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都民の日(10月1日)

明後日の10月1日は都民の日である。千葉や神奈川は無関係の、都民だけの休日。幼稚園や学校、公務員は休みなのだが、保育園や我々自営業やデパートなどのサービス業も休みではない。学校が休みであることや、医療券が変更になることもあって、都民の日は予想外に混雑する、「最もトラブルの多い日」である。今年は幸いなことに(?)、木曜日で午前診療の予定であった。
10月1日から季節型インフルエンザワクチンの接種が始まる。例年では静かな出足なのだが、今年はそうはいかないだろう。ワクチンの入手が不透明であること、季節型ワクチンの製造が少なく不足すると予想されること、新型インフルエンザの流行でワクチンに注目が集まっていること、11月には新型インフルエンザワクチンの接種が始まると予想されることもあって、早期に接種を希望される方が多いのではないか?
10月1日は正午から2時まで、ワクチンを接種する予定である。もちろん、午前中でもOK。ワクチンの入荷は多くはないだろう。当院をかかりつけにしている方を優先に接種したいと思っている。
国内での新型インフルエンザワクチンは予想よりも多く、2700万本との見込み。輸入を5000万本として、7700万本確保するとの噂はある。現在では200万人を超える新型の発症があると推測される。かかった方は接種する必要はない。また、感染しなかった家族の方も、接種する気にはならないかもしれない。逆に、季節型インフルエンザワクチンは2220万本である。どちらが不足するかは明白である。新型ワクチンの優先順位など、全く意味がなくなるだろう(半分は破棄することになるのでは?)。
新型インフルエンザにかかったら、季節型にもかからないという風説があるが、この風説は間違いである。心機一転の10月なのだが、都民の日は気が重く、緊張感のある1日になるだろう。
(季節型ワクチンの在庫)
化血研:チメロサールは含まず。フェノキシエタノールが防腐剤として使われている。痛みが少ない?
北里研究所?:チメロサールなどの防腐剤は全く含まれていない。
北里研究所?:チメロサールを含む。今年はワクチンの選択はできない。小さなお子さんには接種しない予定。
(待ち時間)
病気の流行はほとんどなく、待ち時間は0から15分。土曜日は混む可能性が高い。予防接種や健診には適す。

理系と文系

ゴールデンウィークの時も同じですが、大型連休の後は病気の流行は終息します。今回のシルバーウィークも同じで、待ち時間もほとんどなく、インフルエンザの患者さんも少なくなりました。健診や予防接種には良い時期かも?
新型インフルエンザワクチンの優先順位があまり報道されなくなりました。国内でのワクチン製造が増え、2700万本になったことと、輸入の目途がたったことで、ワクチンは余ると予想されます。優先順位はどうでもよくなりますね。接種価格も高い(?)ため、接種する人は少ないのではないでしょうか?問題は製造量の少ない、季節型インフエルエンザワクチンかもしれません。
今回の政権の最大の特徴は「理系内閣」。鳩山総理も管副総理も、工学部出身。過去に理系出身の総理大臣はいなかったのでは?官僚もトップは文系で、厚生労働省でも医師などの技術職はトップにはなれません。今回の理系内閣は、本質的に今までとは違った内閣になるのでは?と思っています。
文系と理系では、思考回路がかなり異なります。理系はあくまでも論理的で、妥協はあまりしない。悪く言えば、思考のグレイゾーンが狭いともいえます。逆に、技術職ではない文系は、人と人との間の、阿吽の呼吸、つまりグレイゾーンで仕事をする。今後、政局はかなりの摩擦がおこると予想しています。
私は自己分析して、思考回路は基本的には理系ですね。グレイゾーンが少なく、頑固?医療でグレイゾーンが多くても、患者さんが困る。医療はどちらかといえば、理系の頭の方が安心できるのではないでしょうか。

