科学コミュニケーション――科学語での会話
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こないだから書いてるように、やっぱ、確率とか統計とか、率とか年齢調整とか、そういう概念そのものからちゃんと教えなきゃいけないと思うんですよ。
これまで興味を持ってこなかった人が、「病気が増える」とか「死ぬ人が多くなる」とかいう事に「言及したがっている」。それで、そういう所を語るには、上で挙げたような概念の理解が「必須」な訳です。これ知らないのは、ルールをよく解っていないのにスポーツを語ろうとするのと同じような事で。
で、そういう部分について語るなとか黙れとか言うのは非現実だから、もう「教えるしか無い」。誤解や誤読をなるだけ防ぎたいのなら。
もしかすると、数年もすれば「関心が無くなる」かも知れません。人の興味というのはそういうものだから。でも、それを想定したってしょうがない。これからも何が起こるかは解らないのだから、知識の備えは大切。それを鍛え、底上げするのがいわゆる科学リテラシー向上でしょう。
欠如モデルがどうとかそういうメタな話をしてるんじゃないですよ。「意味が解ってなきゃ話にならない、話が出来ない」という、ほとんど常識的な部分の延長です。
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具体的な分野で言うと、公衆衛生、保健統計、疾病統計、疫学、等々。また、その基盤となる確率論や統計学。
今、そういう分野について、易しく噛み砕いた説明が必要とされているでしょう。つまり、より「具体的」な知識の重要性。
そこでは、地道に理解を進めていく必要があるし、必ずしも勉強して面白いと思えるものでは無いですが、それでもやらなくちゃいけないので、日常的な事例でたとえるなど工夫して関心を持ってもらう、というのが重要になってくるのでしょうし、それはサイエンスコミュニケーションの観点からもとても大切でしょう。
私としては、疫学・医療統計界の大村平さんのような方が現われる事を願っています。
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コメント
こんにちは。
ご存知かもしれませんが、放送大学オープンコースウェアというのに
http://ocw.ouj.ac.jp/list_ra.html
「公衆衛生('09)」
というのがありますね。私は第1回のしか聞いたことがありませんけど、これいいんじゃないでしょうか。
投稿: ちがやまる | 2011年12月 5日 (月) 14:16
ちがやまるさん、今日は。
おおっと、ラジオの方をちゃんとチェックしてなかったので、これは押さえていませんでした。ありがとうございます。
なにげに、心理・教育統計法特論('09)もありますね。
投稿: TAKESAN | 2011年12月 5日 (月) 14:34