2025-09-09

漫画「ささやくように恋を唄う」はこれから始まる作品

「ささ恋」は終わった作品ではなく、これから作品

漫画雑誌コミック百合姫」で好評連載中の『ささやくように恋を唄う』(以下、ささ恋)は、累計発行部数が100万部を超える人気百合漫画です。百合というジャンルは読む人が限られる傾向があるにもかかわらず、ここまで多くの読者に支持されていることは、作品のものの持つ力強さの証明と言えるでしょう。私自身も毎号楽しみにしている読者の一人であり、登場人物たちの繊細な感情表現や心温まる関係性に癒され、勇気づけられています

メディアミックスの歩みと不運

2024年にはアニメ化舞台化という大きな展開がありました。しかしその結果は必ずしも順風満帆ではありませんでした。アニメ版放送から作画演出不安定さが指摘され、熱心なファンから賛否が分かれる内容に。さらに追い打ちをかけるように、Blu-ray/DVD発売中止が発表されました。一方の舞台版は観客から評価を得ましたが、こちらも円盤化中止となり、「幻の舞台」と呼ばれる事態に陥っています

その結果、アニオタWikiのページでは「メディアミックスに恵まれない」という不名誉タグまで付けられてしまいました。作品を愛する一読者として、この状況はとても悔しく、やるせない思いが残りますしかし私は決して「ささ恋は終わった」とは思いません。むしろ「これから作品」だと信じています

○「これから」に繋がる理由

その理由は明確です。アニメ化が終わった作品の多くは、時間の経過とともに原作人気も落ち着きますしかし、アニメがどれほど賛否を呼んでも、それでも原作人気が衰えない作品は、必ず次のチャンスを掴んでいます

過去の事例を見ても、この流れは一貫しています

Kanon』(東映版→京アニ版):短縮された旧作を、原作に忠実で丁寧な新作が「決定版」として評価された。

Fate/stay night』(DEEN版→ufotable版):作画強化+別ルート映像化でファン層を拡大。

フルーツバスケット』(2001年版→2019年版):完結原作を忠実に最後まで描き切り、新旧ファンを結びつけた。

ジョジョの奇妙な冒険』(OVA2012年以降のTV版):原作ファン待望の「全編アニメ化」が実現。

ドラえもん』(日テレ版→大山版→わさドラ):時代に合わせた刷新成功させ、国民アニメとして根付いた。

最近では『チェンソーマン』も、原作尊重した総集編が制作され、かつてアニメを嫌っていた原作ファンから評価を得ることができました。これらの事例すべてに共通しているのは「原作人気が途切れなかった」という一点です。

円盤中止後も続く公式施策

「ささ恋」がまさにこの流れに重なり得るのは、円盤中止後も公式施策継続している点です。

2025年春 新作ボイスコミック

2025年春:アトレ秋葉原との大型コラボ

2025年初夏:アニメ版グッズ再販(Animo連携

2025年夏:大阪秋葉原岡山での大規模広告展開、新刊11プロモーション

FAN+Life Vカード解禁、アニメイト全国フェア、百合姫誌面でのセンターカラー掲載

さら百合20周年記念企画では叡山電鉄コラボ第一弾に選出

これらはいずれも「円盤中止後」に実施・告知されたものです。つまりIPは依然として稼働しており、需要も確かに存在しているのです。この事実は「まだ見捨てられていない」という証拠であり、再アニメ化の芽が消えていないことを示しています

舞台版の可能

舞台についても状況は同様です。円盤化中止は残念でしたが、返金処理が終わった今こそ再演や配信化への準備が整ったとも考えられます。実際、出演者の一人が舞台映像の一部をSNS投稿しており、https://x.com/ishii_momoka17/status/1949036565914902672

これは権利関係が完全に封じられていないことの証左です。ファンの声が積み重なれば、再演や正規配信が実現する余地は十分にあるでしょう。

ファンにできること

ここで大切なのは、我々ファンの行動です。

1. ファンレターを送る
 一通の手紙でも編集部に「人気が続いている」という事実を伝えられます。過剰に送る必要はなく、定期的に心を込めて送ることが効果的です。

2. 原作漫画寄付する
 新しい読者を増やす手段として、病院喫茶店児童施設図書館などへの寄贈はとても有効です。私自身もすでに実践しています

3. 公式情報拡散する
 新刊やグッズの情報SNSで広めれば、売上や再入荷につながり、公式追い風になります

4. 二次創作同人活動
 イラスト漫画だけでなく、ファンエッセイも立派な活動です。コミュニティ活性化させることができます

○終わりに

「ささ恋」はまだ終わっていません。むしろ、ここから再び評価を取り戻す余地が十分に残されている作品です。過去成功例が示すように、諦めずに原作を支え続ければ、新しい未来は必ず訪れます

竹嶋えく先生、そして全てのささ恋ファンが再び笑顔になれるように――私はこれからも『ささやくように恋を唄う』を心から応援し続けます

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