自転車少年記―あの風の中へ

自転車少年記―あの風の中へ (新潮文庫) 文庫 – 2006/10/30
竹内 真 (著)


自分の力だけで
どこまでもいける自転車って良いな


とにかく漕いで頭空っぽにして
気が付けば結構な距離を走れる


少年がこころの片隅に残っていて
いつかまたバカやりたいな
という気持ちに火をつける


なのにせっかくの火を
なんで馬鹿にされると
自分から消してきたんだ?


これまで何度となく
気持ちに火が付きかけてきたような気もする


何を恥ずかしがってる
何を遠慮することがある
勇気が足りない?


もったいないよ私の人生


だから
最近はなるべく断らないようにする


人の誘いも自分の欲望も
そこに輝ける可能性を感じたら
断る心にブレーキかけて
始めて見ることにしたんだ


ダメと言われるかなって思っていたら
一緒にやろうとなることもわかった


人が楽しいことは
私も楽しいかもしれない
私が楽しいことは
人も楽しいかもしれない


若い時も今もこれからも
自分の力を試したい

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2017-01-14 at 08:54:29

   

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読書日記

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走るジイサン

走るジイサン (集英社文庫) 文庫 – 2003/1
池永 陽 (著)


悪いことしているとき
後ろめたいとき
自信のないとき


誰かに見られているような
奇妙な感覚にとらわれることがある


そのうち私にも
見えるようになるのだろうか


謎の視線の正体が


自分の行動が正しいか
いちいち考えない


でもある程度の年月を生きていれば
何となくどれが正解かは
体が理解するのかな


頭は雑念でいっぱいだとしても
本当はうっすら知っていて
見ないようにしている


年老いて人生に遠慮し
遠慮しつつそれでも恋をする


それがたとえはかない恋だとしても
実らない恋だとしても
はたからみておかしな恋でも


生きる活力を与える


老いも若いも関係ない
気恥ずかしい恋心と格闘し
恋の対象と対決する


逃げないで向き合えば
誠実に向き合えば
謎の視線も気にならなくなるのかな


年老いた自分が
もしも淡い恋心を抱いた時
きちんと折り合いつけられるかな


遠慮しないで
行動できるかな



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人間そっくり

人間そっくり (新潮文庫) 文庫 – 1976/5/4
安部 公房 (著)


自分は常識人で
わざと作り出した非常識な世界観に
真っ向から挑みかかってくる


自分で作り上げておきながら
当の自分は信じていない世界の話を
相手は真剣に語りかけてくる


さてどこまで本気なのか
何を恐れているのか
常識はどこにあるのか


どこからピントがずれているのか
そもそも自分は正常なのか
結局自分は何を知っているというのか


さてと


これは未知との遭遇か
悪い夢か
はたまた無知の知か


とにかく私は試される
置いてきぼりを食わぬよう
必死で食い下がる


安部マジックに振り回される
いや焦らされる


もうね
火星人でも良いかもって思い始めるわけ
人間じゃないんだきっと


結局うまく説明する手段なんてないのよ
私が私であるというのは
誰が決めたことなのか


現実はもろく
信じてきた世界は
やがて少しずつゆがみはじめる


もう私なんて信じない
もう世界なんて信じない
自分の知っている部分がすべてではない


それはものすごく不思議で魅力あるとともに
おぞましい世界かもしれない
まあ確かめようもない話だ



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古書店主

古書店主 (ハヤカワ文庫NV) 文庫 – 2013/12/19
マーク・プライヤー (著), 澁谷 正子 (翻訳)


セーヌ川に露天商が
古本売ったり絵葉書売ったり
ブキニストって言うんだって


組合があって
許可も必要で
新規参入まで8年待ちとは…


ブキニストが集める古本には
著名人の初期の本とかサイン入りの本とか
マニアが泣いて喜ぶお宝があるらしい


そんなブキニストと本を通じたお友達
っていうのはちょっとうらやましい


別に本の歴史的価値とかさっぱりな私には
まったくもって無意味な友かもしれないが


でそんな男が目の前で誘拐される
何という設定をするのだ
この作者は


ただ者ではないブキニストの正体や
背後の本当の犯罪や
胡散臭い昔の仲間や


いい具合にこんがらがってきて
面白くなってきた


それにしても
ブキニストが友というのはうらやましい
でもやっぱりちょっとリスキーか?



