタージュするのは分かっていた。鳩山が右往左往するのも、ある意味最初から想定内だった。

その官僚組織の中で、最強の部門はどこかというと、財務省という見方もあるが、もっと直接的には自衛隊だ。
自衛隊の幹部は武器をもった官僚であり、もし幹部があのタモガミみたいなのばかりで、新政権にクーデターを臭わせて脅迫すれば、その威力は財務省どころではない。

■■

そんなこんなで、自衛隊のことを考えていたら、ふと思いつくことがあった。

自衛隊を本格的な災害救助隊に作りかえて、同じ予算を投じたら、国内はもちろん世界中で大活躍できる。
もちろん、一切の政治的立場に関わらず救助する。
パレスチナでもイスラエルでも韓国でも北朝鮮でも。アフガン政府でもタリバンでも。

国境なき医師団ならぬ 国境なき救助隊である。
世界の災害救助の先頭に立つ国を、だれが侵略できるだろうか。
これが、最大の防衛戦略になるのではないか。

戦略というと、こういう話も思い出す。
ドイツでエコが進んでいるように見えるのは、環境分野を国家戦略にしたからだと、ある大学の先生から聞いたことがある。
つまり、軍隊ではアメリカにかなわないので、環境分野で世界のトップになり、プレゼンスを確保するために、エコに熱心なのだ。

このドイツのエコ国家戦略とフランスの原発が結託して「CO2による温暖化」詐欺が始まったと私は見ている。
ドイツ流のエコをあまりキレイゴトで考えない方が良い。世界に一定の覇権を確立するための国家戦略の手段としてドイツはエコを利用したのである。

同じことをしようというのではないが、「あの国はこういうことをやっているから文句を言いにくい」という関係性からは学ぶモノがあるのではないか。
自国の強みを生かして、他国から文句言われにくい環境を作り出す、というのはありうる考え方だ。

日本は厳しい自然環境で鍛えられた災害対応の経験がある。その点では、自衛隊はまさに命を自衛する部隊として献身的に活躍してきた。
その経験と技術を、より専門化して世界に貢献するのである。

自衛隊の災害救助の経験をより専門化して、世界のあらゆる勢力の災害救助の先頭に立つことができれば、日本はある意味で世界に冠たる国になる。
あの国はダメとか、あの国は真っ先にとか、ケチなことは言わない。北朝鮮で水害が起きたら、真っ先に救助に向かう。

そのためには武器は邪魔。武器を放棄することが自衛のための武器になる。
武器なんて持っていたら、アッチの国やコッチの国に行こうと思っても、入国を拒否されてしまう。
もう、すっぱりと、完全非武装に徹するのである。

これまで武器にかけてきた膨大な予算を、すべて救助の人員、教育、機材に振り向ける。
相当の雇用確保にもなり、国内での災害時には、素晴らしい働きを期待できる。
まさに、一石三鳥だ。

■■

それにしても、今回の震災対応、なかでも原発の対応をちゃんとしなくちゃ、それどころじゃない。
こんな状態で他の国に出かけていっても、あんた来るところ間違えてるよ と言われてしまう。

原発対応を、命がけでやらなければ、こうしている間にも汚染は広がり、人は被曝し続けている。
まずは、現実をまともに見て、受け止めて、公表すること だ。

腰が引けて、まず隠そうとする事故以来の姿勢は、野田内閣も予想通り変わっていない。
菅内閣では、はっきりと反旗を翻していた小沢グループなどの議員も、野田内閣になってから、妙におとなしい。
おとなしすぎる。はっきり言って 腹立たしい。

紀伊半島の水害も、想像以上に酷いことになっているようだ。
天川村からの情報では、山が裾から頂まで抜けている(一直線に崩れている)場所が、何カ所もあるそうだ。
当然ながら、作業用の林道もズタズタで、当分は木材の搬出もままならないようだ。

もう一つ奥の十津川村は、ニュースでも流れているとおり土砂ダムがずっと危険な状態が続いている。山の中なので、映像的に被害のひどさが分かりにくいが、情報を総合できる段階になれば、目を覆うばかりの惨状であろう。

