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共同住宅のインターホンシステムと消防設備との関連性

(1)インターホンシステムが消防用設備に移行した経緯

1)戸別チャイムからセキュリティインターホンへ

〇戸別チャイム:~1980年代前半
・戸建て住宅と同様に住戸ごとに戸別のチャイムやインターホンが設けられ、機能は確認通話程度に限られていた。

〇セキュリティインターホン:1980年代前半
・来訪者とのインターホン機能だけでなく、マンション全住戸の火災、ガス漏れ、非常警報等のセキュリティ警報を管理人室で集中監視するシステムが導入。

2)消防用設備への移行

・セキュリティインターホンの普及と有効性を鑑み、国は住宅火災の防止のためセキュリティインターホン設備を消防用設備として認定(住戸用自火報設備)。
・住戸用自火報設備をマンションに導入することで屋内消火栓等の消防設備が緩和され、建築コストや維持メンテナンスコスト削減が可能となった。
・現在では、マンションのインターホン改修は住戸用自火報を用いた改修が基本となっている。

(2)消防設備としてのインターホンシステムの設置、改修時の注意点

1)導入時

・消防設備として設置されているインターホンシステムは、その仕組みを含めて建築確認申請がなされている。これにより、他の消防設備(屋内消火栓設備・非常警報設備等)が免除されている場合があり、竣工時には、消防立ち会い検査にて基準どおり機器が設置されているか、その機能に不備がないか等をチェックした後、引き渡される。

2)改修時

・インターホン設備の改修時には、消防認定の設備を使用しなければならず、1住戸でも個人で認定品以外の機器を取り付けてしまうと、マンション全体が消防法に違反することにもなる。

(3)消防設備としてのインターホンシステムの機能の例

・住戸内火災感知器が警報鳴動した際、住戸内インターホン親機と玄関子機が警報鳴動し周囲に感知器発報を知らせる
・住戸内火災感知器が警報鳴動した際、上記に加え、出火階・直上階でインターホン親機が警報鳴動し周囲に感知器発報を知らせる
・玄関子機からの遠隔試験により、住戸内火災感知器の点検ができる
(消防点検時に不在住戸の感知器点検が可能。ただし、目視の確認は居住者にて必要)

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