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走れ!でんどう三輪車
齢70にしてブログなるものに挑戦!人生まだまだこれからですよね(^^)//。俳句や詩歌を趣味として又釣り人として、 、、、、、はたまた「でんどう三輪車」として、日々の出来事を綴ります。

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最終の新幹線で

昨夜、最終の新幹線の切符を買うとき「後6分で最終の東京行きが発車です。急いで!」と言われ飛び乗った。
座席に座るとすぐ発車した。豊橋の夜景が後ろに流れていくのを眺めながら母のことばかり思い巡らした。「もっと元気なうちに来てあげればよかったのに・・ブログのコピーを早く送ってあげればよかったのに・・文字が小さいので読みにくいから拡大コピーをしてから・とか・・インクが切れて買わなければ・とか・・忙しさにかこつけて、寒口鳥になって・・明日やろう・明日やろう・・と伸びてしまった。
母は、父と同じように毎日、日記をつけていて、時折俳句や短歌を作って楽しんでいた。
読売新聞洋光台センターでコラムを書いたときも拡大鏡で辞書を片手に見ながら楽しんで読んでくれた。これをブログの「コラムでんどう三輪車」に書いた。この・ 三輪車のひとりごと 5・「汽車の警笛」は、母の実体験なので涙を流して読んでくれた。怠慢から・・残念に思って新幹線の座席に体をうずめながら「汽車の警笛」を思い出していた。  

* 汽車の警笛

「 青木ヶ原の樹海に入って行く人が今年は多い 」 と新聞店のパートのおばさん達が話していた。樹海と言えば風穴洞に一度行った事がある。雪の富士山を背景にした七かまどの赤い実が目に浮かぶ。又このごろは人身事故で電車がよく不通になる。年の暮れは何故か事故が多いと話していた。

 僕が幼少の頃、お爺さんやお母さんは畑仕事を終えて家にいた。父は戦地に行っていなかった。
ある日、僕より幼い子供を連れて婦人が尋ねてきた。我が家の隣の家が親戚なので頼ってきたが疫病神のように追い払われたと言う。「 主人が戦死して生活が出来ない 」 と泣いていた。
「 あいつは冷たいやつだなあ 」 と言いながらお婆さんがお米を袋に入れて渡していた。「 これで子供に白いお米が食べさせられる 」 と礼を言って婦人と子供は帰っていった。「 困ったらいつでも来るように 」 と激励して家族で見送った。日暮れの薄暗い道をとぼとぼと帰っていく母子の後姿が今も忘れられない。 

 その日の夜中になってホーホーホーと汽車の警笛が聞こえてきた。いつもより長いので 「 事故があったな 」と悪い予感がした。
朝になってお爺さんと歩いて駅に行ってみると、案の定・・・母親と子供が心中していた。綺麗に掃除されていたが踏み切りより50メートルるほど名古屋寄りに離れたところの線路に白いお米が散らばっていた。「 あの世に行っても子供にひもじい思いをさせたくないと思ったのだろう 」 とお爺さんはつぶやいていた。悲しくあまりに痛ましい思い出だ。

 これは生きる気力を失った不幸の極限の生命状態で 「 地獄界 」 と言われる。他人事ではなく、誰にでもある生命状態だと言う。誰もが不幸の主人公に成りたくは無いと思う。だが人生、一瞬先は闇。行く先々どんなことがあるか分からない。いずれにしても何かあったとき相談できる人がある人は幸せだ。良い友達を持つことがどんなに大事かと思う。

 調子の良いとき、景気の良いときは人は寄ってくるが、一転して苦境になると冷たいもので離れていく。そのとき初めて人の心は分かる。事があったとき人の心が分かる。

 人生案内に身内との金銭トラブルの相談があった。とかく借金癖のある者は自分の生活のレベルは落とさずに他人の懐を当てにするきらいがある。僕の仕事先の若い店員でパートの人たちにお金を借りまくっていたのがいて、僕にも必ず返すからといって借りにきた。ヘビースモウカーなので「まず煙草を止めたら?」と言うと 「 止められない 」 と言う。パチンコはやるし呑み屋にも出入りしているようだ。ブラックリストに載っているというが、本当に困っているのではない。

 本当に困っていても、きっぱり断ることが本人のためになる。
断らないのなら、とことん地獄の底まで付き合うしかないと思う。その場合どこまで借り方を信用できるかだとも思う。

