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全戸一括型マンションISPの特徴、供給数の推移、市場動向

集合住宅の全戸分に対し、一括してインターネット接続サービスを提供する事業者(全戸一括型マンションISP)の特徴、供給数の推移、市場動向についてメモ書きしました。

※全戸一括型マンションISP:集合住宅の全戸分にインターネット接続サービス(光回線ベース)を一括で導入・提供する事業者。

(1)全戸一括型マンションISPの提供戸数推移

・2023年3月末  500万戸
・2022年3月末  442.7万戸
・2021年3月末  365.6万戸
・2020年3月末  315.1万戸
・2019年3月末  272.9万戸
・2018年3月末  225.6万戸
・2017年3月末  183.8万戸
・2016年3月末  163.2万戸
・2015年3月末  145.7万戸
・2014年3月末  127.9万戸

(2)市場動向

1)2014年
・モバイルインターネットの普及を受け、固定ISP市場は成長鈍化が鮮明。
・全戸一括型のマンションISP市場は新築マンションの建設増加や、資産価値向上を目的とした既築マンションでの導入を背景に堅調に拡大。

2)2015年
・任意加入型のISP市場の成長が鈍化する一方、全戸一括型マンションISP市場は新築物件の建設やストック数の増加を背景に、資産価値向上等を目的としたサービス導入が一層進み、今後も拡大すると予測。
・賃貸向けの物件ではスマートロックやクラウド型監視カメラなどのIoT商材を始め、映像コンテンツや壁面コンセント埋め込み型Wi-Fi等の付加価値商材に対する需要の増加とともに、より高品質な通信サービスが求められるようになってきている。

3)2016年
・物件の資産価値向上等を目的としたサービス導入が一層進み、今後も継続的に拡大すると予測。
・賃貸物件向けにはオーナーや管理会社向けのポータルサイトなど、マンション・アパート経営を支援するためのサービスが顧客から高い支持を得ており、価格面以外のサービス提供が重要になってきている。

4)2017年
・インターネット接続サービスの低価格化が進む中、差別化による収益力向上をめざし、新たなサービス競争が展開されると予測する。

5)2018年
・スマートロックや家電コントロールなどのマンション向けIoTサービスは話題性が高く、一部の先進顧客で導入が始まったものの、足元の消費者ニーズはそれほど高まっていない。マンションISPの付加価値商材による差別化が依然として難しい状況にある。
・価格が重視されがちな同市場においても通信品質はより重要性が増しており、顧客獲得におけるポイントの一つとなり始めている。

6)2019年
・全戸一括型マンションISP各社は既築の賃貸物件への導入に一層注力することから、同既築向け市場におけるインターネット導入が増加すると予測する。
・動画などの大容量のリッチコンテンツやクラウドサービスの利用によるトラフィックが一貫して増加していることから、マンションISP事業者は安定したインターネット環境を提供する回線品質の維持が課題となっている。

7)2020年
・既築の賃貸市場は全戸一括型のインターネットが未導入の物件が多く、入居率向上を目的としたオーナーや管理会社の導入意向は引き続き高い。全戸一括型マンションISP各社が既築の賃貸物件への導入に一層注力することから、同市場セグメントにおけるインターネット導入が増加すると予測する。
・在宅勤務等によって、インターネットの通信品質の重要性が以前にも増して高まっている。マンションISP各社は通信品質を担保するため、IPoE※サービスの導入や複数の回線事業者からの調達など負荷分散に努めており、10Gbpsの高速通信に対応した新たなサービスの提供も始めている。
※IPoEは「Internet Protocol over Ethernet」の略で、イーサネットを使用してIPパケットを伝送する通信方式。一般的に従来型のPPPoE方式より高速なインターネット通信ができる。

8)2021年
・賃貸を中心に未導入が多い既築物件での固定インターネット設備の需要は根強く、同セグメントにおける全戸一括型インターネット導入が増加すると予測する。
・新規案件の獲得には、テレワーク等で求められる通信品質をいかに担保できるかが鍵を握る。安定かつ高速大容量の通信に対応するため、優先ルートでインターネットに接続できる新たなサービスの提供も始めている。
・インターネット回線の輻輳を回避すべくIPoEサービスの導入や複数の回線事業者からの分散調達、10Gbpsサービスの提供にも力を入れている。

9)2022年
・高速かつ安定したインターネットを求める声が高まる中で、各社はインターネット回線の輻輳を回避すべくIPoEサービスの切り替えや複数の回線事業者からの調達を進めるなど迅速に対応している。
・マンション棟内光配線方式や1Gbps超のインターネット回線への需要も徐々に高まっている。
・これまではコスト面を重視する物件オーナーや管理会社が多かったが、多少料金が高くても品質面を重視する傾向が増えており、マンション全戸一括型インターネットに対する考え方が二極化しつつあると言える。

