大河ドラマ「光る君へ」まもなくスタート

hikarukimihe-relation-maps.png 明日から今年の大河ドラマ「光る君へ」がスタートする。

このブログで直接とりあげたのは今まで3回ある
(「光る君へ」だけで検索すると他のものもヒットする。「光る君へ 吉高」だと命中)

今日は、ドラマが始まってからではできない妄想を書くことにした。

今までの情報では、紫式部(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)のラブストーリーが描かれるという話だった。
そのわずかな情報で妄想すると、道長は光源氏のモデル(の一人)だとか、紫式部は道長の召人(お手付き)だったという説に思い至る。
また、空蝉は、紫式部自身がモデルだとか、自分を投影したという話がある。それを活かすなら、ドラマの早い段階で道長に抱かれるものの、その後は逃げ続ける。しかし思慕の念は断ちがたく、道長の栄耀栄華を見守る、ということになりそうだが、そうすると、紫式部はナレーション役にとどまってしまう。これでは吉高由里子の出番がない。

いずれにせよ紫式部の史料が少なく、ドラマにできる素材が乏しいから、紫式部を造形するにあたって、「源氏物語」と重ねるような趣向で書くのだろうかと想像した。「光る君へ」というタイトルも光源氏とダブらせるものだから。

が、結局、この大河ドラマは歴史ドラマではなく、時代ドラマというべきだろう。

私の理解では、

  • 歴史ドラマは、歴史に沿って(現時点で信頼できる)史実に忠実に歴史をおう構成のドラマで、登場人物の心など史料でうかがえない部分を作家が推測して説得力のあるストーリーとするもの。
  • 時代ドラマは、時代・場所こそ歴史上のものがとられるが、語られる話は架空のもの。登場人物は架空の人物(葵新吾、銭形平次、鞍馬天狗など)の場合も、実在(水戸黄門、大岡越前、徳川吉宗など)の場合もある。後者であっても、はっきり残っているエピソードを除けば、彼らの言行はほぼ創作。

さて時代ドラマ「光る君へ」だが、ほぼ完全な創作になると思われるが、皇族・貴族(主に男性)の挙動は史料に残る人事記録などを踏まえることになるのだろう。しかし、メインといわれる紫式部については、宮廷勤めをした以外の記録は乏しいと思うから、そこを実際の皇族・貴族とからませるとしたら、上に書いたように源氏物語のエピソードを利用するのかなと思った。

しかし光る君・道長を光源氏になぞらえるのはかなりむずかしいだろう。道長と正妻の源倫子の間はかなり仲睦まじかったようだから、それを踏まえるとドラマの道長は「俺の心は広いから何人の女でも入る」(ドン・ジョバンニ)になってしまいそうだ。

では、倫子と紫式部以外の女性に夕顔とか源典侍の役回りをさせられるだろうか、というかそんなにたくさんの女性と関係を持っては、道長と紫式部のラブストーリーにはならない。(末摘花なら倫子にも紫式部にも許されそうだが)
そもそも光源氏は、遊びもあるだろうが、魅かれる女性はみな母桐壺更衣に似た藤壺に似た女性であって、その点は一貫性がある。紫式部が藤壺に似ている、という設定は苦しそうだ。

81c4hGOlIkL_SL1500_.jpg といろいろ考えてもさっぱり展開が見えないので、いつもは買うことのないドラマガイド本を購入して、ストーリーを予習した。

やはり真面目一方の道長のようだ。倫子と結婚するなど史実に残ることはちゃんとやるようだけれど、おざなりな結婚だということにすると、道長と倫子の関係が、光源氏と葵の上の関係になってしまうし、史実のように倫子と仲睦まじいとまひろの立場がない。
やっぱり「俺の心は広いから何人の女でも入る」しかないが、それでは真面目な道長ではなくなるし。

ただし「源氏物語」では源氏は真面目な人物とされている。(真面目の意味がやや違うようだが)


紫式部と道長のからみは創作であろうけれど、皇族・貴族の権力争いは、どうやら史実をおいかけて(脚色はあるだろうけど)緊迫感のありそうな展開が予想される。
たとえば兼家・道兼が花山天皇を騙して退位させるとか、伊周の従者が院に矢を射かけるとか、これら史上有名な話はしっかりすくいあげられて、宮廷の権力争いを描くようだ。

「源氏物語」では重要な役どころの怨霊・生霊はでてくるのだろうか。
大河ドラマではいつも話題になる戦のシーンはどうするのか、刀伊の入寇をとりあげて藤原隆家(竜星涼)の奮戦を描くという手もあるかもしれない(ちょっと強引すぎかな、「源氏物語」にもないし)。


なので紫式部はその争いを傍らから見るという役回りになりそうである。ただし道長とのラブストーリーでもあるから、道長は人の道に外れたことはせず、紫式部はそれを見守り、支えるという振付のようだ。

ただし空蝉のような儚げな人物ではドラマになりそうにない。「源氏物語」に由来する先入観にとらわれてはいけない。
ドラマの番宣で、吉高由里子は道長とは「ソウル・メイト」といった存在だと言っていた。


あまり書くとネタバレになるのでこのあたりで止めておくが、こういう作りならドラマとして成立するとも思える。

そういえば過去の大河ドラマでも架空の人物を配してストーリーを進めていたものがある。架空の人物を主人公とする大河ドラマに書いているが、主人公ではないが「鎌倉殿の13人」で創作された刺客の善児も重要な役であった。名前は残っていないが、そういう人物(複数人を一人に集約することも含めて)が歴史を動かしていた、そういう役回りである。


結局、「源氏物語」をおいかけるのではなく、このドラマの各シーンが「源氏物語」のどのエピソードを下敷きにしたとか想像することができたらおもしろいかもしれない。

ちょっとネタバレになるかもしれないが、「光る君へ」始動の記事で、「ドラマが(時系列的に)どこからはじまるのかわからないが、越前時代をおもしろく入れてほしいと思っている」と書いているが、そういうシーンはなさそうだ。
期待されていた越前(福井県)の方々、残念でした。

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