2018-07-18(Wed)
ネルソン・マンデラ生誕100周年に思う
今日は、ネルソン・マンデラさんの生誕100周年だそうです。
今から28年前、獄中から釈放されたマンデラさんは世界を行脚され、日本にもやってきました。
大阪では扇町プール(当時は大きな客席のある屋外プールでした)で、歓迎の集会がひらかれ、私もひと目お顔を見ようと駆けつけたのを覚えています。
私は高校の時(40年くらい前)の社会科のグループ学習で南アフリカを担当し、アパルトヘイトについてもずいぶん資料を探しました。
しかしそのころは大きな図書館にもほとんど資料はなく、国会図書館に行ってもは高校生は入れてくれず、南アフリカ領事館にも行ったけれども、もちろんアパルトヘイトのことなど欠片も教えてくれませんでした。
そんなこともあって、マンデラさんは私の中では伝説の人でした。
そのマンデラさんが、27年間の獄中から解放された今、何を話すのだろうと私はワクワクしながら扇町に向かいました。
(その時会場で配られたバンダナ。だいぶ色あせたけど今でも持っています。)
ところが、マンデラさんが語ったのは、ほとんど「南アフリカに経済支援を!」という要請でした。
不当弾圧に怒り、人種差別の撤廃と黒人の解放を叫ぶことを期待していた人たちには、聞きようによったら、な~んだつまらない、とも聞こえかねないほどに、勇ましくもなく、カッコよくもなかったのです。
でも、そのとき私が感じたのは、獄中から出てきたばかりなのに南アフリカの人民の今を必死に考えるマンデラさんのすごさでした。
アパルトヘイトを撤廃して新しい国作りをするために、絶対に必要な経済援助。
(ちなみにマンデラさんは、日本政府(海部政権)に32億円の援助を要請したそうですが、残念ながら日本は「世界で最初に援助を断る」国になってしまいました。)
自らの恨みを晴らすことよりも、どうしたら国民が幸せになれるのかを考え抜いた答えが、白人を追放することではなく融和によって経済発展を目指すことだったのです。
あのときマンデラさんが、復讐に燃えて黒人の解放を叫んでいれば、それは正義だとは思いますが、南アフリカは内戦状態になり各国も干渉して泥沼状態になっていたかもしれません。
それが国民の幸せなのか、マンデラさんは獄中で悩みに悩んだのではないでしょうか。
正義よりも優先することがある。
それは 国民の生活 である。
それを教えてくれたのがマンデラさんだったと 私は思っています。
誤解のないように書いておくと、正義を捨てろと言っているのではありません。
自らの正義は主張しながらも、正義を100%貫徹するのではなく、違う「正義」を持つ人たちとも妥協の道を探りつつ、まずは国民の生活が成り立つことを優先すべきだ ということです。
もうひとつ。
「国民」というのは 奴隷ではない ということです。
隷従させられた民は 国民ではありません。(かつての日本では臣民と言われました)
等しく「国民」であること、これも 国民の生活 の不可欠の要素です。
■■
ふりかえって今の日本、マンデラさんとは対極の政治家が権力を握りしめ、それに対峙すべき野党もマンデラさんとはほど遠い人たちが大勢を占めています。
長くこのブログを読んでくださっている方はお気づきかもしれませんが、私は2011年3月以来、極端に書くことが少なくなってしまいました。
津波と放射能という圧倒的な破壊力と、そこから国民を守らなければならないはずの政治の無能。そして、悲痛な願いの言葉が、政治に届かないという無力感。
それまでは、毎日でも気軽に書くことができていたのに、キーボードを叩くのが本当に辛くなってしまいました。
あれから7年たって、いままた西日本水害の惨状を目の当たりにしています。
3.11の民主党の対応もひどかったけれども、それに何重も輪をかけてひどい安倍政権の対応。
7月5日午後2時の気象庁がおこなった緊急会見を見て、安倍晋三は「これで災害がおきれば、しばらくは野党の追及をかわせるぞ」と喜んだのでしょう。
だから、その夜に赤阪自民亭に出席し、良い気持ちで酒を喰らっていたのです。
非常災害対策本部の設置をわざと遅らせたのも、災害が小さなものではドサクサに紛れてカジノ法案を通してしまうことができないからでしょう。