人生、晴れた日もあれば、雨の日もある。曇りの日も、雪の日も、嵐の日もある。僕はいつも思うのだが1年365日、1日24時間、天文台から発せられる正確な時間は皆平等だ。この天文台の時間と身に感じる時間との相違である。同じ1時間でも病院での待ち時間は長く、デートのときは瞬く間に過ぎる。辛い仕事や嫌な仕事は長い。仕事に打ち込んでいるときは一瞬に過ぎる。どうやら心の豊かさと貧しさに関係がありそうだ。心とは不思議なものだ。お互いに充実した一生を送りたい。

子供の頃に聞いた、あの汽車の警笛が遠く聴こえてくる。  

         (2003)  でんどう三輪車

・・・このコラムを読んだ事を僕に話しながら・「可哀想だったなー」と涙をぽろぽろ流して泣いていた。・・・博がコンピューターのブログというのを作ってくれて、インターネットに詩やエッセーを書くから読んでねと・話すと、それを楽しみにしていた。一番読ませたかった母に お正月には・いや、その前に持って行こう・・・などと自分の怠慢で読んでもらうことが出来ないと思うと・・・残念で仕方が無く涙がにじんできた。

新幹線は涙顔のでんどう三輪車を乗せ瞬く間の速さで新横浜に到着した。

(2005・10・31)


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  1. 2005/10/31(月) 07:55:18|
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母を見舞う

28日、夜に「おばあちゃんが倒れて豊川の市民病院に救急車で運ばれて入院した・・脳の血管が切れて出血したようだ」と電話が入った。
昼間携帯に電話をくれたようだが配達中で僕が気が付か無かった。

29日、朝、新幹線で田舎に帰った。
親友の雄策君が名古屋から来て駅から田舎の家まで送ってくれた。
母は昨日は意識があって医師に「朝食をしに起きると気分が悪くなり倒れた」と自分で話したそうですが、僕の行ったときには眠っていて、3時ごろ目を覚ましたが意識が無いのか目を開けていて「勤だよ」と呼びかけても反応は無かった。
帰る頃になってから呼びかけたとき・・手を握り締め・・かすかに笑みを浮かべたように思えた。
兄に言うと「お前の気のせいだ」と言われ・・そうかナーとも思った。
里の家に帰っても・・いつもは夜遅くまで話をした母がいない部屋で床に入ったが眠れなかった。

30日朝、見舞ったときは眠っていたので、昨日と同じだと思いそっとしておいた。・・従妹が来て「敏美だよ!・おばさん眠っては駄目!・早くよくなって!」と呼びかけると昨日とは打って変わり「ああ・・ああ」と声を出し笑みを浮かべ分かったようだ。
今日は分かるぞ!・・「勤だよ!分かる!」・・耳の遠い母が「ああ・・ああ」と返事をし一生懸命何か話すのだが・・さっぱり分からないので・・「おばあさんの言うことが分からない」というと「ああ・・ああ・・ああ」と
笑っていた。同室の患者さんが同じような症状で今は車椅子に乗れるようになったと家族の人から言われ・・希望が持てるょうになった
(2005・10・31)


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  1. 2005/10/31(月) 02:08:29|
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蟻地獄

 蟻地獄  いのうえ つとむ

蟻地獄?知っていますか
小さな蜘蛛が擂鉢のような巣を作っていて
細かな砂の深い穴の中に
蟻が落ちて来るのを待ち構えている

この恐ろしい擂鉢形の砂の穴に
働き者の蟻さんが
一歩踏み入れようものなら
ずるずると滑り落ちて行く

あせっても あせっても
もがけば もがくほど 
なすすべが無くすべり落ち
奈落の底に落ちてしまう

蟻地獄?知っていますか
少年の頃 縁側の乾いた床下で
蟻が落ちていくのをよく見ていた

不思議な昆虫の世界のドラマを
興味を持って見ていた
それが人間も同じだとは知らないで

あなたが一歩足を踏み込むと
もう どうする事も出来ない
底なし沼のように落ちていくのです

大きな声で助けを呼んでも
関わりたくないと肉親も友達も
手を貸してくれません

そのとき手を貸してくれるのが
あなたの本当の肉親であり親友なのです
だから親友は大事なのですね
  
 (2005・10・28)
(この詩は、りえさんの詩「底なし沼」に寄せて、りえさんに感謝!)



