南伊豆弓ヶ浜温泉 季一遊 その３～あお、青、蒼、藍、うるとらまり-ん～
南伊豆 季一遊
伊豆最南端、
弓ヶ浜。
『日本の渚百選』の一つ。
わたし、
青を眺めるだけで、
ため息。
くま、沖を指差す。
くま「あそこのホテルも良いなと思ったんですけど」
わたし「うん」
くま「お風呂が温泉ではなかったので、やめました」
わたし、無言。
くまの、
揺るぎない、
温泉愛。
吹き寄せる風の強さと、
波の、うねり。
わたし「波の音って、風の音だ…」
知らなかった。
わたし「わー」
くま「何ですか」
わたし「物凄い足長だー」
くまが拾い集めた貝殻。
わたし「ロマンチストだ…」
茜色、
徐々に沈みゆき、
昼と夜とが、
入れ替わる。
黄昏時は、
いつも駆け足。
くま「そろそろ、戻りましょう」
夜の帳が、
下りてくる。
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