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サニーサイドエッグ

サニーサイドエッグ (創元推理文庫) 文庫 – 2010/5/22
荻原 浩 (著)


ハードボイルドな生き方。
一度はあこがれる男の生き方?
もちろん女が実践しても良いのだが
現実には貫き通すにはハードルがものすごく高い。


そもそも義とか腕っぷしとか感情をしまうとか背中とか
女はそれほど興味ないようだし。
何はともあれあこがれのハードボイルドを
実践してみるとどうなるか・・・
というのがこの作品なのかなあ。


かっこつけてこらえてヒーロー目指すも
腕っぷしが付いていかず色気も足りず滑りまくりで
いちいち心理描写がくどすぎるザ不器用な男。


自分大好きでどんどん妄想に拍車がかかり、
あまりに自分に言い訳がましいいじらしさと、
ほんの紙一重の馬鹿が付くほどお人好しと、
それを支えるフィリップ・マーロウの名言。


でも弱音ははかない。


いやはきそうになる。
この等身大で我々と一見同じ目線にいる男は、
結局自分で弱音を消化する。


自分の目の前の現実から
目をそらしつつも逃げず立ち向かい
気が付けばかなり滑稽に泥まみれ
ほこりまみれのクモの巣まみれの・・・
かっこよさ。


それがたとえペット探しのエキスパート
としての能力開花だとしても、
なりふり構わず突き進む姿は、
まさにあこがれのハードボイルド。



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ロング・ロング・アゴー

ロング・ロング・アゴー (新潮文庫) 文庫 – 2012/6/27
重松 清 (著)


友達ってなんだ


子供の付き合いって
ピュアなのか
それとも親が選ぶのか
いや、やっぱ自分で選んでんだな


友達


親の都合とか
クラスの勢力図とか
自分の好き嫌いとか
全部ひっくるめて
自分で選んでんだ


友達


広く浅く濃く深く適当に真剣に何となく無作為に
でも
自分で選んでんだ


大切かそうじゃないか
男か女か親友か知り合いか
わかんないけど友達選んでんだ
それは自分で選んでんだ


とにかくそういうことだ



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友達・棒になった男

友達・棒になった男 (新潮文庫) 文庫 – 1987/8/28
安部 公房 (著)


図々しくて
人の話聞かなくて
なぜか自分が悪者になってしまって
頼むから
何でもするから
勘弁してください


良くあるそういうの
見事な話の展開


鋭い観察眼から
面白おかしく
ごく自然に
かなりおかしな状況を作り出す


安部公房恐るべし


読み始めて
あっという間に
舞台に引きずり込まれる


後戻りできない
人世もおんなじか


自分の力でどうにも
コントロールできない
少しは抗いたい


勝負はいかに鼻づらを引きずり回すか


それは強い自分を
どれだけ世に示せるか
試されているかのようだ


ああとにかく鼻づらを
これでもかというくらい
引きずり回すんだ


ところで犬もそうやって調教する
右に行こうとすれば左に
餌を食べたいのを待て
とにかく
ご主人の言うことを聞かないと
餌にありつけない
やがて従順な犬になり下がる


そう鼻づらを引きずり回すとは
こういうことだ


主人となるか
犬となるか


勝負はいかに鼻づらを引きずり回すか


普通の棒にはなりたくない
棒じゃない
別な何かになりたい




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八日目の蝉

八日目の蝉 (中公文庫) 文庫 – 2011/1/22
角田 光代 (著)


男らしさと女らしさとを求められ
人間らしさを見失う


母親らしさと父親らしさと
子供らしさと大人らしさと


マスカレイド


欲望の先にある根源的な欲求は
なんだっけ?


