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カーネーション:再放送 (第91,92回・2018/7/31) 感想

連続テレビ小説「カーネーション」

NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』公式
第16週『揺れる心』の『第91回』と、第17週『隠しきれない恋』の『第92回』感想。


 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


【第91回】
千代に「毒気を抜かれて」以来、北村(星田英利)は素直になってしまった。開店が近づき、残業しようとする糸子(尾野真千子)だが、周防(綾野剛)に勧められて組合の月会合に出る。戦争で焼かれたものは戻らない、時代を切り開け、と語る三浦(近藤正臣)。北村、周防、それぞれが抱えているものに思いをはせる糸子。帰り道に周防への切ない思いをかみしめる。開店の朝、美しい洋服姿の糸子は、ある決意を固めていた。

【第92回】
糸子(尾野真千子)を周防(綾野剛)が抱きしめたところを、北村(星田英利)が見ていた。動揺する糸子。家に戻った糸子は着物に着替えず、洋服のまま店に出る。その夜、初めて自分のために女性らしいデザインの洋服を仕立て、次々に新しい服を縫って店に出すようになる。ある日、三浦(近藤正臣)から、糸子と周防にだまされたと北村が言っていると聞き、北村も糸子にほれていたと知る。驚く糸子だが、そこに周防が現れる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---

【第91回】夜空を仰ぎ、ポツリと言うモノローグと台詞にグッと…

本放送時は、2012年1月21日(土)で、第16週『揺れる心』の最終日。

組合の月会合に出席した糸子。「時代を切り開け」と唱える組合長や、男所帯に育った北村らを見て、ふと、善作、勘助、泰蔵、勝と言う自分が好きだった男性が、全て戦争で焼かれてしまったことを思い出す。

切ない気持ちでの帰り道。アメリカ兵と洋服を着た日本人女性の楽しそうなカップルと擦れ違い、つい目で追ってしまう。そんな糸子が、夜空を仰ぎながらポツリと言うモノローグと台詞…

糸子(M)「そういう人らを 全部なくして
     開いた でっかい穴のところに
     えらい人が 入ってきてしもた」
糸   子「かなんなあ…」
糸子(M)「恋しいて 恋しいて…」
糸   子「人のもんやのに…」

月明りを浴びながら、天からのお告げでも待っているような糸子の目から、一筋の涙が零れ落ちる。う~ん、グッと来る、いいシーンだ。

序盤で商売人の糸子、中盤で女の糸子、終盤はその集大成

15分の序盤で、4月15日に開店が決まった北村の店「北村商店」で、商売人としての糸子を描き、中盤では女としての糸子を描く。そして、それらの集大成として、ラストシーンが来る。

糸子と周防、そして北村たちは、着々と開店準備作業を進めて行く。そして、開店当日の早朝。糸子は珍しく白いブラウスと黒のスカートの洋装で、紅を差し化粧をした。糸子が工場に来ると、徹夜状態の周防がソファーで寝ていた。

糸子は周防に「無事 開店おめでとうございます」と、花のついている桜の枝を渡す(現代では、桜の枝は折ってはいけません)。周防が糸子が洋風を着ていることに気付いて、糸子の全身を見て…

周防「よう似合っとですよ」
糸子「周防さん。うちは 今日で しまいです。
   最後に 言わせて下さい。
   好きでした。ほんなけです。ほな さいなら」

糸子は、出来るるだけ感情を込めないような淡々とした口調で喋り、出入り口のドアを開けようとする。すると、周防が糸子の腕を掴み、一時の間があって、糸子を抱き寄せる。

周防「おいもです。おいも… 好いとった。ずっと…」

そんな2人を廊下の窓の外から、北村がじっと見ていた…

周防が糸子を意識しているように描いて来なかったから…

個人的には、描いて欲しいと思っていたが、NHKが、それも朝ドラで描くのか半信半疑だったが、まさか周防に「おいも… 好いとった」と言わせたのには驚いた。実は、この展開は史実から予想していたのだが、これまで “周防が” 糸子を “意識している” ように描かれて来なかったから半信半疑だった。