予約制

「とうとう」というか、「やっと」という表現が正しいのか?新型(と思われる)A型インフルエンザの患者さんが150名を超えた。正直のところ「少ない」と感じている。患者さんの年齢が高く、小児科を受診することは少ないのでは?幸いなことに、私も家内もスタッフも感染していないし、院内で感染したと思われる症例もない。疑わしい方は2階の感染室で診療している。肺炎や入院を必要とするような重症例は1例もなく、従来の季節型に比べて軽いという印象である。家族内の感染状況を考慮すると、感染力は強くはない。
冬にかけては、さすがに待ち時間が長くなり、ご迷惑をおかけするだろう。予約制にすると、携帯やネットで予約ができ、待ち時間が予測できるので便利という意見もある。しかし、私はもともと予約制が嫌いである。勤務医をしていた時には、予約制であった。1時間に8名ぐらいで、午後は4時間で32名。仕事をした気にならない。患者さんには「予約時間は無視で、早く来てね」と囁いておいて、昼は勝手に正午から診察を始め、2時半には仕事を終えて、医局でコーヒーを飲んでいた。症状の変化しやすい小児に、なぜ予約制なのか?という疑問。私は納得できない。「待ち時間が長い」との批判は、甘んじて受けるつもりである。
今年のインフルエンザワクチンも、例年の如く予約制ではない。どのくらいのワクチンが入手できるかは不透明である。今年はワクチンの不足が予想される。今までに経験したことのない、「ワクチンがない」状態に追い込まれる可能性は高い。でも、入手できる本数が分からないので、逆に予約制にもできないだろう。何とも皮肉な事態になった。当院をかかりつけにしていただいている方の希望を、優先にしたいと願っている。

季節型インフルエンザワクチンの入荷

今日、季節型インフルエンザワクチンが入荷した。50名分であり、これが第一陣である。入荷したワクチンは北里研究所のチメロサールフリーのワクチンである。価格は高いのだが、防腐剤は全く使用されていない、安全性の高いワクチンである。
今年は4種類のワクチンを使用する予定である。3種類のワクチンには、チメロサールは入っていない。日本では4社で、6種類のインフルエンザワクチンが製造されているが、副反応が少し異なると感じている。1回目に接種部位が大きく腫れた時には、違う会社のワクチンを接種する予定である。
マスコミでも報道されているように、今年の季節型インフルエンザワクチンは、昨年の8割弱。入手できるワクチンの数も、購入予約ができないために、はっきりしていない。「例年の7割」がコンセンサスである。別に不足することをアピールしたり、積極的に接種を薦めているわけではない。事実をありのままに。
世田谷の接種券が10月1日から使えることもあって、原則的には10月1日からの接種に。予約制ではない。「予約する手間をかけるほどのことなのか?」というのが、私の本当の気持ちである。今年は「入手できるだけのワクチンを打ち終える」ことを目標に、というところか?。
(以下雑談です)
昨夜の7時半のNHKで、「にっぽん紀行」という番組があった。「大分アヒルが老舗遊園地を救う」というタイトル。私の生まれた別府に楽天地という遊園地があった。物心がついた時から、山肌に「ラクテンチ」というネオンを見ていた。私は逆さに「チンテクラ」と呼んでいた。昨夜の番組を見て、80年の歴史があるとのこと、私が生まれる20年以上も前からあったことにビックリ。遊園地の名物がアヒルのかけっこ競争。これも60年も前からあったという報道にもビックリ。
今年、この楽天地が倒産したとの連絡が入った。そして、7月から楽天地の復活、再生が始まった。やはり、人気はアヒル競争。今年の夏に5万人のお客さんが入ったとの報道は、本当にうれしかった。
20年以上も前に、娘たちを連れて一度だけ楽天地に行ったことがある。遊園地の裏側にも、小さな入り口があった。4時で入園終了のところを、4時過ぎに到着。引き返そうとしたところ、改札のおじさんが「入っていいよ。」と、何と無料で入園させてくれた。番組を見ながら、家内は「親切な所だったよね」と、なつかしそうにつぶやいていた。
シルバーウィークは遊園地、動物園、水族館などは予想を上回る人出であった。サービス業はホッとしたことだろう。同じサービス業である医療も、インフルエンザの流行もあって、予想を上回る人出(?)であった。この人出は私の予測を完全に裏切るものであった。「まさかこの時期に!」いろいろな用事を、9月に消化しようと思っていたので、サービス業の私としては、患者さんの要望に、充分には答えることができなかった。その点は申し訳なく思っている。
同じサービス業でも、遊園地や動物園は楽しい。医療機関は楽しくない!この違いは大きいなあーーー?