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  1. 2005/10/28(金) 08:09:07|
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オレンジ色の輝き

///////////////////////////////////////////////////
近頃の我々は電燈に麻痺して,
照明の過剰から起こる不便と云うことに対しては
案外無感覚になっているらしい。

まあどう云う具合になるか,
試しに電燈を
消してみることだ。

(谷崎潤一郎『陰影礼讃』より)
///////////////////////////////////////////////////

オレンジ色の輝き いのうえ つとむ

裸電球が部屋の真ん中についていて
ソケットの豆電球をおんぶしていて
細い紐を引っ張ると
カチッと音がして豆電球がついた

部屋にはこの電燈が一つなので
家族が薄いオレンジ色の光を囲んで
一家団欒 みんな一緒にご飯を食べた
麦ご飯と味噌汁と沢庵だけれど美味しかった

同じオレンジ色でも
ナトリウムランプで輝くシカゴの街路灯は
レモンを混ぜたオレンジ色だそうです
街を温かく包んでいることでしょう

けれど僕には豪華な電飾よりも
子供の頃のあの裸電球の
薄暗いオレンジ色の輝きが
一番よく似合うのです

祖父や父が莚やカマスや俵を編んで
おばあさんが漬物を漬け母が縫い物をして
遅くまで夜なべをした
あの裸電球のオレンジ色が好きなのです

僕という一人の人間が輝くとしたら
あの裸電球の薄暗いオレンジ色かも

  (2005・10・27)
(この詩は雨さんのコメントに寄せ感謝して、雨さんに贈る)


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  1. 2005/10/27(木) 04:47:24|
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笑顔が花となって

 コスモス  いのうえ つとむ

コスモスの花が咲いている
赤い花
白い花
ピンクの花
花びらが黄色い花の芯を抱くように
お母さんが子供を抱くように
風に揺られて咲いている

コスモスの花が咲いている
元気な坊やが
花の中を歩いている
歩き始めて
歩くことが
嬉しくて!
嬉しくて!
笑顔を一杯振りまき
コスモスの花の妖精と手をつないで
笑顔が花となって
コスモスの中で咲いている

 (2005・10・26)
 (この詩はtamiさんに贈る)


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  1. 2005/10/26(水) 06:04:57|
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菊の花

  菊の花  いのうえ つとむ


白菊が咲きました
黄色い菊が咲きました
赤い菊も咲きました

「まあ!綺麗だね」と
菊の花園に訪れて
誰もが感嘆の声を上げる

あなたはご存知ですか
菊の生い立ちを
菊の命を

あなたはご存知ですか
菊は挿し木だということを
挿し木で花を咲かせるのです

春 菊の芽を
親株から切り取って
鹿沼土に挿し木をするのです

そして丹精に手入れをして
水をやり肥やしをやり
花を咲かせるのです

あなたは不思議に思いませんか
一度切り離された菊の芽が
根を生やして花を咲かせることを

あなたは不思議に思いませんか
命という事を
菊の命 自分の命

命とは宇宙に遍満するエネルギー
宇宙全体が一つのエネルギーで
強力なエネルギーで

縁によって一つの固体を選び
現象として地球に存在し
活動するのでしょうね

菊を観賞する 私たちも
風にそよぐ菊の花も
命そのものなのです

 (2005・10・25)


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  1. 2005/10/25(火) 19:15:55|
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愛は風のようなもの

  いのうえ つとむ

愛は風のようなもの
形もなければ
見えもしない

愛は風のようなもの
ときには優しく
ときには激しく

愛は風のようなもの
暖かくもあり
冷たくもある

愛は風のようなもの
心地よき微風となり
荒れ狂う暴風となる

愛は風のようなもの
木の葉が揺れるように
水面が波立つように

愛は風のようなもの
僕の愛があなたの心に
あなたの愛が僕の心に

愛は風のようなもの
無形が 有形を動かす
花の香りが漂うように

 (2005・10・25)
(この詩は麻律己さんの詩に寄せて、麻律己さんに贈る)


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  1. 2005/10/25(火) 06:04:55|
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椎の実