こんなときに、武器を買っている場合じゃないだろう。
もちろん、家賃ただ同然の高級国家公務員宿舎を作っている場合でもない。

放射能の問題以外は、究極はカネの問題だ。
根本からすべてを組み替える国家戦略をもって臨めば、解決できる問題はたくさんある。

政治家に頼るなと言う意見もあるが、それはオカシイ。
政府が税金を握っているのだから、政府がナントカすべきなのだ。

にもかかわらず、松本龍や鉢呂吉雄など、どうにか働いてくれそうな大臣を、謀略を駆使して葬り去り、安住と玄葉というどうしようもない連中が、この国のカネを握っている。

挙党一致などと言う妄想に騙されて、おとなしくしていては手遅れになる。
この、あまりの悲劇の連鎖に、各界各層のなかに、憤りが渦巻いているはずだ。
官僚だって、全員が官僚主義のどうしようもない連中ばかりのはずはない。
惨状を目の当たりにした自衛隊員は、おそらく強烈な気持ちを持っているはずだ。

自分の意見をいうことがタブーであったこの日本で、それを破ることが、おそらく何かを変えていく始まりになる。
日本の日常の、ありとあらゆるシーンで、命がけで対応にあたる政治を求める声を上げよう。
それを妨げる、私利私欲と自己保身に凝り固まったシンジケートの存在を暴いていこう。

声を上げよう。

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あくまで一意見ですが....

世界中で慈善事業をするということは素晴らしいのですがそのための非武装化はどうかと思います。この世の中にはこちらがいくら歩み寄ってもひどいことをしてくる人がいます。僕はまだ高校生ですが、すでに3人のそのような人に傷つけられました。国も人の集合なので世界には一定数そのような国があるということです。いざという時の備えをしないでそんなやり方に期待するのは我々国民の安全に無責任で失礼ではないでしょうか。

自衛隊の非武装化に賛成!

人命救助に武器は不要

No title

そのお考えを、中国人や韓国人やアメリカ人そしてもっと多くの国の人に話して、相手の反応や考えを聞いてみてください。
相手の国・相手の人あっての外交です。
日本人だけの意見で進められるものではないのですから。

国民の税金で慈善事業する余裕が日本国にあるとは思えませんね。

その通りだ!

災害救助や何やらで、自衛隊が海外に出て行く機械は日常茶飯事になっております。
しかし、そんな任務に、銃や大砲や護衛艦(駆逐艦)は必要ありませんね。重機とか、医療設備とか、食料とか、そんなものがあればよいのですから。

No title

おっしゃることはかっこいいのではありますが、私のような人間にはどうも甘過ぎるような気がします。
やはり、国家が独立を保ち、治安を維持するには武器が欠かせないのはこれからもずっと同じことであると思うのです。
非武装中立という立場でもって防衛の方針とするのは正直言って国防を人任せにすることだと思うのです。現在の東アジア情勢が未だ好ましいものでないのは明らかです。そんな状況下で非武装中立を唱えるのは少し無理があるように思いますが…。

一挙には無理なので戦略が必要と思う

国税庁の省昇格と、自衛隊の「災害救助・復興・原発管理省」への改組は、官僚ファシズムからこの国を救済する唯一の道ではと思う。
後者への改組についてはー
①完全非武装化した自衛隊を、一挙に「災害救助隊」に改組するのは到底無理なので、下記の順番で段階を踏んで実行してゆく。
なお東北での復旧復興では、「特別復興公務員」十数万人を採用する。原発事故に関しては陸上自衛隊に担当してもらい、将来の他原発事故や廃炉化へのための技術・知識等を蓄積してもらう。
②「災害救助船」(米国の病院船により災救・復興機能と学習・工場機能を強化)定期的にアジア沿岸や国内港を周航させる。
港では緊急医療奉仕と、工場部門製品の物産展(中小企業や新規起業を主体)で、マーケットリサーチを試みると同時に、下記のお祭りを人々を無料で招いて、最後に開催する。
③この船が、国内外の災救船ネットワーク港に着くたびに、「日本&災救隊紹介フェスティバル」を開催。
花火や夜店・テキヤ以外は自分たちで、後には港ネットワーク会員に任せる。
④アジアでの唯一の国際機関「国連大学」にも強力を要請する。教育面での。
⑤これらの前後に、軍隊廃止(国境警備活動の質量アップ)と、原発即時廃炉化と、核兵器廃絶と永世中立国宣言を世界中へと宣言する。
もちろん、不当な治外法権である「日米地位協定」の即時廃止と、「日米安保」も宣言後できるだけ早く廃止する


初めまして。

自衛隊から武器をなくして世界中の災害救助にあたる。軍事費をゼロにして、世界中の飢餓に苦しむ国に食糧や医療品を送る。そんな国を誰が攻めるか?という解釈でよろしいですか?
私は長年同じ事を考え続けてきました。
とても嬉しいです。Twitterでフォローさせて頂きました。御自愛下さい。
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