安倍晋三にとって、カジノ法案は生命線です。なぜならば、世界で唯一自分を守ってくれるトランプへの不可欠のワイロだからです。
自らの延命以外にはまったく関心のない安倍晋三は、自然災害はニュースを独占して国民の目をくらませてくれる天恵だと思っている。彼の言動を見れば、そうとしか考えられません。
体が震えるほどに怒りがこみ上げます。
何をやっても、どんなにひどいことをしても、「問題ない」とひとこと言えば許されてしまう安倍晋三。
なんだよ 何やってもぜんぜん平気じゃん。ひーひひひひ。
その高笑いが耳の中でこだまして、昨夜からあまり眠れません。
それにしても、一応は国会も法律もあるこの日本で、なんでここまで傍若無人の独裁が許されるのでしょうか。
理由は二つです。
■■ <1>選挙に勝つから。
なんで選挙に勝つのか。これも理由は二つ。
① 野党がバラバラだから
バラバラな政党に自分の生活を預けよう とは思いません。当然です。
ヨーロッパのように小政党が毎回連合する習慣があれば別ですが、日本では凸凹感の強い政党連携には不安感が強く、国民は自らの生活をかけようとは思わないのです。
② 野党の政策が「生活が第一」じゃないから
そもそも、民主党が消費税を上げたことが、野党負け続けの大原因です。
当時の幹部が頭を坊主にまるめて「間違っておりました」と国民に土下座するのが、大前提です。
そのうえで、2009年マニフェストを思い出して、バラマキでもいいから国民の生活が第一の政策を、具体的に発表することです。
すぐには野党がひとつにはならないでしょうから、共同政策を大々的に打ち出すのです。
もちろん、西日本水害をふくめたこれまでの大災害へ生活再健も、その筆頭課題です。
この二つをやれば、小沢一郎さんが言うように、次の選挙では絶対に勝てる と私も確信できます。
なにせ、あれだけ投票率が低かったにもかかわらず、得票数だけ見れば与野党はほぼ拮抗しています。
自民公明に維新とこころまで入れても 比例の得票率は52%にすぎません。
候補者の一本化だけでも少しは効果がありますが、2009年には民主党に投票したけど、裏切られたのでもう投票には行かない という約2000万人の人たちに響くためには、さきほど書いた①と②を実行しなければなりません。
あの政策ではあの党はダメだ とか、いつも国会でジャマする とか 野党内でゴチャゴチャ言っている方々は、マンデラさんの凄まじい決断を思い起こしてください。
アパルトヘイトを推し進め、自分を27年間も獄中に閉じ込めた国民党(NP)と連立して、新たな国作りをはじめたのですよ。
いま改めて、「国民の生活が第一」というスローガンを思い出すべきは、安倍政権ではなく野党各党、とくに「一緒にやるのはイヤ」とダダをこねている方々です。
安倍政権に「国民の生活が第一」を思い起こせと百万遍言っても通じるわけがありませんが、野党の皆さんならば、少しは分かってくれるのではないかと 最後の期待をしているのです。
■
幸か不幸か、アベノミクスでアホほど円を刷りまくってきましたから、財源論はウルサく言わなくても、ブタ積みになったり対外資産として大企業の利ざや稼ぎになったり、超富裕層の金融資産になったりしているしているカネが数百兆円あります。
これの本の数%を市場で動かすように誘導(半強制)すれば、日本の経済は息を吹き返します。
当面の復興予算は、まったくの無用の長物を即刻中止すれば、数兆円捻出できます。
それは、リニア新幹線と イージスアショア です。
他にもあるでしょうが、とにかく被災地支援は緊急を要します。直ぐに止められることから手を付けることです。
(リニア新幹線を止めるには、かなり面倒な権利関係が発生するのは承知ですが、それでも本質的に国民は何も傷つきません)
全国社会福祉協議会のホームページに、ボランティア募集の一覧が出ています。
被災地の災害ボランティアセンター等の状況
◆12府県の58市町で災害ボランティアセンター設置
ニュースでは限られた地名だけが何回も報じられますが、これほど広範囲で被害が出ています。
これ以外にも、まだ危険でボランティアに入れない地域もあるようです。
これに対して、安倍政権の対応は
矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイ 2018年7月18日
予想通りとはいえお粗末な限りです。
だいたい、自衛隊とボランティアだけに頼り切りということがおかしい。
ただ(定額)で使えるものだけ使って、カネの掛かることはやらないということですよ。
全国から作業員を雇って、熱中症にならないように1時間ごとに交代で投入すれば、劇的に状況は改善します。
浄水場の修復も、まずは政府が費用を補償して最優先で進めなくてはならないはずです。
とりあえず生きていける状態にするのに、おそらく数百億円はかかるでしょう。
それくらい、リニアとイージスアショアで、余裕で賄えます。
野党は、こうした救済策を、今すぐ共同で発表していただきたい。
「国民の生活が第一」
悲惨な災害になってしまった今だからこそ、あらためて思い起こしてほしいのです。
■■ <2>日本の政治勢力で唯一トランプにすり寄ったから
安倍政権の強さの根源は、トランプが当選した直後に、これまでのいわゆるジャパンハンドラーズの系統からバッサリと梶を切ってトランプにすり寄ったことです。
ものすごい賭けでもあり、ある意味で慧眼です。
これまで従米一本槍だった日本国内は、「他の国のことなんて知らないぜ」「アジアは勝手にやれば」「アメリカは世界の警察なんてやってられるか」的なトランプのやり方に、右から左まで、口をそろえて反対しました。
そんななかで、ただ一人、安倍晋三は統一協会のツテをたよってトランプに駆け寄り、ぺろぺろと靴をなめたのです。
2016年末の時点では、当選したとは言え本当にトランプが政権を維持できるのかも不透明な段階ですから、あれでもしトランプが失脚していたら、安倍政権も従来のジャパンハンドラーズと官僚組織によって完全に葬られていたでしょう。
しかし、安倍は賭に勝ち、トランプはジワジワと足下を固め、今や再選を伺う勢いになりつつあります。
これを、日本の左翼リベラルは、悪と悪が手を組んで最悪だ と捕らえているようですが、そんな見方しかできないとしたら、それは政治ではなくおとぎ話です。
野党が政権交代を目指すのであれば、米国政権との関係を抜きにものを考えることはできません。
明日にでも属国を辞められるのならいいですが、官僚組織も政治家も経済界も、がっちり従米ネットワークで固められているこの国が、政権交代したくらいでガラッと変わるものではありません。
であるならば、どこで話をつけるのか、どこまで妥協するのか、どこでトランプを喜ばせて納得させるのか、は冷徹に判断しなければなりません。
野党だからと言って、トランプに悪罵を投げかけていればいい というのはあまりにも無責任で、そもそも政権とる気がないのがバレバレです。
トランプとしても、これほどに真っ黒で不正の塊のような安倍晋三よりも、もっとまともな交渉相手がでてくれば、そっちの方がマシだなと思うでしょう。
CIAも冷静に分析しているはずです。野党がまとまれば、安倍政権は崩れる と。
いまは安倍晋三が唯一のポチなので、しかたなく保護している米国ですが、より安定した交渉相手が登場すれば、そちらに乗り換えることになります。
そうなれば、安倍晋三は贈収賄罪か斡旋利得罪で塀の向こうにサヨウナラです。
なのに、安倍の延命を許しているのは、結局、野党が対米政策で安倍晋三に負けているのです。
トランプが好きでも嫌いでも、対米従属がイヤでもなんでも、国民の生活を預かる政治家であるならば、米国との関係を築くことは第一級の課題です。
「国民の生活が第一」 は、まさにここにおいて真価を発揮します。
あちらは「アメリカファースト」
こちらは「国民の生活が第一」
お互いに主張して妥協する。
もちろん属国は不利ですが、少しでもマシにする。
そういう覚悟と準備を、野党こそがしなくてはならないのです。
マンデラさんも、長くアパルトヘイトの南アフリカを支援してきた国々をまわり、経済支援を要請しました。
本来ならば、支援ではなく賠償を請求してもいいくらいのものです。
しかし、これから国を作らなくてはならないマンデラさんは、激情をおさえて支援を要請して回ったのです。
最後にマンデラさんの言葉を
何事も成功するまでは 不可能に思えるものである
