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養護施設にて

 今日木曜日は休診の講演の日でした。朝から、県内のある養護施設に行きました。そこの職員の皆様に「性教育のすすめかた」というテーマで話しました。養護施設で育つ子どもたちにとって、この施設が家庭です。家庭の中で自然に体や性が学べる環境をどう作れば良いのか。私の話がどれだけお役に立ったかは分かりません。が、施設を出ると、即、社会に出ることが多い彼女、彼らが、十分に力を付けて欲しい、と願います。

 もう10年以上前。いろいろな職業の者が何人かが集まって、ボランティアをしていたことがあります。養護施設を出て、一人暮らしをする人たちを支援しよう、と。そこで、本を作りました。「一人暮らしのいきいきハンドブック」という本です。一人暮らしをするために必要な事を満載しました。アパートの探し方、借り方、役場の届けの方法、仕事の探し方(転職の場合)、ご飯の炊き方、みそ汁の作り方、洗濯の仕方、等々。そして、私は、「心と体」編を担当しました。

 恋人が出来た時。セックスをしようと思った時(妊娠してもいいのかどうか、だめなのなら避妊はどうするのか、二人で話し合うことの必要など。もっといろいろと。)もしも、妊娠したら。産むのなら、何が必要か。産めないのなら、人工中絶のために必要なこと。病院の行き方。などなど。もちろん、避妊の方法。コンドームの使い方、なども。

 そして、これらの本とパジャマを養護施設から独立する人たちに渡していました。その他、運転免許を取りたい人たちへの資金の援助なども。資金作りも兼ねて、いろいろな人たちを呼んで、講演会もしました。今、あらためて、懐かしく思い出します。

 今日の施設に、その本を一冊、持って行きました。古い本ですが、どこか役に立つ所があれば、コピーでもして使ってもらったら、と思って。それから、性教育関係の本や、初経教育セットや、例の「絶対漏れないショーツになったナプキン」のサンプルや、エイズ予防のキャンペーン用のコンドームなど、いろいろとおみやげに持って行きました。

 そして、あらためて、古くなったそれらの本をまた手を入れて、作りなおしたらいいのになあ、と思いました。施設を出た人たちだけでなく、大学生になって一人暮らしをする人にも十分必要で役に立つ本だと思ったのです。でも、それらの本作りに必要な資金の問題などもありますので、そうたやすいことではありません。

 お昼ご飯をごちそうになりました。ハヤシライスでした。そのご飯がとてもおいしくて、びっくりしました。食べながら、職員の皆様とお話をしました。やっぱり、いろいろと教えておいてあげなければ。社会に出ると、そして一人暮らしをすると、誰もこんなことは教えてくれません。社会に蔓延している、ウソだらけの情報のみから学び、行動を取るようになってしまいます。今、学校現場では、ほとんど性教育が出来ない状況になっているので、なおさらです。

 また、昔のメンバーに本を作りませんか、と、声をかけてみようか、と思いながら帰った次第です。

 

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コメント

以前、そよ風に吹かれて?と言ったタイトルの障害者と性について書かれた冊子を読みました。

真面目に切実に書かれた本でした。
北欧に行って障がい者が活き活きと暮らしている様子に驚きました。
パソコンの周りにはH系のシールがいっぱい貼ってあって、「こういうの好きなんだなぁ!」と、自己主張とみんなが受け止めて居る様子でした。
どんなに重い障がいがあっても、その人らしく生きて行くことを丸ごと認めていられている気がしました。

日本では・・・先生のような考えで接して下さる方がどれだけ居るでしょうか?
事件や事故を聞く度、閉ざされた世界を感じます。

投稿: れんこん | 2008年3月13日 (木) 21時20分

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