カーネーション:再放送 (第3,4回・2018/4/12) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『カーネーション』(公式)
第1週『あこがれ』
『第3,4回』の感想。
※ 私は本作を未見なので、ネタバレのコメント等は無視します。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
【第3回】
吉田屋で客の同情を買って、まんまと集金に成功した糸子(二宮星)。父・善作(小林薫)に喜ばれて有頂天になるが、善作は女である糸子に商売を仕込む気はなかった。正月、糸子は妹たちと共に、母・千代(麻生祐未)の実家へ挨拶に行く。千代は善作に代わり、祖父・清三郎(宝田明)に借金を申し込む。一方、糸子はいとこに誘われ、近所の洋館での外国人の舞踏会をのぞく。夢のように美しいドレスに我を忘れてみとれる糸子だった。
【第4回】
糸子(二宮星)は、舞踏会で見たドレスが目に焼きついて離れず、あこがれを募らせる。一方で、集金先の菓子屋で万引きをした男子をこらしめる。だが、逆に仕返しのケンカを売られ、河原で悪ガキと取っ組み合う。帯の間から、集金したお札が川に流され、あわてて追いかけた糸子は溺れかけるが、泰蔵(須賀貴匡)に助けられる。ずぶぬれで帰った糸子は、「女が男と張り合おうと思うな」と善作(小林薫)に思い切り頬を殴られる。
---上記のあらすじは[NHK番組表]より引用---
【第3回】音や照明での雰囲気作りが心地良い…
前2回では、ざっくり言うと主人公・糸子の “ダンディズムへの憧れ” が描かれた。そして、第3回の冒頭で、娘・糸子の商いのセンスや根性のあるところは大いに認めるものの、「女」と言うレッテルが付いた娘に父の善作は商いを仕込む気は無いと来た。
僅かに抵抗しつつも、それが時代であると察する糸子が、夜道で小石を蹴る姿が意地らしかった。善作のどっしりとした下駄の音、虫の鳴き声、夜道のアンバーな灯り…いずれも、良い雰囲気だ。
岸和田から神戸への、場面&時間経過が丁寧だった
場面は岸和田から神戸に移るが、これもオーバーラップを使わず、スカッと青空と汽笛でカットチェンジ。夜から昼間、年変わりをダラダラと描かず、スパッと切り替えるのが気持ちが良いし、まるでこの威勢の良さが前回での岸和田のだんじり祭りに通じるようだ。冒頭の神戸で有名な風見鶏の館(旧トーマス邸)も美しかった。
正月の着物を着た女の子たちを、軽い下駄の音と共に帯が見えるように最初は背後から撮って、次に新年の挨拶を元気いっぱいでする糸子へも、何の変哲もない基本中の基本のカット割りだが、前のシーンでの石蹴りをしていた糸子が正面向きだったから、時間経過がとても分かり易い。要は丁寧な演出だってことだ。
千代の実家のに、余り踏み込まなかったのも良かった
気が付いてみれば、まだ第3回。十分に全体の状況説明をする時期だ。神戸にある糸子の母・千代の実家・松坂家に舞台は移った。私がここで気に入ったのは、松坂家がどんな商売をしているのか店の全景や看板などを最初に見せなかったこと。見せちゃうと、完全に話が神戸になっちゃうから。
だって、あくまでも今は状況&設定説明だけなんだから、立派な門松を飾った大きな門構えのお屋敷と豪華なお節料理、そして家人たちの喋り方や千代との接し方で、今の主人公が置かれている状況、要は善作が営む「小原呉服店」の経営があまり順調でなく、且つ嫁入り先と善作と上手く行っていないってことのようだ。
大正モダニズムと真っ赤なカーネーションが印象的だった
それにしても、日本文化と西洋文化が交じり合う美しい「大正モダニズム」の世界をよく再現したものだ。舞踏会を覗き見るシーンに登場した建物もご存知の方も多いだろうが、映画やドラマのロケ地としても有名な「大阪市立中央公会堂」だ。
今回はこのまま終わるかと思いきや、見知らぬ外国人の大人たちに混ざってダンスを始めた糸子。やはり根性が座っていて、好奇心が強いようだ。そして、髪飾りに付けていた “真っ赤なカーネーション” が印象的なラストだった。
【第4回】ちゃんと前進してる…
前回のラストでは、外国人に驚いていたように描かれていたが、今回のアバンタイトルでは、実は糸子は女性たちの着ている舞踏会用のきらびやかなドレスに目を輝かせていた…と言うところからスタート。うん、ちゃんと前進している。こう言うのがホント大事なのだ。
この男の子が、のちの "あの平吉" か…
さて、話は順調に進んでいく。ここでちょっと面白く見たのが、団子を盗んだ2人組の1人である平吉の兄・寛太がちょっと小林薫さんに似てたこと。如何にも朝ドラらしい子供の喧嘩シーンだなぁなんて思って見ていたが、川に流され始めた糸子を平吉が命がけで助けようとするではないか。
因みにこの平吉が、あの「同窓会」で尾野真千子さんが「出征するシーンでは本気で泣いた」と言っていた平吉の幼少期か。こう言う楽しみ方は再放送ならではだ。
細かな演技指導に応える糸子役の二宮星ちゃんが凄過ぎる!
それにしても、今回は前半で糸子がドレスに興味を持ったことと、後半ではこんな糸子の台詞↓から、糸子の強さが描かれ…
糸子「女やからて なめられたくなかった」
一方で、生意気な娘の頬を力いっぱい引っ叩いた善作のこの台詞↓を受けて…
善作「お前は どうあがいたかて 女なんじゃ」
勘助は「すんません」を繰り返し泣き出すが、糸子は一言も謝らず、父親の絶大な力に慄くようでもあり、歯を食いしばるような思いでもあり、すぐにでも泣きたいような風でもあり。男勝りな少女の微妙な心情を描いて終わった。演技指導の細かさにも感心するが、それ以前に、糸子を演じる二宮星ちゃん、存在感も演技もスゴイな。
あとがき
ホント順調に進むんですね。このテンポ感だと第1週目の内に、糸子と裁縫が結び付いちゃいそうですね。どうやって結び付けるんだろう? 今回に登場した松坂家の十朱幸代さん辺りが、勇から糸子がドレスが好きらしいみたいな情報を得て、女の子らしくなるようにドレスでも贈ってきたら、すんなりと話が繋がるのに…
前回の感想に 67回もの Web拍手と数々のコメントを頂き、ありがとうございます。再放送の感想に、こんなにたくさんの反響があるとは思いませんでした。時間を見つけて、また感想を書きます…
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【これまでの感想】
第1週『あこがれ』
1,2
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