ネルソン・マンデラ
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今から28年前、獄中から釈放されたマンデラさんは世界を行脚され、日本にもやってきました。
大阪では扇町プール(当時は大きな客席のある屋外プールでした)で、歓迎の集会がひらかれ、私もひと目お顔を見ようと駆けつけたのを覚えています。
私は高校の時(40年くらい前)の社会科のグループ学習で南アフリカを担当し、アパルトヘイトについてもずいぶん資料を探しました。
しかしそのころは大きな図書館にもほとんど資料はなく、国会図書館に行ってもは高校生は入れてくれず、南アフリカ領事館にも行ったけれども、もちろんアパルトヘイトのことなど欠片も教えてくれませんでした。
そんなこともあって、マンデラさんは私の中では伝説の人でした。
そのマンデラさんが、27年間の獄中から解放された今、何を話すのだろうと私はワクワクしながら扇町に向かいました。
(その時会場で配られたバンダナ。だいぶ色あせたけど今でも持っています。)
ところが、マンデラさんが語ったのは、ほとんど「南アフリカに経済支援を!」という要請でした。
不当弾圧に怒り、人種差別の撤廃と黒人の解放を叫ぶことを期待していた人たちには、聞きようによったら、な~んだつまらない、とも聞こえかねないほどに、勇ましくもなく、カッコよくもなかったのです。
でも、そのとき私が感じたのは、獄中から出てきたばかりなのに南アフリカの人民の今を必死に考えるマンデラさんのすごさでした。
アパルトヘイトを撤廃して新しい国作りをするために、絶対に必要な経済援助。
(ちなみにマンデラさんは、日本政府(海部政権)に32億円の援助を要請したそうですが、残念ながら日本は「世界で最初に援助を断る」国になってしまいました。)
自らの恨みを晴らすことよりも、どうしたら国民が幸せになれるのかを考え抜いた答えが、白人を追放することではなく融和によって経済発展を目指すことだったのです。
あのときマンデラさんが、復讐に燃えて黒人の解放を叫んでいれば、それは正義だとは思いますが、南アフリカは内戦状態になり各国も干渉して泥沼状態になっていたかもしれません。
それが国民の幸せなのか、マンデラさんは獄中で悩みに悩んだのではないでしょうか。
正義よりも優先することがある。
それは 国民の生活 である。
それを教えてくれたのがマンデラさんだったと 私は思っています。
誤解のないように書いておくと、正義を捨てろと言っているのではありません。
自らの正義は主張しながらも、正義を100%貫徹するのではなく、違う「正義」を持つ人たちとも妥協の道を探りつつ、まずは国民の生活が成り立つことを優先すべきだ ということです。
もうひとつ。
「国民」というのは 奴隷ではない ということです。
隷従させられた民は 国民ではありません。(かつての日本では臣民と言われました)
等しく「国民」であること、これも 国民の生活 の不可欠の要素です。
■■
ふりかえって今の日本、マンデラさんとは対極の政治家が権力を握りしめ、それに対峙すべき野党もマンデラさんとはほど遠い人たちが大勢を占めています。
長くこのブログを読んでくださっている方はお気づきかもしれませんが、私は2011年3月以来、極端に書くことが少なくなってしまいました。
津波と放射能という圧倒的な破壊力と、そこから国民を守らなければならないはずの政治の無能。そして、悲痛な願いの言葉が、政治に届かないという無力感。
それまでは、毎日でも気軽に書くことができていたのに、キーボードを叩くのが本当に辛くなってしまいました。
あれから7年たって、いままた西日本水害の惨状を目の当たりにしています。
3.11の民主党の対応もひどかったけれども、それに何重も輪をかけてひどい安倍政権の対応。
7月5日午後2時の気象庁がおこなった緊急会見を見て、安倍晋三は「これで災害がおきれば、しばらくは野党の追及をかわせるぞ」と喜んだのでしょう。
だから、その夜に赤阪自民亭に出席し、良い気持ちで酒を喰らっていたのです。
非常災害対策本部の設置をわざと遅らせたのも、災害が小さなものではドサクサに紛れてカジノ法案を通してしまうことができないからでしょう。
