米当局がシリアから撤退する予定は無いと語る(抄訳)
2024/07/04のデイヴ・デキャンプ氏の記事の抄訳。多少補足した。
基本的な事実をざっとお浚いしておくと、米軍はロシア軍と違って正式にシリア領内に招待された訳ではなく、勝手に入って来た侵略・占領軍だ。またISISに資金・訓練・武器・拠点等を与えているのは他ならぬ米国であって、米国は一方でテロを支援しつつ、そのテロの脅威を口実として自分達の軍事的プレゼンスを正当化すると云うマッチポンプの茶番劇を各地で繰り返している。2001年以降の所謂「テロとの戦争」の正体はつまりそう云うことだ。この20年以上、テロが無くならないどころか激増しているのは、「対テロ戦争」が続いているからこそだ。
米国の支援を受けているシリアの反政府派はアル=カイダと繋がっていることが確認されている。他方西洋大手メディアから「独裁者」と呼ばれているアサド大統領は選挙で選ばれた正当な指導者であって、アラブ世界では最も高い人気を誇っている。彼は2011年に米国がテロ組織を使って代理戦争を始めて以来、憲法で定められた選挙で自分が選ばれなければ退陣すると明言して来たが、米国が支援する反政府派はアサドの退陣が前提条件だとして選挙の実施を断固拒否して来た。米英諜報部はアサド政権の「戦争犯罪」を次々捏造することでその信用を貶めようとして来たが、結局2021年に彼は95%と云う圧倒的な得票率で再選を果たした。現地のシリア人は西洋の嘘に騙されなかったと云うことだ(「何故シリア人は独裁者なんかを支持するんだ。洗脳されているのか」と疑う西洋人は、洗脳されているのは自分達の方であることに気が付くべきだろう)。
米国はこの記事にも有る様にシリアに非人道的な制裁を課す一方、領土の約1/3を違法に占領して重要資源である石油や農産物の強奪を繰り返している。ワシントンは自らの地政学的野心の為に大勢の何の罪も無いシリア人を窒息させ、文字通り殺している。勿論西洋諸国からはこの国際法違反の巨大な人道犯罪に対して制裁を課せとか叫ぶ声は皆無だ。彼等はシリア人の命や生活や人権など全く気にしていない。西アジア地域の平和と安定と繁栄にも公然と反対している。そして現在EU諸国に難民が押し寄せて来ている主原因は、米国やその同盟諸国が西アジアやアフリカ諸国を次から次へと荒廃させてまともな暮らしを奪って来たからだ。
US Official Says There Are No Plans To Withdraw from Syria
2024/04/07の記事で近東問題担当のイーサン・A・ゴールドリッチ国務次官補は、米国にはシリアから軍隊を撤退させる計画は無いと語った。
米国はシリア東部に約900人の軍隊を駐留させ、クルド人主導のシリア民主軍(Syrian Democratic Forces/SDF)を支援している。これによってワシントンはシリア領土の約1/3に対する違法な支配・占領を継続している。
米国は占領はISISの残党との戦いが目的だと主張しているが、未だ終わらない駐留は寧ろシリアとその同盟国であるイランをその地域から遠ざけ、シリアの重要資源である石油を支配するのが目的だ。この占領は、戦乱からの復興を阻止することを目的とした壊滅的な制裁を含む、シリアに対する経済作戦の一環でもある。
ゴールドリッチは対ISIS作戦について触れ、米国はその「任務」が完了するまではシリアを離れるつもりは無いと述べた。
「我々はシリアから撤退する予定は有りません。我々はISISの復活を阻止し、ISISに対抗し、パートナーと協力すると云う使命を継続し、遂行する予定です。」
彼はまた米国の占領は「(正当な選挙で選ばれたバシャール・アル=アサド)政権の責任を追及する」為だと述べた。
彼はまたシリアと地域諸国の関係正常化に米国が反対していることを繰り返した。アラブ諸国はアサドを打倒することが不可能である現実を受け入れ、シリアとの関係を回復しつつある。
今年初め、米国がシリア撤退を検討しているとの報道が有ったが、後にSDFは米国から部隊が残留すると云う確約を得たと発表した。
米国はまたイラクとも撤退の可能性について協議を開始したが、進展の兆しは無い。米国はイラクに約2,500人の軍隊を駐留させ、米国のシリア占領を支援している。
ガザでのイスラエルの猛攻撃の結果として西アジア地域の緊張がエスカレートする中、イラクとシリアに駐留する米軍は、より広範な戦争への潜在的な架け橋として機能している。