夕暮れの善福寺川

今日は午前中に診療しましたが、待ち時間が長くなって、ご迷惑をおかけしました。例年ではまだ静かな季節なのですが、今年はインフルエンザ騒動の影響もあって、予想外の混雑に。患者さんからの情報では、この連休の急病センターの混雑ぶりは半端ではないようです。秋分の日から、徐々に心のギアを上げていくのですが、今年は既にギアチェンジが始まっています。今年は例外的ですね。
今日は午後からノンビリと、毎年恒例の和田堀公園の散歩を予定していました。大宮八幡から善福寺川を遡って、吉祥寺まで歩くという試み。しかし、時間がなく、夕方の5時過ぎてからのスタートに。すでに薄暗く、西の空には三日月が浮かび、人通りも疎ら。大宮八幡にお参りをして、善福寺川をテクテク。周りからはコオロギの合唱が。五日市街道、鎌倉街道を越えたところでUターン。2時間ほどの散歩になりました。
家内と12月までの予定の確認をしながらの散歩。今年は既に登り坂ですね。予定としては、
1)10月1日から季節性インフルエンザワクチンを開始する。新型については未定。
2)10月1日(木曜日)は、正午から2時までワクチン接種の時間に。
3)10月11日(日曜)、12日(月曜)は連休。11日の午後3時から6時まで、インフルエンザワクチンの接種に当てる予定。但し、病気の診察も入ってくると予想されるため、3時から4時を診察に。4時から6時までをワクチン接種の時間とする。
4)11月3日(文化の日)は午前中に診療とワクチン接種。
5)11月22日、23日の連休は、22日の午後3時から6時まで診療とワクチン接種。
6)12月6日の午後3時から6時は診療とワクチン接種。
7)12月23日(天皇誕生日)は午前中は診療。
8)年末は28日まで通常通りに診療。29日と30日は午前中のみ診療。
9)新型インフルエンザワクチンの接種に関わる時には、接種する時間を検討する。
以上が大まかな予定です。年始は少し病気の流行が落ち着く予想(?)なので、2日ほど休診させていただく予定。患者さんが困っている時に働き、病気の少ない時に休むが原則ですので。でも、来年のことを言うと鬼が笑う?今年の最大の山場は11月21日と12月19日。次いで11月2日と12月29日ですね
あまり先のことを心配してもしかたがない。当面は明後日の木曜日に集中!

連絡事項(9月22日は午前中診療します)

1)世田谷区では季節型インフルエンザの予防接種費用を、1回につき1000円助成します。9月15日から助成券が郵送されています。この券は新型インフルエンザワクチンには使用できません。
2)季節型インフルエンザワクチンは9月25日頃に入荷する予定ですが、世田谷区の助成券の使用期間が10月1日から来年の1月31日までですので、混乱を避けるため以前からのお知らせ通り、ワクチン接種は10月1日からとさせていただきます。
3)10月1日(都民の日、都内の学校は休み)は木曜日で午前中のみの診療になり、少し混乱することが予想されます。例年の10月1日はワクチン接種希望者は少ないのですが、今年は新型の問題で事情が違います。診療時間を延長して、12時から午後2時までの2時間を、インフルエンザワクチン接種時間とさせていただきます。午前中の接種もOK。
4)杉並区の「子育て支援券」は、当院では使用できませんので、ご了承下さい。世田谷区の助成券は世田谷区の指定医療機関で使用できます。
5)インフルエンザワクチンの治験が始まりました。日本製も外国製も。
6)新型シルバーウィークの9月22日(火曜日)の午前中は診療します。

