この連載では、2015年12月に始まったストレスチェック制度に関連して、NPO法人ITスキル研究フォーラム(iSRF)がITエンジニアを対象に実施したストレスに関する実態調査の結果を紹介している。前回(ストレスに弱いITエンジニア、ベテランほど感情が不安定に)は高ストレスになる個人的要因として、ストレス耐性に関する調査結果を説明した。
今回は高ストレスになる個人的要因の二つ目として、パーソナリティ(個人の性格)を取り上げる。
交流分析とEQの指標値で判断
ストレスがあると感じるかどうかは個人の性格により異なる。こうした実感をお持ちの方は多いだろう。実際、ストレス要因がストレス反応を引き起こしやすい人もいれば、それほどではない人もいる。一般的にストレスに弱い性格、強い性格などという。
iSRFは個人の性格に関する傾向・思考を把握するために、パーソナリティ診断と呼ぶ方法を使っている。心理療法の分野で用いられる「交流分析」と、心の知能指数と呼ばれている「EQ」を基に、筑波大学臨床心理学教授の小川俊樹氏の監修のもと、独自の工夫を加えたものだ。
パーソナリティ診断では、70問の設問に選択式で解答した結果を点数化し、指標値に変換して、個別タイプや管理者適性を判断する。指標群を表1、表2に示す。