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ベルゴロド地域の一部を封鎖するのは、ロシアにとって難しいが必要な決断だった(抄訳)

アンドリュー・コリブコ氏の分析の抄訳。2024/07/16、ロシアのベルゴロド州の一部が封鎖されると発表された。恐らくこの地域の状況は今後悪化する可能性が高い。
It Was A Difficult But Necessary Decision For Russia To Lock Down Parts Of Belgorod Region
Belgorod Region map



 2024/07/16、ロシアのベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事は、ウクライナ国境沿いの地域の一部を追って通知を行うまで封鎖すると発表した。

 この地域はウクライナからの絶え間無い砲撃に加え、国境を越えたテロ攻撃の脅威に曝されているので、住民の安全の為に超厳重な警備体制が布かれることになる。これはタイミング的には、ロシアがウクライナ側のハリコフ州に「緩衝地帯」を作り始めて2ヵ月余りだのことだ。TASS通信に拠ると、

 「電子戦システムを搭載した装甲車両を運転し、防弾チョッキとヘルメットを着用し、軍人または自治体職員の同伴を条件として、成人男性のみがその地域への立ち入りを許可される。この制限は国境地帯の5つの自治体の居住地に適用される。これらの地域に向かう途中には、モジュール式シェルターを備えた検問所が設置される。タクシーを含む公共交通機関は居住地への立ち入りを禁止される。」

 これは難しいが必要な決断であり、国境を越えた脅威が残っている限り、この展開は予想されるものだった。現地の住民達が既に1年以上に亘って直面して来た脅威の厳しさを考えると、この決定は寧ろ遅かった位だ。

 もっと早くにこの決断が下されなかった理由は、恐らく住民の生活が(更に)混乱し、ロシアが自国の領土内に「緩衝地帯」を設けた様に見えてしまうからだろう。

 決定が為された理由は、恐らくロシアはこれらの地域に対する脅威が更に悪化すると予想しているからではないかと思われる。

 またこのタイミングは、ウクライナが米国や他のNATO諸国からの待望の支援パッケージを受け取る時期と一致している。ウクライナは西洋に戦果をアピールする為に、これまで以上に国境を越えた爆撃作戦を計画している可能性が有る。そうなるとベルゴロド地域の一部は典型的な戦闘地域に変わるかも知れないので、ロシア側としては不意を突かれないように措置を講じる必要が有った。

 或いはロシアはこの新たな措置を隠れ蓑として、ハリコフ州での報復行動を準備しているのかも知れない。

 最終的に何が起こるにせよ、ベルゴロド州では事態は更に悪化する可能性が高い。変に楽観的予測をしてしまうと後で失望することになるので、ロシア支持者達はこの点で気を引き締めておくべきだ。

 紛争の軍事戦略的力学は依然としてロシアに有利だが、西洋はウクライナが(それが民間人殺害を含んでいたとしても)戦わずして崩壊することを望んでいない。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
一介の反帝国主義者。
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