カーネーション:再放送 (第33,34回・2018/5/10) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』(公式)
第6週『乙女の真心』
『第33,34回』の感想。
※ 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視します。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
【第33回】
善作(小林薫)は、糸子(尾野真千子)の独立はまだ早いと、紳士服専門店へ修業に行かせる。意地の悪い店主(団時朗)や同僚に苦労する糸子だが、ひとり川本勝(駿河太郎)という職人だけは愛想がよい。一方、玉枝(濱田マリ)から、勘助(尾上寛之)の帰りが遅く、家に給料を入れなくなったと相談される。探るうちに糸子は、勘助がダンスホールに入り浸っていることを突き止める。目当ては美しい踊り子・サエ(黒谷友香)だった。
【第34回】
紳士服ロイヤルに、ダンスホールの踊り子・サエ(黒谷友香)が現れ、糸子(尾野真千子)は仰天する。サエはイブニングドレスを注文しに来たのだ。“金に糸目をつけない”というサエに店主(団時朗)は喜ぶが、任された糸子はイブニングドレスを見たこともない。八重子(田丸麻紀)らにアドバイスを求めたりした末、祖母・貞子(十朱幸代)を頼る。糸子は一方で、最近飲みすぎの善作(小林薫)のふがいなさに寂しさを感じていた。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---
【第33回】ん? アバンが前回の終盤から始まった!
前回の感想で、「アバンの有無を含めた構成が見事だと言わざるを得ない」と書いたから、今回はどうかと思って見たら、アバンが前回の終盤から始まった。おやっ? と思ったら、前回とののり代はほんの僅かで、糸子が1日歩き回って集金ゼロと言う展開へ進んだ。前回、客第1号で成功した糸子が、また苦難にぶつかっている。ドラマは前進あるのみだ。
期待を裏切らない脚本は見ていて気持ちが良いぞ!
主題歌明け、「善作の息の掛った洋品店か何かに修行に行かせるのか?」と前回の感想のあとがきに書いた通りの展開へ。いやぁ、私の期待を裏切らない脚本は見ていて気持ちが良い。
ただ、意外だったのは、最初の場面の尺が短かったこと。脚本家の意図を想像してみると、本放送だと水曜日に当たるから、もしかしていつもの "2回括り" でなく、週末までの "4回括り" で描くのかも? そう考えないと、期待を裏切らない脚本にはならないから。これまた楽しみが増えた。
もしかして、週末までの4回で「起承転結」か?
さて、話は唐突に家に給料を入れない勘助のくだりへ…と思ったら、如何にも、先程の紳士服専門店の意地の悪い店主と絶対にぶつかりそうな、美しい踊り子・サエが登場。なるほど、どうやら本当に店主とサエの間で揉まれ苦しむ糸子が "4回括り" で描かれそうだ。こうなると、4回だから1回ずつで「起承転結」だろうか。
だとすると、この第33回は「起」だ。珍しいね、こう言う展開。本作では初めてでないだろうか。糸子がメインでなく、糸子を中心にした脇役のエピソードを本格的に描くのは。
ここでお手並み拝見したいのは、どう考えても紳士服専門店のくだりが長く続くはずはない。だとすると、ここでまた、糸子が客の注文を仕上げる段階で、新たな発見をし、次に繋がるエピソードのはずだ。なんか、とっても新鮮に感じた第33回だった。
【第34回】「承」だから、アバンは無くて至極当然だ!
さて、第34回は、私の予想では「起承転結」の「承」だから、アバンタイトルが無いのは当然。だって、「起」を直接受け止めるのが「承」の役割だから、本来なら30分ぶち抜きでも良い位だからだ。
「夏」に「3ピースの背広」で店主のキャラを描いた!
さて、主題歌明け。前回で描写不足だった「夏」の季節感を冒頭に持って来たのはいいね。
紳士服専門店「ロイヤル」の例の癖の強い店主は、3ピースのスーツに蝶ネクタイで暑苦しく見せて、「ロイヤル」の職人たちは当然上着は傷にシャツも腕まくり。これだけで、店主が相当の変わり者であると同時に、背広が洋服の中で一番素晴らしいと思っているのも分かる。映像で説明するのは良いこと…なんて、今さら本作の感想で書く必要もないか。
八重子で決着付けずに、貞子を登場させて "捻り"を加えた
正に「承」だ。立て板に水と言う例えが相応しいか分からないが、自然な流れで「ロイヤル」にサエがイブニングドレスを注文しに来た。そして、イブニングドレスを見たこともない糸子がイブニングドレスを作ると言う苦悩と葛藤が始まった。ここの展開は、前回の駒子の洋服を作った時と同じ構成で、八重子に相談だ。
まあ、本作のことだから、駒子と同じ戦法で乗り切るなんてことはしないと思ったら、祖母・貞子が登場した。こう言った "捻り" が大切なのだ。似たような展開にちょっと違ったスパイスを振り掛ける。だから、次が見たくなるのだ。
「時の移ろいと老い」を痛感する糸子をしっとり描く…
それにしても、この第33回と第34回は、本当に新鮮な展開だ。糸子の夢を描きながら、先日の奈津の父親が倒れたくだりを利用して、最近飲み過ぎの善作に無力さを感じたり、体調の優れない貞子を心配したりして、「時の移ろいと老い」をしみじみと感じる糸子を、しっとりと描いた。
糸子(N)「うちらが 大人になった分だけ
大人も 年 取っていくんやな」
とても、唐突な感じのエンディングだったが、このことが次回以降にどう活かされるのか? 実に楽しみだ。もしかすると、"4回括り" でなく "週跨ぎ" のエピソードになるかも…なんて、期待もしたくなった第34回だった。
あとがき
いやぁ、上でも書きましたが、めっちゃ新鮮な2回分でした。特に、2回連続で見たせいもあるでしょうが、紳士服専門店「ロイヤル」のくだりは異色な展開で面白くなりそうです。
きっと、駒子の時のように、今度はサエのドレスへの思いを汲み取って作り上げるのでしょうが、同じことはしないはずですから、何か新たな技法なり手法を編み出すのかな? 初見の皆さん、楽しみですねぇ。
最後に。前回の感想にナント今回も 160回ものWeb拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。今回は演出面には触れずに、この新鮮な構成に注目してみました。強烈な新キャラが2人も登場したからには、パッチ屋や駒子とは一味も二味も違った面白さを魅せてくれると信じて、明日を待ちます。
でも、明日も仕事が追い込みに入っているので、感想の投稿は遅くなると思います(謝)
ご本人は気付かずに(だと思いますが、結果的に)ネタバレをコメントに書いている人が、多くて困っています。ホント、ネタバレは止めて下さい! 私以外にも、今回が初見で番組と感想を楽しみにしている読者さんがおられるので。引き続き、ご協力お願いいたします。 ※しばらくの間、テンプレです(謝)
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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2 3,4 5,6
第2週『運命を開く』
7,8 9,10 11,12
第3週『熱い思い』
13,14 15,16> 17,18
第4週『誇り』
19,20 21,22 23,24
第5週『私を見て』
25,26 27,28 29,30
第6週『乙女の真心』
31,32
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