基本的な事実をざっとお浚いしておくと、米軍はロシア軍と違って正式にシリア領内に招待された訳ではなく、勝手に入って来た侵略・占領軍だ。またISISに資金・訓練・武器・拠点等を与えているのは他ならぬ米国であって、米国は一方でテロを支援しつつ、そのテロの脅威を口実として自分達の軍事的プレゼンスを正当化すると云うマッチポンプの茶番劇を各地で繰り返している。2001年以降の所謂「テロとの戦争」の正体はつまりそう云うことだ。この20年以上、テロが無くならないどころか激増しているのは、「対テロ戦争」が続いているからこそだ。
米国の支援を受けているシリアの反政府派はアル=カイダと繋がっていることが確認されている。他方西洋大手メディアから「独裁者」と呼ばれているアサド大統領は選挙で選ばれた正当な指導者であって、アラブ世界では最も高い人気を誇っている。彼は2011年に米国がテロ組織を使って代理戦争を始めて以来、憲法で定められた選挙で自分が選ばれなければ退陣すると明言して来たが、米国が支援する反政府派はアサドの退陣が前提条件だとして選挙の実施を断固拒否して来た。米英諜報部はアサド政権の「戦争犯罪」を次々捏造することでその信用を貶めようとして来たが、結局2021年に彼は95%と云う圧倒的な得票率で再選を果たした。現地のシリア人は西洋の嘘に騙されなかったと云うことだ(「何故シリア人は独裁者なんかを支持するんだ。洗脳されているのか」と疑う西洋人は、洗脳されているのは自分達の方であることに気が付くべきだろう)。
米国はこの記事にも有る様にシリアに非人道的な制裁を課す一方、領土の約1/3を違法に占領して重要資源である石油や農産物の強奪を繰り返している。ワシントンは自らの地政学的野心の為に大勢の何の罪も無いシリア人を窒息させ、文字通り殺している。勿論西洋諸国からはこの国際法違反の巨大な人道犯罪に対して制裁を課せとか叫ぶ声は皆無だ。彼等はシリア人の命や生活や人権など全く気にしていない。西アジア地域の平和と安定と繁栄にも公然と反対している。そして現在EU諸国に難民が押し寄せて来ている主原因は、米国やその同盟諸国が西アジアやアフリカ諸国を次から次へと荒廃させてまともな暮らしを奪って来たからだ。
US Official Says There Are No Plans To Withdraw from Syria
2024/04/07の記事で近東問題担当のイーサン・A・ゴールドリッチ国務次官補は、米国にはシリアから軍隊を撤退させる計画は無いと語った。
米国はシリア東部に約900人の軍隊を駐留させ、クルド人主導のシリア民主軍(Syrian Democratic Forces/SDF)を支援している。これによってワシントンはシリア領土の約1/3に対する違法な支配・占領を継続している。
米国は占領はISISの残党との戦いが目的だと主張しているが、未だ終わらない駐留は寧ろシリアとその同盟国であるイランをその地域から遠ざけ、シリアの重要資源である石油を支配するのが目的だ。この占領は、戦乱からの復興を阻止することを目的とした壊滅的な制裁を含む、シリアに対する経済作戦の一環でもある。
ゴールドリッチは対ISIS作戦について触れ、米国はその「任務」が完了するまではシリアを離れるつもりは無いと述べた。
「我々はシリアから撤退する予定は有りません。我々はISISの復活を阻止し、ISISに対抗し、パートナーと協力すると云う使命を継続し、遂行する予定です。」
彼はまた米国の占領は「(正当な選挙で選ばれたバシャール・アル=アサド)政権の責任を追及する」為だと述べた。
彼はまたシリアと地域諸国の関係正常化に米国が反対していることを繰り返した。アラブ諸国はアサドを打倒することが不可能である現実を受け入れ、シリアとの関係を回復しつつある。
今年初め、米国がシリア撤退を検討しているとの報道が有ったが、後にSDFは米国から部隊が残留すると云う確約を得たと発表した。
米国はまたイラクとも撤退の可能性について協議を開始したが、進展の兆しは無い。米国はイラクに約2,500人の軍隊を駐留させ、米国のシリア占領を支援している。
ガザでのイスラエルの猛攻撃の結果として西アジア地域の緊張がエスカレートする中、イラクとシリアに駐留する米軍は、より広範な戦争への潜在的な架け橋として機能している。
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