自分の存在意義を考える


ここにいて良いのか?
私で良いのか?
私じゃなきゃダメか?


私でなくても良いかも


子供を育てる喜び
自分が突っ走る喜び
一緒に楽しむ喜び


好きな人嫌いな人
頑張ること投げること
逃げること


手放すこと
つかむこと
契約ってなんだ


男は妊娠しない
女は妊娠する


子供を育てていく覚悟が違う
女は人生のリスクが大きい


妊娠しない女は女ではなくなる
女は人生のリスクが大きい


自立する女に世間は冷たい
女は人生のリスクが大きい


男はリスクが小さい?
だからくずばっかり


寝ることが
快楽の追求だろうと
愛情の追求だろうと
子孫繁栄だろうと
惰性だろうと


女は妊娠する


子育ては
もれなくついてくる


本来の目的


妊娠すると
もれなく母性が目覚めるのか


母性のない女
母性はあるが子を奪われた女
どこか他人事な男


子供は親を選べない


生まれてしまえば
後は自分の人生を
自分の責任において突っ走る


不幸を親のせいにしても始まらない
親なんてちっぽけな人間に過ぎない
子供なんて勝手に育てばよい


母性のない女
母性はあるが子を奪われた女
どこか他人事な男


生命の営みを思えば
親は子の人生の一部
子は親の人生の一部


全部じゃない
子はやがて巣立っていく


親は子を許し
子は親を許す
男も女も関係ない


でも女は妊娠する
女は母になる
そこから逃げられない


女は母という立場を
奪われることもある


女の人生はリスクが大きい


さて何の話だったか






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グラスホッパー

グラスホッパー (角川文庫) 文庫 – 2007/6/23
伊坂 幸太郎 (著)


劇団にまんまとやられる
主人公は必死だ


結局最後は家族


家族の無事
いや子供の将来
子供にかける想いは無限だ


自分の未熟さを棚に上げ
自分の達成できなかったものを
子供に期待して


だから自分が犠牲になっても
たとえ他人の子供でも
必死に守るんだ


バッタは集まると狂暴になる
根こそぎ草をはみ
後には何も残らない


集まったバッタは集団で移動する
その数はなんと数十億匹
ぶつかり合い
どんどん死ぬ


生き残りをかけ
黒く大きくなり
狂暴になる


集団に耐え切れず
移動に耐え切れず
飢えに耐え切れず


どんどん死ぬ


バッタは卵を産みまくる
何も残っていない大地に
幼虫がはびこる


丸裸になって
バッタが移動したそのあとも
幼虫がしつこく大地を荒らす


再生はいつになるのか


バッタだって将来を託す
子供って大切なんだ





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山猫の夏

山猫の夏 (小学館文庫) 文庫 – 2014/8/5
船戸 与一 (著)


鼻づらを振り回す
とことん振り回す


先に何があるかを語らないのに
圧倒的な実力が反論を許さない


威張り散らした勘違いな者にも
堕落し流れに乗っかっているだけの
自分を見失った人々にも


何の容赦もない
ヒーロー山猫
殺しも脅しも何でもする


人間は誰もかれも
同じ人間であり
優劣などない


必死で生きるものには
手を差し伸べ
害になるものを
とことん懲らしめる


悪人はもちろん
悪人に手を貸すものも
見て見ぬ振りするものも
人をあてにしかしないものも


語り手である主人公は
このままではだめだとは思っていても
自分ではことを起こせない中途半端な感じが


しだいに影響され
すっかり変わっていく


気が付けば私自身も
随分とたくましくなったように
錯覚する


750ページもある
長編の冒険が
みるみる読破されていく快感


読み終わるのがもったいない
圧倒的な面白さ


生き延びろ
生きていさえすれば
こんなに素晴らしい小説にも出会える




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