  椎の実  いのうえ つとむ

椎の実を
知っていますか
食べられるということを
知っていますか

子供の頃
拾ってきた椎の実を
母さんが焙烙の上で転がし
炒ってくれた

生で食べるとお米のよう
真っ白な実だ
炒って食べると
香ばしい

公園で椎のみ実を拾った
真っ黒な実が
落ち葉の上にコロコロ
落ち葉の下にも一杯眠る

子供たちは
ブランコと滑り台
ママさんたちは
ベンチでおしゃべり

椎の実を独り拾っていると
遠い昔に返っていく
まだ石器時代
鍬も鋤も知らない時代

山で木の実を拾って
命をつなぎ
海で貝を採り
家族を養って来た

遠い遠い昔の時代の
僕の血が騒ぐ・DNA
それは何と楽しい
素朴な生活

あ!テニスボールが
飛んできた
椎の実の上に
コロコロと転がって

 (2005・10・24)

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  1. 2005/10/24(月) 05:45:31|
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10年の歳月

 10年の歳月  いのうえ つとむ

10年の歳月は
・・・考えてみると
一瞬に過ぎたようにも思えるけれど
それは長い道のりですね

10年前の多くの現象は
砂上の楼閣のように崩れ去り
今は無い過去のものとなっていて

初恋の胸のときめきのような
淡い思い出が・・残っていますね
10年といわず
50年過ぎた今でも

少年時代の深い絆は
命の底辺で
地下水のように脈々と
繋がっているのです

彼氏も彼女も
孫の世話をやく年になっていて

(2005・10・23)

(この詩はemさんの詩に寄せて、emさんに贈る)


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  1. 2005/10/23(日) 19:49:18|
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かぼちゃの花

 かぼちゃの花  いのうえ つとむ

五枚の大きな花びら
黄色い花が
真夏の太陽の灼熱の光を
浴びながら

明るく・・・
それは明るく咲いていた

病室の西日を避けるため
屋根まで掛けられた棚を這い上がり
かぼちゃの花が咲いていた
西洋かぼちゃの花が咲いていた

ともすると
暗く悲しい少年の
孤独な心の扉を
かぼちゃの花がこじ開けてくれた

明るく輝いた笑顔で
どんなに励ましてくれたか
秋になっても 冬になっても
僕の心の中で咲いていた

いつまでも・・・ 
いつまでも咲いていた
黄色いかぼちゃの花が
咲いていた

僕が息をしている限り
咲いているよ

(2005・10・23)
(この詩はすみれさんのお写真に寄せて、すみれさんに贈る)


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  1. 2005/10/23(日) 17:35:28|
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銀色の羽

 銀色の羽  いのうえ つとむ

青い空だ
何処までも透き通るような
宇宙の果てまで透き通るような

秋の青い空に
二羽の鳶が戯れて
輪を描いて飛んでいる

殺気も
狂気も
風流も
ダンディズムも
シニカルも
絵心も
マイナー・トランキライザーも
ニヒリズムも
ムンクも,ピカソも,ユトリロも
なんにもいらない。
その小さな銀色の羽がほしい。

あなたは
そう言っていた
そうして現実を超越した
幸せを
小さな銀の羽根を羽ばたかせ
空の
宇宙の
果てしないところに
思いを抱いて
詩っていた

青い空の
二羽の鳶が飛んでいる
もっと上空に
小さな銀色の羽根の二羽の鳥が
楽しそうに飛んでいる

誰の目にも
見えないかも知れないけれど

 (2005・10・23)
(この詩は雨さんの詩に寄せて、雨さんに贈る)


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  1. 2005/10/23(日) 09:22:15|
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空気

 空気   いのうえ つとむ

空気が見えますか
空気を気にしていますか

目には見えないけれど
気にはしていないけれど

一番身近なもの
一番大事なもの

胸の中を 
入ったり 出たり

空気が見えますか
空気を気にしていますか

海や山にいるとき
空気って美味しいなーと思う

胸の中を
入ったり 出たり

愛情も・・空気のよう
目には見えないけれど

 (2005・10・22)
 (この詩は麻律己さんの詩に寄せて、麻律己さんに贈る)


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  1. 2005/10/22(土) 02:39:48|
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初めての道

 初めての道 いのうえ つとむ

この道は 初めての道
まだ来たことの無い道

緑の森の木陰のなかに
青い花が咲いている

ああ この花は知らなかった
けれど昔からの友達のよう

牧場で牛の呼ぶ声がする
僕たちを呼んでいるんだよ

梢で小鳥がさえずっている
僕の知らない歌だけれど

羊の鈴の音と共に
心地よく心に響く

風の吹く山々を見渡すと
雪のアルプスが目線に白く

空に飛行機雲がユウターンして
帰っておいでよと誘っている

(2005・10・21)
(みんつさんとスイスのアルプスを散歩して、みんつさんに贈る)


