2018-04-23(Mon)
安倍独裁の責任は すべて野党にある
昨日投開票だった豊中のトリプル選挙。
これだけ騒がれている森友問題の地元でも、何も変わらなかった。
市長は大阪方式の自民と野党相乗りが勝ったものの、府議補選は自民と維新、市議補選は自民一人と維新二人。
「森友学園問題」を考える会が熱烈応援していた府議候補の山本いっとくさん(共産)は、かなりの差で敗れてしまった。
維新 4万3890票
自民 4万3018票
共産 2万7253票
何も成果が無かったわけではない。
いくらなんでも維新の市長は阻止したこと。
そして、共産党候補を野党と市民が応援することで、固定票をかなり上回る票を集めたということだ。
昨年の衆院選で豊中市(大阪8区)の共産党は15197票、得票率8.9%だった。
それが今回は 27253票 得票率23.9%だ。
得票率だけで言えば 3倍近く、このところ続いていた維新:自民:野党=2:2:1という比率を若干上回ることはできた。
しかし、ここでもう一つの数字を見ておかなければならない。
大阪8区は昨年の衆院選で、共産党と立憲民主の調整がつかず、立憲もでていたのだ。
このときの立憲は 31197票 得票率18.3%
つまり、今回の23.9%は、昨年の8.9+18.3=27.2%よりも低かったのだ。
2議席に3人だから、得票率34%とれば確実に当選する。
単純計算すれば、あと6.8%を上乗せすれば、勝てたかもしれないのだが、実際は逆に3.3%減らしてしまった。
別の計算をすれば、共産党の固定票は常に変わらないとして考えると、前回立憲に入れた人のうち 12000人くらいは共産党の山本さんに投票したけれども、19000人くらいは投票しなかったことになる。
この19000人が、勝敗を決したと言える。
なんでこんなに細かいことをグチャグチャやってるのかというと、今回の豊中の結果は、とても象徴的だと思うからだ。
かつての民主党の票を根こそぎ維新に持って行かれた大阪ですら、野党と市民が総力でたたかい、確実に取れる票を取れば勝てる。
基本的に考え方の方向が同じ人が、確実に投票してくれれば勝てる。
しかし、それができないから負ける。
何回やっても、自民と維新にもっていかれる。
これが、安倍独裁を許している、根本原理なのである。
■
なんで安倍晋三は独裁体制を敷くことができるのか。
答えは、ただひとつ。
選挙に勝つからだ。
小選挙区で党中央の権限が強いとか言っても、党中央の言うことを聞いていたら落ちる ということになれば、必ず自民党内からも造反はでる。
むかしの自民党のように、本気で安倍おろしが始まるだろう。
しかし、そもそも○○おろし は、「このままじゃ選挙で負ける」という危機感が原動力なのであって、どんなに支持率が落ちようと、スキャンダルにまみれようと、いざ選挙になればぼろ勝ちできる限りは、絶対に安倍おろしなどおきない。
安倍独裁を許しているのは、ひとえに、勝てる勝負を勝ちに行かない野党の責任である。
断言する。
安倍独裁を生み出し、育てているのは、勝てる勝負に勝たない 野党である。
民進が壊滅している大阪ですら、本当に本気で野党がひとつになってたたかえば、自民と維新の三つどもえでも勝てる状況なのに、他の地方であれば、十分に勝てる。
そんなことは、小学生でも分かる理屈だ。
だから、野党が本気でまとまってたたかわないのは、分かっていないのではなく、自公政権を維持するための確信犯であると、私は断罪する。
確信犯と言っても、薄汚い確信犯もいれば、清廉潔白の確信犯もいる。
「希望と一緒になるくらいなら、いさぎよく負けた方が良い」という類の人たちだ。
こういう方は、きっとイイヒトだとは思うけれども、他人の生活を左右する政治には関わる以上、無責任と言わなければならない。
自分だけがどうにかなるのだったら「負けても良い」と口にするのは自由だ。
しかし、政治は他人の生活を決定づける行為なのだから、関わる以上は「負けても良い」なんていうおちゃらけたことを言ってはいけない。
私は、野党こそが派閥政治を復活させるべきだと考えている。
最大公約数でまとまっておいて、主張の違いは派閥として維持する。
原発についても、党としては○○年で徐々に廃止という緩すぎる公約でも、派閥として「即時廃止」を訴えることができれば、それでいい。
もちろん、国会の議決における党議拘束なんて 絶対に認めない。
かつての民主党の害悪は、党議拘束で小沢グループを排除したことだ。
あれをやった瞬間に、民主党は死んだも同然だ。
これから作るべき自民党にかわる政党は、ほんのちょっと自民党よりましな公約を掲げつつ、中には右から左まで自由に意見を言う政治家がいる、という形であるべきだ。