頑固者

家内とは散歩しながら、よく議論をする。意志の疎通は、話しをする時間に大きく左右される。真剣に、そして正直に話しをする時間が長いほど、人と人の信頼関係は深まると思っている。娘たちが帰省した時にも、話をする時間をできるだけ多く持つように心がけている。「話さなくても心が通じる」のは例外である。「会話する時間」は大切である。母とはほとんど話しをした記憶がないのが不思議である。心が通じていると思っているのは、きっと私の方だけなのだろう。
またまた、インフルエンザの話で申し訳ないが、家内と散歩中にインフルエンザワクチンの価格が話題に上った。従来から2500円。「このままだね」と言ったら、家内も「異論はない。スジは通すべき」と、アッという間の決着となった。インフルエンザワクチンの価格のダンピングが続いている。接種を希望される方には朗報である。隣が2000なので、こちらは1900にというケースも実際にはある。それはかまわない。当院でそれをやると、「安いから」という理由で、一見の客(言葉は悪いが)が。信頼関係のない方に、ワクチンを接種するのは危険である。今年は季節型ワクチンが不足するだろう。当院で不足すると、当院をかかりつけにしていただいている方に迷惑がかかる。いろいろな理由があっての結論なのだが、家内とは「スジを通す」の一言でお互いが納得。その後で「スジを通す」という話題に。
「スジを通す」「ブレない」「首尾一貫している」、近いところで「一貫性がある」。逆に悪い意味では「頑固者」「融通がきかない」、近いところで「頭が硬い」。本当は同じことを表現しているのに、視点が変わると逆の表現になる。この2500円の問題も、接種を希望される方から見ると、「融通がきかない」のかもしれない。私は一つの事象を、いろいろな視点から見て議論するのが大好き。「頑固者」になりたくはない。
(1年前のブログより)
インフルエンザワクチンの価格について。価格は医院で自由に決めることができます。当院は一回2500円で接種しています。これは、8年ぐらい前に、患者さんにアンケートをとって、決定したものです。当時は安すぎるという批判もありました。今は多くのクリニックができて、価格競争の時代。2000円以下の所もあります。ユダヤの経典タルムードにも、ダンピングは消費者にとって有益であるため、悪いことではないとされています。私も賛成です。
しかし、問題は高齢者の「インフルエンザワクチンの自己負担」にあります。現在、接種する自己負担は2200円。これ以下にすると、区から送られてくる補助券を使う必要がなくなる。これは、一般的なモラルに反すると判断しています。家内といろいろ議論して、スジは通すべき、という結論に。

新型インフルエンザワクチンの現状

シルバーウィークの9月22日(火曜日)は午前中、診療します。また、季節型インフルエンザワクチンの接種は10月1日から始まります(1回2500円)。
電話や受付にて、新型インフルエンザワクチンについての問い合わせが多いので、9月13日での情報を提供します(しつこいですが)。
マスコミは騒ぎ過ぎ。死亡率が普通のカゼより高いという根拠は示されていない。現状では患者数5万人に1人ぐらい。普通のカゼでももっと高いのでは?恐怖をあおるのがいい事なのか?新型ワクチンを5000万人分確保しても、最後はかなり余るはず。季節型ワクチンの2200万の方が不足する事態になりますね、きっと。