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  1. 2005/10/21(金) 08:33:10|
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べコニヤの花

 べコニヤの花  いのうえ つとむ

嘘でもいいから 言って欲しいわ
「綺麗だね」と

嘘でもいいから 言って欲しいわ
「好きだよ」と

けれど本当は 
本当のことを言って欲しいの

「綺麗だね」と
「好きだよ」と

べコニヤの花が綺麗に咲いて
・・・言っていた

貴女と同じように

 (2005・10・21)
  この詩は麻律己さんの「嘘」の詩に寄せて
  麻律己さんに贈ります

(霧の富士の帰りに富士国際花園に立ち寄りました。花の天国です。
 ホームページがありましたのでリンクに貼りました。遊んできてね)


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  1. 2005/10/21(金) 05:21:35|
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時間におわれて

  時間に追われて  いのうえ つとむ

人が自然児のときは

自然の時間と共に生きていた

自然から離れ

自然を忘れ

人間社会の歯車が

あわただしく回り始めて

せかせかとした

目に見えないものに追われて

自分を見失ない

どこか不安におびえながら

生きている

生かされている

もう一度

自然に帰ろう

 (2005・10・20)
  (この詩はemさんにおくります)


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  1. 2005/10/20(木) 13:22:12|
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秋の蝶

  秋の蝶  いのうえ つとむ

目を細めて 見てごらん

大きな白い蝶の 命だけが

未練があるのか 秋の花を求めて

さまよい

ひらひら 舞っている

  (2005・10・20)
   (雨さんの写真に寄せて)


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  1. 2005/10/20(木) 07:59:44|
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孤独

 孤独  いのうえ つとむ

生まれて来るときは
・・・独りぼっちだった
そしてこの世をサヨナラするときも
その途中も・・・独りで歩いている

身の周りには妻や子供がいても
忙しく仕事に追われていても
がやがやと街の雑踏の中にいても
突き詰めれば独りぼっち

孤独という事がどんなに寂しいか
孤独という事がどんなに辛いか
孤独という事がどんなに苦痛か
僕は知っている

だから肉親の温かさに癒され
友達の優しさを求め
心の豊かさに触れたいのです
温かい肌に触れたいのです

ときには胸の隙間から
寂しい孤独の風が入ってきても
肉親や友達の愛情が
冷たい風をさえぎってくれるのです

ああ ! 孤独では生きられないのです
    独りでは生きられないのです

(2005・10・19)
この詩は森下あゆみ先生のお話を拝見して、あゆみ先生に贈ります


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  1. 2005/10/19(水) 08:33:52|
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椅子

 椅子 いのうえ つとむ

椅子は静かに待っているよ
貴女が来て座ることを

椅子は静かに待っているよ
貴女が彼と接吻し激しく抱き合うことを

椅子は静かに待っているよ
命を ! 肉体を ! あらん限り燃やすことを

椅子は静かに待っているよ
燃え尽きてぼろぼろになるまで

ああ ! 情熱を燃やせ !
一度だけの人生だ! 完全燃焼せよ!

不完全燃焼で終わる人の何と多いことか
秋風は黙って通り過ぎていったっけれど

椅子は静かに待っている
貴女の温かいぬくもりを!

(2005・10・18)
(この詩は雨さんの写真に寄せて、雨さんに贈る)


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  1. 2005/10/18(火) 21:12:25|
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ハゼランの花

  ハゼランの花  いのうえ つとむ

午後の三時に咲く
短い命の
儚い花だという
三時の貴女
三時の乙女
三時の天使
三時の貴公子
こんなに多くの愛称で
呼ばれているという

小さな線香花火のような
儚い花だから
パチパチと火花が散って
一瞬に消える線香花火のように
儚い花だから
人もまた
1000年の樹を思えば
儚い命
儚い花だから

綺麗な花というだけではなく
短い命なので
いとおしく思うのです
人は誰れもが
強いものに憧れるけれど
弱いもの儚い命のものにも
心を注ぐのですね
情を注ぐのですね

ハゼランの花は情の花
優しい心の花

  (200・5・10・18)
(この詩は あおぞらさんの短歌によせて、あおぞらさんに贈る)

ハゼランの花は、リンクの「あおぞらさん」を開いてください。写真があります。花と短歌が拝見できます。


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  1. 2005/10/18(火) 17:14:04|
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虹に階段はいらないよ