どの派閥が選挙で勝ち上がり、党内で力を付けるかによって、党の公約は微妙に右に左に移動するのである。
繰り返すが、すばらし公約を掲げながら支持率10%で永遠の野党を続けることは、国民への無責任だ。
それは政治家ではなく、野党議員という職業についている人たち である。
■
そう言う形になってこそ、日本の政党で唯一、日本の独立と平和を掲げる自由党も生きてくる。
「自立と共生」の自由党は、一定数のコアな支持者は無くなることはないけれども、逆に主流派になるにはあまりにも道程は遠い。
だから、まずはちょっとマシな野党を作り、その中の「自立と共生」派閥として影響力を伸ばしていくことが、目の前の国民の生活への責任でもあり、同時に理念を実現していくための道でもある。
ただし、その点で私が危惧するのは、野党をまとめるために小沢さんは自由党を無くしてしまうのではないか ということだ。
派閥として大野党に合流させるのではなく、みずから率先して新党に溶解させようとするのではないか、と心配している。
なにせ昨年の衆院選でも、民進党のゴタゴタにつきあって、自由党は選挙に出なかったのだから。
もともとあるかなしかの支持率だったのに、世論調査の選択肢からも消滅し、いったいぜんたい次の選挙になったら憶えている人がいるのだろうか・・・
それに、完全に溶け込む形になってしまえば、山本太郎さんのキャラクターもまったく活かせなくなってしまう。
彼ほどの突出した若手政治家が、ちょっとマシな野党の一議員として、質問の機会すらろくに与えられなくなるのは、あまりにも損失が大きい。
とは言え、では新党作るとか一人で無所属ということになると、政権交代という流れに逆らうことになってしまう。
こうした諸々の問題を、ぜんぶ内包しながら「いい加減」に調整できるのが、大野党の中の派閥政治なのである。
だいたい、ダイバーシティとか生物多様性がどうのとか言う人は、政治のことになると純血主義になる傾向が見られる。(もちろん、違う人もいますが)
政治こそ 多様性を。
他人にだけ多様性を求めるのではなく、みずから率先して多様性を。
2010年の鳩山退陣から昨日まで、連綿と続けている、野党による自民党独裁の支援体制に終止符を打たなければ、日本は本当にこのまま地獄へ落ちるだろう。
「勝てる野党」か、しからずんば消滅か。
ぼんやり万年野党をしている時間は残されていない。
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これだけ騒がれている森友問題の地元でも、何も変わらなかった。
市長は大阪方式の自民と野党相乗りが勝ったものの、府議補選は自民と維新、市議補選は自民一人と維新二人。
「森友学園問題」を考える会が熱烈応援していた府議候補の山本いっとくさん(共産)は、かなりの差で敗れてしまった。
維新 4万3890票
自民 4万3018票
共産 2万7253票
何も成果が無かったわけではない。
いくらなんでも維新の市長は阻止したこと。
そして、共産党候補を野党と市民が応援することで、固定票をかなり上回る票を集めたということだ。
昨年の衆院選で豊中市(大阪8区)の共産党は15197票、得票率8.9%だった。
それが今回は 27253票 得票率23.9%だ。
得票率だけで言えば 3倍近く、このところ続いていた維新:自民:野党=2:2:1という比率を若干上回ることはできた。
しかし、ここでもう一つの数字を見ておかなければならない。
大阪8区は昨年の衆院選で、共産党と立憲民主の調整がつかず、立憲もでていたのだ。
このときの立憲は 31197票 得票率18.3%
つまり、今回の23.9%は、昨年の8.9+18.3=27.2%よりも低かったのだ。
2議席に3人だから、得票率34%とれば確実に当選する。
単純計算すれば、あと6.8%を上乗せすれば、勝てたかもしれないのだが、実際は逆に3.3%減らしてしまった。
別の計算をすれば、共産党の固定票は常に変わらないとして考えると、前回立憲に入れた人のうち 12000人くらいは共産党の山本さんに投票したけれども、19000人くらいは投票しなかったことになる。
この19000人が、勝敗を決したと言える。
なんでこんなに細かいことをグチャグチャやってるのかというと、今回の豊中の結果は、とても象徴的だと思うからだ。
かつての民主党の票を根こそぎ維新に持って行かれた大阪ですら、野党と市民が総力でたたかい、確実に取れる票を取れば勝てる。
基本的に考え方の方向が同じ人が、確実に投票してくれれば勝てる。
しかし、それができないから負ける。
何回やっても、自民と維新にもっていかれる。
これが、安倍独裁を許している、根本原理なのである。
■
なんで安倍晋三は独裁体制を敷くことができるのか。