(9月4日に厚生労働省から発表された「新型インフルエンザワクチンの接種についての素案」+9月4日以降の情報を加味して)
1)ワクチンは重症化予防、死亡数減少を主な目的とする。(注:100%の予防は無理。接種してもかかる。ただし、症状を軽くすることはできるかも?)
2)もともとインフルエンザワクチンンは重症化や死亡の防止に一定の効果はあるが、感染防止、流行の阻止に対しては、効果が保証されるものではない。
3)新型ワクチンの優先順位は、?医療従事者、?妊婦や慢性の基礎疾患のある患者さん、?1歳以上で小学校入学前の小児、?0歳児を持つ両親。(注:0歳児に対するワクチンの効果は証明されていない。両親が接種するしかない)
4)接種する施設については、特定の施設を選んで行う。(医師会等で指定された医療機関が、国と契約して接種する。国内で製造されたワクチンは、10月末ぐらいから、市場にでてくると推測されるが、まず?の医療従事者から始めることになる。その後は?の基礎疾患があるの患者さんに。
5)費用の自己負担はあるだろう。国は価格を一律にしたいとの考え。1回3000から4000円という案がある。(独禁法などの問題をクリアする必要があるかも)
6)新型インフルエンザは免疫がないことが前提なので、1週から4週の間隔をあけて2回接種するのが原則。但し、大人では1回でも免疫ができるというデータもでてきており、1回接種になる可能性も残る。
7)季節型ワクチンの接種は10月1日から開始。季節型ワクチンを接種しても、新型インフルエンザの予防効果はない。季節型ワクチンを接種しても、新型ワクチンを接種することはできる。季節型ワクチンを希望される方は、今年は早めに接種する方がいいのかも?
8) 問題点:輸入のワクチンは12月以降に。国内生産分は優先順位をつけるしかないとの見解。医療機関を指定する予定だが、選定方法が未定である。持病のある患者さんの「かかりつけ医」が指定医でない場合には、「かかりつけの主治医」から「優先接種対象者証明書」を発行してもらい、国と契約した指定医療機関で接種を受けることに。当院で新型ワクチンを11月から接種できるのかは(指定されるかは)?現時点では全く分からない。現状では接種できるとしても11月になると予想される。

(注)基礎疾患とは呼吸器疾患(喘息を含む)、心疾患(高血圧を除く)。腎臓疾患、肝臓疾患、神経疾患、神経筋疾患、血液疾患、代謝性疾患(糖尿病を含む)、免疫抑制状態(癌など)のこと。当院では主に気管支喘息の患者さんが対象となる。

連絡事項

1)明日(13日、日曜日)が午後3時30分から4時30分、1時間ほど診療します。発熱やセキでお困りの方はどうぞ。
2)シルバーウィークの22日(火曜日)は午前中診療します。
3)季節型インフルエンザワクチンの接種は10月1日から開始します。大人の方もOK。
4)季節型インフルエンザワクチンの接種料金は2500円とさせていただきます。なお、杉並区の「子育て支援券」は、当院では使えませんのでご了承下さい。
5)インフルエンザワクチンの接種は、13歳未満の方は1週から4週までの間隔で、2回の接種となります。
6)インフルエンザワクチンの接種は予約制ではありません。診療時間内にお願いします。
7)季節型ワクチンの製造は、例年の80%ぐらいで、不足が予想されます。
8)11月頃から新型インフルエンザワクチンの接種が開始される可能性があります(優先順位あり。接種対象者の国への報告義務あり?)。いろいろ混乱が予想されますので、今年に関しては、季節型ワクチンは早めに接種することをお薦めします。


薬用高山植物

予想通り、10%ルールのため、学級閉鎖が多くなっています。インフルエンザの話に飽き飽きしてきたところ。目先を変えて、花の話題に。登山の楽しみの1つが、高山帯の花を観察することです。先週の中央アルプスも2500m以上の高山帯。多くの高山植物を楽しむことができました。中でも、職業柄かもしれませんが、どうしても薬用植物に目が。
私は漢方薬が嫌いで、使うことはまずありません。しかし、化学合成技術のなかった時代には、自然界にある動植物だけが薬に。それが漢方薬だと思っています。生活から生まれた知恵で、ロマンを感じますね。秋の七草の葛(クズ)の根っこからは、葛根湯(カゼ薬に近い)、ゲンノショウコは下痢止めに。経口抗アレルギー薬として初めて使われたリザベン(トラニラスト)は南天(ナンテン)の実から発見されたのは有名な話。話題のタミフル(オセルタミビル)は、中華料理に使う八角(ハッカク、トウシキミの種)の成分を化学処理して、初めて作られた薬品です。ただし、現在のタミフルは、確か石油関連の化学合成物質。八角を食べても、インフルエンザには効きませんので(蛇足ですが)。またまた、インフルエンザの話に戻ってしまいました。高山植物を、少し楽しんで下さい。
中央 046
トウヤクリンドウ(当薬竜胆)。高山の夏の最後を飾る白いリンドウ。高山の岩場に咲く。中央アルプスの極楽平(2800m)にて、早朝に撮影。日が出ると開花する。当薬とはセンブリのこと。根っこが胃腸の薬になる。
中央 012
サクライウズ。トリカブトの一種。根はアコニチンという、トリカブトの毒に。ウズ(烏頭)やブシ(附子)はトリカブトのこと。このトリカブト、地域によって、花や葉の形態がかなり異なり、興味深い。花は兜の形。毒にも益にもなる。私はこの紫の花が大好き。