安倍晋三にとって、カジノ法案は生命線です。なぜならば、世界で唯一自分を守ってくれるトランプへの不可欠のワイロだからです。
自らの延命以外にはまったく関心のない安倍晋三は、自然災害はニュースを独占して国民の目をくらませてくれる天恵だと思っている。彼の言動を見れば、そうとしか考えられません。
体が震えるほどに怒りがこみ上げます。
何をやっても、どんなにひどいことをしても、「問題ない」とひとこと言えば許されてしまう安倍晋三。
なんだよ 何やってもぜんぜん平気じゃん。ひーひひひひ。
その高笑いが耳の中でこだまして、昨夜からあまり眠れません。
それにしても、一応は国会も法律もあるこの日本で、なんでここまで傍若無人の独裁が許されるのでしょうか。
理由は二つです。
■■ <1>選挙に勝つから。
なんで選挙に勝つのか。これも理由は二つ。
① 野党がバラバラだから
バラバラな政党に自分の生活を預けよう とは思いません。当然です。
ヨーロッパのように小政党が毎回連合する習慣があれば別ですが、日本では凸凹感の強い政党連携には不安感が強く、国民は自らの生活をかけようとは思わないのです。
② 野党の政策が「生活が第一」じゃないから
そもそも、民主党が消費税を上げたことが、野党負け続けの大原因です。
当時の幹部が頭を坊主にまるめて「間違っておりました」と国民に土下座するのが、大前提です。
そのうえで、2009年マニフェストを思い出して、バラマキでもいいから国民の生活が第一の政策を、具体的に発表することです。
すぐには野党がひとつにはならないでしょうから、共同政策を大々的に打ち出すのです。
もちろん、西日本水害をふくめたこれまでの大災害へ生活再健も、その筆頭課題です。
この二つをやれば、小沢一郎さんが言うように、次の選挙では絶対に勝てる と私も確信できます。
なにせ、あれだけ投票率が低かったにもかかわらず、得票数だけ見れば与野党はほぼ拮抗しています。
自民公明に維新とこころまで入れても 比例の得票率は52%にすぎません。
候補者の一本化だけでも少しは効果がありますが、2009年には民主党に投票したけど、裏切られたのでもう投票には行かない という約2000万人の人たちに響くためには、さきほど書いた①と②を実行しなければなりません。
あの政策ではあの党はダメだ とか、いつも国会でジャマする とか 野党内でゴチャゴチャ言っている方々は、マンデラさんの凄まじい決断を思い起こしてください。
アパルトヘイトを推し進め、自分を27年間も獄中に閉じ込めた国民党(NP)と連立して、新たな国作りをはじめたのですよ。
いま改めて、「国民の生活が第一」というスローガンを思い出すべきは、安倍政権ではなく野党各党、とくに「一緒にやるのはイヤ」とダダをこねている方々です。
安倍政権に「国民の生活が第一」を思い起こせと百万遍言っても通じるわけがありませんが、野党の皆さんならば、少しは分かってくれるのではないかと 最後の期待をしているのです。
■
幸か不幸か、アベノミクスでアホほど円を刷りまくってきましたから、財源論はウルサく言わなくても、ブタ積みになったり対外資産として大企業の利ざや稼ぎになったり、超富裕層の金融資産になったりしているしているカネが数百兆円あります。
これの本の数%を市場で動かすように誘導(半強制)すれば、日本の経済は息を吹き返します。
当面の復興予算は、まったくの無用の長物を即刻中止すれば、数兆円捻出できます。
それは、リニア新幹線と イージスアショア です。
他にもあるでしょうが、とにかく被災地支援は緊急を要します。直ぐに止められることから手を付けることです。
(リニア新幹線を止めるには、かなり面倒な権利関係が発生するのは承知ですが、それでも本質的に国民は何も傷つきません)
全国社会福祉協議会のホームページに、ボランティア募集の一覧が出ています。
被災地の災害ボランティアセンター等の状況
◆12府県の58市町で災害ボランティアセンター設置
ニュースでは限られた地名だけが何回も報じられますが、これほど広範囲で被害が出ています。
これ以外にも、まだ危険でボランティアに入れない地域もあるようです。
これに対して、安倍政権の対応は
矢継ぎ早発表もポーズ 安倍政権の被災地支援は中身空っぽ
