アールエスコンポーネンツは2014年7月11日、人気のPCボード「Raspberry Pi」の組み込み向け小型製品「Raspberry Piコンピュートモジュール開発キット」を発売した。Raspberry Piコンピュートモジュールは、ノートPC用メモリーと同じ形状の基板で、サイズは67.6×30mmと小さい(写真1)。基板の面積は通常のRaspberry Piの4割程度だ。商用の組み込み製品として使われることを目指している。
今回発売したキットは、Raspberry Piコンピュートモジュールと、それを差して利用する拡張ボード「コンピュートモジュールIO Development Board」のセットになっている。Raspberry PiコンピュートモジュールはDDR2 SODIMM型メモリーと同じコネクタを持つ。それを差せる拡張ボードは、USBやディスプレイをつなぐHDMIのポート、電子部品をつなげられるピンヘッダーなどを持ち、コンピュートモジュールを組み込んだ基板などの開発をすぐに始められるようになっている(写真2)。コンピュートモジュールも拡張ボードもオープンソースハードウエアとして回路図などが公開されている。
Raspberry Piコンピュートモジュールは、通常のRaspberry Pi(モデルB)と基本的に同じ機能を持っている。同じCPU(SoC)を搭載し、メモリーサイズも同じで512Mバイト。組み込み用SDカード(eMMC)のストレージとして4Gバイトを搭載する。Raspberry Piの推奨Linuxディストリビューション「Raspbian」などがそのまま動作する。
価格は2万1500円(税抜き)。まずはアールエスコンポーネンツの法人向けの通販サイトで販売する。ただし同サイトでは現在「一時的な在庫切れ」になっており、日本にはまだ商品が届いていない状態。発注したユーザーに対して商品が到着次第、出荷する。他のパーツショップなどでも今後販売される見込みである。
Raspberry Piの出荷台数は2014年6月末時点で300万台を突破。日本でも約10万台が販売されている。