新型インフルエンザワクチン

当院での新型インフルエンザの患者さんが60名を越えた。学級閉鎖の10%ルールのために(前々回のブログ参照)、学級閉鎖に追い込まれている学校も多い。幸いなことに症状は軽く、今のところ重症例の経験はなく、従来の季節型インフルエンザに比べて、感染力も弱い。私やスタッフも感染していないし、院内での感染も全くない。
ただ、困るのは、微熱があったら、「検査をして陰性を確認してから登校してほしい」との、学校側からの依頼である。10%ルールのため、感染拡大を恐れているのは理解できる。当院でも、検査キットが品薄であったが、やっと十分に検査できる体制となった。まずは、一安心。
毎年検査キット、治療薬、ワクチンの3つのうち、どれかが不足する。今年はワクチンのようだ。季節型ワクチンも不足すると予想される。また、新型インフルエンザワクチンに対する質問も多い。「ワクチンで100%予防でjきる」というのは妄想である。新型インフルエンザは症状は重くはないので、季節型ワクチンで十分かもしれない。
9月4日に厚生労働省から発表された「新型インフルエンザワクチンの接種についての素案」がある。できる限り、解りやすく、かいつまんで。
1)ワクチンは重症化予防、死亡数減少を主な目的とする。(注:100%の予防は無理。接種してもかかる。ただし、症状を軽くすることはできるかも?でも新型自体の症状が軽い)
2)もともとインフルエンザワクチンンは重症化や死亡の防止に一定の効果はあるが、感染防止、流行の阻止に対しては、効果が保証されるものではない。(注:このブログでも、再三説明しているが、ワクチンの効果が限定的であり、100%の予防は夢まぼろし)
3)新型ワクチンの優先順位は、?医療従事者、?喘息や糖尿病、腎不全などの慢性疾患の患者さん、?1歳以上で小学校入学前の小児、?0歳児を持つ両親。(注:0歳児に対するワクチンの効果は証明されていない。両親が接種するしかない)
4)接種する施設については、特定の施設を選んで行う。(注:どこで行うかは、現時点では全く決まっていない。我々開業医が接種できるのか?その場合優先順位があるため、患者さんの接種者のリストアップと疾患、年齢を記載して提出することになるのか?)
5)費用の自己負担はあるだろう。(接種する施設によって費用が異なるのか?ワクチンが無料配布になれば、接種価格の設定があるのか?)
6)接種可能な時期は、早くても10月下旬。(未決定事項が多く、11月から12月になるのではないか?それまでに流行が広がって、多くの人がかかる?)
(私見)
新型ワクチンについては、有効性も、接種場所も、安全性も未定。10月から季節型ワクチンの接種が始まるので、そちらを優先でいいのではないのか?新型インフルエンザについては、マスコミが恐怖をあおり過ぎ?