  虹に階段はいらないよ  Y・ みか

ねえ父さん 私はごめんねって言わないよ
父さんのごめんねもいらない
そんな事 考えて欲しくもない

ねえ父さん
私の想いを感じて

母さんを愛している父さんが好き
兄さん姉さんを想っている父さん
友達と心を通わせている父さん
そうやって無邪気に笑う 笑顔の父さんが大好き

今ある幸せたちを もっともっと膨らませて
今を これからを 沢山 沢山 沢山 笑って

それだけでいいの
それだけがいいの

ねえ 父さん
虹に階段はいらないよ

私と過ごした楽しい時間を
時々思い出しちゃう事だけは許してあげる

ねえ父さん
私の願いを受け止めて

今ある幸せたちを もっともっと膨らませて
今を これからを 沢山 沢山 沢山 笑って

嬉しい楽しい詩を奏でる父さんを 空の上から見ているよ

(2005/06/04)
この詩は親友・詩人の,みかさんからコメントとして、いただいた詩です。でんどう三輪車にとって思い出の深い記念の詩であります。
この「返歌」を見られ作家の水島美也子先生が虹の詩を掘り出してくださり、多くの皆様とネットでのお友達になれました。ひとえに、この詩があればこそと・よしださん、水島さんに心から感謝しております。(墓前に供えて)


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  1. 2005/10/17(月) 17:28:45|
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もしも虹に階段が付いていたら  (再び)

   虹   いのうえ つとむ

もしも虹に階段が付いていたら
再び会えるでしょうね

もしも虹に階段が付いていたら
「父さんごめんね」と言って来るかい

もしも虹に階段が付いていたら
「母さんごめんね」と言って来るかい

もしも虹に階段が付いていたら
「ごめんよ」と僕も言うよ

もしも虹に階段が付いていたら
一緒にコーヒー飲もうよ

もしも虹に階段が付いていたら
レストランでお食事しようね

もしも虹に階段が付いていたら
一緒に旅に行こうか

もしも虹に階段が付いていたら
スイスが良いかい それとも フランスにしようか

もしも虹に階段が付いていたら
兄さんも 姉ちゃんも一緒が良いね

もしも虹に階段が付いていたら
お友達も一緒に連れて行こうか

ああ・ そうしよう そうしよう
みんな 一緒が良いね

もしも虹に階段が付いていたら
もしも虹に階段がついていたら

(2005/6/2)
(これは以前発表したものです。娘のいる「霧の富士」に行って来て、 墓前に供え、再度発表いたします。)


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  1. 2005/10/17(月) 14:30:27|
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雨に

  雨に  いのうえ つとむ

文字が連なり
一行の言葉になって
二行の言葉になって
三行の言葉になって
四行の言葉になって
命が吹き込まれ詩となる

それは軽快な飴色の
バヨリンの音のようにように
ときには激しく
ときにはささやくように

それは重厚な大河のような
チェロの音色のように
ときには静かに
ときには荒々しく吠える

その 一本一本の弦の狭間に
見えない音調があり
聴こえない音色がある
僕は不思議な奥の深さに魅了され

あの青空の雲が
変幻自在に
変化するように
その音色は宇宙に広がる

ひとたび雲が重なり
大粒の雨が降り
頬をぬらし涙を誘うと
とめどなく涙が流れるのだ

 (2005・10・7)
 (この詩は雨さんに贈る)


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  1. 2005/10/17(月) 08:19:02|
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  心  いのうえ つとむ

心って見えないね
不思議だね
愛する人の心も
言葉や 動作から
その人の心を判断して
あれやこれやと
思い巡らす

心って不思議
だって自分の心も
見えないものね
心って
何処にあるのだろう
胸が痛むから
胸の奥かも

 (200・5・10・16)
(麻律己さんの「心」の詩に寄せて)


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  1. 2005/10/17(月) 00:50:27|
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霧の中の富士

  霧の中の富士 いのうえ つとむ

霧の中に隠れて富士山は何も見えない
晴れた日には 紅葉の枝の上にも
真っ白な頂の 富士の雄姿が
秋の空を占領していたが
今日は小雨交じりの
深い濃霧のなかで
富士山は見えず
線香の煙が
緩やかに
香りだけ
ただよわせ
小雨交じりの
濃霧の中に消えて
僕が知ることの出来ない
遠い遠い空の扉のむこうまで
・・・・・・・・・・・・・・・消えていった
霧の中の富士山の遥か彼方の空へ