日刊ゲンダイ 2018年7月18日
予想通りとはいえお粗末な限りです。
だいたい、自衛隊とボランティアだけに頼り切りということがおかしい。
ただ(定額)で使えるものだけ使って、カネの掛かることはやらないということですよ。
全国から作業員を雇って、熱中症にならないように1時間ごとに交代で投入すれば、劇的に状況は改善します。
浄水場の修復も、まずは政府が費用を補償して最優先で進めなくてはならないはずです。
とりあえず生きていける状態にするのに、おそらく数百億円はかかるでしょう。
それくらい、リニアとイージスアショアで、余裕で賄えます。
野党は、こうした救済策を、今すぐ共同で発表していただきたい。
「国民の生活が第一」
悲惨な災害になってしまった今だからこそ、あらためて思い起こしてほしいのです。
■■ <2>日本の政治勢力で唯一トランプにすり寄ったから
安倍政権の強さの根源は、トランプが当選した直後に、これまでのいわゆるジャパンハンドラーズの系統からバッサリと梶を切ってトランプにすり寄ったことです。
ものすごい賭けでもあり、ある意味で慧眼です。
これまで従米一本槍だった日本国内は、「他の国のことなんて知らないぜ」「アジアは勝手にやれば」「アメリカは世界の警察なんてやってられるか」的なトランプのやり方に、右から左まで、口をそろえて反対しました。
そんななかで、ただ一人、安倍晋三は統一協会のツテをたよってトランプに駆け寄り、ぺろぺろと靴をなめたのです。
2016年末の時点では、当選したとは言え本当にトランプが政権を維持できるのかも不透明な段階ですから、あれでもしトランプが失脚していたら、安倍政権も従来のジャパンハンドラーズと官僚組織によって完全に葬られていたでしょう。
しかし、安倍は賭に勝ち、トランプはジワジワと足下を固め、今や再選を伺う勢いになりつつあります。
これを、日本の左翼リベラルは、悪と悪が手を組んで最悪だ と捕らえているようですが、そんな見方しかできないとしたら、それは政治ではなくおとぎ話です。
野党が政権交代を目指すのであれば、米国政権との関係を抜きにものを考えることはできません。
明日にでも属国を辞められるのならいいですが、官僚組織も政治家も経済界も、がっちり従米ネットワークで固められているこの国が、政権交代したくらいでガラッと変わるものではありません。
であるならば、どこで話をつけるのか、どこまで妥協するのか、どこでトランプを喜ばせて納得させるのか、は冷徹に判断しなければなりません。
野党だからと言って、トランプに悪罵を投げかけていればいい というのはあまりにも無責任で、そもそも政権とる気がないのがバレバレです。
トランプとしても、これほどに真っ黒で不正の塊のような安倍晋三よりも、もっとまともな交渉相手がでてくれば、そっちの方がマシだなと思うでしょう。
CIAも冷静に分析しているはずです。野党がまとまれば、安倍政権は崩れる と。
いまは安倍晋三が唯一のポチなので、しかたなく保護している米国ですが、より安定した交渉相手が登場すれば、そちらに乗り換えることになります。
そうなれば、安倍晋三は贈収賄罪か斡旋利得罪で塀の向こうにサヨウナラです。
なのに、安倍の延命を許しているのは、結局、野党が対米政策で安倍晋三に負けているのです。
トランプが好きでも嫌いでも、対米従属がイヤでもなんでも、国民の生活を預かる政治家であるならば、米国との関係を築くことは第一級の課題です。
「国民の生活が第一」 は、まさにここにおいて真価を発揮します。
あちらは「アメリカファースト」
こちらは「国民の生活が第一」
お互いに主張して妥協する。
もちろん属国は不利ですが、少しでもマシにする。
そういう覚悟と準備を、野党こそがしなくてはならないのです。
マンデラさんも、長くアパルトヘイトの南アフリカを支援してきた国々をまわり、経済支援を要請しました。
本来ならば、支援ではなく賠償を請求してもいいくらいのものです。
しかし、これから国を作らなくてはならないマンデラさんは、激情をおさえて支援を要請して回ったのです。
最後にマンデラさんの言葉を
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