9月22日(火曜日)の午前中診療します。

9月19日(土曜日)から23日(水曜日)の5連休をシルバーウィークと呼ぶようですね。
1)19日(土曜日)は通常通り、午前中診療します。
2)22(火曜日)は午前中(受付は11時30分まで)、診療します。
病気の流行のない、1年で最も静かな9月ですが、さすがに小児科で5連休、4連休はいささかきつい。20日と21日は大事な用事が入ってしまい、何とか22日に時間が取れましたので、22日の午前中に診療させていただきます。
インフルエンザの患者さんは多くはありません。全体的に静かで、今週の待ち時間は0から15分ぐらいではないでしょうか。健診と予防接種がお薦めです。
マスコミでも、このブログでも、インフルエンザの話は飽き飽きですね。でも、前回の学級閉鎖の基準は、ぜひ頭に入れておいて下さい。
(雑談)
先日、中央アルプスに登った帰りに、駒ヶ根高原を散策。オミナエシや吾亦紅(ワレモコウ)などの、秋の七草を楽しんできました。そこで、巨大なモニュメントを発見。私は大喜びで、触ったり、登ったり。家内が写真を撮ってくれました。過激でないものを2枚。
温泉に入って伊那に移動。「かんてんぱぱガーデン」で、伊那名物のソースカツ丼のミニ丼と、寒天サラダを食べて満足。ここは伊那食品工業が経営している寒天専門店で、活気があるのにびっくり。

中央 055
クワガタとカブトムシの戦い(私も参戦!)

中央 057
クワガタはミヤマクワガタの♂

中央 059
カブトムシに乗る副院長

学級閉鎖と学年閉鎖

インフルエンザの患者さんは、今のところ多くはありません。まだ、学校が始まったばかりですので。インフルエンザの簡易検査キットが、入手困難に。この時期には、本来売れないものですから。当院にはまだありますが、大流行になると危ない?
東京都の教育庁から、「新型インフルエンザによる学校の臨時休業の基準」が発表されました。解りやすく言えば、学級閉鎖や学校閉鎖の基準ですね。難解なので、砕いて書きます。新型インフルエンザらしき病気で休んだ生徒数が基準です。
1) 学級閉鎖:クラスの10%以上が休んだ時。30名のクラスでは3名休んだら閉鎖。(注:今までの季節型の場足は、30%が基準であった。これではすぐに閉鎖になるはず)
2) 学級閉鎖の期間は4日間とする。(注:今までより1日ぐらい長いか?)
3) 複数のクラスが閉鎖になれば、学年閉鎖とする。(注:1学年が1クラスや2クラスの学校もあるので、自動的に学年閉鎖ですね)
4) 複数の学年が学年閉鎖になれば、学校閉鎖、つまり休学とする。
5) 学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖については、校長と校医、保健所などの意見をもとに、東京都の教育委員会が決定する。(注:世田谷区立の学校は、区の教育委員会に決定権があるということ)
6) 閉鎖中は家で勉強すること。人の集まる場所や、感染の可能性のある場所への外出は控えること。(注:間違っても、休みをいいことにディズニーランドなどに出かけてはいけない。当然、先生も?)
(院長の独り言)
では、保育園はどうなのか?という疑問。昨日、区役所の保育課に電話をして調査。40%以上の子供たちが、新型インフルエンザに集団感染した保育園もある。しかし、園は閉鎖になっていない。「保育園は福祉施設なので、園の閉鎖はない」との答え。学校や幼稚園は文部省、保育園は厚生労働省の管轄。保育園が閉鎖になると、働いているお父さんやお母さんは仕事ができない。当然、死活問題に。私の娘たちも保育園のお世話になったので、閉鎖にならないと聞いて、良かったと思った。10%休んだら閉鎖する学校、40%以上でも閉鎖しない保育園。保育園児の方が年齢は低く、かかるとハイリスクである。矛盾を感じつつも、保育園の閉鎖には反対。小児科医として、ここはカバーするしかない?
(閑話休題)
前回のブログの続きの写真です。家内とお参りした木曾駒が岳の頂上にある、駒が岳神社。この神社の「神のお使い」がオコジョ。イタチより2まわり小さな(ネズミより大きく、細長い体と長い尾を持つ)、テンに似た生き物。人のいない稜線を歩いていたら、目の前にオコジョが出現。動きが早く、写真には取れませんでしたが、岩山やハイマツの中を飛び跳ねる姿に感激。嬉しそうに家内が「何か良いことがあるのかなあ?」。「たぶんね」と私。
中央 025
駒が岳の頂上にある駒が岳神社の写真。神社だけの写真がなかったので、付属品の私が写っている。風雪に耐えた小さな鳥居。私は無視して下さい。