だが、実際にこうして映像になると、敢えて “周防が” 糸子を “意識している” ように描かれて来なかったからこそ、妻子持ちの周防の苦悩と言うか、整理出来ない気持ちをラストで描いたように見えた。なかなか、面白くなって来たぞ。

あとがき

いよいよ、と言う感じはするのですが、どこか物足りなさもあります。

特に、次週の予告編を見ると、どうやらガッツリと描きそうな「糸子と周防の関係」とのバランスを考えると、それ以外のこと、例えば、糸子と玉枝や奈津とのその後や、糸子の三姉妹との親子関係、そして何より仕事パートに欠かせない新たな存在である松田恵について、もっと掘り下げて描いておいても良かったかなと。

だって、あと2か月と少ししか無い訳で、当初の2か月と比べると、勢いが落ち着いてますから。それに、更に言うなら、年明けに周防が登場してから、ずっと引っ張っている訳で。でも、気合の入ったNHKの次週に期待しようと思います。



【第92回】糸子が「機関車」なら、「恋心」も「石炭」…

本放送時は、2012年1月23日(月)で、第17週『隠しきれない恋』の初日。確かに、糸子が働いたり、洋服を作ったりするのを「機関車」に例えると…

これまでは「父・善作への対抗心」や「男性社会への反発心」や「世間体への不満」などが「石炭」の役目を果たしていたのが、実は「恋心」も大きな「石炭」になると言うのは、亡き夫・勝との結婚や。勝と菊乃との浮気への言動から脈々と続いていた訳だ。

それらが、この度の糸子と周防の抱擁を描いたことで、朝ドラとしては斬新なエピソードとして「不倫」が描かれるのは興味深いし、残り2か月と少しの本作としては、視聴者側に対しても大きな話題性を振り撒いたとは思う。

勿体ない! 北村の描写にぞんざいさと違和感が…

ただ、そこを描こうとするがあまりなのか、北村が糸子を好きだったことや、今回の北村のやり口の子どもっぽさなど、正直これまで描かれて来た北村からは想像し難い展開になったような。

ラストシーンでも、北村がドアを開けて登場するかと思いきや周防。『隠しきれない恋』のサブタイトルだから、1週間は描くだろうが、どうなるか?

あとがき

当時は、朝ドラのヒロインの不倫を描くのは賛否両論があったんでしょうね。「女一代記」としては面白いと思いますが、あまり引っ張っても興味本位な内容で進んでしまうと、折角の雰囲気が壊れてしまいそうな気もします。

そして何より、本作はモデルがある訳で、あの有名な三姉妹を育て上げた岸和田のおばちゃんだから脚光が浴びた訳ですから、何よりも三姉妹の子育てに孤軍奮闘する姿を描くべきと思います。でも、予告編を見る限りでは、そうならないような気がして、月曜日分から今週はちょっと心配です…

最後に。前回の感想に 103回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。再放送の公式サイトを見ると、8月6日(月)の放送予定が書かれていません。従って、私の予想通り、高校野球の放送で、6日(月)から21日(火)まで、また一時休止になるようです。この1週間、大切に見ましょう!

残念ながら、ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレを書いて「教えてあげるよ」と言わんばかりの人が増えて、困っています。本当にネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※また、今週末までテンプレです(謝)

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★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/11667/

【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,1617,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32 33,34 35,36
第7週『移りゆく日々』
37,38 39,40 41 42
第8週『果報者』
43 44,45 46,47 48
第9週『いつも想う』
 49 50,51 52,53 54
第10週『秘密』
55 56,57 58,59 60
第11週『切なる願い』
61 62,63 64,65 66
第12週『薄れゆく希望』
67 68,69 70 71,72
第13週『生きる』
73,74 75
第14週『明るい未来』
76 77,78 79
第15週『愛する力』
80 81,82 83,84 85
第16週『揺れる心』
86 87,88 89,90

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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