10)2023年
・全戸一括型インターネットでは通信品質の重要性が継続的に高まっており、各住戸まで光回線を引くマンション棟内光配線方式や10Gbpsなど1Gbpsを超える通信速度のインターネット回線への需要が年々高まっている。


(3)各事業者の特徴

●つなぐネットコミュニケーションズ
・2018年4月からは「マンション全戸一括 10Gタイプ」の販売を開始。
・大規模物件では、構内光配線方式を採用した「マンション全戸オールギガ光配線タイプ」や「マンション全戸一括 10Gタイプ」などの高速・高品質な通信サービスが増加傾向にある。
・棟内LAN配線で各住戸まで2.5Gbpsや5Gbpsの通信速度を実現するサービスや、光配線方式による10Gbpsなどで高まる高速・高品質サービスのニーズを獲得。
・賃貸物件向けには機能を絞った「UCOM光 レジデンス シンプルタイプ」を用意。
・2020年6月には新たに小規模の賃貸物件向けインターネット「UCOM光 レジデンス Five.A(ファイブ・エー)」の提供を開始。次世代ネットワーク方式「IPv6 IPoE」の採用により、小規模な賃貸物件においても分譲物件さながらの高い通信品質を確保。
・2021年8月にオプションとして提供開始したSD-WANを活用した「Connectix(コネクティクス)」の効果が注目される。同サービスは利用者ごとに接続するための優先ルートを用意することでスムーズな接続環境の提供を可能にしており、在宅勤務やオンライン授業、動画視聴、オンラインゲームなど高速・大容量の通信ニーズに対応する。

〇旧アルテリア・ネットワークス「UCOM光レジデンス」
・回線事業者であり、独自の光ファイバーネットワークを持つことによる品質が強み。
・マンションの各住戸への構内配線に光ファイバーを採用する「マンション全戸オールギガ光配線タイプ」など、回線からインターネット接続まで一貫して提供できる通信キャリアの強みを活かした高品質のサービスを提供
・4K・8K実用放送を視野に入れた「スカパーJSAT施設利用サービス」の構内光配線による提供。
・2017年4月以降は、電話回線を用いて最大1Gbpsのサービスを提供できるG.fast規格に対応したプランなど、賃貸向けの新たなラインアップを追加。

〇旧ネットコミュニケーションズ「e-mansion」
・マンション管理組合や管理会社、デベロッパーなどには情報管理が可能なWebツール「Mcloud(エムクラウド)」も提供

●東京電力グループのファミリーネット・ジャパン「CYBERHOME」
・スマートフォンやスマートスピーカーから住宅設備や家電を制御するrimocoは、床暖房はじめ住宅設備で多く見られる有線接続機器と、テレビやエアコンといった赤外線家電の双方に対応できるよう今秋に本体機器を刷新。
・高品質なインターネット接続環境を提供するために順次IPv6 IPoEへの切り替えを進めている。
・2023年度以降は、東急不動産物件向けにインターネット回線の冗長化を標準採用するなど、通信品質の向上にさらに力を入れる。

●D.U-NET
・大和ハウスの賃貸住宅「D-room」向けへの導入が進む。
・既存のインターネット未導入物件への対応も積極的に進める。
・近年はインターネット回線品質の向上を目的に10Gbps化も積極的に進めており、他社導入物件の切り替え需要も取り込む。

●ギガプライズ
・OEM先からの受注が新規、既存物件共に大幅に増加。
・OEM提供分を含めると2019年3月末時点の提供戸数は42.5万戸(年間16.8万戸増)と躍進し、1位のつなぐネットコミュニケーションズに次ぐ規模となった。
・NECネッツエスアイ、Broadcomと共同開発した既存電話線を用いた集合住宅向けISPサービス「SPES(エスピーイーズ)」や、通信機器メーカーのディーリンクジャパンと開発した脱着式のWi-Fiアクセスポイント「PWINS(ピーウィンズ)」の導入を加速させる。
・専用線型・優先ゲート方式インターネット接続サービス

●ファイバーゲート
・マンションWi-Fi入居者無料サービス「FGBB」は、主力とする既築の小規模賃貸アパートのほか、新たに開拓したハウスメーカーの新築賃貸物件や投資用分譲マンションでの導入も進んでいる。
・ホームIoT「FG Home IoT」の提供を開始。

テーマ : 不動産投資
ジャンル : 株式・投資・マネー

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Author:ほのぼにずむ
田舎暮らしをめざしている40過ぎの独身男性です。
現在、ワンルームマンションなど7部屋保有しています。
市民農園を借りて野菜暮らしの勉強を始めたり、田舎ででも仕事が出来るように在宅ワークについても挑戦中です。

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