京王電鉄と京王電鉄バスは、米アマゾン・ドット・コムのスマートスピーカーAmazon Echo向けアプリケーションであるAlexaスキルとして、「京王スキル」と「ハイウェイバススキル」の二つを提供している。
運行情報の提供だけでなく予約機能も実装
このうち京王スキルは、鉄道の運行情報を音声で読み上げる機能などを持つ。JR東日本や東京急行電鉄、日本航空(JAL)なども同様のスキルを提供している。
特筆すべきはハイウェイバススキルのほうだ。ユーザーはEchoに話し掛けることで、バスの座席予約ができる。予約機能を備える日本語対応のAlexaスキル(Echo向けアプリケーション)は、現状ではほとんど存在しない。先駆けといえる存在だ。
Alexaスキルの開発を主導したのは、京王電鉄 経営統括本部IT管理部長の虻川勝彦氏だ。虻川氏は2017年6月まで子会社である京王電鉄バスに出向し、同社の情報システム全般の刷新を手がけた。
多くのシステムをパブリッククラウドサービスへと移行する過程で、米Amazon Web Services(AWS)との付き合いが増えた。2017年春ごろ、アマゾンジャパンから「京王グループでAlexaスキルを提供しないか」との打診があったという。
「2016年から興味を持って研究していたので、ぜひやりたいと即答した。早く始めてノウハウを蓄積したいという狙いがあった」(虻川氏)。京王グループは鉄道・バスや小売業など、幅広い年齢層を顧客とする事業を展開している。高齢者など、PCやスマートフォンでは到達しにくい顧客と接点を持つため、スマートスピーカーに期待しているという。
Alexaスキルにどんな機能を盛り込むか。運行情報の提供とともに候補として挙がったのが、高速バスの座席予約(バス予約)だった。