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2007年9月18日 (火)

ピッパを探して

 たまにはほっつき歩かないと精神衛生上宜しくないということで、月曜日出かけてみました。それも一人で足の向くまま気の向くまま。

 風は強かったのですが見上げれば空は青く、日差しはキラキラ輝いて「神、そらに知ろしめす」様な感じ。こんな日はこの詩を口ずさんで罪人を改心させたピッパのごときものに遭遇できるかもしれないと思えました。別に私はこのブラウニングの劇詩「ピッパが通る」(Pippa Passes)に出てくる愛人と謀って夫を殺した女ではございませんが。おまけに仏教徒なんですが^_^;
でも途中でコーヒーを仕入れたお店で、女の子の店員さんから大変親切にしてもらい、ピッパとの遭遇にますます確信を強めたのでありました。
朝の9時から30度、親切にされたその日は敬老の日。いいえ、小さな事は気にしませんの。今日は与えられた一日なのです(無理矢理)。

 という事でいざ「別所・北向観音」へ(おいっ!)

 地図を見て立てた予定によれば、鹿教湯温泉から別所温泉へ抜ける道を通るはずでしたが、道路案内にしたがって走っていたら平井寺有料トンネルを通る羽目になってしまいました。地図で見ると結構大回りに見えるのですが・・・ぶつぶつ。

 トンネルを抜けて、思いっきり普通の細い生活道路を走り、別所温泉に向かって左折したとたん、左側に思いもかけない看板を発見したのでした。
「無言館」
行きたいと思っていたのに一度も行ったことがなかったのです。ここにあるなんて知らなかったわ。

 という事で、即寄り道決定です。

 戦死した画学生の作品群。絵を描くために生まれた様な人々です。絵を描きたかった人々です。
説明や、手紙などの遺品もあって、どうしてもそちらの方に目が行ってしまいましたが、最後にもう一度展示されている作品だけ、見て回りました。それが作者に対する礼儀だと思ったもので。

 フィリピンで戦死された方が多かったです。フィリピンだけではありませんが、踏ん張ってもらったお陰で軍の本土決戦論者を押さえ込む時間が出来、本土決戦に到らずに終戦を迎え、結果、今私は生きているのだと思いました。
見終わって外にでてから思わず地を見て、それから空を見上げました。

 空は青かった。

Mugonnkannsup

 その後、この「無言館」の兄施設とも言うべき「信濃デッサン館」に立ち寄るべく移動したところ、デッサン館は古刹「前山寺」境内にある事が判明いたしました。知りませんでした。前山寺は存じてます、昔から。なにせここはとても美味しい「くるみおはぎ」が食べられるお寺として有名なのです。ここにあったのね、「くるみおはぎ」♪

 くるみおはぎに心を踊らせつつお参り開始です。山の中腹とはいえとてつもなく暑かったのですが、気合いを入れてお参りさせて頂きました、不動堂はね。

で、ご本堂。

 実は、ご本尊がどなたさんか識別できませんでした。ご本尊が見えて、でもどこにも書いてないというのが一番困るパターンでして・・・^_^;
お釈迦さんでは無いわよね~。阿弥陀さんでもなくて~、あしゅくさんでもないし~、と色々気もそぞろなお参りとなってしまったかもしれません。
そんな代償を払いつつ、なんとお参りした後に、それが「大日如来」であった事が判明致しました。何でしょう、この如来系の微妙な外れ方。くるみおはぎへの煩悩が障りとなったのでありましょうか。あり得ます。だって、寺務所の窓、くるみおはぎのご案内が貼られた隣にあったんですから、「ご本尊 大日如来」って。最初に見たときはくるみおはぎしか目に入ってなかったみたいです、わたしσ(^◇^;)

 この日、暑くもありましたし、ここでくるみおはぎを頂いてそのまま打ち止めにして帰れば完璧だった気もしたのですが、何となく、ご本尊を無視してお参りした後で頂くのは気が引けまして、くるみおはぎはまた今度という事にあいなりました。


 私はくるみおはぎへの未練を断ち切って、寺を後にいたしました。別所の温泉街で美味しい物を食べなきゃいけないし~、という声は、勿論空耳です。おはぎは電話での予約が必要かも、という懸念もイノセントに考慮に入っていなかった、という事で。

 時は12時20分前。照りつける太陽の中、別所に向かって出発です。

 しかし、この後思わぬ展開が私を待ち受けていたのでした。次回に続く・・


 補足
「無言館」はご存じの方も多いでしょうが、太平洋戦争で戦死した画学生達の作品を展示しています。その作品は餓死者一千万人説が流れた戦後の混乱期も含めて、長い間ご遺族の方々(ご遺族のいなかった方の作品も2点あり)が持ちこたえたものをご提供いただいたのだそうで、作品には戦死した日付と場所や、戦地からの便り、遺族から伺ったエピソードなどが添えられています。

 もっと補足になりますが、フィリピン戦での指揮官であった富永中将について、ご存じない方はこちらをご参照下さい(Wikipediaへのリンク)。

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コメント

「ピッパを探して」どうなるのかなと思って・・・文章が絶妙です。
「思わぬ展開」を楽しみにしています。暴走するのでしょうか(失礼)。めまいとかではないですよね(楽しみどころではなくなってしまうので)。

はるぴょん様


 ある意味暴走してしまいました(笑)。
こんなに何も気を使わない外出は記憶に無いくらい久しぶりでした。
これでもう少し涼しかったら言うこと無かったんですけど。この日上田方面は33度だったそうです^_^;

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