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「聴いて下さい、ろう者の声を!」①

ろう者の世界を書いた作家の丸山正樹さんを軸にして、ろう者、聴者、手話通訳者、福祉を学ぶ学生さんなど、様々な人が200人も集まっての盛大な会でした。

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講演は、手話通訳士、要約筆記の方たちがフル回転で。要約筆記は、正面と後ろの両側の三か所で。パソコンを使っての要約筆記はとても正確で早く、私も多いに活用させていただきました。

さらにシンポジウムになると、手話通訳は、会場のろう者のみなさんに向かってする通訳と、ろう者の方の手話を正面に座って声で読む通訳と、聴者が話す言葉をろう者のシンポジストに向かってする手話通訳と。何人もの方たちが担われました。

丸山さんは、「ろう者の方たちに向けて、私なんぞが話すのはおこがましい」と悩んでいると聞きました。でも、ろうあ連盟の方たちは、こういう会は珍しいのだから、どうぞ頑張って話して下さいと励まされましたよ。

丸山さんは、この「デフ・ヴォイス」を書いた後から手話教室に通い、習われているそうです。自分はまだ下手だと言いながら、しばらくの間、とても流暢に手話で話されました。

以下、私が印象に残った講演の一部です。

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『ろう者の方たちは自らの誇りを持って「ろう者」と称する。彼らが自分たちのことを単なる障がい者とは考えておらず、「手話」と言う言語(母語)と固有の文化を持つ存在と捉えている。』

「手話はろう者の方たちにとって第一言語である。」
「手話と顔の表現などで、大変豊かな表現ができる」
「ろう者は手話でジョークも言うし、夢も手話で、寝言も手話で。それは言語と考えれば当然のこと」
「筆談は第二言語である」
「社会に出ると、まだ手話を話す人がほとんどいなくて、この豊かな言語が使えなくなる」
「手話でコミュニケーションをとれる環境がほとんどない」
「お店で物を買うのも、病院で症状を話すのもたちまち第二言語で話すしかなくなる」

小説の中には、「コーダ」が出てきます。聞こえない両親の元に生まれた聞こえる子ども。「Children of Deaf Adults」。この子を主人公として小説は展開されます。

丸山さんは、この小説を持ってろうあ連盟に行ったと。おそるおそる差し出し、読んで頂いて、意外と好感を持って戴けた。そして、これを広めて下さいと言われたと。

さらに、「これがろう者や手話について社会が知る入口になればと思って書きました」と言われたのに対し、『入口はもう結構。みんな入口ばかり作って。「出口」を作って下さい』と言われたのだと。

それがショックで。出口ってなんだろう。それを今も模索していると。丸山さんは誠実な人です。

この話、まだ続きます。

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