2日間の休みをいただき有難うございました。

例年では最も病気の少ないこの時期に、インフルエンザ騒ぎ。このような時に休診させていただき、本当にご迷惑をおかけしました。今年はバタバタしそうな予感(もう報道ではバタバタしていますが)。例年になく緊張感のある、休みとなりました。今年はどこかにお参りをして、気持ちを引き締めようと思い、30数年ぶりに駒が岳神社に出かけました。早朝に出発して、車、バス、ロープーウェイを乗り継いで、中央アルプスの千畳敷カールへ。そこから山登りで木曽駒が岳(2956m)山頂へ。
天気は曇りでしたが、頂上では一瞬晴れ(といっても雲の上ですが)。頂上の神社にお参りして、いろいろ頼みごとを。家内は「10以上お願いしたわ」と。私はそれ以上かもしれません。家族の健康、患者さんが大きなトラブルなく過ごせることははずせません。お賽銭100円でそこまで頼むのか?という非難もありますが、金額の多寡ではない?
クサリ場の宝剣岳(2931m)、中岳(2925m)、前岳(2883m)と4つのピークを踏むことができました。標高2600mに宿泊。大きな雨音を聞きながらも、疲れて熟睡。早朝から、また山登りになりました。家内はガケやハシゴ、クサリ場が大好きで、どちらかというと、私の方が苦手ですね(本人は何とかの高上がりと言っておりますが)。
休みをいただき、お蔭様で気持ちが引き締まりました。今年は早々と仕事の山登りが始まります(頂上は年末の予定)。いろいろな状況を見極めながら、(当然の事ながら全力で)仕事をしていきますので、宜しくお願い致します。
中央 024
駒が岳山頂にて。私の頭の上に雲海が2層ありますが、2層目(上方)の雲海の上に、御岳山(おんたけ)の頂上を、ほんのわずか見ることができる

2日(水曜)、3日(木曜)は休診。インフルエンザ

今日から9月です。2日(水曜)、3日(木曜)は誠に申し訳ありませんが、休診とさせていただきます。
昨日は新型と思われるインフルエンザの患者さんが4名。この2カ月で計36名診察したことに。従来のインフルエンザに比べて重症感はありません。薬も有効で1日から2日で解熱しています。症状は発熱で始まり、タンのからんだセキがでます。ハナは多くありません。全身倦怠があり、関節痛や筋肉痛は従来のものより軽い印象です。全体的に症状は軽い。感染力も今のところは強くありません。私も家内もスタッフも無事。患者さんの家族内感染率も30%ぐらいです。気温が下がると感染力は増すかも?
死亡率は0.5%と言われていますが、それならば日本で既に1000から1500名が亡くなっているはず(現時点で8名)。正確には死亡率は0.005%、つまり2万人の感染に1人ぐらいが、日本の現状。国内で製造される新型のワクチンは国が買い上げて配分する可能性が高く、我々開業医には手に入らないのではないでしょうか?新型ワクチンには期待はできません。果たして新政権がどのような方針をだすのか?
以下、季節型インフルエンザワクチンについての話を少し。
(今年の問題)
今年も問題は、新型ワクチン製造のため、季節型ワクチンの製造が途中で中止されたことにあります。昨年は2700万人分ぐらい製造されたのが、今年は2200万人分ぐらいになり、およそ8割の製造量になりました。そのため、各医院でのワクチンの予約は原則的には受け付けず、例年並みに入手することはできないと予想されます。この点については、10月以降にならないと解りませんので、ご了解いただきたいと思っています。皆さんの不安をあおるつもりはありません。また、今年の季節型ワクチンが流行する株と一致するかも予測できません。今年度も当院で接種するワクチンは、例年通りチメロサール(水銀化合物、防腐剤)を含まないものを選択するつもりです。しかし、ワクチンの予約ができない現状があり、100%がチメロサールフリーという訳にはいかないかもしれません。この点はご了承下さい。