  (2005・10・16)
   (富士桜自然墓地公園にて)


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  1. 2005/10/16(日) 23:09:03|
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草紅葉のなかに

 草紅葉のなかに いのうえ つとむ

白い雲が漂う青空に
広い湿原の遥か彼方に
草紅葉が紅葉して
溶け込んで見える

湿原の二本の木道が
何処までも 何処までも
たんたんと 起伏も無く
草紅葉の中に続いて見える

ときには積雪の重みに耐え
ときには日照りにあえぎ
ときには嵐の風雨に打たれて
しかも何もなかったように

あたかも老夫婦の人生の
軌跡のような・・・
二本の木道が
紅葉の草紅葉の中に見える

 (2005・10・16)

(よしたかさんの写真に寄せて・よしたかさんに贈る)
リンクのなかの「栗林一枝」を開けて写真をクリックしてください
「八幡平秋風吹く」をどうぞ



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  1. 2005/10/16(日) 22:10:27|
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泡立ち草

  泡立ち草  いのうえ つとむ

泡立ち草は どんよりとした
秋の日差しの中で咲くのがよく似合う

黄色い花が群がって咲くと
洗濯の水が泡立っているように見え

泡立ち草は 外来種の草
生命力が強く日本在来の草を追い出し

泡立ち草は 街の空き地を占領し
それでもまだ足りないというのか

団地の土手のコンクリートの隙間にも
命を燃やし咲いている

泡立ち草の黄色い花の中から
雀が飛び立ち

それは それは 小さな命の隠れ場所
泡立ち草は雀たちの隠れ場所

僕も時には欲しいと思う隠れ場所

 (2005・10・15)


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  1. 2005/10/15(土) 14:08:54|
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金木犀

 金木犀  いのうえ つとむ

金木犀が秋風に吹かれて
この黒い土を
金粉を撒いたように
化粧しています
その香りは風に乗って
遠くまで・・・

井戸端で金木犀が咲き匂う
ふるさとを思い出します

やがて木枯らしの季節になると
太陽の温もりを求めて
手をかざすように
山茶花が咲きみだれ
地面を飾ります

あたかも
和服姿の乙女の集いのように
地面を飾ります

春には桜
夏にはバラ
秋には金木犀
冬には山茶花

何処のどなたか知りませんが
黒い地面を化粧され
吹く風に頬がこわばってくると
コートの襟を立てるようになり
真っ白な雪が降ります

あたりいちめん銀世界


 (2005・10・13)


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  1. 2005/10/13(木) 04:57:43|
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無駄は潤滑油

  無駄は潤滑油   いのうえ つとむ

無駄があって良いと思うよ。

時間の無駄・お金の無駄・モノの無駄

僕は無駄を・いっぱいしてきた

いっぱい・いっぱいしてきた

その無駄も・・・時がたち・月日がたてば

今 活きるている

もし無駄の無い生活をしていたら

僕はきっとノイローゼー

無駄は潤滑油

心の潤滑油

 (2005・10・12)


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  1. 2005/10/12(水) 07:06:05|
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子供は強くなる

  子供は強くなる   いのうえ つとむ

お母さんがいつも 
ほんわか ほんわか
お人よしでいたら 

世の中みんなそうだと思う

時には怒り
時にはとげとっげしく
時には泣くことも

世の中甘くはないぞ

知らないうちに
社会を知っていくのですね
だから子供は強くなる

  2005・10・11)
(この詩は、りえさんに差し上げます)


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  1. 2005/10/11(火) 22:48:34|
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コウホネの花

  コウホネの花  いのうえ つとむ

蓮の花はあでやかに
蓮の花は厳かに
天を仰いで咲いている

蓮の花の影に隠れて
ひそかに隠れて
コウホネは池の片隅

その控えめな花の性
梅干ほどの蕾は固く
蕾の色は薄緑

ぎんぎら ぎんぎら
真夏の日をいっぱい浴びて
かたくなな蕾を開き

黄色い花が晴れ晴れと
ぽつり ぽつりと
咲いている

花の中をよく見れば
花の中には菊模様
花の中には菊模様

(2005・10・11)
蓮池の蓮の花に見とれてコウホネの花を見落としていました。改めてランタナさんのカメラにより黄色い美しい花を見直しました。開かれた花の中に菊の花が咲いているように見えます。ランタナさんに贈る


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  1. 2005/10/11(火) 12:37:37|
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