米国はソ連の細菌線戦犯引き渡し要求を拒否(1950年)
2021/08/20、ロシア連邦保安庁はソ連時代の機密解除された一連のアーカイヴを公開した。
Imperial Japan tested biological weapons & new poisons on Soviet prisoners, treasure trove of WWII declassified documents reveals
ロシアで機密解除 昭和天皇の引き渡しを米国に要請したソ連外交文書
これらには大日本帝国軍による赤軍兵士とソ連民間の扱いが記録されていた。
満州に不時着したソ連軍パイロットを含む150名は、中国人の様に労働力を補う為に日本本土に強制連行される代わりに、悪名高い関東軍731部隊等に送られて、炭疽菌や腺ペスト等の「新種の有毒化学物質や細菌性物質」の実験台にされた。これらの実験は、ペストに感染したノミを詰めて人口密集地で爆発させる「細菌爆弾」等の開発が目的だった。
戦後に行われた捜査では、強制収容所副所長は約40人を死に追いやったことを認めた。
日本を占領した米軍は彼等戦争犯罪者達をハバロフスク戦争犯罪裁判でハルビンの731部隊(正式名称は「関東軍防疫給水部本部」)、南京の1644部隊、長春の100部隊(関東軍軍馬防疫廠)の軍幹部達の罪を問うた。
裁判の結果を受けて、ソ連当局はマッカーサー連合国最高司令官に向けて、ソ連国外に居るが裁判で有罪となった48名のリストを送った。それは戦犯として被告席に立たせることを目的に、以下の5人の引き渡しを要求していた。彼等全員は「細菌兵器開発と使用に関与している」と日本人が証言していた。
・昭和天皇
・731部隊初代部隊長石井四郎
・731部隊2代目部隊長北野政次
・100部隊獣医少将若松有次郎
・関東軍総参謀長笠原幸雄
この書簡は「ソ連、中国、モンゴル、米国、英国の国民に対して致命的な細菌を使用するための準備として、日本の狂信者はこの大量殺戮兵器を中国とソ連を中心とする数千人に対して人体実験を行った」とも指摘しており、731部隊だけでも「非人道的な犯罪実験を行うことにより、3000人以上の残忍な殺害に関与した」と述べている。
「ハバロフスク裁判では、細菌兵器を日本軍が開発していただけでなく何度か使用していることも証明されている。1939年にハルハ川付近でモンゴルとソ連に対し、また1940-42年の日中戦争時に日本軍『細菌調査団』がペストとチフスを流行させた。」
「ソ連の外交文書は1950/02/01にアレクサンドル・パニュシキン駐米ソ連大使によりディーン・アチソン国務長官に手渡されている。しかし米国側はソ連側の主張を無視し、ソ連が要請した5人を引き渡すことはなかった。」
米軍はこの戦争犯罪の詳細を全て隠蔽し、部隊の知見を引き渡すことと引き換えにこれらの加害者達を免責したが、彼等は戦後日本の医学会で何食わぬ顔をして高い地位に就くことになった。米国側がこの件で裁いたのは1948人に9人だけ、捕らえた米国人飛行士の生体解剖を行ったとして日本人医師教授と医学生達が裁かれただけだった。日本の医学会の善意を無邪気に信じているであろう大多数の日本人達は、恐らくそうした歴史を知らないか、既に過去の終わった話だと思っているのだろう。
この知見は後に朝鮮戦争でも活用されているし、その後も米軍やCIAは執拗に生物兵器開発を繰り返し、実際に何度も使用している。パンデミックが始まる3ヵ月も前にウクライナでCOVID-19の研究を行っていた米国防総省のバイオラボ等もこの流れを汲んでいる訳だから、この話は昔に終わった話ではなく現在にまで続く問題であって、現代の帝国秩序の悍ましい内実を理解する上で押さえておかねばならないことだと思う。
Imperial Japan tested biological weapons & new poisons on Soviet prisoners, treasure trove of WWII declassified documents reveals
ロシアで機密解除 昭和天皇の引き渡しを米国に要請したソ連外交文書
これらには大日本帝国軍による赤軍兵士とソ連民間の扱いが記録されていた。
満州に不時着したソ連軍パイロットを含む150名は、中国人の様に労働力を補う為に日本本土に強制連行される代わりに、悪名高い関東軍731部隊等に送られて、炭疽菌や腺ペスト等の「新種の有毒化学物質や細菌性物質」の実験台にされた。これらの実験は、ペストに感染したノミを詰めて人口密集地で爆発させる「細菌爆弾」等の開発が目的だった。
戦後に行われた捜査では、強制収容所副所長は約40人を死に追いやったことを認めた。
日本を占領した米軍は彼等戦争犯罪者達をハバロフスク戦争犯罪裁判でハルビンの731部隊(正式名称は「関東軍防疫給水部本部」)、南京の1644部隊、長春の100部隊(関東軍軍馬防疫廠)の軍幹部達の罪を問うた。
裁判の結果を受けて、ソ連当局はマッカーサー連合国最高司令官に向けて、ソ連国外に居るが裁判で有罪となった48名のリストを送った。それは戦犯として被告席に立たせることを目的に、以下の5人の引き渡しを要求していた。彼等全員は「細菌兵器開発と使用に関与している」と日本人が証言していた。
・昭和天皇
・731部隊初代部隊長石井四郎
・731部隊2代目部隊長北野政次
・100部隊獣医少将若松有次郎
・関東軍総参謀長笠原幸雄
この書簡は「ソ連、中国、モンゴル、米国、英国の国民に対して致命的な細菌を使用するための準備として、日本の狂信者はこの大量殺戮兵器を中国とソ連を中心とする数千人に対して人体実験を行った」とも指摘しており、731部隊だけでも「非人道的な犯罪実験を行うことにより、3000人以上の残忍な殺害に関与した」と述べている。
「ハバロフスク裁判では、細菌兵器を日本軍が開発していただけでなく何度か使用していることも証明されている。1939年にハルハ川付近でモンゴルとソ連に対し、また1940-42年の日中戦争時に日本軍『細菌調査団』がペストとチフスを流行させた。」
「ソ連の外交文書は1950/02/01にアレクサンドル・パニュシキン駐米ソ連大使によりディーン・アチソン国務長官に手渡されている。しかし米国側はソ連側の主張を無視し、ソ連が要請した5人を引き渡すことはなかった。」
米軍はこの戦争犯罪の詳細を全て隠蔽し、部隊の知見を引き渡すことと引き換えにこれらの加害者達を免責したが、彼等は戦後日本の医学会で何食わぬ顔をして高い地位に就くことになった。米国側がこの件で裁いたのは1948人に9人だけ、捕らえた米国人飛行士の生体解剖を行ったとして日本人医師教授と医学生達が裁かれただけだった。日本の医学会の善意を無邪気に信じているであろう大多数の日本人達は、恐らくそうした歴史を知らないか、既に過去の終わった話だと思っているのだろう。
この知見は後に朝鮮戦争でも活用されているし、その後も米軍やCIAは執拗に生物兵器開発を繰り返し、実際に何度も使用している。パンデミックが始まる3ヵ月も前にウクライナでCOVID-19の研究を行っていた米国防総省のバイオラボ等もこの流れを汲んでいる訳だから、この話は昔に終わった話ではなく現在にまで続く問題であって、現代の帝国秩序の悍ましい内実を理解する上で押さえておかねばならないことだと思う。
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