答えは、ただひとつ。
選挙に勝つからだ。
小選挙区で党中央の権限が強いとか言っても、党中央の言うことを聞いていたら落ちる ということになれば、必ず自民党内からも造反はでる。
むかしの自民党のように、本気で安倍おろしが始まるだろう。
しかし、そもそも○○おろし は、「このままじゃ選挙で負ける」という危機感が原動力なのであって、どんなに支持率が落ちようと、スキャンダルにまみれようと、いざ選挙になればぼろ勝ちできる限りは、絶対に安倍おろしなどおきない。
安倍独裁を許しているのは、ひとえに、勝てる勝負を勝ちに行かない野党の責任である。
断言する。
安倍独裁を生み出し、育てているのは、勝てる勝負に勝たない 野党である。
民進が壊滅している大阪ですら、本当に本気で野党がひとつになってたたかえば、自民と維新の三つどもえでも勝てる状況なのに、他の地方であれば、十分に勝てる。
そんなことは、小学生でも分かる理屈だ。
だから、野党が本気でまとまってたたかわないのは、分かっていないのではなく、自公政権を維持するための確信犯であると、私は断罪する。
確信犯と言っても、薄汚い確信犯もいれば、清廉潔白の確信犯もいる。
「希望と一緒になるくらいなら、いさぎよく負けた方が良い」という類の人たちだ。
こういう方は、きっとイイヒトだとは思うけれども、他人の生活を左右する政治には関わる以上、無責任と言わなければならない。
自分だけがどうにかなるのだったら「負けても良い」と口にするのは自由だ。
しかし、政治は他人の生活を決定づける行為なのだから、関わる以上は「負けても良い」なんていうおちゃらけたことを言ってはいけない。
私は、野党こそが派閥政治を復活させるべきだと考えている。
最大公約数でまとまっておいて、主張の違いは派閥として維持する。
原発についても、党としては○○年で徐々に廃止という緩すぎる公約でも、派閥として「即時廃止」を訴えることができれば、それでいい。
もちろん、国会の議決における党議拘束なんて 絶対に認めない。
かつての民主党の害悪は、党議拘束で小沢グループを排除したことだ。
あれをやった瞬間に、民主党は死んだも同然だ。
これから作るべき自民党にかわる政党は、ほんのちょっと自民党よりましな公約を掲げつつ、中には右から左まで自由に意見を言う政治家がいる、という形であるべきだ。
どの派閥が選挙で勝ち上がり、党内で力を付けるかによって、党の公約は微妙に右に左に移動するのである。
繰り返すが、すばらし公約を掲げながら支持率10%で永遠の野党を続けることは、国民への無責任だ。
それは政治家ではなく、野党議員という職業についている人たち である。
■
そう言う形になってこそ、日本の政党で唯一、日本の独立と平和を掲げる自由党も生きてくる。
「自立と共生」の自由党は、一定数のコアな支持者は無くなることはないけれども、逆に主流派になるにはあまりにも道程は遠い。
だから、まずはちょっとマシな野党を作り、その中の「自立と共生」派閥として影響力を伸ばしていくことが、目の前の国民の生活への責任でもあり、同時に理念を実現していくための道でもある。
ただし、その点で私が危惧するのは、野党をまとめるために小沢さんは自由党を無くしてしまうのではないか ということだ。
派閥として大野党に合流させるのではなく、みずから率先して新党に溶解させようとするのではないか、と心配している。
なにせ昨年の衆院選でも、民進党のゴタゴタにつきあって、自由党は選挙に出なかったのだから。
もともとあるかなしかの支持率だったのに、世論調査の選択肢からも消滅し、いったいぜんたい次の選挙になったら憶えている人がいるのだろうか・・・
それに、完全に溶け込む形になってしまえば、山本太郎さんのキャラクターもまったく活かせなくなってしまう。
彼ほどの突出した若手政治家が、ちょっとマシな野党の一議員として、質問の機会すらろくに与えられなくなるのは、あまりにも損失が大きい。
とは言え、では新党作るとか一人で無所属ということになると、政権交代という流れに逆らうことになってしまう。
こうした諸々の問題を、ぜんぶ内包しながら「いい加減」に調整できるのが、大野党の中の派閥政治なのである。
だいたい、ダイバーシティとか生物多様性がどうのとか言う人は、政治のことになると純血主義になる傾向が見られる。(もちろん、違う人もいますが)
政治こそ 多様性を。
他人にだけ多様性を求めるのではなく、みずから率先して多様性を。
2010年の鳩山退陣から昨日まで、連綿と続けている、野党による自民党独裁の支援体制に終止符を打たなければ、日本は本当にこのまま地獄へ落ちるだろう。
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